SteelSeries Apex Pro TKL (2023)は型落ちではない|Gen 3にも移植された機能とハードウェアの違い
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Gen 3にも移植された機能とハードウェアの違い
出典:SteelSeries公式Apex Pro TKL (2023)製品ページ、同Apex Pro Gen 3製品ページ、SteelSeries Technology Blog(GG更新履歴)GG 45.0/GG 68.0/GG 75.0、PC GamerValve公式のSnap Tap規制報道にもとづきます。
ラピッドトリガー対応キーボードを探すと、SteelSeriesの「Apex Pro TKL (2023)」が2022年発売の製品として候補から外れてしまうことがあります。しかし、この製品は発売後も繰り返しファームウェアが更新され、現行の上位モデル「Apex Pro TKL Gen 3」が持つ主要機能の多くを後から獲得しています。
2023年8月の更新でアクチュエーション調整範囲が0.2〜3.8mmから0.1〜4.0mmへ拡大し、2024年にはRapid Tap・Protection Mode・QuickSetという、Gen 3の発表時に新機能として紹介された仕組みまで旧モデルへ展開されました。
では、Gen 3を選ぶ意味はなくなったのでしょうか。実際に残っている違いはソフトウェアではなくハードウェアの完成度にあります。機能のアップデート履歴と、Gen 3だけが持つ強みを整理します。

目次
概要OmniPoint 2.0とRapid Triggerの基本
Apex Pro TKL (2023)の中心となるのが「OmniPoint 2.0 Adjustable HyperMagnetic Switches」です。一般的なメカニカルスイッチのように固定された接点で入力を検出するのではなく、磁気センサー(アナログホール効果センサー)でキーの押し込み量を検出します。
SteelSeries公式によると、キーごとにアクチュエーションポイントを0.1mm単位で調整でき、Rapid Triggerにも対応しています。固定されたリセットポイントまでキーを戻さなくても、キーを戻す動きに応じて入力を解除できる仕組みで、FPSではWASDの反応を浅くし、誤操作したくないキーだけ深くするといった設定が可能です。1つのキーへ2種類の操作を割り当てる「2-in-1 Action Keys」も搭載しており、例えばキーを少し押した状態では歩き、深く押した状態では走るといった動作を設定できます。本体には航空機用アルミニウムと同素材とされる「Series 5000」トッププレート、ダブルショットPBTキーキャップ、OLEDディスプレイ、着脱式USB-Cケーブルを採用しています。
更新発売時は0.2〜3.8mm、2023年の更新で0.1〜4.0mmへ拡大
Apex Pro TKL (2023)を調べると、アクチュエーションポイントについて「0.2〜3.8mm」と書かれた商品ページと「0.1〜4.0mm」と書かれたページが混在していることがあります。これは単純な誤記ではありません。
Apex Pro TKL (2023)は発売当初、実際に0.2〜3.8mmの調整範囲(37段階)で販売されていました。SteelSeriesは2023年8月、ソフトウェア「SteelSeries GG」のバージョン45.0でApex Proシリーズ全体にRapid Triggerを追加するとともに、調整範囲を0.1〜4.0mm(40段階)へ拡大しています。つまり「2023年モデルだから最短0.2mm」というわけではなく、GGとキーボードのファームウェアを最新状態にすれば現在は0.1〜4.0mmに対応します。発売当時の仕様を掲載したまま更新されていない販売ページもあるため、比較するときは注意が必要です。
最短0.1mmまで設定できることは大きな特徴ですが、すべてのキーを0.1mmにすれば有利になるとは限りません。0.1mmは非常に浅いため、キーへ指を置いただけでも意図しない入力が発生しやすくなります。SteelSeries自身も、WASDなど素早く反応させたいキーは浅くし、誤操作を避けたいキーは深くする使い方を案内しています。キーボード自体がゲームの処理速度やネットワーク遅延を速くするわけではない点も踏まえ、まず少し浅めの設定から試すのが無難です。
移植Gen 3の新機能に見えたRapid Tapも旧型で使える
Apex Pro TKL Gen 3との比較で特に注目したいのが「Rapid Tap」です。AとDのような反対方向のキーを同時に押した場合に、後から押したキーの入力を優先する機能で、SteelSeriesはSOCD系の入力処理をRapid Tapと呼んでいます。Gen 3の発表時には新機能のように紹介されましたが、SteelSeriesは2024年8月、GG 68.0でApex Proシリーズ全体(2019年モデル・2023年モデルを含む)向けにRapid Tapのベータ提供を開始しました。当初はA・Dキーのみが対象でしたが、その後対応範囲が拡大されています。つまり「Rapid Tapを使いたいからGen 3が必要」という状況ではなくなっています。
