SSDでゲームのFPSは変わる?SATA・NVMeを11タイトルで比較、1% Lowが最大51%改善【2026年8月版】
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SATA・NVMeを11タイトルで比較、1% Lowが最大51%改善
「SSDを高速なモデルに交換するとゲームのFPSも上がるのか」「PCIe 5.0 SSDまで買う意味はあるのか」と気になっている人も多いでしょう。2026年8月、海外専門メディアがSATA SSD、PCIe 3.0、PCIe 4.0、PCIe 5.0 SSDを使い、11本のPCゲームで実際のゲームプレイ性能を比較した検証結果を公開しました。テストでは平均FPSだけでなく、カクつきの目安になる1% Lowや、ゲーム中のSSD帯域も測定されています。
結論から言えば、PCIe 3.0から4.0、さらに5.0へ高速化しても、ほとんどのゲームでFPSは変わりません。一方で『Forspoken』のようにストレージへのアクセス負荷が高いゲームでは、SATA SSDからNVMe SSDへ変更することで1% Lowが最大51%改善するケースも確認されています。
つまりゲーム用SSDでは、「PCIe 5.0かどうか」よりも「そもそもSATAかNVMeか」「ゲームがストレージをどのように使っているか」のほうが重要です。この記事では、海外専門メディアの検証結果をもとに、SSDでゲームのFPSがどこまで変わるのかを解説します。
目次
要点まず何が分かるか
海外専門メディアがSATA・PCIe 3.0・4.0・5.0 SSDを11本のPCゲームで比較したところ、測定可能な性能差が出たのは『Forspoken』と『Ratchet & Clank: Rift Apart』の2タイトルだけだったこと。PCIe世代同士(3.0・4.0・5.0)では意味のある性能差がほぼ確認されなかったこと。『Forspoken』ではSATAからPCIe SSDへ変更することで1% Lowが1080pで約22%、1440pで約51%、4Kで約39%改善したこと。16GBメモリという厳しい条件でもこの結果はほぼ変わらなかったこと。
検証概要SATA・PCIe 3.0・4.0・5.0 SSDを11ゲームで比較
今回の検証では、Samsung 870 EVOをSATA SSD、ADATA XPG SX8200 ProをPCIe 3.0 SSD、Sabrent Rocket 4 Plus-GをPCIe 4.0 SSD、Crucial T700をPCIe 5.0 SSDとして使用しています。CPUにはRyzen 7 9800X3D、GPUにはMSI GeForce RTX 5090 Vanguard SOC、メモリ容量は16GB DDR5-6000です。ゲーム側はSSDへの負荷を高めるため最高設定で実際のゲームプレイを測定しており、内蔵ベンチマークは使用していません。
検証されたのは、Forspoken・Alan Wake 2・Ratchet & Clank: Rift Apart・Marvel’s Spider-Man 2・Starfield・DOOM: The Dark Ages・Dead Space Remake・Cyberpunk 2077・The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered・007 First Light・F1 25の11タイトルです。11タイトルのうち、SATA SSDとPCIe SSDの間で測定可能なゲーム性能差が確認されたのは『Forspoken』と『Ratchet & Clank: Rift Apart』の2タイトルだけでした。さらにPCIe 3.0、4.0、5.0同士では、意味のある性能差はほぼ確認されていません。
出典:Tom’s Hardware(2026年8月8日)(2026年8月9日確認)
最大の差ForspokenはNVMe SSDで1% Lowが最大51%改善
今回もっとも大きな差が出たのが『Forspoken』です。『Forspoken』はPC向けDirectStorageを早期に採用したタイトルで、ゲーム中にもストレージから大量のデータを読み込みます。1080pではSATA SSDのピーク帯域が485MB/sだったのに対し、PCIe 3.0では1,324MB/s、PCIe 4.0では2,956MB/s、PCIe 5.0では2,761MB/sまで上昇しました。4KでもPCIe SSD側は約1.6〜2.9GB/sのピーク帯域を記録しています。
