GigaCrystaが1000Hz・5K・AIモニターをTGS2026で公開|4K75Hz/FHD300Hzは低価格帯を狙う
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4K75Hz/FHD300Hzは低価格帯を狙う
出典:アイ・オー・データ機器プレスリリース「東京ゲームショウ2026 アイオーデータブース展示商品を一挙公開」、アイオーデータ公式GCFXシリーズページ、同LCD-GDU271JLAQD製品ページ、同LCD-GDQ271RA製品ニュース、同LCD-GDQ271JLAQ製品ニュース、LG公式UltraGear 25G590B-B発表資料にもとづきます。
アイオーデータが東京ゲームショウ2026で、ゲーミングモニターブランド「GigaCrysta」の未発表モデルと、さらにその先を見据えたコンセプトモデルを公開しました。展示された中には、24.5型フルHD・1000Hzの液晶モニターや、27型5K・5000分割Mini LED、AIによる画質調整機能を搭載した4K240Hzモデルなど、2026年のゲーミングモニター市場を象徴するようなスペックが並んでいます。
ただし、今回の展示をすべて「近日発売される新製品」と見るのは適切ではありません。実際には、製品化を見据えた参考出展である「GDU271ADシリーズ」「LCD-GDQ271ULAQシリーズ」と、まだ製品化が決まっていない5種類のコンセプトモデルに分かれています。TGS2026で公開されたGigaCrystaの新モデルを整理しながら、それぞれのスペックがゲーミング用途で何を意味するのか、既存モデルと比較して解説します。
目次
注目「GDU271AD」がかなり面白い
今回もっとも現実的に購入候補になりそうなのが、コストパフォーマンス重視ブランド「GCFX」から参考出展された「GDU271ADシリーズ」です。アイオーデータ公式発表によると、27型4Kモニターで、4K時は最大75Hz、フルHDへ切り替えると最大300Hzで表示できるDual Frame Rate(DFR)機能を搭載します。パネルはAHVA、ブラックとホワイトの2色が用意される予定です。
アイオーデータはGCFXについて、機能を意図的に絞り、高リフレッシュレートや低遅延などゲームに直接関係する部分へコストを集中させるシリーズと説明しています。GDU271ADはその考え方がかなり分かりやすく表れたモデルです。なお、アイオーデータ公式リリースでは「GDU271ADシリーズ」、AV Watchでは特定販路向け型番とみられる「EX-GDU271AD」として紹介されています。価格・発売時期は本稿時点で未発表の参考出展です。

分析4K75HzとFHD300Hzの組み合わせには理由がありそう
GDU271ADで興味深いのが、「4K75Hz/フルHD300Hz」という少し変わったDFRの組み合わせです。4Kの3840×2160は約829万画素、フルHDの1920×1080は約207万画素なので、4KはフルHDのちょうど4倍の画素数です。そこで単純に「1画面の画素数×1秒間の更新回数」を計算すると、4K75Hzは約6億2208万画素/秒、フルHD300Hzも約6億2208万画素/秒になります。つまり、この2モードは表示する画素数とリフレッシュレートをちょうど4対1で交換する構成になっています。
これはアイオーデータが公式に設計理由として説明しているわけではありませんが、かなり合理的な組み合わせです。RPGやシミュレーション、MMORPGでは4Kの高精細表示を使い、VALORANTやCounter-Strike 2のような競技FPSではフルHD300Hzへ切り替える、という使い分けが想定できます。一方で注意したいのは、4Kモードが75Hzまでという点です。現在は4K120Hz以上のゲーミングモニターも珍しくないため、4K解像度のまま100fps以上でAAAゲームをプレイしたいユーザーには向きません。GDU271ADは「4K高リフレッシュレートモニターを安くする」というより、普段は4K、FPSをするときだけ300Hzという2つの用途をまとめることに意味がある製品と考えた方が分かりやすいでしょう。
比較上位の4K180Hz/FHD360Hzモデルとは別物
アイオーデータにはすでに、4K180HzとフルHD360Hzを切り替えられる上位モデル「LCD-GDU271JLAQD」があります。こちらは27型4Kに加えて2304ZONEのMini LED、量子ドット、DisplayHDR 1400、リモコン、高さ調整対応スタンド、5W+5Wスピーカーなどを搭載したGigaCrysta Sのフラッグシップです。AV WatchはTGS会場記事で、このフラッグシップを約9万円前後のモデルとして紹介しています。
