PNY RTX 5090がPSU純正12V-2×6で保証拒否|公式FAQは「ネイティブ推奨」、保証規定を検証【2026年9月】
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公式FAQは「ネイティブ推奨」、保証規定を検証
出典(確認日2026年9月25日):VideoCardz「PNY rejects melted RTX 5090 claim, says native PSU cable is not covered」/TheFPSReview「PNY Says Your PSU’s Own 12V-2×6 Cable Voids Your RTX 5090 Warranty」/Wccftech「PNY Denied Warranty To An RTX 5090 Owner…Documentation Mentions No Such Clause」/PNY公式サポートFAQ「Why do newer GPUs need more margin than older ones?」/PNY公式 GeForce製品3年保証規定(PDF)/NVIDIA公式 GeForce RTX 5090製品ページ/PNY公式 GeForce RTX 5090製品ページ/ASRock公式「PG-1600G」製品ページにもとづきます。
PNY製GeForce RTX 5090を、ATX 3.1電源ユニット付属の純正12V-2×6ケーブルで直接接続していたところコネクタが溶損し、PNYへ保証を申請したものの拒否されたという報告が2026年9月24日前後に海外で広まりました。使用していたのは無名メーカーの延長ケーブルや変換アダプターではなく、ASRock「PG-1600G」というATX 3.1対応電源に標準付属するネイティブ12V-2×6ケーブルだったとされています。
ここで最初に分けておきたいのが、確認できる事実と、まだ確認できていない情報です。今回の故障がPNY製GPU側の欠陥なのか、ケーブル側なのか、接続時の状態なのかは、現物解析の結果が公開されていない以上、現時点では特定できません。一方、PNYが実際にどのような理由で保証を拒否したと報告されているか、PNYが自ら公開しているサポート情報にどう書かれているかは、一次情報を直接確認することで検証できます。
その検証結果として明らかになったのが、PNYが2026年1月29日に更新した公式サポートFAQで、RTX 40/50シリーズ向けの良質な電源の条件として「可能であればアダプターではなくネイティブ12V-2×6ケーブル」を挙げているという事実です。今回の保証拒否がこのFAQで推奨されている接続方法そのものを理由にしているのであれば、PNYの公開情報とサポート対応が一致していないことになります。
目次
要点まず何が起きたか
経緯ASRock PG-1600G純正ケーブルでGPU・PSU両側が溶損
発端はRedditのPCMasterRaceコミュニティへの投稿です。所有者によると、PNY製RTX 5090を1600W・ATX 3.1対応のASRock「PG-1600G」と組み合わせ、電源に標準付属するネイティブ12V-2×6ケーブルで直接接続していました。変換アダプターやスプリッターは使用しておらず、GPU側の設定も標準状態で、オーバークロックは行っていなかったと説明されています。最終的にはGPU側だけでなくPSU側も12V-2×6コネクタが損傷し、PCからグラフィックボードが認識されなくなりました。
所有者は異常に気づいた時点でシステムがアイドル状態だったとも説明していますが、この点は慎重に見る必要があります。故障が表面化した瞬間のピンごとの電流やコネクタ温度は計測されておらず、以前からの高負荷動作で接点の劣化が進み、最終的にアイドル中に症状が表面化した可能性も排除できません。したがって今回の報告だけから「RTX 5090はアイドル中でも突然コネクタが溶ける」と判断することはできません。
保証対応PNYは「PSUケーブル使用時の溶損は保証対象外」と回答
所有者が公開したPNYサポートからの回答によると、16ピン入力を必要とするPNY製GPUには承認済みの電源ケーブルまたはアダプターが同梱されており、保証対象となるのはその同梱品だけだと説明されています。他社製ケーブル・アダプターに加えて、電源ユニットに付属するPSUケーブルもこの対象外に含まれ、使用中に溶損・焼損・過熱・変形が起きても保証を受け付けられないという趣旨の回答だったと海外メディアが伝えています。
今回のやり取りはサポート担当者から所有者個人への回答であり、PNYが企業として正式に発表した保証方針の改定ではありません。担当者や窓口によって説明の詳しさや表現が変わる可能性もあります。以下で見るとおり、別のユーザーが過去に受けた回答は今回と異なる内容だったとも報告されており、この点も踏まえて読む必要があります。
矛盾PNY公式FAQは「ネイティブ12V-2×6」を推奨している