この差はゲームの滑らかさにも影響しました。SATA SSDからPCIe SSDへ変更した場合、1% Lowは1080pで約22%、1440pで約51%、4Kで約39%向上しています。平均FPSだけを見ると分かりにくい場合でも、1% Lowが改善すれば瞬間的なFPS低下が減るため、体感としてはカクつきが少なくなる可能性があります。
ただし重要なのは、PCIe 3.0・4.0・5.0同士では大きな差が出ていない点です。『Forspoken』で重要なのは「Gen5 SSDを使うこと」ではなく、「SATA SSDではなくPCIe接続のNVMe SSDを使うこと」と考えたほうが実態に近いでしょう。Steamに掲載されている『Forspoken』のUltra設定でもNVMe SSD 150GB以上が指定されており、4K・60fps環境ではNVMe SSDが想定されています。
世界間ジャンプRatchet & Clankはポータル移動で約38%差
『Ratchet & Clank: Rift Apart』もSSD性能が注目されてきたタイトルです。高速で別世界へ移動するポータル演出があり、ストレージからゲームデータを素早く読み込む設計になっています。今回の検証では、PCIe SSDを使うとポータル移動時間がSATA SSDより約2〜3秒短縮されました。さらに4Kのポータル移動シーンでは、PCIe SSD側の1% LowがSATA SSDより約38%高くなっています。
ただし通常のゲームプレイでは、SATA SSDとPCIe SSDで測定可能なFPS差は確認されていません。むしろ1080p・1440pのポータル移動シーンでは、読み込みが遅い分ポータル内に長くとどまるSATA SSDのほうがわずかに平均FPS・1% Lowが高くなる逆転現象も報告されています。Steamのシステム要件でも、最低環境ではSSD推奨、推奨環境ではSSD必須となっています。この結果からも、「高速SSDが常時FPSを上げる」というより、大量のゲームデータを短時間で読み込む特定の場面で差が出やすいと考えるのが適切です。
帯域と性能は別Alan Wake 2は5.1GB/s読み込んでもFPSが変わらない
興味深いのが『Alan Wake 2』です。4K環境ではPCIe 5.0 SSDが瞬間的に5,128MB/s、約5.1GB/sという非常に高いピーク帯域を記録しました。SATA SSDは572MB/sなので、瞬間的な転送量だけを見ると大きな差があります。それでも実際のゲーム性能には差がありませんでした。
理由の一つは、5GB/s以上という帯域が継続して必要になるわけではないことです。PCIe 5.0 SSDのピークはごく短時間で、平均帯域を見るとSATAが212MB/s、PCIe 3.0が214MB/s、PCIe 4.0が225MB/s、PCIe 5.0が223MB/sとかなり近くなっています。SSDの最大シーケンシャル読み込み速度だけを見てゲーム性能を判断できない好例です。「14GB/sのGen5 SSDだから、7GB/sのGen4 SSDよりゲームが2倍速い」という関係にはなりません。
他タイトルDOOMやCyberpunk 2077でも高速SSDによるFPS向上はほぼない
『DOOM: The Dark Ages』『Cyberpunk 2077』『Starfield』『Dead Space Remake』などでも比較が行われていますが、SSD世代を高速化することで意味のあるゲーム性能向上は確認されませんでした。『Dead Space Remake』についても、テストした全SSDでほぼ同じ性能となっています。
さらに、高速走行によって背景データを次々に読み込む『F1 25』でも、SATAからPCIe 5.0までゲーム性能はほぼ同一でした。4K時の平均ストレージ帯域もSATAが79MB/s、PCIe 5.0が89MB/s程度にとどまっています。SSDはスペック上では数倍から数十倍の転送速度差がありますが、ゲーム側がその帯域を使わなければFPSには反映されません。テクスチャの表示異常やポップインについても、テストした11ゲームではストレージによる明確な視覚的差は確認されていません。
背景なぜPCIe 5.0 SSDにしてもFPSが上がらない?