これに対してGDU271ADが登場するのであれば、価格差はかなり大きくなる見込みです。その代わり4K時のリフレッシュレートは180Hzから75Hzへ下がり、Mini LEDや高機能スタンド、リモコンなどもありません。「高性能なDFRモニターを安くした」というより、DFRという機能だけを一般的な価格帯まで降ろそうとしている製品と見るべきでしょう。これまでデュアルモードは比較的高価なゲーミングモニターに採用されることが多かったため、GCFXがこの価格帯へ降りてくれば市場への影響は小さくありません。
高性能LCD-GDQ271ULAQはWQHD320Hz+2304ZONE Mini LED
もう1台の参考出展モデルが、GigaCrysta Sの「LCD-GDQ271ULAQシリーズ」です。27型・2560×1440のWQHD液晶で、量子ドットと直下型Mini LEDバックライトを採用。ローカルディミングは2304ZONE、最大リフレッシュレートは320Hz、応答速度は0.5ms[GTG]、NVIDIA G-SYNC対応とされています。ブラックとホワイトの2色があり、リモコンとスピーカーも標準搭載される予定です。発売時期・価格は本稿時点で未発表です。

スペックだけなら「WQHD320Hz」というモニターはすでにアイオーデータ自身が販売しています。2026年3月に発売された「LCD-GDQ271RAシリーズ」は同じ27型WQHD・最大320Hzで、応答速度も0.2ms[GTG]と、数字だけならむしろこちらの方が高速です。ではLCD-GDQ271ULAQの狙いはどこにあるのでしょうか。大きな違いはMini LEDと量子ドットです。320Hzという速度を維持しながら、ローカルディミングによるHDR表現や広色域まで強化することがLCD-GDQ271ULAQの狙いと考えられます。純粋にFPSだけをプレイするなら既存のLCD-GDQ271RAシリーズも有力ですが、FPSだけでなくRPGやオープンワールドゲームの映像も楽しみたいユーザーには、新モデルの方が魅力的な選択肢になりそうです。
進化2025年のMini LEDモデルから1年でかなり進化している
GigaCrystaのMini LEDモデルとして比較すると、進化幅はさらに分かりやすくなります。2025年に発売された「LCD-GDQ271JLAQ」は、27型WQHD・最大200Hz・576ZONEのMini LEDを採用し、DisplayHDR 1000に対応していました。今回のLCD-GDQ271ULAQは同じ27型WQHDながら、最大リフレッシュレートが200Hzから320Hzへ上がり、ローカルディミングも576ZONEから2304ZONEへ増えています。ゾーン数だけなら4倍です。
Mini LEDでは1つのバックライト領域が担当する面積を小さくできるほど、暗い背景に小さな光源がある場面などで発生するハローを抑えやすくなります。ただし、LCD-GDQ271ULAQのHDR認証やピーク輝度については現時点で正式発表されていません。2304ZONEという数字だけを見て、既存のDisplayHDR 1000モデルや4KのDisplayHDR 1400モデルよりHDR性能が高いと判断するのはまだ早いでしょう。正式発表時には最大輝度、HDR認証、色域、Adaptive-Syncの仕様まで確認したいところです。
未来1000Hzモニターも公開、ただし製品化はまだ決まっていない
今回もっとも目を引くスペックが、24.5型フルHD・1000Hzのコンセプトモニターです。アイオーデータは「ネイティブフルHD/1000Hzモデルとして国内初展示」と説明しています。ただし、1000Hzというスペックそのものは世界初ではありません。LGは24.5型フルHD IPSでネイティブ1000Hzに対応する「UltraGear 25G590B-B」をすでに発表しており、日本では2026年10月1日から順次発売予定です。予想実売価格は17万9000円前後となっています。当サイトでも25G590B-Bについて、1000Hzと1000fpsの関係を含めてすでに詳しく解説しています。
そのため、GigaCrystaの1000Hzモデルについて重要なのは「1000Hzそのもの」より、アイオーデータがこのクラスへの参入を検討していることです。LGの25G590B-Bは約18万円という完全な競技向け製品です。GCFXで機能を削って価格を下げる戦略を進めているアイオーデータが、将来1000Hzをどのシリーズ、どの価格で製品化するのかは注目したいところです。
