コアパーキングを無効にするとゲームは速くなる?Windows 11での確認・変更手順と2CCDのX3Dで逆効果になる理由
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Windows 11での確認・変更手順と、2CCDのX3Dで逆効果になる理由
出典:Microsoft Learn「Power and performance tuning」、Microsoft Learn「CPMinCores」、Microsoft Learn「Static configuration options for heterogeneous power scheduling」、Tom’s Hardware「AMD Ryzen 9 7950X3D Review」、Tom’s Hardware「AMD Ryzen 9 9950X3D Review」、Hardware Busters「AMD Ryzen 9 7950X3D Core Parking Problem & Solution」にもとづきます(2026年9月26日確認)。
「コアパーキングを無効にするとfpsが上がる」という最適化の手順は、今もよく紹介されています。ただしWindowsのコアパーキングは、CPUの電源を切る機能ではありません。負荷が軽いときにスレッドを割り当てる論理プロセッサを減らし、負荷が増えれば自動で戻す仕組みです。
そのため、正常に動いているPCで無効にしても、平均fpsが伸びることはほとんどありません。さらに、キャッシュを積んだCCDが片側だけの2CCDのX3D(Ryzen 9 7900X3D/7950X3D/9900X3D/9950X3D)では、AMDのドライバーがゲーム中にコアパーキングを使って標準のCCDを休ませています。コアパーキングを止めると、この仕組みが働かなくなります。
ここでは、コアパーキングの仕組み、無効化を試す価値がある症状、自分のPCの設定を確認する方法、変更と元に戻す手順を順番に説明します。
普通のゲーミングPCでは、コアパーキングは既定のままで構いません。2CCDのX3Dでは無効化しないでください。試す価値があるのは、CPUの負荷が急に増える場面だけフレームタイムが乱れ、GPUや温度などほかの原因を確認しても直らない場合です。その場合も、変更前の値を控えてから一つだけ変え、同じ場面の1% Lowで比べてください。
目次
仕組みコアパーキングは「電源を切る」機能ではない
Microsoftの説明では、コアパーキングはプロセッサの電源管理(PPM)エンジンとスケジューラーが協力して、スレッドを実行できるコアの数を動的に調整する仕組みです。パークされたコアには原則としてスレッドが割り当てられず、割り込みなどの処理がない間は、深い低電力状態に入ります。
ポイントは、パークされたコアも割り込みの処理などは受け付けていて、負荷が増えれば再びスレッドの割り当て先に戻ることです。「パーク中のコアはゲーム中ずっと使えない」わけではありません。クロックが下がっていることとも別の話で、クロックはパフォーマンスステートという別の仕組みで制御されています。
| 設定名powercfgの別名 | 意味 | ゲームとの関係 |
|---|---|---|
| CPMINCORES | 常にアンパークしておく論理プロセッサの最低割合。100%にするとコアパーキングのアルゴリズムが止まる | 「コアパーキング無効化」の手順が変えているのはこの値 |
| CPMAXCORES | 同時にアンパークできる論理プロセッサの最大割合 | 下げると使えるコアが減るので、ゲーム向けに下げる理由はない |
| CPMINCORES1 | 効率クラス1のプロセッサ向けの最低割合 | PコアとEコアを持つCPUでは、コアの種類ごとに設定が分かれる |
Microsoft Learnの「CPMinCores」と「Power and performance tuning」にもとづきます。いずれも通常の電源オプション画面には出ない非表示の設定です。
効果無効にしても平均fpsはまず変わらない
ゲームが多くのコアを必要とすれば、Windowsは負荷に合わせてコアをアンパークします。すでに必要なコアが動いている状態で全コアを常時アンパークにしても、CPUの最大クロックやコア数が増えるわけではないので、平均fpsはほぼ変わりません。
ゲームのCPU使用率が低いのに重い場合も、原因がコアパーキングとは限りません。多くのゲームはメインスレッドなど一部のスレッドが律速になり、残りのコアには仕事が回ってきません。残りのコアをアンパークしても、ゲームが仕事を渡さない限り速くはなりません。この見分け方はCPU使用率30%でもCPUボトルネックになる理由で扱っています。
