ASUS・MSI・GIGABYTEのマザーボードが8〜9月に値上げの可能性|基板コスト高騰でB850・B650は今が買い時か
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8〜9月にかけて|基板コスト高騰でB850・B650は今買うべきか
Ryzen 9000シリーズでゲーミングPCを組もうとしている人にとって、マザーボード選びのタイミングは悩ましい問題です。ASUS、MSI、GIGABYTEの3社が、2026年8月から9月にかけてマザーボードの価格を引き上げる可能性が浮上しているためです。定番のAM5 B850・B650マザーボードは、値上げ前に急いで確保したほうがいいのでしょうか。
情報の出どころは、中国のPCパーツ流通情報を扱う博板堂です。同サイトでは、GIGABYTEが代理店に翌月からの値上げを通知したこと、MSIが8月に大幅な価格改定を計画していること、ASUSも8月から価格を引き上げる可能性があることが伝えられています。背景にあるのは基板材料や銅箔など部材コストの上昇で、マザーボード大手4社は2026年の出荷見通しを前年比約28%も引き下げています。
本記事は値上げ観測をそのまま伝えるだけでなく、基板コストが上がっている実際の理由、販売不振でも値上げが起きる構造、B850とB650のどちらを選ぶべきか、そして今すぐ買うべき人と待ってよい人を、一次情報にもとづいて整理します。
経緯ASUS・MSI・GIGABYTEの値上げ観測|情報の出どころと現状
中国のPCパーツ流通情報を扱う博板堂では、ASUS、GIGABYTE、MSIがマザーボードの販売価格を引き上げる可能性が伝えられています。同サイトの情報によると、GIGABYTEは代理店に対して翌月からの値上げを通知し、MSIは8月に大幅な価格改定を実施する計画があるとされています。ASUSについても、8月から価格を引き上げる可能性が伝えられました。
3社のうち1社については、2026年8月以降に出荷するマザーボードから、代理店向けの卸価格を10〜15%程度引き上げる可能性があるという情報もあります。理由として挙げられているのは、基板や銅、チップ用コンデンサー、制御チップなど、マザーボードを構成する部材コストの上昇で、これまでメーカー側が吸収してきたコスト増を、これ以上は吸収しきれなくなっているという説明です。
ただし、値上げの対象モデルや値上げ幅、日本市場での実施時期については、現時点で公式に発表されているわけではありません。中国市場における代理店向けの仕切り価格が上がっても、日本国内の店頭価格には為替、既存在庫、販売店独自の値引きやポイント還元、メーカーキャンペーンなどが影響します。店頭価格へ反映されるまでには、通常タイムラグが生じます。「9月からすべてのマザーボードが一斉に値上がりする」と断定できる段階ではなく、今後の公式発表を確認する必要があります。
背景なぜ値上がりするのか|基板・銅箔コストの上昇
今回の値上げ観測の背景にあるのは、マザーボードの土台となるプリント基板や銅箔、樹脂、電源回路用の半導体といった部材コストの上昇です。
半導体材料大手のレゾナックは2026年1月16日、電子回路基板の主要材料である銅張積層板とプリプレグの全製品について、2026年3月1日出荷分から30%の値上げを発表しました。理由として、原材料である銅箔やガラスクロスの需給逼迫による価格高騰に加え、人件費や輸送費の上昇を挙げています。銅張積層板とプリプレグは、マザーボードを含むあらゆる電子機器の基板に使われる基幹材料です。
基板そのものの価格上昇を示すデータもあります。2026年4月には、プリント基板の価格が前月比で最大40%上昇したとする分析が示されました。銅箔価格についても2026年に入ってから最大30%上昇しており、基板メーカーの間では、エポキシ樹脂などの調達リードタイムが従来の3週間程度から15週間程度まで延びたとされています。
これらの価格上昇の背景には、AIサーバー向け基板需要の急拡大があります。AIサーバーでは、一般的なPC用マザーボードよりも多層で高性能な基板が大量に必要になります。生産能力や高性能材料が、利益率の高いAIサーバー向けへ優先的に振り向けられるほど、一般消費者向けマザーボードのコストも連動して上がりやすくなる構図です。
逆風販売不振でも値上げされる理由
マザーボード市場では、価格上昇と販売台数の減少が同時に進んでいます。
