RTX 5050・RX 9050はさらに値上がりへ|ZOTAC親会社決算「エントリーGPU不足は2026年後半に悪化」【販売数量18.4%減】
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ZOTAC親会社決算「エントリーGPU不足は2026年後半に悪化」
出典:PC Partner Group 2026年上期決算発表(2026年8月14日公表)、NVIDIA公式GeForce RTX 5050製品ページ、AMD公式Radeon RX 9050製品ページにもとづきます。海外メディアの報道内容もあわせて参照しています。本記事の情報は2026年8月17日時点のものです。
グラフィックボードの値上がりが続くなか、これまで比較的購入しやすかったエントリークラスにも、さらに厳しい供給不足が広がる可能性が出てきました。ZOTAC・Inno3D・Manliなどを展開するPC Partner Groupは、2026年8月14日に公表した2026年上期決算で、2026年後半について「エントリークラスのVGAカードは、さらに深刻な不足に直面する」との見通しを示しています。
現在の低価格帯ではGeForce RTX 5050やRadeon RX 9050などが候補になりますが、注意したいのは、PC Partnerがこの2製品を名指しして値上げを予告したわけではないことです。それでも、すでに同社のグラフィックボード販売数量は大きく落ち込み、平均販売価格は上昇しています。これまで「上位GPUは高すぎるから50クラスを買う」と考えていたゲーマーにとっても、2026年後半は価格と在庫を注意して見る必要がありそうです。
この記事では、PC Partnerの決算で示された市場見通しの内容、すでに表れている販売数量・価格への影響、RTX 5050・RX 9050への波及可能性、低価格ゲーミングPC市場への影響まで整理します。
PC Partner Group(ZOTAC・Inno3D・Manli親会社)は2026年8月14日の決算発表で、グラフィックスメモリ価格のさらなる上昇と、グラフィックボード供給量の減少を予測しました。特にエントリークラスのVGAカードについては「さらに深刻な不足」を見込んでおり、平均販売価格もさらに上昇する可能性があるとしています。すでに2026年上期には自社ブランドGPUの販売数量が前年同期比18.4%減少する一方、平均販売価格は10.7%上昇しました。RTX 5050やRX 9050が具体的に値上げされると決まったわけではありませんが、これまで高騰を避ける選択肢だったエントリーGPUまで供給不足が深刻化すれば、低価格ゲーミングPC市場への影響は避けにくくなります。
目次
要点まず何が発表されたか
概要ZOTAC親会社が「エントリーGPUはさらに深刻な不足」と予測
PC Partner Groupは、グラフィックボードやMini PCなどを手掛けるメーカーです。同社は2006年からZOTACブランドのグラフィックボードを展開しており、その後Inno3DやManliもグループ傘下に加え、現在もZOTAC・Inno3D・Manliを自社ブランドとして展開しています。
今回注目されるのは、2026年上期決算とあわせて示された下期の市場見通しです。PC Partnerは「PC市場は依然として非常に厳しい状況にある」としたうえで、主要部品の供給制約によって部品コストが急上昇し、それが消費者需要の鈍化にもつながっていると説明しています。さらに2026年後半にはグラフィックスメモリのコストが一段と上昇し、VGAカードの原価も大幅に増加する見通しです。グラフィックボードの供給量自体についても、2026年上期からさらに減少する可能性があるとしています。
そして価格上昇だけでなく、特にエントリークラスのVGAカードについて「さらに深刻な不足に直面する」と予想され、平均販売価格を一段と押し上げる可能性があると説明しました。つまり2026年後半は、高性能GPUだけでなく「安いGPUほど入手しにくい」という状況になる可能性があります。
自社ブランド販売数量は18.4%減、平均価格は10.7%上昇
将来予測だけでなく、PC Partnerの2026年上期にはすでに供給不足の影響が表れています。同社の自社ブランドVGAカード売上高は、2025年上期の49億1,700万香港ドルから2026年上期には44億6,250万香港ドルへ減少し、前年同期比9.2%減となりました。
さらに重要なのが販売数量です。自社ブランドVGAカードの販売数量は前年同期比18.4%減少した一方、平均販売価格は10.7%上昇しています。PC Partnerは販売数量減少の主な原因として、GPUとグラフィックスメモリの供給制約を挙げています。「売れなくなったから価格が下がる」のではなく、「供給できる枚数が減る一方で1枚あたりの価格は上がっている」という状況です。
| 指標 | 2025年上期 | 2026年上期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 49億1,700万香港ドル | 44億6,250万香港ドル(-9.2%) |
| 販売数量 | 基準 | -18.4% |
