Radeon RX 9050 4GBは8GB版よりどれだけ遅い?18ゲーム平均37%差、帯域とInfinity Cacheも半減で別物のGPU
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18ゲーム平均37%差、帯域とInfinity Cacheも半減で別物のGPU
出典:VideoCardz「AMD Radeon RX 9050 4GB tested, 8GB model is 37% faster in 18-game average」記事、AMD公式「Radeon RX 9050(4GB)」製品ページ、AMD公式「Adrenalin Edition 26.9.1」リリースノート、TechSpot「AMD Radeon RX 9050 8GB Review」記事(いずれも2026年9月19日確認)にもとづきます。
AMDのエントリー向けGPU「Radeon RX 9050」には8GB版と4GB版がありますが、両者の性能差を直接比較した実機ベンチマークが公開されました。海外メディアの18ゲームのフルHDテストでは、Radeon RX 9050 8GBが平均107fps、4GB版が平均78fpsとなり、8GB版が約37%高速という結果です。『007 First Light』や『Forza Horizon 6』では差が5割前後まで広がっています。
重要なのは、RX 9050 4GBが単純に「VRAM容量だけを半分にしたモデル」ではないことです。AMD公式仕様では、GPUコア自体は4GB版と8GB版で共通ですが、4GB版はメモリバス幅が64bit・帯域幅144GB/s・Infinity Cache 16MBで、8GB版(128bit・288GB/s・32MB)からメモリ周辺の仕様までほぼ半分に削減されています。
同じ「Radeon RX 9050」という製品名でも、ゲーム性能は同じと考えない方がよさそうです。仕様差と実測データ、そして完成品PCで見かけたときの注意点を整理します。
目次
要点まず結論
RX 9050 4GBはCompute Unit数・ストリームプロセッサ数・クロックが8GB版と共通ですが、メモリバス幅は128bitから64bitへ、帯域幅は288GB/sから144GB/sへ、Infinity Cacheは32MBから16MBへ削減されています。18ゲーム平均のフルHDテストでは8GB版107fps・4GB版78fpsで約37%の差です。4GB版は単体販売されておらず、CyberPowerPCなどの完成品PC向けOEM専用モデルです。
仕様RX 9050 4GBと8GBの仕様差
RX 9050 4GBと8GBは、16基のCompute Unit、1,024基のストリームプロセッサ、ゲームクロック1,920MHz、ブーストクロック最大2,600MHz、TBP 92Wというコア部分の仕様は共通です。違うのは主にメモリ周辺です。
| 項目 | RX 9050 4GB | RX 9050 8GB |
|---|---|---|
| VRAM | 4GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
| メモリ速度 | 18Gbps | 18Gbps |
| メモリバス幅 | 64bit | 128bit |
| メモリ帯域幅 | 144GB/s | 288GB/s |
| Infinity Cache | 16MB | 32MB |
| Compute Unit | 16基 | 16基 |
| ストリームプロセッサ | 1,024基 | 1,024基 |
| ゲームクロック | 1,920MHz | 1,920MHz |
| ブーストクロック | 最大2,600MHz | 最大2,600MHz |
| TBP | 92W | 92W |
※AMD公式製品ページの仕様にもとづきます。4GB版はVRAM容量だけでなく、バス幅・メモリ帯域幅・Infinity Cacheまで8GB版の半分です。
この仕様を見ると、後述する約37%という性能差を単純な「4GBではVRAMが足りないから」とだけ説明するのは適切ではありません。VRAM使用量が4GB以内に収まる場面でも、4GB版はGPUへデータを送る帯域幅そのものが半分しかないため、8GB版より遅くなる可能性があります。
実測18ゲーム平均では107fps対78fps
今回の比較はRyzen 5 9600Xと32GBのDDR5メモリを使った環境で、1080p Low設定・18タイトルがテストされています。CPU側がボトルネックになりにくい構成で、RX 9050自体の差を確認しやすい環境です。
| GPU | 18ゲーム平均fps |
|---|---|
| RX 9050 4GB | 78 |
| RX 9050 8GB | 107 |
※海外メディアによる1080p Low設定・18ゲーム平均。最低設定でも147fps対111fps・約32%の差が残り、Intel Arc B570は同条件で112fpsと4GB版より約44%上回っています。
