10万円級アケコン「Arcade2TV-XR MAX」はPC・Steam Deck対応|5モード切替と普通のアケコンとの違い【2026年9月】
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格ゲー用に10万円は高すぎる。ただし代わりになる製品がほとんどない
X-Arcadeが「Arcade2TV-XR MAX」の予約受付を始めています。2人用のジョイスティックとボタンに加えて、中央にトラックボール、前面にスピナー2基、側面にピンボールのフリッパーボタンとスプリング式プランジャーまで備えた大型のアーケードコントローラーです。
先に結論を書きます。格闘ゲームを遊ぶためだけに買う製品ではありません。ストリートファイターや鉄拳が目的なら、数万円のアケコンやレバーレスのほうが競技性でも携帯性でも上です。
それでもこの製品に意味があるのは、トラックボール系やスピナー系の古いアーケードゲーム、そしてピンボールを1台でまとめて遊べる製品が、そもそもほとんど存在しないからです。この記事ではX-Arcade公式の情報をもとに、PC・Steam Deckでの使い勝手と、日本から買う場合の現実的なハードルまで整理します。
目次
結論先に結論|10万円級を出す価値がある人
- MAMEなどで古いアーケードゲームを幅広く遊んでいる
- トラックボールやスピナーを使うタイトルを遊びたい
- バーチャルピンボールを実機に近い操作で遊びたい
- 2人同時プレイを1台で完結させたい
- 目的が格闘ゲームの対戦や大会参加である
- 机の上に据え置ける大きさに収めたい
- 国内の販売店で買って保証を受けたい
- 予算を数万円までに抑えたい
判断軸ははっきりしています。「アケコンとして高い」のではなく、「アーケード筐体の入力系を1台に詰めた製品」として見るかどうかです。格ゲー用として比較すると割高にしか見えません。
構成1台に何が載っているのか
まず入力デバイスを確認します。公式が挙げているのは次のとおりです。
- 2人用のジョイスティック2本(業務用グレード・交換可能)
- 中央にアーケードグレードのトラックボール
- 前面にスピナー2基
- 側面にピンボール用フリッパーボタン(左右それぞれ3個)
- スプリング式のプランジャー(ボール発射用)
- ナッジ操作を検出する加速度計
- 機械的な手応えを返すフリッパーソレノイド
- 音声連動のハプティックシェイカー4基(SSF方式)
ジャンルごとに担当する入力が変わる構成です。格闘ゲームならジョイスティック、ブロック崩し系ならスピナー、トラックボールを使う古いタイトルなら中央のボール、ピンボールなら側面のフリッパーとプランジャーという具合に、1台でカバーする範囲がかなり広く取られています。
ソフトはArcade RangerとPinball FX VRの2本が同梱されます。
PC対応Steam DeckにもUSB-Cで直結できる
PCゲーマーにとって重要なのは接続まわりです。公式によると、Windows PC・Mac・Linux・Steam Deck・Raspberry Pi、そしてMeta Quest 2/3/3Sには別売アダプターなしで接続できます。一方でNintendo Switch、PlayStation、Xbox、レトロゲーム機については別売アダプターが必要です。
動作モードは5種類で、背面パネルの物理スイッチで切り替えます。
| モード | 役割 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Keyboard | キーボード入力として認識させる | MAMEなどキー割り当て前提のエミュレーター |
| D-input | DirectInputのゲームパッドとして認識 | 古いPCゲーム・一部のエミュレーター |
| X-input | XInputのゲームパッドとして認識 | Steamの現行タイトル全般 |
| Pinball | ピンボール向けの割り当て | Pinball FXなどのピンボールゲーム |
| VPX | Visual Pinball X向けに調整済み | バーチャルピンボール環境 |
公式は「ドライバーもアプリもメニューも不要」と説明しています。KeyboardモードとX-inputモードを物理スイッチで往復できる点は、MAMEとSteamを行き来する使い方では実用的です。ソフト側で毎回設定を切り替える手間が要りません。
なお、PCでコントローラーが正しく認識されない場合の一般的な確認手順はPCゲーム用コントローラーの接続・設定ガイドにまとめています。
世代差前モデルから何が増えたのか
X-Arcadeには前世代の「Arcade2TV-XR」があります。MAXで何が変わったのかを並べると、この製品の性格がはっきりします。
| 項目 | Arcade2TV-XR(前モデル) | Arcade2TV-XR MAX |
|---|---|---|
| ジョイスティック | 2本 | 2本 |
| トラックボール | 搭載 | 搭載 |
| スピナー | 非搭載 | 2基を前面に搭載 |
| ピンボール用プランジャー | 非搭載 | スプリング式を搭載 |
| フリッパーボタン | 非搭載 | 左右それぞれ3個 |
| ハプティック | 別売キットで追加 | 4基を標準搭載 |
つまりMAXで増えたのは、ピンボール周りの一式とスピナー、そしてハプティックの標準化です。前モデルは「2人用のジョイスティック+トラックボール」という構成で、そこにピンボール機能を足したのがMAXという位置づけになります。ピンボールに関心がなければ、増えた部分の多くは使わないことになります。
