SteamOS 3.9はゲーミングノートでも使える?Ryzen AI Max+ 392・Radeon 8060Sで動作検証【2026年版】

SteamOS 3.9はゲーミングノートでも使える?Ryzen AI Max+ 392・Radeon 8060Sで動作検証【2026年版】

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トラブル・設定/SteamOS
SteamOS 3.9はゲーミングノートでも使える?
Ryzen AI Max+ 392・Radeon 8060Sで動作検証【2026年版】
Steam Deckに採用されているValveのゲーム向けOS「SteamOS」を、一般的なゲーミングノートでも使える可能性が見えてきました。海外YouTubeチャンネルのETA PRIMEが、AMD Ryzen AI Max+ 392を搭載した「ASUS TUF Gaming A14」にSteamOS 3.9をインストールし、内蔵GPUのRadeon 8060Sで複数のPCゲームを動作させています。検証内容と、Windowsを完全に置き換えられる段階なのかを整理します。
Wi-Fi・タッチパッドも無調整で動作1440p・FSR活用で60fps以上の場面もSteamOS 3.9はまだ開発版

出典:Notebookcheck「Is SteamOS ready for gaming laptops? Strix Halo test reveals gaming performance and battery life」ASUS公式「TUF Gaming A14 (2026) FA401EA Tech Specs」にもとづきます。記事内の情報は2026年8月5日時点のものです。

Steam Deckに採用されているValveのゲーム向けOS「SteamOS」を、一般的なゲーミングノートでも使える可能性が見えてきました。海外YouTubeチャンネルのETA PRIMEは、AMD Ryzen AI Max+ 392を搭載した「ASUS TUF Gaming A14」にSteamOS 3.9をインストールし、内蔵GPUのRadeon 8060Sで複数のPCゲームを動作させています。

検証では、内蔵ディスプレイだけでなくWi-Fi、Bluetooth、USBポート、タッチパッドも追加ドライバーなしで動作しました。ゲーム性能についても、設定やFSRを調整することで、重量級タイトルを1440pで60fps以上動かせる場面があります。

ただし、今回使われたSteamOS 3.9は一般ユーザー向けの正式な安定版ではありません。この記事では、検証結果の詳細と、Windowsを消してSteamOSへ完全移行できる段階なのかを整理します。

1
検証機ASUS TUF Gaming A14Ryzen AI Max+ 392・Radeon 8060S
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周辺機能Wi-Fi・タッチパッドも無調整動作ノートPC特有の機能まで認識
3
ゲーム性能1440p高設定で60fps以上もMarvel’s Spider-Man 2は80fps超
4
現在地SteamOS 3.9はMainブランチ安定版は3.8系・正式サポート外
目次

結論AMD搭載ノートなら動く可能性は高いが、Windowsの代替にはまだ早い

今回の検証結果を見る限り、Ryzen AI Maxシリーズのような比較的新しいAMD APUを搭載したゲーミングノートでも、SteamOSは実用に近い状態で動作します。

特に評価できるのは、Radeon 8060Sでゲームが動いただけでなく、ノートPC特有の内蔵画面、無線LAN、Bluetooth、タッチパッドまで認識されたことです。従来のLinux導入では無線LANやオーディオ、スリープ復帰などが問題になりやすいため、追加設定なしで主要機能が動いた意味は小さくありません。

一方、SteamOS 3.9は開発中のMain系ビルドです。2026年8月5日時点で一般向けに配信されている安定版はSteamOS 3.8系であり、Valveの公式ページでもSteamOS 3.8によってAMD搭載ハンドヘルドPCやデスクトップPCとの互換性が改善されたと案内されています。SteamOS 3.9が動作したからといって、ASUSがTUF Gaming A14でSteamOSを正式サポートしているわけではありません。現時点では、Windowsを残したまま別のSSDで試す上級者向けの選択肢と考えるのが安全です。

検証機ASUS TUF Gaming A14のスペック

検証機には、2026年モデルのASUS TUF Gaming A14が使用されています。搭載されているRyzen AI Max+ 392は、Zen 5世代のCPUコアと高性能なRadeon GPUを1つのパッケージに統合した「Strix Halo」世代のAPUです。

項目仕様備考
CPURyzen AI Max+ 392(12コア24スレッド・最大5.0GHz)Zen 5・80MBキャッシュ
GPURadeon 8060S(40 Compute Unit)CPU統合型・RDNA 3.5
メモリ32GB LPDDR5X-8000(検証機)16GBをGPU用に割り当て
ディスプレイ14型 2560×1600・165HzWQXGA IPS
バッテリー73Wh4S1P・4セルLi-ion

