CONTROL Resonantが黄色ペイントを使わない理由|監督が語る照明の誘導と2Dマップ、迷った時の手掛かりとPC版の設定
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監督が語った「照明は機能」と2Dマップの判断、迷った時の手掛かり
Remedy Entertainment(『Alan Wake 2』などで知られるフィンランドの開発会社)が2026年9月24日に発売した『CONTROL Resonant(コントロール レゾナント)』について、ディレクターのMikael Kasurinen(ミカエル・カスリネン)氏が、登れる場所や進む道を黄色く塗って示す「黄色ペイント」を意図的に使わなかったと語りました。9月27日(米国時間)に公開されたゲーム系ポッドキャスト「Dropped Frames」第481回での発言です。
黄色ペイントの代わりに本作が使っているのは、照明の置き場所と色、床に見える面は歩けるという見た目のルール、雨や服の布が垂れる向きです。同氏は照明を「きれいなだけでなく機能的なもの」と表現しており、迷ったときに最初に見るべきは光です。PC版で画質を下げるときも、明暗を作る設定は残して反射から削る順番が合っています。
本作は戦闘の難しさをAssist Modeで11項目まで調整でき、画質も通常描画とレイトレーシングを別々に選べます。一方で、道案内を増やす設定はありません。番組での発言をもとに、なぜ探索だけ調整の余地を残さなかったのか、迷ったときに何を見ればいいのか、PC版の画質設定と照明の関係まで答えます。

目次
発言黄色ペイントを避けたのは「意図的な判断」
発言が出たのは、配信者のitmeJP氏らが毎週日曜に配信しているゲーム系ポッドキャスト「Dropped Frames」の第481回です。Kasurinen氏は2時間近く出演し、後半の「Level design」「Player autonomy」のパートで誘導の考え方を詳しく語りました。
司会者から「本作は黄色ペイントをほとんど使わず、照明や道路の塗装、車の並びで進む方向を示している」と振られ、同氏は「It was a conscious decision, obviously(もちろん意図的な判断だった)」と答えています。
黄色ペイント(黄色いペンキ)は、ハシゴや木箱、つかめる崖の縁を黄色く塗って「ここは触れる」と知らせる手法です。2023年に『バイオハザード RE:4』の体験版で黄色く塗られたハシゴや木箱が議論を呼んで以降、ゲームがどこまで道案内をすべきかを巡る議論の代名詞になりました。直近でも『Marvel’s Wolverine』の、目的地まで続く痕跡を画面に描く誘導表示が目立ちすぎると話題になったばかりで、Kasurinen氏も「確執を起こしたくないので慎重に話す」と前置きしてからこの話題に触れています。
自律性監督が重視するのは「自分で決めた」という感覚
Kasurinen氏は、良いゲームを3つの要素のバランスで説明しました。Remedyを一度離れてAvalanche Studios(『Mad Max』の開発元)に在籍していた時期に、ワーナー・ブラザースでプレイヤー心理を研究していた人たちから学んだ考え方だと語っています。
- 有能感(competence) 上達している、狙った操作が決まるという手応え
- 自律性(autonomy) ゲームに指示されるのではなく、自分で選んでいるという感覚
- 関係性(relatedness) ほかのキャラクターやプレイヤーとのつながり
この3つは、心理学の自己決定理論で人の基本的な欲求とされるものと同じ言葉です。同氏は誘導の話では自律性が鍵だとして、次のように語りました。
「『ここへ行け』と感じさせたら、それはもうプレイヤーの判断ではない。誰かが代わりに決めてしまっている」「自分で道を見つけたと感じられることほど、いいものはない」
さらに同氏は、遊び終えたあとに「自分は正しい選択をしたのか」と迷い、戻って確かめたくなることが作品を長く遊ばれるものにすると話しています。迷わせること自体が目的ではありません。自分で判断した手応えを残すための設計です。
誘導黄色ペイントの代わりに使われている5つの手掛かり
では本作は何で道を伝えているのか。番組で語られた手掛かりを、迷ったときに見る場所としてまとめると次の5つです。
