HORI「Arcade Classic Pro」はなぜ3万9,980円?トラックボール・パドル交換式とPC接続の制限を解説【2026年9月】
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トラックボール・パドル・ループレバーを1台で再現する代償
ゲームセンターにあったトラックボール・パドル・ループレバーの操作感は、いまの家庭用ゲーム機やPC向け周辺機器ではほとんど再現されていません。『サイバリオン』のトラックボールや『アルカノイド』のパドルは、スティックとボタンだけのアケコンでは代用できない入力方式です。
HORIは2026年9月14日、受注生産で「Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2」を発表しました。スティック・トラックボール・パドル・ループレバーの4種類のユニットを付け替えられるアーケードコントローラーで、価格は3万9,980円。対応機種はNintendo Switch 2・Nintendo Switch・Windows 11搭載PCです。
単なる新製品の紹介にとどめず、通常のレバー式アケコンより1万5,180円高い理由、PCで使う際にXInput限定という制限があること、横幅約50cmという本体サイズ、Nintendo Switch 2の純正コントローラーの代わりにはならない点、受注生産でキャンセルができない販売条件まで、購入判断に必要な材料を整理します。
目次
結論先に結論|検討する価値がある人・見送るべき人
- トラックボールやパドルを使う古いアーケードタイトルを遊びたい
- 4種類の操作方式を1台で使い分けたい
- Nintendo Switch 2とPCの両方で使い回したい
- 受注生産と2027年の発売まで待てる
- 目的が格闘ゲームだけ
- ジャイロやamiiboなど純正コントローラーの機能も使いたい
- DirectInput専用のPCゲームで使う予定がある
- 注文後にキャンセルできない条件を避けたい
判断の軸は単純です。「高性能なアケコン」としてではなく、「トラックボール・パドル・ループレバーという特殊な入力系を1台に集約した製品」として見るかどうかです。格闘ゲーム用として比較すると、価格もサイズも割高にしか見えません。
構成4種類のユニットを六角レンチで交換する
本体には天面に8ボタンを備え、左右の着脱パネルへスティック・トラックボール・パドル・ループレバーの4種類から好きなユニットを組み合わせて装着します。付属の六角レンチでユーザー自身が付け外しでき、ユニットごとの重量はスティックが約0.4kg、それ以外の3種が各約0.3kgです。
各ユニットの操作方式と、HORIが使用イメージとして挙げているタイトルは次のとおりです。
| ユニット | 操作方式 | 使用イメージ |
|---|---|---|
| スティック | 8方向入力に対応。斜め入力ロック機能で4方向入力にも切り替え可能 | 『クイックス』 |
| トラックボール | 埋め込まれたボールを回転させる、マウスに近い直感操作 | 『サイバリオン』 |
| パドル | ダイヤルをひねって左右方向へ移動させる回転操作 | 『アルカノイド』 |
| ループレバー | スティックと同じ8方向操作に加え、レバー自体をダイヤルのように回す操作にも対応 | 『フロントライン』 |
公式は「格闘ゲームやシューティングゲームおよび『アーケードアーカイブス』シリーズに対応した仕様」と案内しています。トラックボールやパドルが必要なタイトルを普段から遊んでいる人ほど、恩恵が大きい構成です。
なお、同じ「複数の入力方式を1台で交換できるアケコン」でも、X-Arcadeの「Arcade2TV-XR MAX」とは別物です。ブランド・価格帯・ライセンス形態が異なり、対応ユニットもピンボール用のフリッパーやスピナーを含む構成で、Arcade Classic Proの4ユニットとは重なりません。
価格ファイティングスティックαとの1万5,180円差の中身
HORIには単一のレバー式アケコン「ファイティングスティックα for PlayStation 5, PlayStation 4, PC」があります。同じHORI製、同じレバー系アケコンとして並べると、価格差の理由が見えてきます。
スティック・トラックボール・パドル・ループレバーの4種類が付属し、外形寸法は約(幅)50cm×(奥行)29cm×(高さ)11cm、重量は約2.0kg(ユニット無し・ケーブル含む)です。
ユニット交換の機能はなく、レバーとボタンの単一構成です。外形寸法は約(幅)41cm×(奥行)30cm×(高さ)12cm、重量は約2.7kgです。
1万5,180円の差は、ユニット3個分(トラックボール・パドル・ループレバー、各約0.3kg)の追加ハードウェアと、単一の操作系ではなく4系統をカバーする設計コストに相当します。横幅は約50cmとファイティングスティックαの約41cmより9cmほど大きく、設置スペースにも余裕が必要です。格闘ゲーム1本だけが目的なら、この差額とサイズ増を正当化しにくいというのが実情です。
PC対応XInput限定でDirectInputのゲームには使えない
PC接続はUSB Type-A、ケーブル長は約3mで、対応OSはWindows 11です。ここで注意したいのが入力方式の仕様です。HORI公式は「本品はXInput対応のゲームにのみ対応しています。DirectInput対応のゲームには対応しておりません」と明記しています。
