AX GamingのRTX 5070「秋序限定版」は香り付きGPU|クロックは通常X3Wと同じ2542MHz、前例はYeston
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香り付きGPU、クロックは通常X3Wと同じ2542MHz
グラフィックボードの差別化といえば、これまでは大型クーラーやRGB LED、液晶ディスプレイ、特殊なカラーリングが中心でした。中国のAX Gamingが発表した最新モデルは、そこに「香り」を加えています。
AX Gamingは、GeForce RTX 5070を搭載する「GeForce RTX 5070 12G 秋序限定版」を発表しました。白から紫へ変化するグラデーションカラーに加え、製品内部には専用の香薫(フレグランス)を搭載しています。ただし、調べてみると秋序限定版のBoostクロックはAX Gamingの通常版RTX 5070と同じで、香り付きGPUにも過去の前例があります。
今回は公開された情報をもとに、秋序限定版がどんな製品なのか、香りの実態、通常モデルとのスペック差、そして日本での入手性まで整理します。
目次
要点まず何が発表されたか
AX Gamingが2026年9月18日に発表した「GeForce RTX 5070 12G 秋序限定版」は、白紫グラデーションの外装とオリジナルキャラクター「雪璃」のバックプレートを備えた限定モデルです。最大の特徴は、カード内部に専用の香薫(フレグランス)を搭載していること。ただしBoostクロックは2542MHzで、AX Gamingの通常モデルRTX 5070 X3Wと同一です。NVIDIA公式仕様(2.51GHz)との差も約30MHzにとどまり、性能面での上乗せはほとんどありません。価格・日本での取り扱いは2026年9月20日時点で未発表です。
概要AX GamingがRTX 5070「秋序限定版」を発表

AX Gamingが2026年9月18日に発表したGeForce RTX 5070 12G 秋序限定版は、同社が展開する「2026 四季限定」シリーズの第3弾です。外装はホワイトからパープルへ変化するグラデーションカラーを採用し、ファン部分には桂花・AXロゴ・星や月などのモチーフが配置されています。カード周辺には紅葉や星をイメージした模様が入り、金属製バックプレートにはAX Gamingのオリジナルキャラクター「雪璃」が金色の三日月に座るイラストをUV印刷しています。
春の「Sakura Limited Edition」、夏の「夏日限定」に続き、季節そのものをグラフィックボードのデザインへ取り込む3作目です。そして今回、秋モデルの特徴として追加されたのが「香薫」です。
香り本当に「香るグラボ」になっている
今回もっとも目を引くのは、RTX 5070の内部に専用の香り要素が組み込まれていることです。複数の海外メディアの報道によると、カード内部には「特调电竞香薰」と呼ばれる専用調合のゲーミングフレグランスが搭載されているとされています。
一方で、現時点ではかなり重要な情報が抜けています。どんな香りなのか、どの程度の期間香りが続くのか、香りが弱くなったあとに交換できるのかといった仕様は明らかになっていません。外装には「桂花」のモチーフが使われているため、桂花をイメージした香りのようにも見えますが、現時点で確認できる発表内容では香料そのものが「桂花の香り」とは明記されていません。そのため、「桂花の香りがするRTX 5070」と断定するのはまだ早く、正確には「専用の香薫を内蔵したRTX 5070」と考えるべきでしょう。ここは海外ニュースをそのまま追うだけでは見落としやすいポイントです。
スペックRTX 5070としての基本性能はかなり普通
見た目と香りはかなり特殊ですが、GPUそのものはGeForce RTX 5070です。NVIDIAが公開しているRTX 5070の基本仕様は、CUDAコア6144基、12GB GDDR7、192bitメモリインターフェース、標準Boostクロック2.51GHz(詳細仕様では2512MHz)、Total Graphics Power 250Wです。秋序限定版では3基のファンを搭載し、AX Gamingの「Punk 4.0」冷却機構と直径8mmのヒートパイプ5本を採用します。公表されているGPU Boostクロックは2542MHzです。
| 仕様 | 秋序限定版 | AX Gaming X3W(通常) |
|---|---|---|
| GPU | GeForce RTX 5070 | GeForce RTX 5070 |
| CUDAコア | 6144基 | 6144基 |
| VRAM | 12GB GDDR7 | 12GB GDDR7 |
| メモリバス/速度 | 192bit | 192bit/28Gbps |
| Boostクロック | 2542MHz | 2542MHz |
| 冷却 | 3ファン・Punk 4.0・8mm×5本 | 3ファン系 |
| 香薫 | あり | なし |