変化が出る可能性があるのは、平均fpsより1% Lowやフレームタイムです。負荷が急に増えた瞬間に追加のコアをアンパークする判断が挟まるので、その切り替えが間に合わない環境では、引っかかりとして表に出ることがあります。
X3D2CCDのX3Dでは、コアパーキングがゲームを速くしている
Ryzen 9 7900X3D/7950X3D/9900X3D/9950X3Dは、2つあるCCDのうち片方にだけ3D V-Cacheを積んでいます。ゲームはキャッシュのある側で動かしたほうが速いので、AMDはチップセットドライバーでスレッドの振り分けを制御しています。
海外の大手ハードウェアメディアによる7950X3Dのレビューによると、チップセットドライバーに含まれる「AMD PPM Provisioning File Driver」は、Windowsのゲームモードが有効になると遅い側のコアをパークし、実質的に標準のCCDを休ませます。ゲームを3D V-Cache側のCCDに閉じ込めるために、コアパーキングそのものを使っているわけです。9950X3Dのレビューでも、コアパーキングとスレッドの振り分けを管理する仕組みとして、この部分が引き継がれていると説明されています。
CPMINCORESを100%にするとコアパーキングのアルゴリズムが止まり、MicrosoftのWindows Server向けの資料では、「高パフォーマンス」プランも全コアをアンパークすると説明されています。標準のCCDを休ませる前提の仕組みなので、パークできない設定では、ゲームのスレッドがキャッシュのないCCDにも広がる余地ができます。2CCDのX3Dでは、電源プランは「バランス」のまま、コアパーキングも既定のままにしてください。
ただし、この仕組みも常に完璧に動くわけではありません。海外のレビュアーは、7950X3Dでパークがうまく働かず、ゲーム性能が落ちる場面があったと報告しています。ゲーム中に標準のCCDまで使われている疑いがあるなら、チップセットドライバーとBIOSを更新し、Xbox Game Barとゲームモードが有効になっているかを確認するのが先です。
Ryzen 7 7800X3D/9800X3DのようにCCDが1つだけのモデルでは、このパークの仕組み自体が使われません。これらのCPUでは、ほかのRyzenと同じ考え方で構いません。
Pコア・EコアIntelのハイブリッド構成では、設定がコアの種類ごとに分かれる
Core Ultra 200Sや第14世代Coreのように、PコアとEコアを組み合わせたCPUでは、Windowsはコアを「効率クラス」で区別して扱います。Microsoftの資料では、ハイブリッド構成向けにコアの種類ごとのパークのしきい値や、長く動くスレッドをどちらのコアに優先して割り当てるかの設定が別に用意されています。
CPMINCORESにも、効率クラス1向けの「CPMINCORES1」という別の設定があります。ネットでよく見るCPMINCORESを100にするコマンドだけでは、すべてのコアに同じように効くとは限りません。ハイブリッドCPUでは、スレッドの割り振りをWindowsとIntelのThread Directorに任せるのが基本で、隠し設定をまとめて100%にする手順は避けたほうが安全です。
確認自分のPCの現在値を確かめる
変更する前に、まず今の値を確認します。コアパーキングの設定は非表示なので、powercfg /qでは表示されません。非表示の設定まで出す/qhを使います。ターミナル(コマンドプロンプトまたはPowerShell)で、次を実行してください。
powercfg /qh scheme_current sub_processor CPMINCORES
日本語のWindows 11では、「プロセッサ パフォーマンス コア保留の最小コア数」という名前で表示されます。「現在の AC 電源設定のインデックス」がコンセント接続時、「現在の DC 電源設定のインデックス」がバッテリー駆動時の値で、16進数で表示されます。0x00000064が100%、0x00000019が25%です。
Ryzen 9 PRO 6950Hを積んだミニPC(Windows 11、電源プランはバランス)で確認したところ、ACは0x00000064(100%)、DCは0x00000019(25%)でした。この環境では、コンセント接続時のコアパーキングは最初から止まっていたことになります。Microsoftも、コアパーキングの効果が小さいプロセッサでは既定で無効にされる場合があると説明しています。無効化の手順を試す前に、すでに100%になっていないかを必ず確認してください。