ASUS、GIGABYTE、MSI、ASRockの大手4社は、2026年のマザーボード出荷見通しを大幅に引き下げました。4社合計では前年比で約28%の縮小が見込まれており、内訳はASUSが約33%減、GIGABYTEが約22%減、MSIが約24%減、ASRockが約37%減とされています。ASUSは2026年に出荷するマザーボードが1,000万枚あまりにとどまる見通しで、2025年の約1,500万枚から大きく落ち込む計算です。
通常であれば、売れない製品は値下げして在庫を減らそうとするものです。しかし、販売台数が減っても、基板・電源回路・ネットワークコントローラー・USBコントローラーといった部材の仕入れ価格は下がりません。むしろ上昇しているため、製品1枚あたりの製造コストは上がり、販売数量も減るという二重の逆風にさらされ、メーカーや販売店は従来の利益を維持しにくくなっています。
そのため、店頭価格の一斉値上げという分かりやすい形だけでなく、期間限定クーポンの縮小、ポイント還元の減少、CPUとのセット割引の終了といった、実質的な値上げから始まる可能性があります。低価格帯モデルのラインアップが整理されたり、後継製品が上位仕様へ置き換えられて実質的な最低価格が上がったりするケースにも注意が必要です。
在庫B650は逆に安くなる可能性もある
ここまでの情報だけを見ると、すぐにでもマザーボードを確保しなければならないように感じるかもしれません。ただしB650については、値上げとは逆方向の動き、つまり在庫処分による値下げが起きる可能性もあります。
AMDは2025年、B650からB850への切り替えを進めていることを明らかにしました。B650チップセットの新規生産は既に終了しており、マザーボードメーカー各社は在庫の整理を求められています。既存のB650在庫は、今後数四半期をかけて流通市場から徐々に減っていく状況です。
実際、2026年に入ってからもB650モデルの特価販売は続いています。発売から時間が経過した型落ちチップセットになるほど、販売店としては在庫を長く抱えるよりも、セールやCPUとのセット販売で早めに減らしたいと考えるためです。
そのため、B650がすべて一方向に値上がりするとは限りません。特定の人気モデルは在庫減少にともなって品薄・高値になっていく一方、在庫を多く抱えるモデルは処分価格になることも考えられます。B650を狙うのであれば、平均価格が下がるのをじっと待つより、必要な機能を備えたモデルがセール対象になったタイミングで判断するほうが現実的です。
スペックB850とB650の違い|PCIe 5.0対応の境界線
B850とB650は、どちらもAMDのSocket AM5に対応するミドルレンジ向けチップセットです。
AMDの資料によると、AM5対応チップセットは600シリーズ(B650・B650E・X670・X670Eなど)と800シリーズ(B850・X870・X870Eなど)に分かれ、いずれもRyzen 7000・8000・9000シリーズに対応します。ただしB650でRyzen 8000・9000シリーズを使う場合は、BIOSアップデートが必要になることがあります。
ゲーム性能そのものは、同じCPU・メモリ・グラフィックボードを使う限り、チップセットがB850だからといって大幅に高くなるわけではありません。両者の主な違いは、PCI Express 5.0への対応条件です。
B850では、NVMe SSD用のPCIe 5.0 x4接続が標準要件になっています。一方でグラフィックボード用スロットのPCIe 5.0対応は任意で、B850という名前だけで必ずPCIe 5.0 x16に対応するとは限りません。B650では、SSD用PCIe 5.0対応も製品によって異なります。B650でもPCIe 5.0対応のM.2スロットを備えたモデルはあるため、チップセット名だけでなく各製品の仕様を確認する必要があります。
このほか、B850世代の製品はWi-Fi 7、2.5GbE、着脱式の有線・無線アンテナ、工具不要のM.2ヒートシンク、BIOS Flashbackといった周辺機能が新しくなっている傾向があります。ただし、これらはB850チップセットに必須の機能ではありません。低価格なB850より、電源回路やUSB端子が充実した上位のB650のほうが向いているケースもあります。
選び方B850とB650、どちらを買うべきか
B850とB650の価格差が小さいなら、基本的にはB850を選ぶのがおすすめです。PCIe 5.0 SSDへの対応が分かりやすく、今後も主流製品として扱われるため、BIOS更新や情報を見つけやすいことが理由です。Wi-Fi 7や高速USBなど、新しい接続機能を備えた製品も選びやすくなっています。