| ゲーム | RX 9050 4GB | RX 9050 8GB | 8GB版の差 |
|---|---|---|---|
| 007 First Light | 38fps | 58fps | 約53%高速 |
| Forza Horizon 6 | 88fps | 129fps | 約47%高速 |
| Assassin’s Creed Black Flag Resynced | 41fps | 60fps | 約46%高速 |
| The Last of Us Part II | 77fps | 101fps | 約31%高速 |
| Fortnite | 256fps | 309fps | 約21%高速 |
| Cyberpunk 2077: Phantom Liberty | 74fps | 80fps | 約8%高速 |
このばらつきが重要です。Cyberpunk 2077では80fps対74fpsで差は約8%に留まる一方、007 First Lightでは約53%、Forza Horizon 6でも約47%まで広がっています。「RX 9050 4GBは8GB版より常に37%遅い」のではなく、メモリ容量や帯域への依存度によってゲームごとに差が大きく変化します。
なお、「8GB版が37%高速」と「4GB版が37%遅い」は数学的には同じ意味ではありません。107fpsを78fpsと比較すると8GB版は約37%高速ですが、78fpsを107fpsと比較すると4GB版は約27%低速です。製品比較では基準にするGPUによって割合が変わる点にも注意してください。
理由なぜVRAMが4GBを超えなくても遅くなるのか
4GB GPUの問題として最も分かりやすいのはVRAM不足です。ゲームが4GBを超えるグラフィックメモリを必要とすると、テクスチャなどのデータをVRAMだけに保持できなくなり、システムメモリとのデータ転送などが増えることでフレームレート低下やカクつきにつながる場合があります。
しかしRX 9050 4GBの場合、それだけではありません。8GB版が128bit・288GB/sなのに対し、4GB版は64bit・144GB/sです。Infinity Cacheも32MBから16MBへ削減されています。GPUコア側の演算性能が同じでも、必要なデータを十分な速度で供給できなければGPUを効率よく動かせません。そのため今回のベンチマークは「4GB対8GBのVRAM容量比較」というより、実際には「4GB+64bit+16MB Cache」と「8GB+128bit+32MB Cache」という異なるメモリ構成のGPU比較として見る必要があります。これはRX 9060 XT 8GBと16GBのように、メモリバス幅を維持したまま容量だけが異なる製品とは事情が違います。
公式案内AMD自身もCyberpunk 2077では4GBに注意を案内
AMDのAdrenalin Edition 26.9.1リリースノートにも、RX 9050 4GB特有の注意事項が残っています。AMDは『Cyberpunk 2077』について最低6GBのビデオメモリを推奨すると説明し、RX 9050 4GBで問題が発生する場合は、負荷の高いグラフィック設定をLowまたはOffへ変更するよう案内しています。
これは「4GBではCyberpunk 2077が起動しない」という意味ではありません。実際、前章のベンチマークでも4GB版は74fpsを記録しています。ただし設定を上げた場合や、VRAM使用量が増える場面では4GBという容量自体が制約になる可能性があることを、AMD自身がドライバーの既知の問題として案内している点は確認しておきたいところです。
注意「RX 9050」という型番だけでは判断できない
今回もっとも注意したいのは、4GB版にも8GB版にも「Radeon RX 9050」という同じGPU名が使用されていることです。Compute Unitやストリームプロセッサ数、クロックだけを確認すると同じGPUに見えますが、実測では18ゲーム平均で107fps対78fpsです。これだけ差があると、完成品ゲーミングPCの商品ページで「Radeon RX 9050搭載」とだけ書かれていても、8GB版のベンチマークをそのまま性能の参考にはできません。完成品PCを購入する場合は「Radeon RX 9050」というGPU名だけでなく、必ずVRAM容量まで確認する必要があります。
特に4GB版は単体販売ではなくOEM向けとして投入されたモデルです。AMDは当初、特定のパートナーシステム向けに開発した製品で、単体販売する予定はないと説明していました。2026年9月時点でも、CyberPowerPCなど一部の完成品PCメーカーのカスタムPCコンフィギュレーターでGPU選択肢としてRX 9050 4GBが確認できます。つまり単体カードとして店頭やECサイトで購入するGPUというより、完成品PCの仕様欄で遭遇する可能性があるGPUとして注意した方がよいでしょう。
判断RX 9050 4GB搭載PCはいくら安ければ選べる?