Rapid Tapが使えるからといって、すべてのゲームで有効にすればよいわけではありません。Valveは2024年8月、ハードウェアによるカウンターストレイフなど、一部の入力自動化を公式サーバーで許可しない方針を発表しました。Snap Tapのようなキーボード側の入力自動化機能は、試合参加前に無効化するよう案内されており、該当する入力を検知すると公式サーバーからキックされる可能性があります。Rapid Triggerとは別の機能のため、プレイするゲームや大会のルールに合わせて有効・無効を使い分ける必要があります。
拡大Protection ModeとQuickSetも全Apex Proへ展開
もう一つ重要なのがProtection ModeとQuickSetです。Protection Modeは、あるキーを押した際に周辺キーの感度を一時的に下げ、浅いアクチュエーションポイントで発生しやすい誤入力を抑える機能です。QuickSetはゲームごとのキーボード設定を用意し、対象ゲームを起動した際に設定を切り替えられる機能です。
SteelSeriesは2024年11月、GG 75.0でQuickSetとProtection Modeを全Apex Proユーザーへ公開しました。公式のリリースノートには対象として「all Apex Pro users」と明記されており、Apex Pro TKL (2023)もこの対象に含まれます。発売当初の情報だけで比較するとGen 3の方が機能豊富に見えますが、ソフトウェア側の主要機能はすでに旧モデルへかなり移植されています。
違いGen 3との本当の差はハードウェアの完成度
それでもGen 3を選ぶ意味がなくなったわけではありません。現在の2023モデルとGen 3の大きな違いは、ソフトウェア機能よりハードウェア側にあります。Gen 3は新しいHall Effectセンサーを採用した「OmniPoint 3.0」を搭載し、キーのぐらつきを抑えるスタビライザーを改良、キーごとの潤滑処理と3層構造の吸音フォームも採用しています。Rapid Triggerや0.1mmのアクチュエーションポイントだけを見ると両モデルはかなり近くなっていますが、打鍵感・キーの安定性・静音性といった物理的な部分ではGen 3が上位です。これはファームウェア更新だけでは追加できない差です。
SteelSeriesは2026年9月25日、Gen 3にさらに新しいバリエーション「Apex Pro TKL Gen 3 Cyber」「同 Steel」を発表しました。10月2日発売予定で、参考価格は既存のGen 3と同じ45,530円(税込)です。両モデルとも新しい「Speed & Control」スイッチを採用し、Cyberは軽い35g、Steelは重い50gと、アクチュエーション荷重が異なるバリエーションになっています。SteelSeriesがGen 3ラインを積極的に拡張していることからも、ハードウェア側の改良が今後もGen 3の主戦場になりそうです。
価格参考価格を確認しておく
2026年9月時点でAmazon.co.jpを確認すると、Apex Pro TKL (2023)の実売価格は約14,800円です。発売時の国内参考価格は36,270円だったため、発売から約4年でかなり値下がりしています。一方、Apex Pro TKL Gen 3は2024年の国内発売時の参考価格が45,530円で、2026年9月時点のAmazon.co.jpでは約34,800円、価格.comの最安値は37,420円前後です。価格差は約2万円あり、機能面の差が縮まっている分、この価格差をどう考えるかが選択のポイントになります。値下がりのタイミングや在庫は変動するため、購入前には最新価格を確認してください。
結論Apex Pro TKL (2023)とGen 3、どちらを選ぶべきか
- Rapid Trigger・0.1〜4.0mm調整・Rapid Tapといったゲーム向け機能を中心に使いたい人
- 打鍵感や静音性より、価格を抑えてラピッドトリガー環境を導入したい人
- 有線接続で問題なく、OLEDディスプレイや着脱式USB-Cなど基本装備で十分な人
- 毎日長時間タイピングし、打鍵感・キーの安定性・静音性まで重視する人
- 最新のOmniPoint 3.0センサーや改良スタビライザーの完成度を求める人
- Cyber/Steelのようなスイッチ荷重の選択肢まで含めて検討したい人
ゲーム向け機能を目的にするなら、Apex Pro TKL (2023)は「型落ち」というより「ファームウェアで機能を更新し続けている旧ハイエンドモデル」と捉えた方が実態に近くなっています。一方、打鍵感や静音性のような物理的な完成度を求めるなら、その差額を払ってGen 3を選ぶ理由は明確に残っています。
FAQよくある質問
まとめまとめ|「型落ち」ではなく機能更新が続く旧ハイエンドモデル
SteelSeries Apex Pro TKL (2023)は2022年発売ですが、ファームウェア更新によりRapid Trigger・0.1〜4.0mmのアクチュエーション調整・Rapid Tap・Protection Mode・QuickSetまで対応しています。Gen 3の発表時に新機能として紹介された機能の多くは、すでに旧モデルへ移植されています。
現在残っている本当の違いは、OmniPoint 3.0・改良スタビライザー・キーごとの潤滑処理・3層吸音フォームといったハードウェア側の完成度です。Gen 3は2026年9月にも新スイッチを採用した「Cyber」「Steel」バリエーションを追加するなど、この方向で進化を続けています。ゲーム向け機能を中心に考えるならApex Pro TKL (2023)は十分に検討価値がありますが、打鍵感や静音性まで重視するなら価格差を払ってGen 3を選ぶ理由は残っています。