出典:IT之家、AX Gaming公式サイトにもとづきます(2026年9月20日時点)。秋序限定版の仕様は現時点では未発表情報を含みます。
AX Gaming公式サイトによると、通常のRTX 5070 X3WもBoostクロックは2542MHzで、12GB GDDR7・192bit・28Gbps・TDP 250Wという構成です。つまり、秋序限定版は「限定モデルだからGPUが大幅に速い」という製品ではなく、少なくとも公表されているクロックだけを見る限り、通常のRTX 5070 X3Wと同等です。
「+90MHz」という表記には少し注意が必要
今回の発表についてもう一つ気になったのが、クロックの表記です。一部の中国メディアでは秋序限定版の2542MHzについて「+90MHz」と記載されています。しかし、NVIDIAがRTX 5070の公式仕様として掲載しているBoostクロックは2.51GHz、詳細なアーキテクチャ資料では2512MHzです。2512MHzを基準にすれば2542MHzとの差は30MHz、割合にすると約1.2%です。しかもAX Gamingの通常X3Wも2542MHzなので、秋序限定版を選ぶことで通常モデルよりゲーム性能が高くなるとは考えにくいでしょう。性能を求めるなら、同社にはBoost 2572MHzのRTX 5070 X3W MAXも存在します。秋序限定版の価値は明らかに別のところにあります。
構造隠し電源配線にも対応
香りほど派手ではありませんが、秋序限定版にはもう一つAX Gamingらしい特徴があります。電源ケーブルを目立たなくする隠し配線構造です。AX Gamingは以前からRTX 50シリーズのX3W MAXなどで、電源コネクタやケーブルをカードの外から見えにくくする構造を採用しており、夏日限定RTX 5070でもガラス面が大きい、いわゆる「海景房」タイプのPCケースを想定した隠し電源配線構造を採用していました。
グラフィックボードそのものを見せるPCでは、16ピン電源ケーブルがカードの上側から大きく飛び出すと、せっかくのデザインを邪魔してしまいます。季節限定のバックプレートやグラデーションカラーと隠し配線を組み合わせるのは、性能というより「PC内部を一つのインテリアとして見せる」ことを重視した設計です。そこへ今回、RGBやイラストとはまったく異なる「香り」という要素まで加わった形になります。
前例実は「香り付きGPU」は世界初ではない
非常に珍しい製品ですが、香りを出すグラフィックボードというアイデアそのものは今回が初めてではありません。Yestonは2025年、Radeon RX 9070 XT Sakura Sugar Atlantisなどにフレグランスモジュールを搭載しました。海外メディアが実機を分解したところ、ファンシュラウド内部に実際の香りモジュールが搭載されていることが確認されています。メーカーはAtlantisモデルについて海をイメージした香りとしていました。
興味深いのは、実際に複数人で香りを確認したメディアの感想です。海そのものというより、車用芳香剤や柔軟剤、モール等のサンプルコーナーを連想したという意見が出ており、「メーカーが想定する香り」と「ユーザーが感じる香り」が必ずしも一致しないことが分かります。Yestonの例ではモジュールがシュラウド内部に配置されており、アクセスするためにはカードをかなり分解する必要がありました。また、交換用の香料を販売するかどうかも明確ではありませんでした。つまりAX Gamingが香りを採用したこと自体は新しいものの、「世界初の香るGPU」と表現するのは正確ではありません。
注意点香るGPUで一番気になるのは「何年使える機能なのか」
グラフィックボードは一般的に数年間使われるPCパーツですが、香りは永久に残るものではありません。そのため香り付きGPUでは、GPU性能とはまったく別の「香りの寿命」という問題が発生します。AX Gamingは現時点で、秋序限定版の香りがどの程度持続するのか、交換用の香りを用意するのか、ユーザー自身で交換できる構造なのかを説明していません。海外メディアもこの点を未確認事項として挙げています。
半年や1年でほとんど香らなくなり、交換もできないのであれば、香薫は購入直後だけ楽しめる付加価値になってしまいます。逆に交換式のカートリッジなどが用意されるなら、PCケースの内部から継続的に香りを出すという、今までとは違ったカスタマイズ市場につながる可能性があります。現段階ではどちらなのか判断できません。
もう一つ気になるのが、香りを必要としないときに止められるのかという点です。RGB LEDならソフトウェアやスイッチで消灯できますが、常時揮発するタイプの香料だった場合、PCを使っている間だけ香りを出すといった制御は簡単ではありません。部屋の広さやケースのエアフロー、グラフィックボードのファン回転数によっても、ユーザーが感じる強さは変わると考えられます。特に家族と同じ部屋でPCを使用している場合や、香りそのものを好まない人がいる環境では、デザイン以上に好みが分かれる機能になりそうです。
入手性日本で発売される?
