『エースコンバット8』Steam版の『ゼロ』は単体で遊べない|3.2GBのDLCに本編137GBが必要、「独立したアプリ」表記は初日に変更
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3.2GBのゼロに本編137GBが必要、「独立したアプリ」の表記は先行プレイ初日に変更
2026年9月29日に先行プレイが始まった『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』(以下AC8)で、ゲーム本編とは別のところにPCユーザーの不満が集まっています。予約特典の『エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー』(2006年発売のPS2作品の移植版、以下ゼロ)が、Steam版だけ単体のゲームではなくAC8のDLCとして届いたためです。ゼロ自体は3.2GBですが、遊ぶには137.0GBのAC8本編を入れておく必要があります。
Steamの配信データをさかのぼると、ゼロのIDは2025年4月の時点でAC8のDLCとして登録されていました。発売直前にDLCへ切り替えたのではありません。変わったのはストアの説明文で、「本編とは独立したアプリケーション」という一文が9月上旬に書き足され、先行プレイ初日の9月29日の昼から夕方のあいだに「DLC実行ファイル」という表記へ書き換えられています。
PS5版・Xbox版との扱いの違い、容量の内訳、ストア表記が変わった時刻、低評価レビューのうちゼロに触れたものの割合を順に確認しました。予約済みで納得できない人の返金期限と、Steam Deckでゼロを遊ぶときの容量と画面設定もまとめています。

目次
要点Steam版のゼロはAC8に付属するDLC
Steam版のゼロはAC8のフォルダに入る別の実行ファイルで起動し、Steam上はAC8のDLCとして扱われます。ゼロだけをインストールしたり、AC8を消してゼロだけ残したりはできません。PS5版とXbox版では、ゼロは単体でインストール・削除できる独立したゲームです。
仕組み別のexeで起動しても、Steamの区分はAC8のDLC
Steam版のゼロは、AC8の中に組み込まれたモードではありません。AC8のインストールフォルダの中に「ACZero\acz.exe」という専用の実行ファイルがあり、ゼロはそこから起動します。本編の起動ファイル「start_protected_game.exe」とは別のプログラムです。
起動の入口はAC8と共通です。Steamの配信データでは、AC8の「プレイ」に2つの起動先が登録されていて、1つが本編の「ACE COMBAT 8」、もう1つが「ACE COMBAT ZERO」です。ゼロ側はDLC(ID 3635880)を持っている人だけに表示される設定になっています。
Steamの商品の区分では、ゼロは独立したゲームではなくAC8のDLCです。Valveが開発者向けの公式資料で説明しているとおり、DLCは本編とは別のIDを持ちますが、ファイルは本編のフォルダに置かれ、本編をインストールすると一緒に入ります。ライブラリにゼロが単独の項目として並ばないのもこのためです。
つまり「別のexeで動く」ことと「Steamで別のゲームとして扱われる」ことは同じではありません。PS5版・Xbox版との違いを並べると次のとおりです。
| 項目 | PS5版 | Xbox版 | Steam版 |
|---|---|---|---|
| ゼロの扱い | 独立したゲーム | 独立したゲーム | AC8のDLC |
| ゼロだけ入れる・消す | できる | できる | できない(AC8本編が必要) |
| 起動のしかた | ホーム画面から | ホーム画面から | AC8の「プレイ」で起動先を選ぶ |
| ゼロ専用の実績・トロフィー | あり | あり | なし |
| ゼロの対応言語 | 日・英・仏・伊・独・西 | 日・英・仏・伊・独・西 | 日・英・仏・伊・独・西 |
ゼロの対応言語は6言語で、AC8本編より少なくなっています。日本語では遊べますが、中国語・韓国語には対応していません。
出典:起動先と実行ファイルはSteamの配信データ(SteamCMD APIで取得したAC8のアプリ情報)、DLCの仕組みはValveのSteamworksドキュメント(ダウンロードコンテンツ)、PS5版・Xbox版の扱いはRespec(ゼロ移植版のレビュー)とPC Gamer、対応言語はAC8のSteamストアページの注記によります。
容量3.2GBのゼロを遊ぶのに140.2GBが要る
ゼロだけを遊ぶつもりでも、Steam版ではAC8本編を含めた140.2GBをインストールすることになります。そのうちゼロが占めるのは約2%です。配信データに記録されている容量は次のとおりです。
| 中身 | ダウンロード量 | インストール後 |
|---|---|---|
| AC8本編 | 135.8GB | 137.0GB |
| ゼロ(DLC) | 3.2GB | 3.2GB |
| 合計 | 139.0GB | 140.2GB |
