SteamOS 3.9.1 Previewは更新すべき?|Legion Go 2クラッシュ・RDNAスリープ・外部モニターFPS問題を修正
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Legion Go 2クラッシュ・RDNAスリープ・外部モニターFPS問題を修正
出典:