AMDの公式仕様では、Ryzen AI Max+ 392は12コア24スレッド、最大5GHzのCPUと、40基のCompute Unitを備えたRadeon 8060Sを搭載しています。標準TDPは55Wですが、プラットフォームとしては45~120Wの電力範囲に対応します。

日本で販売されているFA401EAには、64GBのLPDDR5X-8000メモリを搭載した構成もあります。Ryzen AI Maxシリーズはシステムメモリとビデオメモリを共有するユニファイドメモリ設計なので、ゲームだけでなくローカルAIや動画編集にも大量のメモリを割り当てられるのが特徴です。

動作確認SteamOS 3.9のインストールで何が動いたのか

ETA PRIMEの検証では、Valveが公開しているSteam Deck用のリカバリーイメージからSteamOSをインストールし、その後SteamOSのMainブランチへ切り替える方法が使われました。

Valveのダウンロードページで配布されているのは、厳密には汎用PC専用インストーラーではなく「Steam Deck Image」です。そのため、一般的なWindowsノートPCへの導入は、メーカーが保証する通常のOS再インストールとは異なります。

今回のASUS TUF Gaming A14では、内蔵ディスプレイ、Wi-Fi、Bluetooth、USBポート、タッチパッドが動作しました。SteamOSのゲーミングモードだけでなく、KDE Plasmaを採用したデスクトップモードも利用でき、Discoverからデスクトップアプリへアクセスできています。少なくとも基本的なゲームプレイやWebブラウジング、ファイル操作などは可能な状態です。

ただし、指紋認証、カメラ、マイク、輝度制御、ファンクションキー、スリープ復帰、外部モニター、USB4、バッテリー充電制限など、ノートPC固有のすべての機能が検証されたわけではありません。短時間の動作確認で問題がなくても、長期間使った場合のスリープ失敗やアップデート後の起動不能が発生しないとは限らない点に注意が必要です。

性能実測Radeon 8060SのSteamOSゲーム性能

今回の検証では、フレーム生成を基本的に無効にした状態で複数のゲームがテストされています。

ゲーム解像度・設定動作結果
Marvel’s Spider-Man 21440p、高設定、FSR無効平均80fps以上
Crimson Desert1440p、高設定、FSR Quality60fps以上
Halo: Campaign Evolved1440p、高設定、FSR Balanced相当70〜75fps前後
DOOM: The Dark Ages1440p、高設定、FSR Balanced約60fps
Cyberpunk 20771440p、高設定、FSR 2.1 Quality約60fps

『Marvel’s Spider-Man 2』では、FSRを使わずに1440p・高設定で平均80fps以上を記録しました。Linux版が用意されていないWindows向けゲームでありながら、Protonを通して高いフレームレートで動作しています。

『Crimson Desert』は1440p・高設定・FSR Qualityで60fps以上を維持しました。『DOOM: The Dark Ages』もFSR Balancedを使用することで、同じく1440p・高設定で約60fpsに達しています。

『Halo: Campaign Evolved』は1440p・高設定・FSR Balanced相当で70〜75fps前後です。期待より低い性能という評価もありますが、フレーム生成を有効にすれば表示フレームレートをさらに伸ばせる可能性があります。『Cyberpunk 2077』についても、1440p・高設定・FSR 2.1 Qualityで約60fpsという結果です。Radeon 8060SはCPU内蔵GPUですが、メモリ帯域の広いStrix Haloでは、設定次第で重量級ゲームをWQHDクラスの解像度でも動かせます。

ただし、今回の数値は同一条件でWindowsと比較したものではありません。SteamOSにすると必ずWindowsより高速になると判断できるデータではなく、Radeon 8060SがLinux環境でも本来に近い性能を発揮できたことを示す結果と見るべきです。

Windowsとの比較SteamOSにするとゲーム性能は上がるのか

SteamOSはWindowsよりバックグラウンド処理が少なく、ゲーム機に近いUIで操作できることが魅力です。しかし、OSを変更するだけですべてのゲームのfpsが上がるわけではありません。

