PALIT「RTX 5060 Ti 8GB RiTONA OC」発表|日本発キャラGPU、White OCより2.8cm短い
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
日本発キャラGPU、White OCより2.8cm短い
PALIT Microsystemsは2026年9月18日、同社のデジタルブランドアンバサダー「RiTONA(リトナ)」をデザインしたグラフィックボード「GeForce RTX 5060 Ti 8GB RiTONA OC」を発表しました。白いデュアルファンクーラーにRiTONAのイラストを組み合わせた特別仕様で、カード長は233.9mm、厚さは2スロットです。
見た目を重視したキャラクターデザインGPUでありながら、比較的小型のPCケースにも組み込みやすいサイズに仕上げられています。ただし採用されたのはRTX 5060 Tiの「8GB版」で、WQHDや高画質設定・レイトレーシングではVRAM容量によって差が広がる場合があるため、デザイン以上に確認しておきたい点があります。
今回はRiTONA OCのスペックを、PALIT自社の既存モデルやRTX 5060 Tiの8GB/16GB差、他社のキャラクターデザインGPUと比較しながら、どう評価すべきかを整理します。

目次
要点まず何が発表されたか
RiTONA OCはBlackwell世代のGeForce RTX 5060 Ti(CUDAコア4,608・8GB GDDR7・128bit・28Gbps・448GB/s)を搭載し、ブーストクロック2,587MHz・カード電力180W・PCIe 8ピン補助電源という構成です。サイズは233.9×125.8×40mmの2スロットで、102mmファンを2基搭載します。白基調のシュラウドにRiTONAを描いたメタル製バックプレート、ARGBライティング、0-dB機能、防水ステッカーが付属します。2026年9月19日時点で価格・発売日は未発表です。
仕様RTX 5060 Ti 8GB RiTONA OCの主な仕様
| 項目 | RTX 5060 Ti 8GB RiTONA OC |
|---|---|
| GPU | GeForce RTX 5060 Ti |
| CUDAコア | 4,608 |
| VRAM | 8GB GDDR7 |
| メモリバス/速度 | 128bit/28Gbps |
| メモリ帯域幅 | 448GB/s |
| ブーストクロック | 2,587MHz |
| カード電力 | 180W |
| 補助電源 | PCIe 8ピン×1 |
| サイズ | 233.9×125.8×40mm(2スロット) |
| ファン | 102mm×2 |
| 映像出力 | DisplayPort 2.1b×3、HDMI 2.1b×1 |
出典:PC Watch記事、PALIT公式プレスリリースにもとづきます(2026年9月19日時点)。
NVIDIAの標準的なRTX 5060 TiもCUDAコア4,608基、8GBまたは16GBのGDDR7、128bitメモリバスという構成です。RiTONA OCはGPUそのものを大幅に強化したモデルではなく、デザインやクーラーを含めた製品仕様に価値を持たせたモデルと考えるのが適切です。
比較実はPALIT White OCより約2.8cm短い
RiTONA OCで興味深いのがサイズです。PALITはすでに通常モデルとして「GeForce RTX 5060 Ti White OC 8GB」を販売しています。PALIT公式サイトで直接確認したところ、White OC 8GBのサイズは262.1×126.3×40.1mmで、ブーストクロックは2,602MHzです。
| 項目 | RiTONA OC | White OC 8GB |
|---|---|---|
| サイズ | 233.9×125.8×40mm | 262.1×126.3×40.1mm |
| ファン | 102mm×2 | 95mm×2 |
| ブーストクロック | 2,587MHz | 2,602MHz |
RiTONA版は既存のWhite OCよりカード長が約28.2mm短く、その一方でファン径は95mmから102mmへ大きくなっています。公称サイズとファン構成自体が異なるため、既存のWhite OCへキャラクターイラストだけを追加したモデルではないことが分かります。カード長233.9mm・2スロットというサイズは最近のグラフィックボードとしては扱いやすい部類で、白いゲーミングPCやMicro-ATX構成などで、キャラクターデザインと省スペース性を両立したい場合には実用的な選択肢になる可能性があります。
「OC」だが性能重視のモデルではない