Steamで配信されている格闘ゲーム・シューティングの主要タイトルはXInputに対応しているものがほとんどですが、古いPCゲームや一部のエミュレーター・フロントエンドにはDirectInputでしか入力を検知しないものがあります。購入前に、遊びたいタイトルの対応入力方式を確認してください。
入力方式はXInputとマウスの2系統です。トラックボール・パドルをマウス相当の操作として使うタイトルであれば、この構成でも問題なく動作します。PCでコントローラーが正しく認識されない場合の一般的な確認手順はPCゲーム用コントローラーの接続・設定ガイドにまとめています。
非対応通常のSwitch 2コントローラーの代わりにはならない
アーケード風の操作に振り切った分、Nintendo Switch 2の純正コントローラーが持つ機能の多くを削っています。HORI公式によると、ジャイロセンサー・加速度センサー・モーションIRカメラ・振動機能・amiiboの読み書き・ヘッドホンマイク端子・スリープ解除機能のいずれにも対応していません。プレイヤーランプとおしらせランプも搭載していません。
- ジャイロセンサー・加速度センサーを使うモーション操作
- モーションIRカメラを使う機能
- 振動(ハプティック)機能
- amiiboの読み書き
- ヘッドホンマイク端子
- 本体のスリープ解除機能
普段使いのコントローラーをこれ1台に置き換えるのではなく、特定のジャンルを遊ぶための専用機として純正コントローラーと併用する前提で考えたほうが実態に合います。Switch 2周辺機器では純正の代わりにならない製品はほかにもあり、GameSir Tegenaria LiteもCボタンとジャイロが非対応で、同じ注意が必要です。
受注生産キャンセル不可の条件と発売日表記の食い違い
販売はホリストア限定の受注生産です。受注期間は2026年9月14日から10月2日までで、ホリストアは「ご注文後のキャンセルは、一切お受けできません」と明記しています。発売までは半年近く待つことになるため、注文前に用途を固めておく必要があります。
HORI公式製品ページでは発売予定日を「2027年初春」とだけ案内していますが、ホリストアの商品ページには「2027年2月28日」という具体的な日付が明記されています。具体的な日付が出ているのはホリストア側の表記のみで、変動する可能性がある点は理解したうえで注文したほうが安全です。
連射機能は「連射」(ボタンを押している間だけ連射)と「連射ホールド」(離しても連射を継続)の2モードがあり、速度は毎秒5回・10回・20回の3段階から選べます。ASSIGNボタンを長押しすると、別のボタンへ機能を割り当てるアサイン機能も使えます。
格闘ゲーム格闘ゲームだけが目的なら通常のアケコンが現実的
ここまで見てきたとおり、Arcade Classic Proの価値はトラックボール・パドル・ループレバーという特殊な操作系を1台でカバーできる点にあります。逆に言えば、格闘ゲームの対戦や練習だけが目的なら、この製品を選ぶ理由はほとんどありません。本体が大きく重い上、価格もレバー単機能のファイティングスティックαより1万5,180円高くなります。
PC専用でさらに価格を抑えたいなら、HORIの「NOLVA Mechanical All-Button Arcade Controller for Windows PC」のように1万4,980円で買えるレバーレスもあります。レバー式・レバーレスそれぞれの特徴、大会で使える条件、予算別のおすすめはアケコン・レバーレスの選び方で詳しく解説しています。
FAQよくある質問
まとめまとめ|価格ではなく用途で選ぶ製品
Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2は、スティック・トラックボール・パドル・ループレバーの4種類を六角レンチで交換できるアーケードコントローラーです。価格は3万9,980円で、対応機種はNintendo Switch 2・Nintendo Switch・Windows 11搭載PC。PCではXInput対応ゲームにのみ対応し、DirectInput対応ゲームでは使えません。
格闘ゲーム用としては、本体サイズと価格の両面で割に合いません。一方で、トラックボールやパドルを使う古いアーケードタイトルを1台でカバーできる製品は他にほとんどなく、そこに価値を見いだせるかどうかで評価が分かれます。ジャイロやamiiboなど純正コントローラーの機能は持たないため、普段使いの置き換えにはなりません。
購入する場合は、受注期間が2026年9月14日〜10月2日でキャンセルができないこと、発売時期がホリストア表記で「2027年2月28日」、HORI公式表記で「2027年初春」と食い違っていることを理解したうえで注文してください。
トラックボール・パドル・ループレバーを使う古いアーケードタイトルを遊ぶ人にとってだけ、代わりの効かない製品になります。格闘ゲームが目的なら、価格もサイズも扱いやすいファイティングスティックαやレバーレスのほうが現実的です。
出典:HORI公式「Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2」製品ページ、ホリストア「HORI Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2」商品ページ、HORI公式「ファイティングスティックα for PlayStation 5, PlayStation 4, PC」製品ページ、HORI公式「NOLVA Mechanical All-Button Arcade Controller for Windows PC」製品ページ。価格・仕様は2026年9月17日時点の確認にもとづきます。