ここが今回の核心です。PNYの公式サポートサイトには「Why do newer GPUs need more margin than older ones?」というFAQ記事があり、2026年1月29日更新の内容を直接確認しました。このFAQでは、RTX 40/50シリーズのような新しいGPUでは瞬間的な大電流消費があるため電源側の余裕が重要だと説明したうえで、良質な電源の条件として「ATX 3.0/PCIe Gen 5対応であること」「信頼できるメーカーであること」に加え、「可能であればアダプターではなくネイティブ12V-2×6ケーブルを備えていること」を挙げています。
つまりPNY自身が、GPU同梱アダプターよりも電源側のネイティブ12V-2×6ケーブルを望ましい構成として案内しているということです。今回の保証拒否が、このFAQで推奨されている接続方法を理由にしているのであれば、PNYが自ら公開している案内と、保証申請時のサポート判断が一致していないことになります。
| 確認した情報 | 内容 |
|---|---|
| 今回の所有者の構成 | ASRock PG-1600G付属のネイティブ12V-2×6を使用(アダプター不使用) |
| PNYサポートの回答(所有者報告) | PSUケーブル使用時の溶損は保証対象外という趣旨 |
| PNY公開の3年保証規定(PDF) | PSUケーブル・12V-2×6を名指しで禁止する条項は確認できず |
| PNY公式サポートFAQ(2026年1月29日更新) | RTX 40/50向けの良質な電源としてネイティブ12V-2×6を推奨 |
| NVIDIA公式RTX 5090製品ページ | 450W以上のPCIe Gen 5ケーブル1本による接続も正式に案内 |
保証規定公開されている保証規定に「PSU純正ケーブル禁止」は見当たらない
PNYが公開しているGeForceグラフィックボード向け3年保証規定(Rev 02.28.2025)も確認しました。この保証はGTX 16、RTX 30、RTX 40、RTX 50シリーズを対象としています。保証条件には、通常の用途・条件で使用され、付属のインストールガイドに従って設置・維持・運用されていることが必要とされ、誤使用・過失・不適切な設置・事故による損傷などがあった場合はPNYの判断で保証を適用しないとされています。
一方、確認できた規定本文には「cable」「adapter」「connector」「PSU」「12V」といった特定の電源ケーブルを名指しし、GPU同梱品以外を使用すると保証対象外になるという条件は見当たりません。この点は海外メディアも同じ規定文書を確認したうえで同様に報告しています。さらにRTX 5090のインストールガイドを確認すると、記載されているのは6ピン・8ピンコネクタについてで、今回問題となっている16ピン(12V-2×6)コネクタへの具体的な言及自体がありません。これだけで今回の保証拒否が規定違反なのか、規定にない独自の運用判断なのかを断定することはできませんが、少なくとも「保証規定を読めば分かる条件だった」とは言いにくい状況です。
NVIDIA公式RTX 5090はPCIe Gen 5ケーブル1本での接続も正式仕様
NVIDIA公式のRTX 5090製品ページも確認しました。GeForce RTX 5090の補助電源接続について、NVIDIAは「電源ユニットから同梱のPower Connector Adapterへ8ピンケーブル3本を接続する方法」に加えて、「電源ユニットから450W以上のPCIe Gen 5電源ケーブル1本を接続する方法」も正式な接続方法として挙げています。カード自体の総消費電力は575Wです。
PNYはNVIDIAとは別企業であり、PNY製AIBカードにPNY独自の条件を設定すること自体は可能です。ただし、PNYが「PSUのネイティブ12V-2×6を使ってはいけない」とするのであれば、NVIDIAが正式に認めている接続方法、かつPNY自身のFAQが推奨する接続方法と異なるという状況になります。購入前にユーザーが確認できる形で、この条件が明確に示されているとは言いにくい状態です。
製品ページ4×8ピン記載の製品ページと、開けないQuick Start Guide
PNY GeForce RTX 5090 Triple Fanの製品ページでは、電源入力を「16-pin(One 16-pin to Four 8-pin)」と記載し、System Requirementsにも4本の8ピン補助電源コネクタを要求しています。パッケージ内容にも「1x Auxiliary Power Cable」が含まれており、PNYの商品ページだけを読めば、同梱の4×8ピン変換ケーブルを標準構成として想定しているようにも見えます。