製品名には「OC」と入っていますが、オーバークロック幅はかなり控えめです。RiTONA OCのブーストクロックは2,587MHzで、White OC 8GB(2,602MHz)よりもむしろ低い数字です。数十MHz程度のクロック差でゲーム性能に大きな差が生まれるとは考えにくく、RiTONA版を選ぶ理由は基本的にデザインとサイズにあると考えてよいでしょう。
注意点なぜ16GBではなく8GBなのか
今回の製品で最も評価が分かれそうなのがVRAM容量です。RTX 5060 Tiには8GBと16GBがありますが、RiTONA OCで採用されたのは8GB版のみです。8GBだからゲームが動かないわけではありませんが、解像度や画質設定によって差が広がることは確認されています。
海外メディアが実施したRTX 5060 Ti 8GB/16GBの21タイトル比較(ラスタライズ15本・レイトレーシング6本)では、1080p Mediumでは8GB版が16GB版より平均2.3%遅い程度にとどまりましたが、1080p Ultraでは平均11%、1440p Ultraでは平均18%まで差が広がります。特にレイトレーシングを使用したテストでは、1440p Ultraで約39.6%の差が確認されています。あくまで同メディアのテスト環境・タイトル群での結果ですが、「GPUコアが同じだから8GBと16GBもほぼ同じ」とは言えません。
VRAMを大量に使用しないeスポーツ系ゲームや1080p中心なら8GBでもRTX 5060 Ti本来の性能を発揮しやすい一方、WQHD、高解像度テクスチャ、レイトレーシングなどでは16GBの余裕が効いてきます。RiTONA OCについても、「8GBだからダメ」と結論づけるより、通常の8GBモデルに対していくらの価格差で販売されるかを見ることが重要です。
判断軸価格差が小さければ「デザイン料」として成立する
RiTONA OCの価格と発売日は、2026年9月19日時点では発表されていません。国内での具体的な販売時期についても明らかになっていません。
この製品で最も重要になるのは、通常のRTX 5060 Ti 8GBとの価格差です。通常8GBモデルとの差が小さければ、ホワイトカラー・RiTONAバックプレート・ARGB・防水ステッカー・小型設計といった付加価値に追加料金を払う製品として十分成立します。反対に価格が大きく上乗せされ、RTX 5060 Ti 16GBへ手が届く水準になると話が変わります。キャラクターグッズとして考えるならRiTONA版にしかない価値がありますが、純粋なゲーム性能や長期利用を優先するなら16GBモデルを選んだ方が合理的なケースが増えるからです。その意味では、RiTONA OCは通常のGPU以上に「価格発表を待ってから評価すべき製品」といえます。
参考通常のRTX 5060 Ti 8GBは今いくらか
RiTONA OCの国内価格は2026年9月19日時点で未発表です。判断材料として、キャラクターデザインを伴わない通常のRTX 5060 Ti 8GBモデルが現在いくらで販売されているかを見ておきます。
| モデル | 実勢価格 |
|---|---|
| MSI GeForce RTX 5060 Ti 8G GAMING OC | 約86,500円 |
| GIGABYTE GeForce RTX 5060 Ti EAGLE OC 8G | 約110,758円 |
出典:Amazon.co.jp実勢価格にもとづきます(2026年9月19日時点・変動あり)。
通常のRTX 5060 Ti 8GBはおおむね8万円台後半〜11万円台で販売されています。RiTONA OCの価格がこの範囲に近ければ、デザインやバックプレートを含めた上乗せとして妥当な範囲に収まりますが、これを大きく超えるようであれば、通常モデルとの価格差そのものが判断材料になります。
業界動向キャラクターGPUは珍しい存在ではなくなりつつある
キャラクターを前面に押し出したGPUという考え方自体も、最近ではPALITだけのものではありません。GIGABYTEは2026年8月、自社キャラクター「ARI」を採用した「AORUS GeForce RTX 5060 ARI 8G」を発表しています。こちらも白いGPUにキャラクターイラストを組み合わせた製品で、ARIのドールとステッカーが付属します。
PowerColorも自社オリジナルキャラクター「Reva」をデザインしたRadeon RX 9070 XTを展開しており、国内販売店は「PowerColor初の”嫁グラボ”」と紹介しています。フィギュアやキャラクターブック、マウスパッドなど多数の付属品が用意されているほか、PowerColorはゲームコラボ企画「Hellhound RX 9070 XT Resonance Edition」も別に展開しています。中国メーカーのYestonも、以前からSakuraシリーズなどキャラクターデザインを使ったGPUを展開しています。
