Mac Studio M5 UltraのGPUベンチマークがリーク|OpenCLはRTX 4080級、公称「1.8倍」の実測を検証

Mac Studio M5 UltraのGPUベンチマークがリーク|OpenCLはRTX 4080級、公称「1.8倍」の実測を検証

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Apple Mac Studioリーク / 2026年9月18日
Mac Studio「M5 Ultra」のGPUベンチマークがリーク
OpenCLはRTX 4080級、しかしゲーム性能の指標にはならない理由
9月22日発売の新型Mac Studioに搭載される「M5 Ultra」(80コアGPU)のGeekbench 7スコアが、発売前にGeekbench Browserへ登場しました。OpenCLスコア216,619は、GeForce RTX 4080のOpenCL平均219,018にほぼ並ぶ水準です。ただしGeekbench 7のGPUテストは機械学習・画像処理・パストレーシングなどの「コンピュート」処理が中心で、DirectXベースのゲーム描画やfpsを測るベンチマークではありません。スコアの中身と、Appleが公称する「M3 Ultra比最大1.8倍」という数字との実測差まで確認します。
Geekbench Browserで直接確認ゲーム向けのベンチマークではないMac Studioは9月22日発売

発売前のMac Studio「M5 Ultra」(80コアGPU)を搭載したとみられる機体が、Geekbench Browserにスコアを残していきました。GPUコンピュートベンチマークのOpenCLスコアは216,619で、これはGeForce RTX 4080のOpenCL平均219,018にほぼ並ぶ数字です。この一致だけを見て「M5 UltraはRTX 4080級のゲーミングGPU」と結論づけるのは早計です。

今回リークしたのは、Geekbench Browser上で「Mac17,15」と識別される機体のスコアです。80基のGPUコア(Compute Unit)と256GBメモリを積んだ構成で、2026年9月16日にOpenCL・Metal双方のスコアがアップロードされました。同じ構成のCPU単体スコアは9月15日時点で先に報じられており、シングルコア3,774・マルチコア52,516という数字がMacRumorsなどで確認されています。

Geekbench 7のGPUコンピュートベンチマークは、顔認識・機械学習によるアップスケーリング・背景ぼかし・パストレーシング・流体シミュレーションといった処理を測る内容で、DirectXベースのラスタライズ描画やゲームのfpsを直接測定するテストではありません。リークしたスコアの中身、Apple公式が公称する「M3 Ultra比最大1.8倍」というグラフィックス性能向上との実測差、そしてゲーム目的でMac Studioを選ぶ価値があるかを、一次情報にもとづいて確認します。

先に結論

M5 Ultra(80コアGPU)のGeekbench 7 OpenCLスコア216,619は、GeForce RTX 4080のOpenCL平均219,018とほぼ同じ水準でした。ただしGeekbench 7のGPUテストはコンピュート処理中心の内容で、ゲームの描画性能を直接測るものではありません。OpenCLスコアが近いことは、Steamの主要タイトルが同じフレームレートで動くことを意味しません。

もう一つ、Apple公式は「M3 Ultra比で最大1.8倍のグラフィックス性能」とうたっていますが、Geekbenchで実際に計測された伸び幅はOpenCLで約54%、Metalで約44%にとどまり、公称値ほど単純な数字にはなっていません。ゲーム用途でMac Studioを検討しているなら、対応タイトルの少なさを含めた総合判断が必要です。

新型Mac Studioの製品写真、アルミニウム筐体正面
2026年9月22日発売の新型Mac Studio。M5 Max・M5 Ultraの2構成が用意される(画像:Apple公式)
目次

リーク詳細Geekbench Browserに登場した「Mac17,15」のスコア

Geekbench 7のGPU compute結果ページ(browser.geekbench.com/v7/gpu/171727)には、モデル識別子「Mac17,15」・GPU 80 Compute Unit・システムメモリ256GBという構成の機体が、2026年9月16日21時48分(現地時間)にOpenCLスコア216,619でエントリーしています。Mac Studio向けのM5 Ultra(80コアGPU)以外にこの組み合わせのMacは存在せず、複数の海外メディアもこの記録を「M5 Ultra」のものとして報じました。同じ機体はMetalスコアでも360,019を記録しています。