| 平均販売価格 | 基準 | +10.7% |
※出典:PC Partner Group 2026年上期決算発表(2026年8月14日公表)。
ODM/OEM受注先ではさらに極端、数量38.4%減でも売上は74%増
PC PartnerはAMDやSapphireブランド向けを中心に、他社ブランドのグラフィックボードを製造するODM/OEM事業も手掛けています。こちらの数字は自社ブランド以上に極端です。ODM/OEM向けVGAカードの販売数量は前年同期比38.4%減少しました。ところが売上高は8億5,330万香港ドルから14億8,430万香港ドルへと73.9%増加し、平均販売価格は181%も上昇しています。理由は、高価格なハイエンドGPUの受注比率が大きく増えたことです。
この数字について、GPU業界に詳しいアナリストのジョン・ペディ氏は「利益の増加を必ずしも意味するわけではないが、おそらくそうなっているだろう。AIBサプライヤーは、メモリ価格上昇や供給不足に関する報道を利用して、実際のコスト増加分以上に価格を引き上げている可能性がある」との見方を示しています。一方で、ODM/OEM事業はDellやHPといった大手PCメーカーから厳しい価格精査を受ける立場にあり、メモリの実コストを把握している取引先が相手であるため、単純に「悪い兆候」とは言い切れないという指摘もあります。
出典:Tom’s Hardware(アナリスト、ジョン・ペディ氏へのコメント引用)
背景なぜ低価格GPUほど不足しやすいのか
今回PC Partnerは、グラフィックスメモリ価格がさらに上昇すると予想しています。低価格GPUでは、こうした部品コストの上昇を製品価格へ転嫁できる余地がハイエンドGPUより小さいことが問題になります。例えば数十万円するハイエンドGPUなら、メモリなどのコストが多少上昇しても製品価格全体に占める割合は相対的に小さくなります。一方、エントリーGPUでは数十ドル規模のコスト上昇でも製品価格への影響が大きくなります。
メーカー側から見れば、限られたGPUやメモリを使って製造するのであれば、利益を確保しやすい上位モデルを優先した方が有利になる可能性もあります。実際、ODM/OEM事業で高価格なハイエンドGPUの受注比率が増えたのも、この力学と整合します。PC Partner自身も、グラフィックスメモリ価格の上昇に加え、VGAカードの供給量が2026年後半にさらに減少すると予測しています。その結果として、低価格GPUは「価格が上がるだけでなく、そもそも店頭在庫が少ない」という状況になる可能性があります。
RTX 5050値上がりする可能性はあるが、確定情報ではない
現在のGeForce RTX 50シリーズでエントリークラスを担っているのがGeForce RTX 5050です。デスクトップ版RTX 5050はBlackwellアーキテクチャを採用し、2,560基のCUDAコアと8GB GDDR6、128bitメモリインターフェースを搭載しています。NVIDIAが発表した開始価格は249ドルです。
ZOTACやInno3DもRTX 5050を扱うNVIDIAパートナーに含まれているため、PC Partnerが示した「エントリークラスの供給不足」はRTX 5050市場を考えるうえで無視できない情報です。ただし、PC Partnerは「RTX 5050を何%値上げする」と発表したわけではありません。現時点で確認できるのは、同社がグラフィックスメモリ価格のさらなる上昇、VGAカード供給量の減少、エントリー製品の深刻な不足、平均販売価格の上昇を予測しているという点までです。そのためRTX 5050については、「値上げ確定」ではなく「2026年後半に価格上昇や品薄の影響を受ける可能性がある」と見るのが適切です。
RX 9050名指しの言及はないが、無関係とも言い切れない
AMDのエントリーGPUとして登場したRadeon RX 9050にも注目が集まります。RX 9050はRDNA 4世代のデスクトップGPUで、16基のCompute Unit、8GB GDDR6、128bitメモリインターフェースを搭載し、標準ボード電力は92Wです。なおAMD公式のRX 9050製品ページは公開されていますが、記事執筆時点の掲載画像には「Not available for purchase(購入不可)」という注記が添えられています。
ただし、RX 9050についてはRTX 5050以上に慎重に考える必要があります。今回の決算資料でPC Partnerは「entry-level VGA Cards」と表現していますが、RTX 5050やRX 9050など特定GPUを名指ししていません。またZOTAC、Inno3D、Manliは現在GeForce製品を中心に展開しているため、PC Partnerの供給見通しをそのまま「RX 9050も値上げする」と解釈することはできません。
一方で、同社が問題としているグラフィックスメモリやPC向け主要部品の供給制約は、特定の1製品だけに限定した話ではありません。PC PartnerはCPUやメモリなどについてもリードタイムが大幅に長期化しており、Mini PC事業にも影響が出ていると説明しています。供給制約は同社だけでなく業界全体に及んでいるとの認識であり、RX 9050についてもメモリ価格上昇やPC部品市場全体の供給状況を追っておく必要があります。