そのためRiTONA OCは、世界初のキャラクターGPUというわけではありません。むしろ注目したいのは、大手AIBメーカーが単純な黒・白・RGBだけではなく、自社キャラクターそのものを製品ブランドとして利用し始めていることです。GPUの基本性能だけでは各社の差別化が難しくなるなか、ケース内部まで見せるPCが一般的になったことで、「同じGPUなら好きな外観を選ぶ」という需要を狙う動きが強くなっているとも考えられます。
背景RiTONAは日本発、5年ほどの歴史を持つキャラクター
RiTONAについても少し経緯があります。もともとは2021年、PALIT公式X上でのキャラクターデザインコンテストから始まったプロジェクトで、その後のファン投票による命名コンテストを経て「虹野リトナ」という名前が決まりました。日本国内でのマーケティング活動を中心に、約5年にわたって展開されてきたキャラクターです。
そして2026年8月、PALITはキャラクターデザインを刷新し、名称を「RiTONA」としてグローバル展開を開始しました。新デザインにはPALITのブランドカラーであるグリーンとイエローを残しつつ、同社の上位GPU「GameRock」シリーズをイメージしたクリスタル風の装飾が取り入れられています。相棒として猫型スライムの「Gelo」も新たに追加されました。さらに毎月18日を「RiTONA DAY」としてイベントや新コンテンツを展開するとしており、今回のRTX 5060 Ti RiTONA OCはその第1弾の製品にあたります。単発のコラボ商品というより、今後RiTONAブランドのPCパーツやキャンペーンを継続して展開していくための最初のハードウェアと見ることもできそうです。
判断どんな人に向いているか
- RiTONAのファンで、キャラクターデザインのGPUを探している人
- 白いゲーミングPCやピラーレスケースなど、内部の見た目を重視したい人
- 233.9mm・2スロットというコンパクトさを活かしたMicro-ATX構成を組みたい人
- 通常のRTX 5060 Ti 8GBとの価格差が小さければ検討したい人
- WQHDや高画質設定・レイトレーシングを積極的に使いたい人(16GB版の方が安定する)
- 「OC」という名前から高いクロックを期待している人(White OCよりむしろ低い)
- ゲーム性能や長期利用を最優先し、デザインへの追加コストを払いたくない人
まとめまとめ|評価を決めるのはスペックより国内価格
PALITの「GeForce RTX 5060 Ti 8GB RiTONA OC」は、日本発の公式キャラクターRiTONAをグラフィックボードそのものへ展開した特別モデルです。バックプレートの大きなキャラクターイラストだけでなく、ホワイトカラー・ARGB・102mmデュアルファン・0-dB機能・防水ステッカーまで含めて、外観を重視した自作PC向けの製品となっています。カード長233.9mm・2スロット・補助電源8ピン×1と扱いやすく、PALITの既存White OC 8GBより約2.8cm短い点は意外な特徴です。
一方で「OC」という名称から想像するような高性能モデルではなく、ブーストクロックはWhite OCよりも低めです。GPU性能を大幅に引き上げることよりも、RiTONAデザインとコンパクトさを優先したモデルと考えるべきでしょう。そして最大の判断材料になるのが、RTX 5060 Tiの8GB版を採用している点です。1080p中心なら8GBでも十分なケースはありますが、WQHD・高画質テクスチャ・レイトレーシングでは16GBとの差が広がるゲームがあります。
RiTONA OCの価格と発売日は現時点で未発表です。通常のRTX 5060 Ti 8GBに少し上乗せした程度なら、デザインを含めて面白い選択肢になります。一方で価格がRTX 5060 Ti 16GBへ近づくほど、「RiTONAというデザインへいくら払うか」という判断が必要になります。性能だけでなくPCの見た目を楽しみたい人にとって、最終的な評価を左右するのはスペックよりも国内価格になりそうです。
あわせて読みたい
出典:PALIT Microsystems公式プレスリリース・PC Watch・PALIT公式製品ページ(White OC 8GB)・Tom’s Hardware(RTX 5060 Ti 8GB vs 16GB検証)・マイナビニュース(RiTONAグローバル展開)・VideoCardzにもとづきます(2026年9月19日時点)。





