ゲーム中にフレームレートが突然下がる原因と対処法|サーマルスロットリングを温度ログと再現比較で診断する手順【2026年版】
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サーマルスロットリングかどうかを、温度とクロックで判定
ゲームの途中でfpsが半分以下に落ちて、しばらくすると戻る。長時間プレイするほど重くなる。この症状の原因は熱とは限らず、電力制限、ドライバー、VRAM不足、裏で動くソフトでも同じように起きます。
切り分けの軸は、fpsが落ちた時刻に「温度が上限へ近づいているか」と「クロックが下がっているか」が重なるかです。最高温度の数字だけでは、落ちた瞬間と同時だったかは分かりません。時刻つきのログで重なっていれば熱の疑いが強まり、温度が低いままクロックが落ちるなら電力制限など別の要因を先に調べます。
上限温度はパーツで違います。同じ89°CでもRyzen 7 7800X3Dでは上限ぎりぎり、Core i9-14900Kなら余裕があります。ログだけで原因を決めず、同じシーンで1項目ずつ変えて症状が再現するかを比べると、不要なパーツ交換を避けられます。熱が原因だった場合は、まず埃の有無と通気を点検します。
目次
症状熱系か非熱系かは、症状の出方で絞り込める
症状の出方は、ログで調べる項目を選ぶ手がかりです。両側の症状は重なり、熱とソフトなど複数の原因が同時に関わることもあります。当てはまる数やファンの音だけで原因を判定せず、fpsが落ちた時刻の温度・クロック・制限理由を照合してください。
| 見分けるポイント | 熱系(サーマルスロットリング) | 非熱系(ドライバー・電源・ソフト) |
|---|---|---|
| 症状が出る時期 | 温度上昇に伴って悪化する。負荷や冷却状態によっては開始直後にも起きる | 更新や設定変更後から始まった場合は、その変更も確認する。発生時期だけでは熱と区別できない |
| 室温との関係 | 室温上昇とともに悪化する場合は、冷却状態を確認する | 室温と関係なく起きる場合も、熱を除外せずログを確認する |
| 再現性 | 高負荷のシーンで温度制限も出ているか確認する | 同じシーンでの低下はVRAMなども確認する。規則的・ランダムのどちらでも熱は候補に残る |
| ケースを開けたとき | 側板を外して温度と症状が改善するなら、ケース内の排熱を確認する | 変化がなくても熱は除外できない。クーラーの接触など、別の冷却要因も残る |
| ファンの様子 | 高速回転に加え、温度制限とクロック低下が重なるか確認する | 高負荷やファン設定でも高速回転する。回転音だけでは判別できない |
| 裏のソフト | バックグラウンド処理の高CPU負荷も発熱を増やす。使用率と温度を照合する | Windows Update・録画による負荷や、fps制限ソフトの設定も確認する |
診断5ステップで、温度・クロック・タイミング・ドライバーを順に確認する
ステップ3で落ちた時刻と照合するため、ゲーム中はHWiNFO64でログを取りながら、上から順に進めます。
「GPU Temperature」を確認。NVIDIAは公式の最大温度90°C(RTX 5090・RTX 4070ファミリー)に近づいていないか。AMD Radeonは「GPU Junction」も別に表示されるので、両方を見て、上限は自分の型番の仕様で確認する
次の行動
上限付近なら原因1〜5を確認。余裕があってもここで熱を除外せず、ステップ3のログで確かめる
「CPU Package」または「CPU (Tdie)」を確認。上限はCPUごとに違う(下の表)
次の行動
上限付近なら原因1・4・5を確認。余裕があってもここで熱を除外せず、ステップ3へ
fpsが急落した時刻に「GPU Clock」「Core Effective Clocks」が下がっているかを、温度・使用率・電力と並べて見る。NVIDIAなら「Performance Limit – Thermal」の表示も確認
次の行動