| 項目 | GeForce RTX 5050 | Radeon RX 9050 |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Blackwell | RDNA 4 |
| コア数 | CUDAコア2,560基 | Compute Unit 16基 |
| メモリ | 8GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
| メモリインターフェース | 128bit | 128bit |
| 開始価格・ボード電力 | 249ドル | 標準92W |
※出典:NVIDIA公式GeForce RTX 5050製品ページ、AMD公式Radeon RX 9050製品ページ。
波及低価格GPUが消えるとゲーミングPC全体も高くなる
今回の問題は、グラフィックボード単体を購入するユーザーだけに影響するとは限りません。RTX 5050などのエントリーGPUは、価格を抑えたBTOゲーミングPCでも重要なパーツです。低価格GPUの仕入れ価格が上がれば、BTOメーカー側も本体価格へ転嫁するか、別のGPUへ構成を変更する必要があります。
さらにPC PartnerはGPUだけでなく、CPUやメモリなど主要部品でも供給制約とリードタイム長期化が起きているとしています。そのため2026年後半は、グラフィックボードだけ値上がりしてほかのパーツが安くなるとは限りません。エントリーGPU、CPU、DDR5メモリなどが同時に高止まりすれば、10万円台で買えるゲーミングPCの構成そのものが厳しくなる可能性があります。特にフルHD向けの低価格ゲーミングPCを探している人にとっては、ハイエンドGPU高騰以上に影響の大きなニュースかもしれません。
価格見通し「待てばGPUが安くなる」とは言い切れない状況
通常であれば、発売直後のGPUは時間が経過すると流通量が増え、価格が落ち着くことがあります。しかし今回のPC Partnerの見通しが正しければ、2026年後半は逆方向へ進む可能性があります。同社はグラフィックスメモリのコストがさらに上昇し、VGAカードの供給量はさらに減少、特にエントリークラスでは不足が深刻化すると予想しています。
実際、2026年上期の自社ブランドGPUは販売数量が18.4%減ったにもかかわらず平均販売価格が10.7%上昇しました。少なくともPC Partnerの数字からは、「供給不足が解消して安くなる」という流れはまだ確認できません。RTX 5050などを使ったPCへの買い替えを予定している場合は、「半年待てば必ず安くなる」と決めつけるより、現在価格と在庫を継続して比較した方がよさそうです。
購入判断今すぐRTX 5050やRX 9050を買うべきか
今回の発表だけを理由に、急いでGPUを購入する必要はありません。PC Partnerの内容はあくまで2026年後半の市場見通しであり、日本国内でRTX 5050やRX 9050がいつ、どの程度値上がりするかを示したものではないためです。
一方で、現在使っているPCの性能が足りず、近いうちにGPU交換やゲーミングPC購入を予定している場合には、「さらに大きく値下がりするまで待つ」という判断にもリスクがあります。購入を急がない場合は、単体GPUだけを見るのではなく、同じGPUを搭載したBTOゲーミングPCも比較するとよいでしょう。GPU単体が品薄になっても、BTOメーカー側が事前に確保した在庫によって一時的に完成品PCの方が割安になるケースも考えられます。反対にBTO側でも仕入れ価格が上昇すれば価格改定される可能性があるため、欲しい構成が決まっている場合は定期的に価格を確認しておくのがおすすめです。
現時点でAmazon.co.jpで購入できるRTX 5050・RX 9050の代表的なモデルは以下の通りです。価格は変動するため、購入前に最新価格をリンク先で確認してください。
FAQよくある質問
PC Partner Group(ZOTAC・Inno3D・Manli親会社)は2026年8月14日の決算発表で、グラフィックスメモリ価格のさらなる上昇と、グラフィックボード供給量の減少を予測しました。特に注目されるのが、エントリークラスのVGAカードについて「さらに深刻な不足」を見込んでいる点です。すでに2026年上期にはPC Partnerの自社ブランドGPU販売数量が前年同期比18.4%減少する一方、平均販売価格は10.7%上昇しました。GPUとグラフィックスメモリの供給制約が実際の販売にも影響しています。
RTX 5050やRX 9050が具体的に値上げされると決まったわけではなく、特にRX 9050については今回の発表から直接的な価格動向を判断することはできません。それでも、これまで高騰を避ける選択肢だったエントリーGPUまで供給不足が深刻化すれば、低価格ゲーミングPC市場への影響は避けにくくなります。2026年後半にゲーミングPCの新規購入やGPU交換を予定している場合は、「待てば安くなる」と決めつけず、実売価格とBTOゲーミングPCの価格を並行して確認しておくことが重要になりそうです。