番組でも司会者が「道路の黄色い二重線が途中から壁を登っていく場面がある」と突っ込み、笑いが起きていました。プレイヤーからも、黄色いマーカーやテープは見かけるという声が出ています。同氏の話は黄色という色を禁止したのではなく、進めるルートを全部同じ記号で塗りつぶすことを避け、目印を必要な場所に絞ったという意味です。
マップ3Dマップを作らなかった理由

本作のマップは平面の2Dマップです。新しいエリアに入ると、FBC(作中の政府機関、連邦操作局)のマップキットの塔が地図に表示されます。塔の周りにある赤く点滅する小さな衛星アンテナ3つを塔の方へ向け、最後に塔を調べると、そのエリアの地図が埋まる仕組みです。ただし壁や天井まで歩ける街を平面図で表すので、高さの違う道は地図だけでは読み取れません。
番組でも「3Dマップが必要なゲームに見えるのに、なぜ2Dなのか」という質問が出ました。同氏の答えは2段構えです。
- 技術面の理由 開発初期に何か月も議論したものの、地図の操作画面を作り、メニューの中で立体的に描画するのは簡単ではなかった
- 設計面の問い 「プレイヤーが地図を見に行かなければと感じるのは良いことなのか」という問いがずっと頭にあった。どこへ行くべきかは、世界の中で見えるように作り込んだ
同氏自身も、180度回転して天井に立つと左右が入れ替わり、方向を見失うと認めています。それでも「立ち止まって世界を見てほしい。急がず、思い込まずに注意を払えば道は見つかる」と話し、3Dマップがあっても根本的な解決にはならなかったという考えです。
司会者の一人は、地図がないせいで予定外の場所に迷い込み、そこで公園のエリアを見つけたと話していました。迷うことで寄り道が生まれるのも狙いの一つです。同氏は昔夢中になった『Star Control 2』で、何がどこにあるか分からない銀河を飛び回って発見していった楽しさを例に挙げています。
賛否とっつきにくさは監督も認めている
Kasurinen氏はこの設計のリスクを隠していません。一部のプレイヤーには最初は「impenetrable(取り付く島がない)」と感じられ、「多くの人をすぐに遠ざけてしまう可能性がある」と番組で話しています。それでも、長く遊ばれるのはこのやり方だというのが同氏の立場です。
実際、プレイヤーからは不満も出ています。使えるドアが背景に溶け込んでいて見落とした、立体的なエリアで方向感覚を失う、といった声です。
それでも評価全体は高い水準です。PC版のプレイヤーが書くSteamのユーザーレビューは、2026年10月1日時点で9,477件中8,528件が好評(約90%)の「非常に好評」でした。レビューには戦闘や物語の評価も含まれるので、誘導の設計が高評価の理由だとまでは言えません。確かなのは、強い誘導を減らした作品でもユーザー評価は崩れていないことです。
線引き戦闘と画質は選べる、探索は選べない
Remedyがすべてを「不親切」に作っているわけではありません。戦闘と画質には細かい調整のつまみがあり、探索の誘導にだけそれがない、という線引きになっています。
| 要素 | プレイヤーが選べること | 開発側が決めていること |
|---|---|---|
| 戦闘の難しさ | Assist Modeで被ダメージ、与ダメージ、回避の受付時間、敵の攻撃性など11項目を、易しくも難しくも調整できる | 発売日のHotfix 1.3.3で、敵の体力などの基準値そのものを引き下げた |
| 画質 | 通常描画(Handheld〜Ultra)とレイトレーシング(オフ〜Ultra)を別々に選べる | 公式の動作目標はGTX 1070からRTX 5080までの6段階で、すべてアップスケーリング込み |
| 探索の誘導 | 道案内を足す設定はない(Assist Modeの公表項目も戦闘のみ) | 照明、床の見た目、テープ、雨と布の向きなど、世界の中の手掛かりで伝える |
Assist Modeの設計を担当したリードゲームプレイデザイナーのSergey Mohov氏は、易しい・普通・難しいの一括設定ではなく、つまずいている部分だけを変えられるようにしたと説明しています。設定は最初に選ばせず、まず遊んでから好きなときに変えてほしいという考えで、前作と違って難しくする方向にも動かせます。
Hotfix 1.3.3は、レビューやプレイヤーの声、初期のプレイデータを見て、序盤の敵が硬すぎると判断して出されたものです。多くの敵とボスの基本体力とFalter(ひるみ)に必要な値を下げ、ディランの攻撃力の上限を引き上げ、能力の振り直しも安くしました。一方、10月1日時点で誘導やマップを変える修正は告知されていません。
硬い敵を殴り続ける時間は判断を生まないので削り、道を探す時間は判断そのものなので残す。発売後の対応まで含めると、Remedyの線引きはそう読めます。