RX 9050 4GBが完全に使えないわけではありません。前章のベンチマークでもFortniteでは256fpsを記録しており、軽量なeスポーツゲームをフルHD・低設定でプレイするだけなら十分な性能があります。問題は「RX 9050 4GBだから安い」とは限らないことです。完成品PCはCPU・メモリ・SSD・電源なども含めた価格になるため、GPU単体の性能差だけでは判断できません。RX 9050 4GB搭載PCを検討する場合は、同価格帯のRTX 5050・RTX 5060・RX 7600・RX 9060などを搭載した完成品PCとの総額比較が重要になります。数千円程度の差しかないのであれば、将来的なゲーム対応まで考えて4GB版を選ぶメリットは小さくなります。反対に、軽量ゲーム専用PCとしてほかのGPU搭載機より大幅に安いのであれば、用途を限定したエントリー構成として成立する余地はあります。
上位8GB版でもRX 9050自体の価格には注意
ここまでの結果を見ると8GB版が圧倒的に良く見えますが、「それならRX 9050 8GBを買えばよい」と即断するのもおすすめできません。海外メディアによる別の実機テストでは、RX 9050 8GBは1080p・10ゲーム平均49fpsで、RTX 5050の59fps(約20%高速)、RX 7600の60fps(約22%高速)を下回っています。RX 9060 XT 8GBは86fps(約76%高速)で、RX 9050との差はかなり大きくなりました。国内ではRX 9050 8GBとRX 9060 XT 8GBの価格差が小さくなるケースも確認されているため、RX 9050を選ぶ場合は4GBか8GBかだけでなく、上位GPUとの実売価格差まで見る必要があります。詳しい国内価格やRX 9060 XTとの比較はRX 9050 8GBは買いかの記事で解説しています。
おすすめ単体で買うならRX 9050 8GB一択
RX 9050 4GBはOEM専用で単体販売がないため、単体カードとして選べるのは実質8GB版のみです。以下は現在Amazon.co.jpで購入できる国内流通モデルです。
FAQよくある質問
まとめまとめ|RX 9050 4GBは「VRAMが半分の同じGPU」ではない
Radeon RX 9050 4GBの実機テストでは、18ゲーム平均が78fpsとなり、107fpsだった8GB版が約37%高速という結果になりました。差が大きい理由は4GBというVRAM容量だけではなく、メモリバス幅が128bitから64bitへ、帯域幅が288GB/sから144GB/sへ、Infinity Cacheも32MBから16MBへ半減しているためです。GPUコアとクロックが同じでも、メモリ周辺は実質的に大きく異なる構成です。
Cyberpunk 2077のように差が小さいゲームもありますが、007 First LightやForza Horizon 6では5割前後の差が確認されています。そのため完成品PCを選ぶ際に「Radeon RX 9050搭載」という表記だけを見て、8GB版のベンチマーク性能を期待するのは避けた方がよいでしょう。
RX 9050搭載PCでは、まず4GBか8GBかを確認することが重要です。特に4GB版は、VRAMだけが少ないRX 9050ではなく、メモリ帯域とキャッシュまで削減された別性能のRX 9050と考えた方が実際のゲーム性能を判断しやすくなります。