Geekbench 7そのものは2026年7月23日に正式公開されたばかりの新しいベンチマークで、CPUテストの刷新に加えてGPU側もCUDA対応の追加を含む大きな見直しが入っています。バージョンの位置づけはGeekbench 7の正式公開を解説した記事で詳しく扱っています。

※記事執筆時点で、この構成(Mac17,15・80コアGPU)のGeekbench記録はまだ4件程度と少なく、正式な平均値としてランキングページに反映されるのはこれからです。Apple自身はまだGeekbenchの実測値を公表しておらず、今回のスコアはあくまでリーク段階の情報である点に注意が必要です。

仕様確認M5 Ultraの仕様、Apple公式ニュースルームで確認できること

M5 MaxとM5 Ultraのチップイメージ
M5 Ultraは、M5 Maxのダイを2基UltraFusionで接続した4ダイ構成(画像:Apple公式)
GPU・CPU構成最大80コアGPU、最大36コアCPU(12スーパーコア+24パフォーマンスコア)を搭載します。Apple公式ニュースルームの表記です。
4ダイ構成M5 Ultraは、M5 Max(内部的に2ダイ構成)を2基UltraFusionで接続した4ダイ構成です。Apple silicon史上初のquad-die構成とApple公式は説明しています。UltraFusionのダイ間帯域は4.4TB/s超、接続密度は従来比6倍以上に拡大しました。
メモリ最大512GBのユニファイドメモリに対応し、メモリ帯域は1.2TB/s(M3 Ultra比50%増)です。M3 Ultraのメモリ帯域はApple公式発表時の数値で800GB/s超だったため、整合しています。
グラフィックス性能の公称値Apple公式は「M3 Ultra比最大1.8倍のグラフィックス性能」とうたっています。AI関連の演算では最大4.3倍としており、グラフィックスとAI性能で異なる倍率を使い分けている点に注意が必要です。
第3世代レイトレーシングApple公式はMac Studioの新機能として「第3世代のハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング」を挙げていますが、この表記はM5 Maxの性能説明の文脈で登場するもので、M5 Ultra単体への明記は確認できていません。M5 UltraはM5 Maxのダイを2基使う構成のため、同じレイトレーシング機能を引き継いでいるとみられますが、断定はできない段階です。
発売日と価格新型Mac Studioは2026年9月22日発売です。M5 Ultra搭載モデルの標準構成(30コアCPU/64コアGPU/96GBメモリ/1TB SSD)は949,800円から、米国価格は5,499ドルからとApple公式ストアに掲載されています。

スペック比較M5 UltraはRTX 4080・M3 Ultraとどう違うか

まず、今回話題になった「OpenCLスコアが近い」というRTX 4080との比較を確認します。数値はいずれもGeekbench Browserで執筆時点に直接確認した値です。

項目Apple M5 Ultra(80コアGPU)GeForce RTX 4080
OpenCLスコア216,619点(リーク実機)219,018点(Geekbench平均)
Metalスコア360,019点非対応(Apple専用API)
コア/ユニット数GPUコア80基CUDAコア9,728基
メモリ最大512GBユニファイド(CPU/GPU共有)16GB GDDR6X(GPU専用VRAM)
メモリ帯域1.2TB/s約716.8GB/s
対応APIMetal(主)・OpenCL・Vulkan(一部)DirectX 12・Vulkan・CUDA・OpenCL

※Geekbench Browser(opencl-benchmarks・v7/gpu/171727)、NVIDIA公式製品ページにもとづく執筆時点の数値です。

OpenCLスコアはほぼ並びますが、そもそもMetalはApple製品専用のAPIのためRTX 4080では計測できず、逆にRTX 4080が主戦場とするDirectX 12でのラスタライズ性能はM5 Ultra側に対応する数値がありません。メモリの性格も異なり、M5 UltraはCPUとGPUで共有するユニファイドメモリ、RTX 4080はGPU専用のVRAMです。「OpenCLスコアが近い」という一点だけでは、この2つを同じ土俵で比較したことにはなりません。

次に、M5 Ultraの前世代にあたるM3 Ultra(80コアGPU)との比較です。

項目M5 Ultra(80コアGPU)M3 Ultra(80コアGPU)
OpenCLスコア216,619点(リーク実機)141,133点(モデル別平均)
Metalスコア360,019点249,442点(モデル別平均)
CPU構成36コア(12スーパー+24パフォーマンス)32コア(24パフォーマンス+8効率)
ダイ構成4ダイ(M5 Max×2、各2ダイ構成)2ダイ(M3 Max×2)
メモリ帯域1.2TB/s800GB/s超