この製品ページには「Quick Start Guide」へのリンクも掲載されています。2026年9月25日に実際にアクセスして確認したところ、このリンク先はHTTPステータスとしては200を返すものの、実際に表示されるのはPNY公式サイトの「Page Not Found」ページで、PDFの中身は開けませんでした。保証規定では「付属のインストールガイドに従って設置すること」が条件になっているため、ユーザーが正しい接続方法をWeb上で確認できる状態になっているかは軽視できない点です。
別回答約1年前には「PSU純正ケーブルを使ってよい」という回答も
今回の報告後、別のPNY RTX 5090所有者が興味深い情報を公開しています。海外メディアによると、このユーザーは以前PNYへ問い合わせ、PSU付属の12V-2×6ケーブルを使用できるという回答を受けていたとしています。ただしこの回答は約1年前に得られたものとされており、今回の回答と同時期に並存していた情報ではありません。
そのため「PNYサポート内で今も矛盾した回答が同時に出ている」と断定するのは早計です。1年の間にPNYの運用方針そのものが変わった可能性も、担当者ごとに説明が異なっていた可能性も、どちらも今の時点では否定できません。いずれにしても、少なくとも過去に肯定的な回答をしたサポート窓口が存在したこと自体は、PNY社内でも接続方法の扱いが一貫していなかった可能性を示す材料です。
ケーブル側ASRock PG-1600Gは温度監視機能付きのネイティブケーブルを採用
今回使用されていたASRock PG-1600Gについても確認しました。PG-1600Gは1600Wのフルモジュラー電源で、ATX 3.1およびPCIe 5.1に対応します。ASRock公式はネイティブ12V-2×6ケーブルを製品の主要機能として掲載しており、コネクタを緑色にして差し込み不足を視認しやすくしたうえで、GPU側コネクタにNTCセンサーを搭載し、温度を監視してPSUへ信号を送る「TempGuard」機能を備えています。つまり今回使われたのは、汎用の延長ケーブルではなく、高消費電力GPUへの直接接続を前提に電源メーカー自身が付属させたケーブルです。
だからといって、ケーブル側に問題がなかったと断定することもできません。今回のケーブルはGPU側だけでなくPSU側も損傷しています。ASRock製の別電源とRTX 5090を組み合わせた環境でも、TempGuard搭載のネイティブ12V-2×6ケーブルが溶損したという事例が2026年7月に報告されており、そのケースでは両端が完全に挿入され急な曲げもなかったにもかかわらずTempGuardによる自動停止は作動しなかったとされています。ASRock公式によるとTempGuardのNTCセンサーはGPU側コネクタの温度を監視する設計であり、発熱がPSU側で先行した場合や、センサー位置と実際の高温部分にずれがあった場合、保護機能だけでは損傷を防げない可能性があります。今回の現物についてPNY・ASRock双方が詳細解析した結果は公開されておらず、どちら側から故障が始まったのかは現段階では分かりません。
最重要「アイドルだから安全」「PNYに欠陥がある」のどちらも断定できない
ここで改めて整理します。今回の記事で確認できる事実は、公開されている一次情報(PNY公式FAQ・保証規定・NVIDIA公式仕様・ASRock公式仕様)と、複数の海外メディアが報じたサポート対応の内容までです。それ以外の点、特に次の2つは現時点で断定できません。
- PNY公式FAQ(2026年1月29日更新)はRTX 40/50向けの良質な電源としてネイティブ12V-2×6を推奨している
- PNY公開の3年保証規定に、PSUケーブル・12V-2×6を名指しで禁止する条項は確認できない
- NVIDIA公式は450W以上のPCIe Gen 5ケーブル1本による接続を正式な方法として挙げている
- PNY製品ページのQuick Start GuideリンクはHTTP 200を返すが実際にはPage Not Foundが表示される
- 今回の溶損の根本原因(GPU側・ケーブル側・PSU側のどこから始まったか)
- PNYが「PSUケーブル一律対象外」という方針を企業として正式に採用しているかどうか
- アイドル状態で発覚したことと、故障の発生タイミングが一致するかどうか
背景RTX 5090の12V-2×6溶損は今回が初めてではない
RTX 5090の12V-2×6溶損自体は、今回が初めて報告された問題ではありません。2026年9月にはHardware Unboxedの検証環境で12V-2×6ケーブルが約175℃まで上昇し、一部の導体へ約22Aが集中する電流偏りが実測され、最終的にPSU側でケーブルが溶着した事例が報告されています。Club386でもRTX 5090 Founders Editionをネイティブ12V-2×6で接続した環境でGPU側・PSU側の両方が損傷した事例があり、QuasarZoneの検証でも、DLSS 5有効時に12V-2×6コネクタが最大91.7℃まで上昇したことが確認されています(このケースでは電流は正常範囲内で溶損は発生していません)。RTX 5090のTotal Graphics Powerは575Wで、正常な状態でも1本の12V-2×6コネクタに大きな電力が流れます。今回のPNY事例もこうした一連の報告の延長線上にありますが、原因が同一かどうかは現物解析なしには分かりません。