SteamOSではWindows向けゲームをProtonという互換レイヤーを通して実行します。ゲームやAPI、ドライバーとの組み合わせによっては、Windowsとほぼ同じ性能になる場合もあれば、SteamOSのほうが速くなる場合、逆に遅くなる場合もあります。ValveもSteamOSにProtonを搭載し、Windows向けゲームを移植作業なしで動かせる仕組みを提供しています。

今回の『Marvel’s Spider-Man 2』のように良好な結果が出るタイトルがある一方で、起動できないゲームやアップデート後に動作しなくなるゲームも残っています。SteamOSを選ぶ目的は、単純なfps向上というより、ゲーム機のようなUI、素早いスリープと復帰、コントローラー中心の操作、Windows Updateに邪魔されにくい環境を手に入れることにあります。

駆動時間バッテリーは軽いゲームなら4〜7時間

SteamOSをゲーミングノートへ導入する場合、ゲーム性能と同じくらい重要なのがバッテリー駆動時間です。

軽量なゲームの検証では、『Hollow Knight: Silksong』を1200p・60fpsで動かした際のシステム消費電力が16W未満に収まっています。複数のインディーゲームをプレイした場合、バッテリー駆動時間はゲームによって約4〜7時間と推定されました。

一方、『Cyberpunk 2077』をSteam Deck向けプリセット、60fps上限で動かした場合、800pでは約2時間25分、1200pでは約1時間40分です。検証機には73Whバッテリーが搭載されています。このテストでは、SteamOSの標準電源プロファイルが使用され、TDP制限や細かな省電力調整は行われていません。

軽いゲームでは十分な駆動時間が期待できますが、重量級ゲームを高い解像度で動かすと、Windows搭載ゲーミングノートと同様にバッテリーは短時間で減ります。Steam Deckのように低いTDPへ細かく制限できる機能がノートPC向けに整備されれば、今後はさらに駆動時間を伸ばせる可能性があります。

開発版の注意SteamOS 3.9は正式版ではない

SteamOS 3.9という名称から、SteamOS 3.8の後継安定版がすでに正式配信されているように見えますが、今回使われた3.9は開発中のMainブランチです。

Valveが一般ユーザー向けに安定版として配信しているのはSteamOS 3.8系です。SteamOS 3.9のMainブランチには、新しいCPUやGPUを動かすためのドライバーやカーネルが早い段階で含まれる一方、安定版では発生しない不具合が残っている可能性があります。アップデートによってWi-Fiが認識しなくなったり、スリープ復帰できなくなったり、起動そのものが失敗したりする可能性もあります。

メインPCや仕事用PCへSteamOS 3.9を直接インストールするのはおすすめできません。検証する場合は、Windowsが入っているSSDを上書きするのではなく、増設した別のM.2 SSDへインストールする方法が安全です。TUF Gaming A14は構成によってストレージの増設に対応しますが、作業前にはメーカーの分解条件や保証規定も確認する必要があります。

互換性の壁SteamOSでは遊べないゲームもある

SteamOSは多くのWindows向けSteamゲームを動かせますが、すべてのゲームに対応しているわけではありません。特に注意したいのが、アンチチートを使用するオンラインゲームです。

ValveのDeck Verifiedでは、Protonだけでなく、ゲームが使用しているミドルウェアやアンチチートまで正常に動作することが互換性判定の条件になっています。アンチチート側がLinuxやProtonを許可していないゲームは、PCの性能が足りていてもSteamOSでは起動できません。

また、PC Game Passのゲームをローカル環境へインストールして遊ぶには、Windows用Xboxアプリが必要です。Microsoftの案内でも、PC Game PassにはWindowsとXboxアプリが必要とされています。Steam以外のランチャーも、導入できたとしてもWindowsと同じ安定性や自動更新を保証できません。『VALORANT』などの競技ゲーム、PC Game Pass、メーカー独自の管理アプリを頻繁に使う人は、Windowsを残しておく必要があります。

事前チェックSteamOSを入れる前に確認したい注意点

SteamOSをゲーミングノートへ導入すると、メーカーがWindows向けに提供している制御ソフトを利用できなくなる可能性があります。

ASUS製品では、Armoury Crateを使って動作モード、ファン、キーボード、充電制限などを設定します。SteamOSではWindows版Armoury Crateをそのまま使えないため、同じ制御ができるとは限りません。BIOSアップデートについても、Windows用の更新ツールしか用意されていない場合があります。SteamOSへ完全移行する前に、BIOSやファームウェアを更新する方法を確認しておく必要があります。