この数字はSteamクライアントの表示と同じ、1GB=1,024MBの単位です。SSDやmicroSDカードの容量表記(1GB=1,000MB)に直すと、合計は約150.6GBになります。AC8の必要環境が求める「150GBの空き容量」とほぼ同じ規模なので、空きを確かめるときは150GBを目安にしてください。
デスクトップPCなら「本編のついでに3.2GB増える」だけの話ですが、携帯ゲーミングPCでは重さが変わります。Valveの携帯ゲーミングPC「Steam Deck」の512GBモデルなら、AC8とゼロだけで容量の約3割を使います。PS2世代のゼロは本来、携帯機で手軽に遊ぶのに向いた作品なので、なおさら惜しい構成です。
大型アップデートのたびにSteamが一時的に大きな空きを要求する仕組みもあるため、容量はぎりぎりで用意しないほうが安全です。理由と対処はSteamで数GBのアップデートなのに100GB以上の空きを求められる理由で解説しています。
出典:容量はSteamの配信データ(SteamCMD APIで取得したAC8のデポ情報)のバイト数を2026年10月1日に換算したもの、必要環境はAC8のSteamストアページによります。
経緯ゼロは2025年4月からDLC、変わったのはストアの説明文
Steamの記録をさかのぼると、ゼロのIDは最初からAC8のDLCでした。Steamの公開データを記録している外部サイト「SteamDB」には、ID 3635880が2025年4月1日に現れ、その時点で種別はDLC、親はAC8(ID 2288340)だったことが残っています。当時の内部名は「Project_Live_Zero」です。AC8そのものが発表された2025年12月より、8か月も前のことです。
一方、ストアの説明文はあとから動いています。Internet Archiveのウェブ保存サービス「Wayback Machine」に残るAC8のストアページを日付順に見ると、変化は次のとおりでした(時刻は日本時間)。
| 日時 | 起きたこと |
|---|---|
| 2025年4月1日 | ゼロのID(3635880)がSteamの公開データに現れる。種別はDLC、親はAC8 |
| 2025年12月12日 | AC8を発表、Steamのストアページを公開 |
| 2026年6月3日 | 発売日の決定と同時に予約受付を開始。ストアにゼロが予約特典として載るが、形態の説明はない |
| 9月8日〜11日 | 「本編とは独立したアプリケーション」の一文が加わる(8日9時台の保存にはなく、11日12時台の保存にはある) |
| 9月25日 | 海外メディアのレビューが、PC版のゼロはAC8のDLC扱いだと指摘 |
| 9月28日 | 公式配信でゼロの単品販売はしないと説明 |
| 9月29日7時 | DELUXE EDITIONの先行プレイが始まり、ゼロもDLCとして届く |
| 9月29日11時台 | 英語版・日本語版のストアとも「独立したアプリケーション」の表記のまま |
| 9月29日18時台 | 「本編とは別に起動されるDLC実行ファイル」「利用にはAC8のインストールが必要」という表記に変わっている |
9月29日昼の時点で、日本語のストアには「『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』のゲーム本編とは独立したアプリケーションです」と書かれていました。現在は「ゲーム本編とは別に起動されるDLC実行ファイルとして提供されます。DLCを利用するには『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』がインストールされている必要があります」です。
時系列で見ると、「独立したアプリケーション」の一文が載っていたのは発売前の約3週間だけです。6月3日から9月8日までに予約した人は、この一文を見ていません。逆に9月中旬以降に予約を決めた人は、この一文を読んで「ゼロがライブラリに別のゲームとして加わる」と判断した可能性があります。
旧表記は、「本編とは別の実行ファイルで起動する」という技術的な事実を指していたとも読めます。現行の表記でも「本編とは別に起動される」という点は残っているためです。ただ、Steamのストアで「独立したアプリケーション」と書かれていれば、ライブラリに単独のゲームとして並ぶと受け取るのが自然です。言葉の選び方の問題だったのか別の事情があったのかについて、10月1日9時の時点でバンダイナムコエンターテインメントからの説明はありません。
出典:IDの記録はSteamDBのID 3635880のページ(2026年2月22日の保存)、ストアの表記はWayback Machineの保存(9月8日/9月11日/9月29日11時台・日本語/9月29日18時台)、予約開始はACE COMBAT公式サイトのお知らせ(6月3日)、9月25日のレビューは上記のRespecによります。
理由単品で売らない理由は説明済み、Steamだけ形が違う理由は説明なし
ゼロを後から単品で売らない理由は、9月28日の公式配信「ACE COMBAT 8 情報局 #5」で開発チームが説明しています。ゲームに収録した実在の戦闘機は各メーカーとのライセンス契約の範囲内でしか販売できず、過去作は契約が切れているため売ることができません。今回は早期購入特典としてなら契約の範囲内で配布してよいと各社から特別に許可を得た、という説明です。