※M3 Ultraのモデル別平均はGeekbench Browserの個別モデルページ、その他はApple公式ニュースルームおよびGeekbench Browserにもとづきます。なお、Geekbench BrowserのOpenCLランキングページ上で「Apple M3 Ultra」を検索すると平均131,312点となり、上表の141,133点とは一致しません。これはランキングページが60コアGPU構成と80コアGPU構成のM3 Ultraを区別せずまとめて平均しているためで、80コアGPUモデルに絞ったモデル別ページの数値(141,133点)の方が今回の比較には適しています。

リーク実機とモデル別平均を単純比較すると、M5 UltraはM3 Ultra比でOpenCLが約53.5%、Metalが約44.3%それぞれ向上しています。四捨五入すればOpenCLは「約54%」です。

検証OpenCLスコアが近くても、ゲーム性能とは言えない理由

Geekbench 7のGPUテストの中身

Geekbench 7のGPU compute benchmarkは、顔認識と映像へのライブエフェクト適用、機械学習によるアップスケーリング、ビデオ会議での背景ぼかし、RAW現像処理、LUTを使った動画のカラーグレーディング、パストレーシング、流体シミュレーションといったワークロードで構成されています。いずれも画像・映像編集や機械学習アプリケーションを想定した処理で、DirectXでラスタライズしたポリゴンを毎秒何枚描画できるかを測るテストは含まれていません。

対応APIの位置づけも異なります。MetalはApple製品専用のAPIで、OpenCL・Vulkan・そして今回のGeekbench 7から新たにCUDAが対応し、これらはプラットフォームをまたいで計測できる汎用APIという扱いです。ゲームの多くはWindows環境でDirectX 12またはVulkanを直接使ってGPUを叩いていて、その描画性能はGeekbenchのOpenCL/Metalスコアとは別のテスト(実際のゲームタイトルでのfps計測)でなければ分かりません。M5 Ultra搭載Mac Studioの実ゲームベンチマークは、9月22日の発売後、実機レビューが出てから初めて確認できます。

Apple公称「1.8倍」との実測差

Apple公式は「M3 Ultra比で最大1.8倍のグラフィックス性能」とうたっています。一方、Geekbench 7の実測でM5 UltraがM3 Ultraを上回った幅は、OpenCLで約54%、Metalで約44%です。どちらも、Appleが公称する1.8倍(=性能80%増に相当)には届いていません。

公称値と実測ベンチマークが一致しない理由

Appleの「最大1.8倍」は、自社が選んだアプリケーション・条件下でのベストケースの数値で、具体的な計測環境は公表されていません。Geekbenchのようなサードパーティ製の汎用コンピュートベンチマークとは前提条件が異なるため、両者が一致しないこと自体は珍しくありません。ただし、メーカー公称の倍率をそのままゲーム性能の伸びとして受け取るのは危険で、第三者ベンチマークの実測値の方が参考になるという、今回のケースはその典型例です。

購入判断ゲーム目的でMac Studioを選ぶ価値はある?

検討する価値がある人
  • 動画編集・3DCG・AI推論などクリエイティブ制作が主目的で、ゲームはおまけ程度と考えている人
  • Mac対応タイトルだけで満足できる、またはGeForce NOWなどのクラウドゲーミングを併用する予定の人
  • macOS・Apple製品のエコシステムでの作業効率を最優先する人
!
避けたほうがいい人
  • Steamの主要タイトルを高画質・高フレームレートで遊びたい人(対応タイトルの少なさは解消されない)
  • 『VALORANT』『Counter-Strike 2』などアンチチート系の人気FPSをプレイしたい人
  • 同予算ならゲーミングPCの専用GPUの方が、ゲーム用途では高い性能を得られる人

OpenCLスコアがRTX 4080級だとしても、M5 Ultraの設計思想はあくまでクリエイティブ制作とAI推論に軸足を置いたものです。ゲーム用途でMacを選ぶかどうかは、Mac Studioに限らずMac miniやMacBook Proまで含めた機種別の対応状況、Steam対応タイトルの壁、同価格帯のゲーミングPCとの費用対効果まで見て判断する必要があります。この判断軸はMacでゲームはどこまで動くかを機種別に整理した記事で詳しく扱っているので、あわせて確認してください。