Windowsを暗号化しているBitLockerにも注意が必要です。BIOSの設定や起動構成を変更すると、次回のWindows起動時にBitLocker回復キーを求められることがあります。SteamOSのインストールを始める前に、重要なファイルのバックアップ、BitLocker回復キーの保存、Windows回復ドライブの作成を済ませておきましょう。

機種選びSteamOS目的ならAMD搭載ノートを選ぶべきか

現時点でSteamOSを試すなら、NVIDIAの単体GPUを搭載したノートよりも、AMDのAPUまたはRadeon GPUを搭載したPCのほうが無難です。Valveの公式SteamOSページでも、SteamOS 3.8でAMD搭載ハンドヘルドPCやデスクトップPCとの互換性が改善されたと案内されています。

Ryzen AI Max+ 392とRadeon 8060Sの組み合わせは、CPUとGPUが同じ高速メモリを共有するため、SteamOSとの相性を検証する構成として適しています。単体GPUを持たないので、内蔵GPUと外部GPUを切り替えるハイブリッドグラフィックスの問題も避けられます。

ただし、SteamOSを使うためだけに高価なRyzen AI Max搭載ノートへ買い替える必要はありません。Steamゲームを中心に遊び、Windowsのデスクトップ操作を減らしたい場合はSteamOSが魅力的です。一方、PC Game Pass、仕事用ソフト、Adobe製品、周辺機器の専用アプリまで使うなら、Windows 11のほうが扱いやすい状態です。

代替OSBazziteとの違いは何か

これまで一般的なゲーミングノートでSteam Deckに近い環境を構築する場合、Bazziteなどの Linuxディストリビューションがよく使われていました。

Bazziteは対応ハードウェアの幅が広く、デスクトップPCやゲーミングノートへの導入事例も豊富です。一方、SteamOSはValveが直接開発しているため、Steamクライアントやゲームモード、新しいSteamハードウェアとの統合では有利になる可能性があります。SteamOS 3.9の検証結果は、Bazziteが不要になったことを意味するものではありません。

安定性やコミュニティの情報量を重視するならBazzite、Valve純正の環境をいち早く試したいならSteamOSという選び方になります。SteamOSの正式な汎用PC対応が進めば、今後はこの差が縮まる可能性があります。

今後の展望SteamOS搭載ゲーミングノートは増える可能性がある

ValveはSteamOSをSteam Deckだけに限定せず、AMD搭載の他社製PCへ対応範囲を広げています。公式ページでは、SteamOS 3.8によってAMD搭載のハンドヘルドPCとデスクトップPCの互換性が改善されたと説明されています。Valveが配布するイメージから一般PCへインストールする道筋も用意され始めました。

今回、一般的なクラムシェル型ゲーミングノートで内蔵画面やタッチパッドまで動作したことは、SteamOSが携帯ゲーム機だけのOSではなくなりつつあることを示しています。将来的には、メーカーがSteamOS用のファームウェアや電力管理機能を用意した「Powered by SteamOS」のゲーミングノートが登場しても不思議ではありません。特にRadeon 8060Sのような高性能内蔵GPUは、単体GPUを使わずに消費電力や本体サイズを抑えられるため、SteamOS搭載ノートと相性のよい構成です。

総括まとめ|検証結果は良好だが正式対応はこれから

結論

SteamOS 3.9は、Ryzen AI Max+ 392とRadeon 8060Sを搭載したASUS TUF Gaming A14で動作しました。Wi-Fi、Bluetooth、USB、タッチパッド、内蔵ディスプレイが追加ドライバーなしで認識され、『Marvel’s Spider-Man 2』では1440p・高設定・FSR無効で平均80fps以上を記録しています。『Cyberpunk 2077』や『Crimson Desert』なども、FSRを利用することで1440p・約60fpsで動作しました。軽いゲームでは4〜7時間程度のバッテリー駆動も期待できます。

ただし、SteamOS 3.9は開発中のMainブランチであり、ASUSが正式にサポートしているOSではありません。メーカー独自機能、アンチチート、PC Game Pass、スリープ、アップデート後の安定性には課題が残ります。現時点では、Windowsを完全に削除するのではなく、別のSSDへSteamOSを導入してデュアルブートで試すのが現実的です。

今回の検証によって、AMD搭載ゲーミングノートをSteam Deckのように使える未来は大きく近づきました。ただし、誰にでもおすすめできるWindowsの代替OSになるには、SteamOS 3.9の正式リリースと、ノートPCメーカーによる対応が必要です。

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