PC版照明が道しるべなら、画質はどこから下げるか
照明が道案内を兼ねるなら、画質を下げたら道が分からなくなるのでは、と心配になるかもしれません。まず、レイトレーシングやパストレーシングは道を見つけるための条件ではありません。Remedyの公式最低要件は、レイトレーシングを使えないGTX 1070での1080p・30fps・画質Low(アップスケーリングQuality)です。レイトレーシングなしでも遊べる前提で作られています。
ただし通常描画の中にも、明暗を作る設定とそうでない設定があります。米国のハードウェアメディアが、Core i7-12700HとノートPC向けRTX 4060(VRAM 8GB)を積んだノートPCで、最高設定と「見た目をほぼ保って軽くした設定」を比べました。
| 条件 | 最高設定 | 軽くした設定 |
|---|---|---|
| レイトレーシングなし・平均fps 1080p・DLAA | 33fps | 63fps |
| レイトレーシングなし・1% Low | 11fps | 45fps |
| レイトレーシングあり・平均fps 1080p・DLSS Quality | 26fps | 46fps |
| レイトレーシングあり・1% Low | 21fps | 34fps |
平均fpsはほぼ2倍になっていますが、最高設定ではVRAM 8GBがあふれていたことが差を大きくした、と検証したメディア自身が書いています。VRAMに余裕のあるデスクトップGPUでは、画質プリセットを下げてもfpsの伸びは小さく、レイトレーシングの段階を下げるほうが効きます。GPU別の目安はおすすめ設定ガイドで解説しています。
この比較で見てほしいのは、どの項目を残してどれを削ったかです。
- Global Illumination(間接光)はHigh
- Shadow Map Resolution(影の解像度)はUltra、Filtering・DetailはHigh
- SSAO(物陰の暗がり)はオン
- Level of Detail(遠くの物の細かさ)はHigh
- Volumetric Lighting(光の筋や空気中の散乱)はMedium
- FogはMedium
- Screen Space ReflectionsはMedium、SDF Reflectionsはオフ
- テクスチャはVRAMに合わせる(1440pでVRAM 8GBならLow)
間接光、影、物陰の暗がりは、画面のどこが明るくどこが暗いかを決める設定です。削られたのは主に反射と空気中の光の表現で、同メディアも見た目の大半を保てたと評価しています。照明で道を示すゲームなので、軽くするときも明暗の設定は残し、反射から削るこの順番が理にかなっています。なお、本作は反射の多い街並みで、通常描画の反射はところどころちらつきます。レイトレーシングを使えるGPUなら、反射をレイトレーシングに切り替えるRT Lowを先に試す価値があります。
HDRモニターで遊ぶなら、最初に画面の調整を済ませておきましょう。本作には、影・中間調・ハイライトの参照画像を見ながらHDRの明るさとUIの明るさを合わせる画面があり、同メディアも黒がつぶれずハイライトが映える出来だと評価しています。暗い場所の手掛かりを見落とさないためにも、参照画像どおりに合わせておくのが近道です。
シェーダーのコンパイルによるカクつきもほとんどありません。専用のコンパイル画面はないものの起動時に短い準備処理が走り、プレイ中にそれと分かるカクつきはほぼ出なかったと同メディアは報告しています。弱点は、物やNPCが多い場面で1% Low・0.1% Lowが落ち込むことと、DLSSのフレーム生成をオンにすると表示間隔が乱れやすいことです。この点は発売前の時点でRemedyが調査に入っていました。
迷ったら道が分からないときに試す順番
監督の発言と本作の仕組みから、迷ったときに試す順番をまとめると次のとおりです。
- 立ち止まって、明るい場所と光の色を探す。急がずに周囲を見回すのが第一歩です
- 歩けるか迷ったら、床や道路に見えるかで判断する。見た目が床なら立てます
- 上下が分からなくなったら、雨粒の落ちる向きとディランの服の垂れる向きを見る
- 新しいエリアでは、地図に出るマップキットの塔を目指す。赤く点滅する衛星アンテナ3つを塔へ向けてから塔を調べると、地図が埋まります
- 行き先が決まっているなら地図にマーカーを置き、画面のレーダーで方向を確かめる。距離や高さまでは示されないので、最後は照明と床の見た目で道を探します
