『NAME OF THE WILL: 集団後遺症』とは?笑顔でカルト信徒を演じる7日間|日本語・Steamデモ・行動評価システムを解説
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笑顔の仮面をつけたカルト施設で7日間、完璧な信徒を演じ抜けるか
出典:Steamストア公式ページ「NAME OF THE WILL: 集団後遺症」にもとづきます。開発背景・設計思想の一部は海外メディアの取材記事も参照しています。本記事の情報は2026年8月14日時点のものです。
「痛みは救い」「死を恐れる必要はない」——そんな価値観を植え付けられた笑顔の住民たちが暮らす巨大共同体「希望」。あなたは新たに入居した「隣人3279」として、この施設で7日間を過ごすことになります。
サイコロジカルホラー/ミステリーADV『NAME OF THE WILL: 集団後遺症』は、単なる探索ホラーではありません。躊躇い・思考・拒絶までもが評価対象になる「行動評価システム」を軸に、「どこまで教団に従うふりをするか」という選択そのものがゲームの核になっています。
この記事では、ゲームの舞台設定と行動評価システム、昼と夜で変わるゲーム性、開発陣が明かす設計思想、日本語対応状況、Steamで配信中のデモまで、公式情報にもとづいて整理します。
目次
要点『NAME OF THE WILL』はどんなゲームか
『NAME OF THE WILL: 集団後遺症』は、Zeitgeist Studio開発・HYPER REALパブリッシングのサイコロジカルホラー/ミステリーADVです。プレイヤーは34階建ての共同体「希望」に新入居した「隣人3279」となり、昼は模範的な信徒を演じて授業・尋問・投票をこなし、夜は立入禁止区域へ侵入して教団の起源と自身の過去を調査します。すべての行動・言葉が「行動評価システム」で記録され、服従と違反のスコアが複数のエンディングへつながります。全編手描きで60シーン以上のシネマティックアニメーションを収録。日本語インターフェース・字幕に対応し、Steamでは無料デモも配信中です。発売時期はSteam表記で2027年第1四半期、プレスリリースでは2027年春とされています。A MAZE. WINGS Award 2026を受賞、NEOWIZ Indie Questでは3位入賞という実績も持ちます。
舞台設定34階建ての共同体「希望」、隣人3279として7日間


スクリーンショット:Steamストア公式ページ「NAME OF THE WILL: 集団後遺症」
舞台は34階建ての巨大共同体「希望」。痛みは救いとなり、死こそ最高の栄誉となるという教義のもと、笑顔の仮面をつけた住民たちが暮らしています。プレイヤーは新たに入居した「隣人3279」として、この施設に潜入する形で物語が始まります。表向きは模範的な信徒として振る舞いながら、教団の「慈悲の心が溢れる」行動規範のもとで日々を過ごすことになります。
行動評価システム躊躇・思考・拒絶までもが記録される
本作の核となるのが「行動評価システム」です。Steam公式によれば、あらゆる躊躇い、ふとした思考、そして拒絶までもがこのシステムに記録され、規範への服従と違反によって評価スコアが変動し、その結果が複数のエンディングへつながります。単純なステルスホラーではなく、「どこまで教団に従うふりをするか」という選択そのものがゲームシステムとして組み込まれている点が特徴です。
設計思想同調圧力の心理学実験を下敷きにした「7段階」の評価
海外メディアの取材によれば、本作の行動評価システムは「7段階(seven-strike)」の構造を持ち、社会心理学者ソロモン・アッシュが1950年代に行った同調圧力の実験を下敷きにしているといいます。アッシュの実験では、集団からの圧力にさらされた被験者の76%が、少なくとも一度は明らかに誤った回答をしたことが知られています。さらに、スタンレー・ミルグラムの服従実験(周囲に反抗する人物がいると服従率が大きく下がるという知見)も本作の構造に組み込まれており、昼は住民の監視下で服従を演じ、夜は一人で行動するという本作の二重構造そのものが、この知見を反映したデザインになっているとされています。
開発元はこの作品が目指す恐怖のあり方を「daylight horror(日中の恐怖)」と呼んでいます。ジャンプスケアや怪物といった直接的な恐怖ではなく、明るく清潔な施設の中で「自分では間違っていると分かっているのに、周囲へ同調するよう迫られる圧力」そのものを恐怖の中心に据えているのが本作の狙いです。
昼のゲームプレイ教育課程・尋問・「栄光者」投票
昼間は、あらゆる行動・言葉が監視され評価対象になる中で、完璧な教団の信徒を演じることが求められます。Steam公式では、次のような日中のイベントが紹介されています。
夜のゲームプレイ探索・ステルスと現実/幻覚の切り替え
夜になると、ゲーム性は探索・ステルス寄りに変化します。34階層に散らばる手がかりをつなぎ合わせ、システムをハッキングして立入禁止区域へ侵入し、「希望」の起源を解き明かしていきます。施設内は指導者「慈父さま」が巡回しており、発見されると生贄に捧げられるとSteam公式は説明しています。
もう1つの特徴が、現実と幻覚を切り替えながら進める探索です。主人公3279自身の過去のトラウマが現在へ侵食し、日記や記憶の断片をつなぎ合わせることで、「なぜ自分が希望へたどり着いたのか」という謎に迫っていきます。
ビジュアル・サウンド60シーン以上の手描きアニメーション