一方で、B650がB850より明確に安く、必要な端子を備えているなら、B650を選んでもゲーム性能で大きく不利になることはありません。特にRyzen 5 9600X、Ryzen 7 9700X、Ryzen 7 7700X3Dなどを使い、グラフィックボード1枚とM.2 SSDを1〜2台搭載する一般的なゲーミングPCの範囲では、B650でも十分な構成を組めます。
目安としては、価格差が数千円程度ならB850、価格差が大きいならB650という判断で問題ありません。ただし、安いB850と高品質なB650を比較する場合は、チップセットの新しさだけで決めるべきではありません。VRMの構成、M.2スロット数、USB Type-C、2.5GbE、Wi-Fi、オーディオ端子、BIOS更新機能などをあわせて比較する必要があります。
該当者今マザーボードを買うべき人
2026年8月から9月までにゲーミングPCを組む予定があり、使用するCPUやPCケースまで決まっているなら、セール中のマザーボードを先に購入する選択肢があります。
特にB650は流通在庫が減少する段階に入っているため、特定の人気モデルを狙っている場合、同じ製品が今後さらに安くなるとは限りません。気になるモデルがセール価格になっているタイミングで、購入を前倒ししてもよい状況です。
AMDは2026年、Socket AM5のサポートを少なくとも2029年まで継続し、Zen 6・Zen 7世代のCPUもAM5へ投入する方針を公式に表明しています。これからAM5マザーボードを購入しても、CPUを交換しながら長く使える可能性があります。
ただし、「AM5を2029年まで支える」という表明が、現在販売されているすべてのマザーボードで、2029年までに登場するすべてのCPUが必ず動作することを保証するわけではありません。将来のCPU対応は、各マザーボードのBIOS容量、電源設計、メーカーのサポート方針にも左右されます。長期間使うつもりなら、販売実績が多く、BIOS更新が継続しているシリーズを選ぶことが重要です。
様子見まだ買わなくてもよい人
PCを組む時期が決まっていない場合や、次世代CPUの性能を確認してから構成を決めたい場合は、マザーボードだけを急いで買う必要はありません。
マザーボードを単体で先に購入すると、初期不良を確認できないまま販売店の交換期間が終了してしまう可能性があります。CPUやメモリがなければ、電源が入るか、メモリスロットやM.2スロットが正常に機能するかをテストできないためです。
また、将来のCPU発売時には、新しいBIOSを標準搭載した改良モデルや、CPUとのセットキャンペーンが登場する可能性もあります。今回の値上げ観測は、あくまで可能性を示すものであり、日本国内での実施時期や対象製品は確定していません。数か月以上先の予定のために、マザーボードだけを先に確保するのはリスクがあります。
着眼点価格以外に確認したいポイント
マザーボードを選ぶ際は、チップセット名だけではなく、実際に使用する構成との相性を見る必要があります。
同じB850でも製品ごとの差は大きいため、「B850だから将来性が高い」「B650だから古くて遅い」と単純に判断すべきではありません。
厳選参考|今組むならこのB850マザーとCPU
値上げの正式発表を待つより先に構成を固めたい人向けに、価格と機能のバランスが取れたB850マザーボードと、組み合わせやすいAM5 CPUを紹介します。


※価格は変動します。最新の価格はAmazonでご確認ください。
FAQよくある質問
結論総評|値上げの可能性を踏まえた判断
ASUS、MSI、GIGABYTEのマザーボードは、基板や銅箔、樹脂といった部材コストの上昇を受け、2026年8月から9月に値上げされる可能性があります。背景にはAIサーバー向け基板需要の拡大にともなう材料調達競争があり、レゾナックの銅張積層板30%値上げのように、上流の値上げは既に実際に起きています。
一方で、今回の情報は中国市場の流通情報が起点であり、メーカーが日本向けの値上げ幅や実施日を正式発表したものではありません。マザーボード大手4社の出荷見通し引き下げが示すとおり、市場全体が縮小と値上げの両方に直面している、これまでにない状況です。
1〜2か月以内にPCを組む予定があり、狙っているB850・B650マザーボードがセール価格になっているなら、値上げの正式発表を待たずに購入してもよい状況です。B850とB650の価格差が小さければB850が選びやすく、B650が大幅に安く必要な機能を備えているなら、B650でもゲーム性能やCPUの選択肢で困ることはありません。PCを組む時期が決まっていないなら、値上げ報道だけを理由に急いでマザーボードを単体購入せず、CPUやメモリを含めた構成が固まってから選ぶことをおすすめします。