2026年9月20日時点では、秋序限定版の日本発売や価格は確認できません。海外メディアも価格および中国国外での販売について未発表としており、「AX Gamingは実質的に中国市場向けのInno3Dカスタムシリーズであり、他地域で販売される可能性は低い」との見方も示しています。
AX GamingはINNOVISION(映众)傘下のブランドで、主力ブランドINNO3Dのサブブランドとして中国市場を中心に展開されています。完全に正体不明のメーカーというわけではありませんが、正規代理店を通じた日本流通は確認できていません。仮に個人輸入で入手できたとしても、価格だけでなく送料・保証・初期不良時の対応まで含めて判断する必要があります。通常のRTX 5070として使いたいだけなら、国内で正規販売されているモデルを選ぶ方が現実的です。
判断「速いRTX 5070」ではなく「所有したくなるRTX 5070」
- 白紫系・パープル系のPCを組みたく、デザイン性を最優先する人
- 四季限定シリーズのコレクション性やキャラクター「雪璃」に魅力を感じる人
- 個人輸入や中国からの取り寄せに抵抗がない人
- 限定版だからゲーム性能が上がると期待している人(通常X3Wと同クロック)
- 香りの持続期間・交換可否が不明な状態で購入判断をしたくない人
- 正規保証・国内サポートを重視する人
秋序限定版を性能面から見ると、意外なほど普通です。Boostクロック2542MHzは通常のAX Gaming RTX 5070 X3Wと同じで、NVIDIA標準仕様との差も約30MHzしかありません。3ファンと5本の8mmヒートパイプを採用した冷却機構には意味がありますが、現時点で秋序限定版だけの温度や騒音データは公開されておらず、通常版より冷える、静か、速いと判断することもできません。この製品を選ぶ理由は、FPSではなくデザインです。白紫のカラーリング、雪璃のバックプレート、隠し電源配線、四季限定シリーズとしてのコレクション性、そして香りという非常に珍しい仕掛け。GPUメーカー各社が同じGeForce RTX 5070を使う以上、性能以外の部分でどう差別化するかという問いに対し、AX Gamingはかなり極端な回答を出してきたともいえます。
まとめまとめ|価格と香薫の仕組みが今後の注目点
AX Gamingが発表したGeForce RTX 5070 12G 秋序限定版は、白紫のグラデーションとオリジナルキャラクター「雪璃」を採用した、2026年四季限定シリーズ第3弾のグラフィックボードです。最大の特徴はカード内部に専用の香薫を搭載していることで、見た目だけでなく「香り」までPCカスタマイズの対象にしています。
ただし、外装に桂花が描かれているものの香り自体の種類は明らかになっておらず、持続期間や交換方法についても未発表です。また、香り付きGPUという発想そのものは世界初ではなく、Yestonが2025年のRadeon RX 9070 XT Sakuraシリーズですでにフレグランスモジュールを採用していました。性能面でも、秋序限定版のBoostクロック2542MHzは通常のAX Gaming RTX 5070 X3Wと同じで、特別に速いRTX 5070ではありません。
秋序限定版は性能ではなく、デザイン・限定感・隠し電源配線・香りまで含めてPCをカスタマイズしたい人向けのRTX 5070です。価格と香薫の詳しい仕組み、そして日本を含む中国国外での販売が今後発表されるのか注目したいところです。
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キャラクターを前面に出したGPUという流れでは、PALITのRiTONA OCや、Colorfulの小型化RTX 5070など、性能以外の軸で差別化するモデルが各社から相次いでいます。
出典:IT之家・VideoCardz・AX Gaming公式(RTX 5070 X3W製品ページ)・NVIDIA公式(RTX 5070仕様)・GamersNexus(Yeston香り付きGPU分解調査)にもとづきます(2026年9月20日時点)。