ビジュアルは全編手描きで、Steam公式によれば60シーン以上のシネマティックアニメーションを収録します。シュルレアリスムと架空の香港を組み合わせた密度の高い世界観が特徴です。音楽は、香港拠点の作曲家hirsk氏(中華圏で権威ある音楽賞「金曲奨」の最優秀インストゥルメンタル・アルバムプロデューサー賞を受賞)が手がけ、香港の音風景を抽象化した催眠的なエレクトロニックサウンドで、陶酔と恐怖の境界を曖昧にする効果を狙っています。
開発背景香港ディアスポラのZeitgeist Studio、Kickstarterから商業展開へ
開発元のZeitgeist Studioは、世界各地に散らばる4人の香港出身者が立ち上げた、女性主導のスタジオです(拠点は米国)。香港・アジアのディアスポラ(離散)経験を国際的なゲームファンへ届けることを掲げて活動しており、本作もSXSWやOslo Freedom Forum、オーストラリアのFreeplay Independent Games Festivalといった場で発表されてきました。
本作はもともとKickstarterでの資金調達から始まったプロジェクトで、目標額の170%(571人のバッカーから25,567ドル)を達成しています。今回、日本発のパブリッシャーHYPER REAL(Sankei Digitalが2023年に設立、日本・アジア発の個性的な作品を海外へ届けることを掲げる)との契約により、国際的な流通網を持つ商業展開へと進むことになりました。
日本語対応UI・字幕は対応、フル音声は繁体字中国語のみ
Steamでは日本語インターフェースと日本語字幕に対応しています。音声については繁体字中国語のみがフル音声対応として掲載されており、日本語音声は用意されていません。英語、簡体字/繁体字中国語、フランス語、ロシア語、ウクライナ語、ラテンアメリカ向けスペイン語にも対応します。パブリッシャーのHYPER REALは、現在公開中のデモ版と製品版に向けて翻訳品質を継続的に改善していく方針としています。
動作環境も比較的軽量です。Windows版はWindows 10 21H1以降またはWindows 11 21H2以降、SSE2対応のIntel/AMD x64またはArm64 CPU、DX10・DX11・DX12またはVulkan対応GPUとなっています。macOS版(Big Sur以降、Apple Silicon対応)、SteamOS+Linux版(Ubuntu 22.04/24.04、OpenGLまたはVulkan対応GPU)にも対応しており、幅広い環境で遊べる設計です。
受賞歴・gamescomA MAZE. WINGS Award受賞、gamescom 2026で新デモ出展
本作はA MAZE. WINGS Award 2026を受賞したほか、韓国NEOWIZが主催するグローバルインディーコンテスト「NEOWIZ Indie Quest」では3位に入賞しています。同コンテストは9カ月にわたって開催され、韓国・アメリカ・中国など各国から作品が集まったとされています。
2026年8月26日から30日にかけてドイツ・ケルンで開催される「gamescom 2026」のIndie Arena Boothでは、現在Steamで配信中のデモとは別の新デモが出展される予定です。会場では「Democracy at Play」という括りに選出されており、本作の同調圧力をテーマにしたゲームシステムが、単なる雰囲気作りではなく社会的なメッセージ性を持つ作品として位置付けられていることがうかがえます。
FAQよくある質問
まとめまとめ|同調圧力をゲームシステム化したサイコロジカルホラー
『NAME OF THE WILL: 集団後遺症』は、カルト施設「希望」を舞台に、笑顔の信徒を演じながら7日間を生き延びるサイコロジカルホラー/ミステリーADVです。躊躇・思考・拒絶までも記録する行動評価システムと、社会心理学の同調圧力・服従実験を下敷きにした設計思想が組み合わさり、単なる探索ホラーとは一線を画す作品になっています。
日本語インターフェース・字幕に対応し、Steamでは無料デモも配信中。発売は2027年第1四半期(春)を予定しており、A MAZE. WINGS Award 2026受賞・NEOWIZ Indie Quest 3位という実績も持ちます。gamescom 2026での新デモ出展にも注目したいタイトルです。
Zeitgeist Studio開発・HYPER REALパブリッシングのサイコロジカルホラー/ミステリーADV『NAME OF THE WILL: 集団後遺症』。34階建ての共同体「希望」で「隣人3279」として7日間を過ごし、昼は模範的信徒を演じ夜は立入禁止区域を探索する二重構造。あらゆる躊躇・思考・拒絶を記録する「行動評価システム」が複数エンディングにつながる。社会心理学者ソロモン・アッシュの同調圧力実験(76%が集団圧力下で誤答)とスタンレー・ミルグラムの服従実験を下敷きにした「7段階」の評価構造で、開発元はこの恐怖のあり方を「daylight horror」と呼ぶ。全編手描き60シーン以上のシネマティック、香港拠点の作曲家hirsk氏(金曲奨受賞)による音楽。日本語UI・字幕対応(フル音声は繁体字中国語のみ)、Windows/macOS/Linux対応、Steamで無料デモ配信中。開発元Zeitgeist StudioはKickstarterで目標170%達成(571人・25,567ドル)の実績を経て日本のHYPER REALと契約。A MAZE. WINGS Award 2026受賞、NEOWIZ Indie Quest 3位。発売はSteam表記で2027年第1四半期(プレスリリースでは春)、gamescom 2026(8/26-30)で新デモ出展予定。