これは「単品で販売しない理由」の説明で、「Steam版だけAC8のDLCにした理由」の説明ではありません。PS5版とXbox版では、同じ特典が独立したゲームとして配られています。Steamにも1回の購入で複数のアプリを付与できる「パッケージ」の仕組みがあり、特典を別のアプリとして渡す形もSteamの仕組みの上では取れます。
ライセンス契約の条件がSteamでの渡し方まで決めているのかは公表されていません。公開されている情報からは、Steamだけ形が違う理由は分からないのが現状です。AC8に収録された実在機の顔ぶれは、『ACE COMBAT 8』新映像の実在機の整理で確認できます。
出典:ACE COMBAT 8 情報局 #5(ACE COMBAT Channel、2026年9月28日配信、1時間17分ごろから)、Steamworksドキュメント(パッケージ)
評価低評価でゼロに触れたのは約1割、半分は動作への不満
ゼロの扱いは目立つ不満ですが、低評価レビューの主役ではありません。Steamに投稿された低評価レビュー1,062件の本文を集計すると、ゼロに触れていたのは113件(10.6%)でした。最も多かったのはクラッシュや動作の重さへの不満で、半数を超えています。
| 低評価レビューで触れていた内容 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| クラッシュ・動作の重さ・最適化 | 538件 | 50.7% |
| 操作(HOTAS・マウス・コントローラー) | 163件 | 15.3% |
| ゼロの扱い(DLC・単体でない) | 113件 | 10.6% |
| オンラインの接続・切断 | 41件 | 3.9% |
ゼロへの不満は英語圏に集中しています。英語の低評価491件ではゼロに触れたものが82件(16.7%)あったのに対し、件数で2番目に多い簡体字中国語の低評価410件では12件(2.9%)、日本語の低評価35件では1件だけでした。好評レビューでも175件がゼロに触れていて、「本編は楽しいがゼロの扱いは残念」という但し書きと、ゼロそのものを褒める声が混ざっています。
Steamの評価は持ち直しています。全言語のレビューは初日の昼に好評が約59%、9月30日未明に約67%の「賛否両論」でしたが、10月1日9時には4,486件中3,316件が好評の73.9%で「やや好評」になりました。英語は2,487件中78.4%、日本語は278件中84.5%が好評で、日本語のレビューだけで見ると「非常に好評」です。
開発チームはSteamのお知らせで、9月29日夜にクラッシュの調査中であることを、9月30日にはオンラインのエラー「ST-3100001」の確認方法と、フライトスティックの設定項目がAC7より少ないことへの謝罪と改善の検討を告知しました。10月1日9時の時点で、ゼロの提供形態についてのお知らせは出ていません。クラッシュの対処はエースコンバット8のPC版で報告されている不具合と対処に、公式ライセンスのHOTASはT.Flight Hotas NEO ACE COMBAT 8の解説にまとめています。
出典:レビューの件数と本文はSteamストアのレビュー集計APIから2026年10月1日9時に取得。低評価1,170件のうち取得できた1,062件(9月29日7時〜30日22時台の投稿)を、言語を問わずキーワードで分類しました。1件が複数の項目に入る場合があります。開発チームの告知はAC8のSteamお知らせによります。
対処予約した人・これから買う人がやること
AC8本編を遊ぶ人にとって、ゼロがDLCであることの実害は小さく、増えるのは3.2GBだけです。困るのはゼロを主な目的にしていた人と、携帯ゲーミングPCで遊ぶ人です。立場ごとにやることを整理します。
出典:返金の条件はSteamの返金ポリシー、Steam Deckでの動作とリフレッシュレートの注意は上記のRespec、クラウドの同期設定はSteamの配信データ、特典の期限とコードの有効期限はAC8のSteamストアページの特典画像の注記によります。
FAQよくある質問
まとめまとめ|問題はDLCという形より、3週間だけ載った一文
Steam版のゼロは、別の実行ファイルで動くAC8のDLCです。3.2GBのゼロを遊ぶにも140.2GBのインストールが必要で、ゼロだけを入れたり、専用の実績を持たせたりはできません。PS5版・Xbox版では独立したゲームなので、PC版だけ扱いが違います。
ゼロのIDは2025年4月からAC8のDLCとして登録されていて、配信の形は早い段階から決まっていたと見られます。食い違いを生んだのは、発売の約3週間前に書き足され、先行プレイ初日に書き換えられた「本編とは独立したアプリケーション」という一文です。低評価の中ではゼロへの不満は約1割にとどまり、評価は「やや好評」まで戻っています。
AC8本編を遊ぶなら、ゼロがDLCでも増えるのは3.2GBだけで、Steam版を避ける理由にはなりません。ゼロ目当てで納得できない人は、通常版の予約なら発売前はいつでも、発売後は発売日から14日以内・プレイ2時間未満という返金の条件を確かめてください。Steam Deckでゼロを遊ぶなら150GB分の置き場所を先に決め、画面は60Hzにしてから起動するのが確実です。