温度が上がる時刻にクロックが下がり、Thermalの制限も出ていれば熱の疑いが強い。温度が低いまま落ちるなら「Performance Limit – Power」と使用率を確認。ただし1回の記録で決めず、下の再現比較で確かめる。クロックが安定していればステップ4へ
毎回同じシーン・同じマップで落ちるか、ランダムか
次の行動
毎回同じ場所なら、VRAM使用量を確認し、設定を下げて落ちなくなるかを試す。ランダムなら、裏のソフト・ドライバー・電源まわりをログの時刻と照らして調べる
ドライバー更新直後から始まっていないか。Windows Update・ウイルススキャン・録画機能が動いていないか
次の行動
更新後からなら、旧バージョンに戻して再現するかを比べる(DDUは戻しても直らないときの手段)。どれも当てはまらなければ症状が出るまでログを取り続け、出ない間は「未判定」のままにする
HWiNFO64温度とクロックを記録して、落ちた瞬間を見返す
HWiNFO64は無料の定番ハードウェア監視ツールです。急落は一瞬で終わることが多く、画面を凝視しても見逃します。「Maximum」列は起動後の最高値で、その値がfpsの急落と同時だったかは分からないため、時刻つきのログに残して落ちた時刻と照合します。
NVIDIAのGPUでは、HWiNFO64に「Performance Limit – Thermal」「Performance Limit – Power」といった項目が並びます。クロックが落ちた時刻にどれが「Yes」になるかは、熱か電力制限かを分ける手がかりになります。PowerはGPUが設定された電力上限に達していることを示し、表示だけで電源ユニットの故障や容量不足を意味しません。低負荷でクロックが下がる動作は別で、「Performance Limit – Utilization」などの項目とGPU使用率を確認します。
温度の目安上限温度はCPUごとに違う。89°Cが上限のモデルもある
サーマルスロットリングは、CPU・GPUが上限温度に近づくとクロックを自動で下げて発熱を抑える保護機能です。壊れないための安全装置ですが、性能は大きく落ちます。「何度から危ないか」は一律ではなく、公式に載っている上限温度が基準です。
GPUメーカーの最大温度、GPUのJunction(Hot Spot)、CPUのTjmaxは別の値です。Intel CPUは、コアが設定された制限温度を超えると電力を下げて安全な温度を保ちます。正常動作でも最高温度に達する場合があります。短時間なら上限を超える瞬間もあり、制限値はシステムメーカーが設定することもあるため、表の数字は「ここを超えたら必ず落ちる」線ではなく、目安として使います。
| パーツ | 公式の上限温度 | 見方 |
|---|---|---|
| NVIDIA GeForce RTX 5090、RTX 4070ファミリー | 最大GPU温度 90°C | 80°C台後半から90°Cに近づくと余裕がない。他のモデルは公式の仕様ページで確認する |
| AMD Radeon RX 7000系 | AMD Softwareが「GPU Current Temperature」と「GPU Junction Temperature」を別々に表示 | 上限は型番ごとに違うため、自分のカードの仕様で確認する。両方の温度を見て、クロックが下がった時刻と重なるかを確かめる |
| Intel Core i9-14900K | T JUNCTION 100°C | 制限温度を超えると電力を下げて温度を保つ |
| Intel Core Ultra 9 285K | Max Operating Temperature 105°C | 14900Kより5°C高く設定されている |
| Ryzen 9000系(Ryzen 7 9800X3D) | Tjmax 95°C | 95°C付近に張り付き、同時にクロックが下がるなら冷却を疑う |
| Ryzen 7000系(Ryzen 7 7700X) | Tjmax 95°C | X3Dモデルとは上限が異なる(次の行) |
| Ryzen 7000X3D系 7800X3D・7950X3D | Tjmax 89°C | 他のRyzenより上限が低く、80°C台後半でスロットリングに近づく |