未確定要素発売前に確認しておきたいこと

サンプル数の少なさ記事執筆時点でGeekbench Browserに登録されているこの構成の記録は数件にとどまります。今後サンプルが増えるにつれて平均スコアが変動する可能性があります。
実ゲームのベンチマーク不在今回分かっているのはあくまでGeekbench 7のコンピュートスコアです。実際のゲームタイトルでのfps計測は、9月22日の発売後に実機レビューが出るまで分かりません。
第3世代レイトレーシングの適用範囲Apple公式が明記しているのはM5 Maxの文脈で、M5 Ultra単体への言及はありません。搭載している可能性は高いものの、正式な仕様表での確認が必要です。
Windowsゲームのネイティブ対応状況は変わらないM5 UltraのGPU性能が上がっても、DirectXベースのWindows専用タイトルがMacで動くようになるわけではありません。対応タイトル数の構造的な壁は今回のリークとは無関係です。

FAQよくある質問

M5 UltraのGeekbenchスコアはどこまで信頼できますか
記事執筆時点でGeekbench Browserに登録されているこの構成の記録はまだ数件で、Apple公式が発表した数値ではありません。正式な仕様と実機レビューは、Mac Studio発売日の9月22日以降に出そろいます。
OpenCLスコアがRTX 4080と同じくらいなら、ゲームも同じくらい動きますか
いいえ。Geekbench 7のGPUコンピュートテストは顔認識・機械学習アップスケーリング・パストレーシングなど処理中心の負荷で、DirectXベースのラスタライズ描画やfpsを測定するテストではありません。OpenCLスコアが近いことは、Steamの主要タイトルが同等のフレームレートで動くことを意味しません。
Apple公式の「M3 Ultra比最大1.8倍」という主張は誇張ですか
誇張とまでは断定できませんが、Geekbenchでの実測はOpenCLで約54%、Metalで約44%の向上にとどまり、公称値ほど単純な数字ではありません。Appleの数値は自社が選んだ条件下でのベストケースで、具体的な計測環境は公表されていません。
M5 UltraはRTX 4080より優れたゲーミングGPUですか
いいえ。M5 Ultraはクリエイティブ制作やAI推論向けに設計されたSoC統合GPUで、そもそもゲーミング用途を主眼に設計されていません。Steam対応タイトルの少なさ、DirectX非対応という構造的な壁は今回のリークでも変わりません。
ゲーム目的でMac Studioを買う価値はありますか
Mac対応タイトルだけで十分、またはクリエイティブ制作が主目的なら選択肢になります。Steamの主要タイトルを高フレームレートで遊びたいなら、同価格帯のゲーミングPCの方が高い性能を得られます。詳しい判断基準は機種別に整理した関連記事で解説しています。
第3世代レイトレーシングはM5 Ultraにも搭載されていますか
Apple公式はM5 Maxの文脈でこの機能を明記していますが、M5 Ultra単体への明記は確認できていません。M5 UltraはM5 Maxのダイを2基使う構成のため同じ機能を引き継いでいるとみられますが、断定できる情報はまだ出ていません。
まとめ

発売前のMac Studio「M5 Ultra」(80コアGPU)のGeekbench 7スコアがリークし、OpenCL 216,619・Metal 360,019という数字が確認できました。OpenCLスコアはGeForce RTX 4080のOpenCL平均219,018にほぼ並びますが、Geekbench 7のGPUコンピュートテストは機械学習・画像処理・パストレーシングなどが中心で、DirectXベースのゲーム描画を測るテストではありません。この一点をもって「M5 UltraはRTX 4080級のゲーミングGPU」と結論づけるのは早計です。

Apple公式が公称する「M3 Ultra比最大1.8倍のグラフィックス性能」という数字も、Geekbenchでの実測(OpenCL約54%・Metal約44%)と比べると単純には一致しません。メーカー公称の倍率と第三者ベンチマークの実測値は前提条件が異なるため、購入判断は実機レビューが出そろってから行うのが確実です。

ゲーム用途でMac Studioを検討しているなら、GPUコンピュートスコアの近さよりも、Steam対応タイトルの少なさや同価格帯のゲーミングPCとの費用対効果まで含めた総合判断が欠かせません。機種別の詳しい比較は関連記事にまとめています。

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