1000Hzモニターは1秒間に最大1000回画面を書き換えられます。その能力を最大限利用するには非常に高いフレームレートが必要ですが、「1000fpsを常時出せなければ1000Hzが完全に無意味」というわけでもありません。一方で、500Hzから1000Hzへ上がるほど改善幅は小さくなります。LG自身も、1000Hzの実際の効果はゲームのフレームレート、PC性能、ゲーム設定、プレイヤーによって異なると説明しています。一般的なゲーミングPCユーザーにとっては、1000Hzという数字だけでモニターを選ぶより、解像度、パネル方式、応答速度、VRR、残像低減機能まで含めて判断する方が重要です。今回のGigaCrysta 1000Hzモデルについても、パネルの応答速度や残像低減機能、Adaptive-Sync、入力端子、価格などが判明してから評価する必要があります。
高精細27型5K+5000ZONE Mini LEDも展示
映像品質を極端に追求したコンセプトモデルもあります。「5K 5000 Zone Mini LED」は27型で、解像度5120×2880、5000分割のMini LEDバックライトを採用します。アイオーデータは国内初展示としています。5Kの5120×2880は約1475万画素なので、約829万画素の4Kよりさらに描画負荷が高くなります。ゲーム用途だけを考えるとかなりGPUを選ぶ解像度です。その一方、27型で5Kまで高密度化すれば、ゲームだけでなく写真編集、動画編集、文字表示などにもメリットがあります。
5000ZONEというバックライトも、現在のGigaCrysta S「LCD-GDU271JLAQD」が採用する2304ZONEを大きく上回ります。ただし、リフレッシュレートやHDR認証、最大輝度などはまだ正式発表されていません。現段階では「5Kゲーミングモニターが発売される」と考えるより、アイオーデータが高画素密度とMini LEDを次世代GigaCrystaの方向性として研究していることに意味があります。
技術4K240Hzの「AIモニター」はGPUとは別に映像を処理
1000Hz以上に技術的な面白さがあるのが「AIモニター」です。公式発表では27型・4K・240Hzで、DSPを搭載した2Way 2.1chスピーカーも組み合わせています。AV Watchによると、モニター内部にAIエンジンを持ち、入力映像を解析して超解像処理や画像調整を行うことで、PC側のGPU負荷を抑えながら高精細な表示を実現することを目指しているとのことです。
ここはDLSSやFSRなどとは考え方が異なります。DLSSなどはゲーム側とGPU側でレンダリング処理に介入しますが、ディスプレイ側の処理であれば、原理的には入力された映像をモニター側で処理することになります。ただし、ゲーム用途では画質だけでなく処理遅延が非常に重要です。AI処理による超解像や画像解析を行いながら、どの程度の表示遅延に抑えられるのか、ゲームモードでは処理をどこまで無効化できるのかといった点はまだ分かっていません。製品化された場合は、単純な「AIで画質が良くなるモニター」ではなく、入力遅延まで含めて検証する必要がありそうです。
その他49型QD-OLED 240Hzと16型WQHD 144Hzも展示
コンセプトモデルはほかにもあります。49型モデルは5120×1440のDQHD、アスペクト比32:9、湾曲QD-OLED、最大240Hzという構成です。AV Watchでは応答速度0.03msとされています。レーシングゲームやフライトシミュレーターなど、視野を横方向へ大きく広げたい用途を想定したモデルです。
もう1台は16型WQHD・144Hzのゲーミングモバイルモニターです。横置きのモバイルゲーミングモニターとしてだけでなく、縦置きしてDiscordやWebブラウザを表示するサブモニターとしての利用も想定されています。モバイルモニターは1000Hzや5Kほど派手ではありませんが、実際の利用者が広そうなのはこちらです。WQHD144Hzなら、ゲーミングノートと持ち運んでデュアルディスプレイ環境を作ったり、デスクトップPCで縦型サブモニターとして使ったりと用途を作りやすいため、製品化されれば価格次第で面白い存在になりそうです。
価格観測5つのコンセプトモデルは「発売予定」と考えない方がいい

注意したいのは、1000Hz、5K5000ZONE、49型QD-OLED、AIモニター、16型WQHD144Hzの5モデルについて、アイオーデータはあくまで「コンセプトモデル」として発表している点です。公式リリースでも「GigaCrystaの未来やチャレンジする方向性」と説明されており、発売日や正式な製品型番は発表されていません。