- 戦闘で詰まっているなら、オプションのゲームプレイ項目にあるAssist Modeで調整する(道案内は増えません)
それでも迷い続けるのがつらい場合、PC版にはMODという選択肢もあります。
Nexus Modsで9月27日に公開された「RadarPlus」は、画面のレーダーをミニマップに変え、レーダーのアイコンを距離付きでゲーム内の物の上に表示するMODです。標準で40mのレーダー範囲を最大300mまで広げられます(9月30日更新のバージョン1.5.1)。導入には別のMODローダー(f2g DLL Mod Loader)とMod Settings Menuが必要で、Remedy公式のものではありません。ゲームのアップデートで動かなくなることもあるので、使うならセーブデータを控えてから試してください。監督が意図した遊び方からは外れますが、迷う時間を減らしたい人には現実的な手段です。
GPUレイトレーシングの照明まで見たい人のGPU
道を見つけるだけならレイトレーシングは要りませんが、監督が「機能的」と呼んだ照明をレイトレーシングで描きたいなら、GPUの目安はその段階で決まります。ドイツのハードウェアメディアの検証(画質Ultra、アップスケーリングPerformance、フレーム生成なし)では、WQHDで平均60fpsに届く最低ラインはRT MediumでRTX 5070、RT Ultra(NVIDIAがパストレーシングと呼ぶ最上位の段階)でRTX 5070 Tiでした。
FAQよくある質問
まとめまとめ|探索の迷いだけは調整させない設計
『CONTROL Resonant』が黄色ペイントを避けたのは、プレイヤーに「自分で道を見つけた」と感じてもらうための意図的な判断です。代わりに照明の位置と色、床に見える面、崖の縁のテープ、雨と布の向きで道と上下を伝えており、監督は照明を「機能的なもの」と呼んでいます。
戦闘はAssist Modeで細かく調整でき、発売日には敵の硬さも見直されました。画質も通常描画とレイトレーシングを別々に選べます。それでも探索の誘導だけは足せないのは、道を探す時間そのものを体験の中心に置いているからです。迷ったら立ち止まって光を探し、PC版で軽くするなら明暗の設定を残して反射から削ってください。
黄色ペイントの不採用は意図的な判断。照明・床の見た目・テープ・雨と布の向きで道を伝え、照明は「機能」として設計されている。戦闘と画質は細かく選べるが、探索の誘導だけは固定。迷ったら止まって光を見る。PC版で軽くするなら間接光・影・SSAOを残し、反射と空気中の光から削る。
出典:Dropped Frames「Defying Gravity ft. Director of Control Resonant Mikael Kasurinen | Dropped Frames 481」(YouTube、2026年9月27日)、Remedy「How We Built CONTROL Resonant’s Expanded Assist Mode」(Steam、2026年9月15日)、Remedy「CONTROL Resonant launch hotfix addresses enemy health and combat strength」(Steam、2026年9月24日)、Remedy Help Center「CONTROL Resonant PC System Requirements」、Wccftech「CONTROL Resonant PC Performance Analysis & Tuning Guide」(2026年9月22日)、ComputerBase「Control Resonant im Test: Benchmarks und Analysen zu Raytracing & DLSS/FSR」、Spilled「Control Resonant director says skipping yellow paint was a conscious decision」(2026年9月29日)、games.gg「Control Resonant: All Map Kit Tower & Satellite Locations」、Nexus Mods「RadarPlus – Minimap and World Markers」、Steam『CONTROL Resonant』ストアページ(ユーザーレビュー、2026年10月1日確認)