遅延公式の遅延表記は実測値ではない
公式ページには接続方式ごとの遅延が掲載されています。ただし読み方に注意が必要です。
| 接続方式 | 公式の表記 | 位置づけ |
|---|---|---|
| USB-C 有線 | 2〜3ms | 公式が最速としている接続 |
| 2.4GHz ドングル | 10ms | 無線での標準的な選択肢 |
| Bluetooth | 20ms | 最も遅延が大きい |
※公式ページには「Delay figures illustrative」と注記されており、これらは説明のための参考値です。第三者による実測レビューの数値ではありません。
「USB-C接続なら遅延2〜3ms」と実測値のように受け取るのは避けたほうがよいところです。公式自身が参考値だと断っており、測定条件も公開されていません。とはいえ有線が最も速く、Bluetoothが最も遅いという序列自体は一般的な傾向と一致します。格闘ゲームやシューティングを遊ぶなら有線を選ぶ、という判断で問題ありません。
比較普通のアケコンと何が違うのか
ここが購入判断の核心です。格闘ゲーム用のアケコンやレバーレスと、この製品は別のカテゴリーだと考えたほうが正確です。
格ゲー用のアケコンは、1人分の操作を最速で入力するための道具です。大会に持ち込める重量とサイズ、SOCDのレギュレーション対応、ボタンの換装性が価値になります。この観点では、Arcade2TV-XR MAXは大きすぎて重く、持ち運びには向きません。
対してArcade2TV-XR MAXは、アーケード筐体そのものの入力系を卓上に持ってくる製品です。トラックボールを使うタイトル、スピナーで操作するブロック崩し系、ピンボール。これらは普通のアケコンでは代替できず、個別に周辺機器を揃えると台数も配線も増えます。
格闘ゲームが目的なら、アケコン・レバーレスの選び方で扱っている数万円クラスの製品のほうが確実に適しています。実機の使用感についてはGRAPHT Command Trigger for PCのレビューも参考になります。
価格日本から買う場合に確認したいこと
価格は予約と通常で分かれています。
- コントローラー単体:予約 549ドル(通常予定価格 599ドル)
- コントローラー+台座セット:予約 649ドル(通常予定価格 699ドル)
- 台座のみ:100ドル
1ドル156円で換算すると、単体で約8万6,000円、台座セットで約10万1,000円です(2026年9月6日時点の為替。変動します)。
米国内の送料は単体33ドル、台座44ドル、セット77ドルと明示されていますが、国際送料については「決済時に提示」としか記載がありません。サイズと重量から相応の金額になると見込まれるため、日本から購入する場合は本体価格だけで判断せず、カートに入れて実際の総額を確認してください。関税と輸入消費税も別途かかります。
販売チャネルにも制約があります。公式には「Micro Centerの店頭では扱わず、公式ストア限定」と明記されており、国内代理店や国内の販売店で買う選択肢は現時点でありません。初期不良や故障時のやり取りも海外との直接対応になります。出荷時期は「クリスマス前」と案内されています。
選び方結局どんな人が買う製品か
用途を絞ると判断しやすくなります。
買う価値があるのは、遊びたいタイトルの幅が広い人です。MAMEで古いアーケードゲームを遊び、その中にトラックボールやスピナーを使うタイトルが含まれ、さらにVisual Pinball Xまで触る。この条件に当てはまるなら、代わりになる製品はほとんどありません。個別に周辺機器を集めるより配線も設置も現実的です。
見送るべきなのは、格闘ゲームが主目的の人です。この用途では大きさと重さが不利にしかならず、価格に見合いません。数万円のアケコンやレバーレスのほうが素直です。
判断がつかない場合は、「ピンボールとトラックボールを本当に遊ぶか」を先に考えてみてください。MAXで増えた部分はほぼそこに集中しており、使わないなら価格の大半が無駄になります。
FAQよくある質問
まとめまとめ|価格ではなく用途で決まる製品
Arcade2TV-XR MAXは、2人用ジョイスティックにトラックボール、スピナー2基、ピンボールのフリッパーとプランジャー、そしてハプティック4基までを1台にまとめた製品です。PC・Mac・Linux・Steam Deckにはアダプターなしで接続でき、5つの入力モードを背面の物理スイッチで切り替えられます。
格闘ゲーム用としては、大きさと価格の両面で割に合いません。一方で、トラックボール系やスピナー系の古いタイトル、そしてバーチャルピンボールまで1台でカバーできる製品は他にほとんどなく、そこに価値を見いだせるかどうかで評価が分かれます。
日本から買う場合は、本体価格に国際送料と関税が上乗せされ、サポートも海外との直接対応になります。この条件を許容できるかを含めて判断してください。
格闘ゲームが目的なら数万円のアケコンやレバーレスが正解です。MAMEでトラックボールやスピナーを使うタイトルを遊び、バーチャルピンボールまで触る人にとってだけ、代わりの効かない製品になります。前モデルからの追加分はほぼピンボール周りなので、そこを使うかどうかが判断の分かれ目です。
出典:X-Arcade公式「Arcade2TV-XR MAX」製品解説ページ、X-Arcade公式ストア「Arcade2TV-XR Max」商品ページ、X-Arcade公式「Arcade2TV-XR」(前モデル)製品ページ。円換算は2026年9月6日時点の為替(1ドル約156円)にもとづく参考値で、実際の支払額は為替・国際送料・関税により変動します。