また、PNY製RTX 5090の保証拒否そのものも今回が初めてではありません。2026年9月には、Digital Storm製BTOに搭載されたPNY製RTX 5090で16ピンプラグに穴が開くほど溶損し、PNYが「GPUメーカーが供給したケーブルではない」ことを理由に対応を断ったとされる事例も報告されています。ただしあちらはBTO経由でGPU・PSU・組み立てのメーカーが分かれるケースだったのに対し、今回は自作PCでATX 3.1電源に付属するネイティブケーブルを直接使用していた点が異なります。BTOという複数企業が関わる構成の曖昧さを理由にできない分、今回の方が「PNYが想定する正しい接続方法とは何か」という論点がより直接的に問われる事例だといえます。詳しい経緯はDigital Storm製BTOでの溶損・保証拒否事例の記事で解説しています。
業界「ネイティブかアダプターか」はメーカー間でも統一されていない
GPU・PSUメーカーの間でも、ネイティブ12V-2×6と同梱アダプターのどちらを推奨するかは統一されていません。2025年末に複数メーカーへ実施された調査では、ASUS・MSI・GIGABYTEはGPU付属アダプターを推奨した一方、SilverStoneとZOTACはネイティブPSUケーブルを推奨、SAPPHIRE・Thermaltake・Gainward・Palitはどちらでも利用できるとの回答でした。PNYはこの調査の対象には入っていませんが、現在のPNY公式サポートFAQを見る限り、少なくとも電源選びの観点ではネイティブ12V-2×6を好ましい構成として説明しています。RTX 5090のようにカード価格が高く、コネクタの溶損報告も継続している製品では、「動作するか」だけでなく「どの接続方法なら保証されるのか」までメーカー間で統一されていないこと自体が、ユーザーにとってのリスクになっています。
日本国内のPNY RTX 5090も同じ条件とは限らない
今回確認したPNYの3年保証規定とサポート対応は、いずれも米国側で報告された情報です。PNYのAPAC公式サイトでもGeForceグラフィックボードの保証期間は3年間と案内されていますが、実際の保証受付方法や、販売店・代理店が担う役割は地域によって異なる可能性があります。したがって今回の事例だけから「日本でPNY製RTX 5090へPSU純正12V-2×6を使うと保証が切れる」と一般化することはできません。国内で購入した場合は、購入店舗や国内正規代理店が案内している保証規定を優先して確認してください。
対策PNY製RTX 5090ユーザーが今できること
技術面だけを考えれば、ATX 3.1対応電源に付属する適切なネイティブ12V-2×6を使用すること自体は特殊な構成ではありません。NVIDIAもRTX 5090でPCIe Gen 5ケーブル1本による接続を正式に案内し、PNY自身のFAQもネイティブ12V-2×6を良質な電源の条件として挙げています。それでも今回のように、保証申請の場面で異なる回答が出た報告がある以上、保証条件を重視する場合は事前確認をしておく価値があります。
12V-2×6の正しい挿し方や、これまでに確認されているRTX 5090の焼損事例の全体像は12V-2×6 / 12VHPWR コネクタ焼損 完全対策ガイドで整理しています。
FAQよくある質問
総括まとめ|「どの接続方法なら保証されるか」が明確でない
PNY製RTX 5090で、ASRock PG-1600G付属のネイティブ12V-2×6ケーブルを使用中にコネクタが溶損し、PNYが保証を拒否したと報告されています。PNYのサポート対応は「PSUケーブル使用時の溶損は保証対象外」という趣旨だったとされる一方、PNY自身が2026年1月に公開したサポートFAQは同じネイティブ12V-2×6ケーブルを良質な電源の条件として推奨しています。公開されているPNYの3年保証規定にも、PSUケーブルを名指しで禁止する条項は確認できませんでした。
今回の溶損そのものの原因は、現物解析の結果が公開されていない以上、現時点では断定できません。一方で、PNYが公開している案内と、実際の保証対応が一致しているように見えないことは、複数の一次情報から確認できる事実です。RTX 5090の12V-2×6問題はこれまで「なぜ溶けるのか」という技術面が中心でしたが、今回の事例は「正常と考えられる接続方法を使った場合、故障後に誰が責任を負うのか」という保証面の課題を浮き彫りにしています。PNYが今回の個別対応を見直すのか、それとも保証条件として正式に明文化するのかは、今後の続報を確認する必要があります。