ゲームのFPSを決める中心的なパーツは、基本的にはGPUとCPUです。SSDはテクスチャやモデルなどのゲームデータをストレージからRAMやVRAMへ届ける役割を担います。その読み込みが十分に間に合っている状態では、SSDをさらに高速化してもGPUの描画能力そのものは向上しません。
今回の検証では、ゲーム中のストレージアクセスは主にランダムリードで、キュー深度も比較的低いことが確認されています。メーカーが公称する最大シーケンシャル速度をゲームが常に使うわけではありません。そのためPCIe 5.0 SSDが最大10GB/sを大きく超える読み込み性能を持っていても、ゲーム側が数百MB/sしか要求していなければ余った性能はFPS向上には使われません。
DirectStorage対応ゲームでも、必ずPCIe 5.0 SSDが必要になるわけではありません。今回DirectStorageを使用する『Forspoken』でも、SATA SSDとNVMe SSDには差が出たものの、PCIe 3.0・4.0・5.0間のゲーム性能差はほぼありませんでした。つまりDirectStorage対応というだけで、「Gen5 SSDに交換すればFPSが上がる」と判断するのは早計です。ゲーム側のデータ設計やGPUデコンプレッション、メモリ容量、読み込みパターンなどによって実際の効果は変わります。PCIe世代ごとの発熱・レーン分配・機種選びなど、Gen4からGen5への乗り換え判断そのものについてはPCIe Gen5 NVMe SSD ゲーミング体感完全ガイドで詳しく解説しています。
検証条件16GBメモリ環境でも結果はほぼ変わらなかった
今回の検証で注目したいのが、メモリを16GBに制限している点です。RAM容量が少なければストレージへのアクセスが増え、高速SSDほど有利になる可能性があります。そのためテストでは意図的に16GB環境が使われています。それでもPCIe 3.0・4.0・5.0のFPS差はほぼありませんでした。海外専門メディアでは16GBと64GBのメモリ環境も確認していますが、SSDアクティビティには大きな違いがなかったとしています。
かなりSSDへ負荷がかかりやすい条件でもこの結果であることを考えると、一般的なゲーミングPCでGen4からGen5へ変更しただけでFPSが大幅に伸びる可能性は低いと考えられます。なお今回の検証はHDDを対象外としており、海外専門メディアも現代のゲームでは長いロード時間や描画上の問題が発生するケースがあるとして、ゲーム用途でのHDD使用は推奨していません。
選び方ゲーム用ならPCIe 4.0 SSDで十分?
2026年時点で新しくゲーミングPCを組むのであれば、価格と性能のバランスではPCIe 4.0 NVMe SSDが依然として有力です。今回の11ゲーム検証では、PCIe 3.0、4.0、5.0の違いによって意味のあるFPS差は確認されませんでした。したがってゲーム用途だけを目的に、PCIe 4.0 SSDから高価なPCIe 5.0 SSDへ交換する必要性は低いでしょう。Gen5 SSDには、大容量ファイルのコピーや動画編集、制作作業など、高いストレージ帯域を利用できる用途でメリットがあります。しかしゲームの平均FPSや1% Lowだけを目的にするなら、同じ予算でSSD容量を増やしたり、GPUやCPUへ予算を回したりしたほうが効果的な場合があります。
すでにSATA SSDを使っている場合も、すべての人が急いでNVMe SSDへ交換する必要はありません。今回の11タイトルでは、SATA SSDでも9タイトルでPCIe SSDとほぼ同じゲーム性能でした。一方、『Forspoken』のように1% Lowへ明確な影響が出るゲームや、『Ratchet & Clank: Rift Apart』のポータル移動のようにロード時間へ影響する場面も存在します。そのため、SATA SSDからNVMe SSDへの交換は「FPSを上げるため」というより、今後のゲームへの対応、ロード時間、ゲームデータのコピー速度、M.2による配線の簡略化などを含めて判断するのがよいでしょう。ゲーム用SSDの容量選びについてはPCゲーム ストレージ容量 完全ガイドで解説しています。
FAQよくある質問
結論まとめ|ゲームのFPS目的ならPCIe 5.0 SSDは必須ではない
SATA、PCIe 3.0、PCIe 4.0、PCIe 5.0 SSDを11ゲームで比較した今回の検証では、SSDによる明確なゲーム性能差が出たのは11タイトル中2タイトルだけでした。特に『Forspoken』ではSATA SSDからPCIe SSDへ変更することで1% Lowが最大51%改善しており、ストレージ速度がゲームの滑らかさへ影響するケースが存在することも分かります。しかし、PCIe 3.0・4.0・5.0同士ではほとんど差がありません。
そのため、2026年時点でゲーム用途だけを考えるなら、PCIe 5.0 SSDは必須ではありません。新しく購入するなら価格と容量のバランスが良いPCIe 4.0 NVMe SSDを中心に選び、Gen5 SSDは価格差が小さい場合や、ゲーム以外でも高速ストレージ性能を活用する場合に検討するのが合理的です。すでにSATA SSDを使用している人も、FPS向上だけを目的にすぐ交換する必要はありませんが、『Forspoken』のようなストレージ負荷の高いタイトルや今後のDirectStorage対応ゲームまで考えるのであれば、NVMe SSDへ移行するメリットはあります。SSD選びでは「最大読み込み14GB/s」という数字だけではなく、自分のゲームでその性能を実際に使えるのかを見ることが重要です。