| Ryzen 5000系 | Ryzen 5 5600Xは95°C、Ryzen 7 5800X・5800X3Dは90°C | 同じ世代でもモデルで上限が違う。型番ごとに確認する |
Ryzen 7 7800X3Dの上限は89°Cで、85°C台でも余裕は4°Cほどです。一方、Core Ultra 9 285Kの上限は105°Cです。温度の数字だけで判断せず、自分のCPUの上限と、クロックが落ちた時刻が重なるかを合わせて見てください。逆に、観測した温度が低くても、それだけで熱を除外はできません。
熱の原因熱が原因だった場合の5パターンと対処法
診断で熱が原因と確かめられたら、費用と分解の手間を抑えるため、まず埃の有無、設定、通気経路を点検します。グリスやクーラーの取り付け確認は、部品の取り外しが必要になるため、その後に検討します。
非熱系温度とクロックが正常なのにfpsが落ちる場合
ステップ1〜3で熱の手がかりが見つからないとき、または再現比較で冷却を変えても変わらないときは、次の原因を確認します。VRAM不足はVRAM不足・エラーを症状から探す診断チャート、GPU使用率が低いまま重いときはGPU使用率が低い原因と対処法が詳しいです。
| 原因 | 特徴的な症状 | 対処法 |
|---|---|---|
| 電力制限(Power Limit) | GPUが電力上限に達し、「Performance Limit – Power」が「Yes」になる。温度制限に達していなくても起きる | 設定された電力上限とGPU電力を確認し、fps急落の時刻と照合する。表示だけでPSUの故障とは判断しない。低負荷時のクロック低下はUtilizationなどの別理由と使用率を調べる |
| ドライバー不具合 | 更新後から発生。特定のゲームだけ影響することもある | 旧バージョンに戻して再現するかを比べる。直らないときだけDDUでのクリーンインストールを検討する |
| VRAM不足 | 毎回同じシーン・同じマップで発生。VRAM使用量が上限近くにある | テクスチャ品質や解像度スケールを下げる |
| 電源ユニット(PSU)の問題 | fpsの低下に加え、ゲーム中に突然シャットダウンや再起動が起きる | Performance Limit – Powerの表示だけでは決められない。シャットダウンを伴うときに、GPUの推奨電源容量とケーブル接続を確認する。交換は他の要因を外してから検討する |
| バックグラウンドプロセス | タスクマネージャーでCPUやディスクの使用率が高い。fps急落の時刻と負荷を照合する | 不要なアプリや録画を終了し、更新処理は完了してから再比較する。ウイルス対策ソフトは無効にしない |
| フレームレート上限設定 | 常に60fpsなど、一定値で止まる | ゲーム内設定・NVIDIAコントロールパネル・電源プランを確認する |
再現比較原因は1項目ずつ変えて、同じシーンで症状が再現するか比べる
ログで怪しい項目が見つかっても、その時点では疑いです。熱の影響を調べる比較では、同じシーン・同じ画質・同じfps上限で、冷却だけを1項目変えます。室温や開始時の温度もできるだけそろえます。
基準を取る——fpsが落ちるシーンを決め、同じ手順で同じ時間遊んでログを取ります。落ちるまでの時間、fps、温度、クロック、電力、温度による制限理由を控えます。
冷却だけを1項目変える——側板を外す、またはファン速度を上げる、のどちらか1つを選びます。画質やfps上限は変えません。
同じシーンで取り直す——fps急落・クロック低下・温度制限が同時に起きていたかを確認し、冷却変更後に温度制限と急落がともに減るかを比べます。温度が下がっただけでは、fps急落の原因が熱とは決められません。
元に戻して再現を確かめる——冷却を戻すと温度制限・クロック低下・fps急落が再び重なるかを確認します。この同時変化と冷却変更による改善・再発がそろえば、熱による性能低下がfps急落に関係していると判断できます。