GDU271AD・LCD-GDQ271ULAQの両参考出展モデルについても、公式リリースには具体的な価格の記載はなく、本稿時点では未確定です。現時点で購入候補として追いかけるなら、まずこの2モデルの正式発表を待つのが確実です。
戦略2026年のGigaCrystaは「最速」だけを狙っていない
今回の展示で興味深いのは、1000Hz競争へ参加する一方で、アイオーデータがまったく違う方向のモニターも同時に開発していることです。2026年1月からGigaCrystaは、最上位の「GigaCrysta S」、標準の「GigaCrysta」、機能を絞ってコストパフォーマンスを重視する「GCFX」という3シリーズ体制へ移行しています。GigaCrystaシリーズは2026年7月時点で累計出荷100万台を突破しています。
今回の展示は、この3シリーズ体制の役割をかなり分かりやすく示しています。LCD-GDQ271ULAQは320Hzと2304ZONE Mini LEDを組み合わせた高性能モデル、GDU271ADは4K/300HzのDFRを必要最低限の装備で提供するモデルです。さらに将来向けとして1000Hz、5K Mini LED、AI、超ウルトラワイド、モバイルという別々の方向を試しています。リフレッシュレートだけを引き上げ続けるのではなく、「速さ」「映像美」「価格」「AI」「携帯性」にゲーミングモニターを分岐させようとしているように見えます。
選択肢GDU271ADの発売を待つ間に選べる現行DFRモデル
GDU271ADはまだ参考出展の段階で、発売時期は未定です。同じ「4K/FHDを切り替えるDFR」という発想をすでに製品化しているGigaCrystaの現行モデルもあります。
結論注目したいのは1000Hzより低価格帯のDFRモデル
TGS2026の展示で最もインパクトがある数字は間違いなく1000Hzです。しかし、実際のゲーミングPCユーザーへの影響という意味では、GDU271ADシリーズの方が重要な製品になる可能性があります。ネイティブ1000HzのLG UltraGear 25G590B-Bは予想実売17万9000円前後で、完全に競技プレイヤー向けの価格です。対してGDU271ADは、価格は未定ながらGCFXという「機能を絞って価格を下げる」ブランドから登場するため、一般的なゲーミングモニターの価格帯で4Kと300Hzを1台にまとめられる可能性があります。
もちろん4Kは75Hzまでで、高さ調整やリモコンなども削られています。それでも「RPGでは4K、FPSではフルHD300Hz」という使い方が手頃な価格帯で可能になれば、DFRがハイエンドモデルだけの機能ではなくなる可能性があります。もう一方のLCD-GDQ271ULAQも、WQHD320Hz・量子ドット・2304ZONE Mini LEDが実現すれば、速度とHDR画質を両方求めるユーザーにとって有力なモデルになりそうです。現時点ではどちらも正式発売前なので、最終的な価格、HDR仕様、入力端子、VRR、保証内容などは正式発表を待つ必要があります。
FAQよくある質問
まとめまとめ|GigaCrystaは高性能路線と低価格路線を両方強化
アイオーデータはTGS2026で、GigaCrystaの参考出展2モデルとコンセプト5モデルを公開しました。参考出展のGDU271AD(4K75Hz/FHD300Hz DFR)とLCD-GDQ271ULAQ(WQHD320Hz・2304ZONE Mini LED)はどちらも価格・発売時期が未発表ですが、既存モデルとの比較から、GDU271ADはDFR機能を手頃な価格帯へ持ち込む狙いのモデル、LCD-GDQ271ULAQは既存のWQHD320HzモデルにMini LEDと量子ドットを組み合わせた上位モデルと位置付けられそうです。
1000Hz、5K5000ZONE Mini LED、49型QD-OLED、AIモニター、16型WQHD144Hzの5モデルはあくまでコンセプト展示で、製品化の時期も価格も未定です。今回のTGS2026で見えたのは「GigaCrystaも1000Hzへ向かっている」ということだけではありません。高価格な最先端スペックを追うGigaCrysta Sと、必要な性能だけを残して価格を下げるGCFXの両方を強化していることの方が、今後モニターを購入するユーザーには重要な変化といえそうです。参考出展・コンセプトいずれも正式発表前のため、購入を検討する場合は今後のアイオーデータ公式発表を確認してください。