表示された2つの値は、元に戻すときに使うので書き留めておきます。PコアとEコアを持つCPUでは、同じコマンドのCPMINCORESをCPMINCORES1に替えて、もう一方の値も控えておきます。
変更無効にして比べる手順
Microsoftが案内している方法は、現在の電源プランのCPMINCORESを100%にするものです。管理者として開いたターミナルで、次の2行を実行します。1行目がコンセント接続時の値の変更、2行目が変更の反映です。
powercfg -setacvalueindex scheme_current sub_processor CPMINCORES 100
powercfg -setactive scheme_current
ノートPCでバッテリー駆動時も変えたい場合は、-setdcvalueindexで同じように設定します。ただしバッテリーの持ちや発熱に影響するので、比較はコンセント接続時だけにとどめるのがおすすめです。
比べるときは、同じセーブデータ、同じ場所、同じ画質設定で、平均fpsだけでなく1% Lowとフレームタイムのグラフを見ます。変えるのはコアパーキングだけにして、C-Stateや電源プラン、アフィニティなどは同時に触らないでください。複数を同時に変えると、改善しても何が効いたのか分からなくなります。
元に戻す控えておいた値に戻す
違いが出なければ、元の値に戻します。既定値はPCやCPUによって違うので、確認のときに控えておいた値を指定します。たとえば控えた値が25%なら、次のように実行します。
powercfg -setacvalueindex scheme_current sub_processor CPMINCORES 25
powercfg -setactive scheme_current
powercfg -restoredefaultschemesで電源プランを丸ごと初期化する方法もありますが、コアパーキング以外の電源設定もまとめて初期状態に戻ります。コアパーキングだけを戻したいなら、控えた値を指定する方法が確実です。
注意点無効化と一緒に誤解されやすいこと
コアパーキングを止めても、CPU使用率が100%に張り付くわけではありません。アンパークは「スレッドを割り当ててよい状態」という意味で、仕事がなければ使用率は低いままです。CPUそのもののアイドル時の省電力機能(C-State)も別の仕組みで、コアパーキングを止めても無効にはなりません。
「究極のパフォーマンス」や「高パフォーマンス」の電源プランに切り替える手順も、コアパーキング以外の電源設定まで変わります。2CCDのX3Dでバランス以外のプランに切り替えない理由は、上で説明したとおりです。電源プランの選び方はゲーミングPCの電源設定の解説で扱っています。
省電力機能を一つずつ切り分ける考え方は、PCIeのリンク状態の電源管理(ASPM)や、有線LANのEnergy Efficient Ethernetと同じです。音飛びや定期的なカクつきが出る場合は、LatencyMonによるDPCレイテンシの診断で、ドライバー側の原因を先に確認してください。
判断無効化を試してよい人・触らないほうがいい人
- 負荷が急に増える場面だけフレームタイムが乱れる
- GPU・温度・シェーダー・メモリを確認しても原因が見つからない
- CCDが1つのRyzenや、PコアとEコアに分かれていないCPUを使っている
- 変更前の値を控えて、元に戻せる
- Ryzen 9 7900X3D/7950X3D/9900X3D/9950X3Dを使っている
- 平均fpsが全体的に低いだけ
- 現在値がすでに100%になっている
- バッテリー駆動時間を重視するノートPCで使っている
FAQよくある質問
powercfg /qh scheme_current sub_processor CPMINCORESで現在値を確認できます。/qhで現在値を確認しておくことが大切です。まとめ既定のままが基本、試すなら一つだけ変えて比べる
コアパーキングは、負荷に応じてWindowsがスレッドを割り当てるコアの数を調整する仕組みで、コアの電源を切る機能ではありません。無効にしても平均fpsはまず変わらず、変化が出るとしても負荷が急に増える場面のフレームタイムです。
2CCDのX3Dでは、AMDのドライバーがコアパーキングを使ってゲームを3D V-Cache側に寄せているので、無効化も高パフォーマンス系の電源プランも避けてください。それ以外のCPUで試すなら、powercfg /qhで現在値を控え、コアパーキングだけを変えて1% Lowで比べ、差がなければ元の値に戻すのが確実です。