fps上限や画質を下げる比較は、冷却だけを変える比較とは分けて行います。これらの設定は描画負荷を変え、画質によってはVRAM使用量も変わるため、改善して元に戻すと再発しても、分かるのは設定と症状の関連性までです。熱が原因かどうかは、温度制限理由とクロック・fpsの同時変化、冷却だけを変えた比較も合わせて判断します。
記録中にfpsが落ちなかったなら、熱が原因とも原因でないとも言えません。落ちるまで同じ条件でログを取り続けます。観測した温度は1つのセンサーの値にすぎないため、温度が低くても熱を完全には除外せず、冷却を変えても症状が変わらず、ログでも温度とクロックの低下が重ならない場合に、熱以外を優先して調べます。
優先順位手間とお金のかからない順に試す
熱が原因と確かめられたら、まず部品交換やクーラーの取り外しを伴わない点検・設定から試し、症状に応じて分解や購入が必要な対策を検討します。
埃が詰まっていたら清掃する——ケース内部・GPUファン・CPUクーラーを点検し、通気を妨げる埃があれば除去します。クーラーを取り外す前に点検でき、部品交換を伴わない対策です。
ファンカーブを上げる——MSI Afterburnerでファン速度カーブを上げます。騒音は増えますが、温度は下がります。BIOSのファン設定も確認します。
fps上限を下げる——画質を固定し、ゲーム内またはドライバー設定で上限を現在の実測fpsより低くして、同じシーンで温度・電力・クロックと急落の有無を比較します。画質低下だけでは、描画枚数が増えて使用率や発熱が下がらない場合があります。上限変更で改善しても、熱が原因と確定する証拠にはなりません。
グリス交換の必要性を確認する——製品ごとのメーカー仕様を確認します。埃・通気、ファン動作、クーラーの取り付け状態を確認しても、同じ負荷・室温条件で以前より温度が悪化している場合に塗り直しを検討します。
ケースファン追加の必要性を確認する——個数や吸排気の大小で決めず、通気経路と風量を点検します。向き・回転数・配置を1項目ずつ調整しても冷却が不足する場合に、ケースに対応するファンの追加を検討し、同じ室温・負荷・画質・fps上限で温度を比較します。
アンダーボルトを試す——MSI AfterburnerでGPUの電圧カーブを下げると、性能を保ったまま消費電力と発熱を減らせることがあります。ゲームによっては不安定になることがあるため、1段階ずつ調整します。
埃が通気を妨げている場合は清掃が対策になります。先に点検する理由は、クーラーを取り外す作業を減らせるためです。清掃後も改善しなければ、ファン動作と取り付け状態を確認します。グリス交換は製品のメーカー仕様を確認し、同じ負荷・室温条件で以前より温度が悪化している場合に検討してください。
対策アイテム埃と冷却不足、どちらにも手を打つ2点
診断で原因1(埃)か原因5(CPUクーラーの性能不足)が当てはまったときの、掃除と冷却強化の2点です。
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FAQよくある質問
まとめ温度とクロックを同時に見て、熱なら埃と通気を点検する
fps急落の原因が熱かどうかは、落ちた時刻に合わせて温度・クロック・使用率・電力・制限理由をログに残すと見えてきます。上限温度への到達だけでは冷却不足とは決められません。fps急落・クロック低下・温度制限が同時に起き、同じ画質・fps上限で冷却だけを変えると改善し、戻すと再発するかを確認します。fps上限や画質の変更で改善しただけでは、熱が原因とは確定できません。上限はRyzen 7 7800X3Dの89°CからCore Ultra 9 285Kの105°Cまでパーツごとに違うため、自分のCPUの公式値と比べて判断してください。
熱が原因なら、まず埃の有無、ファン設定、通気を点検します。埃が詰まっている場合は清掃し、改善しなければ取り付け状態やグリス、冷却機器の見直しを検討します。温度が低いのにクロックが落ちる場合は、電力制限・ドライバー・VRAM不足を順に確認し、電源ユニットの交換は他の要因を外してから検討しましょう。症状が出ない間は未判定のまま、ログを取り続けます。
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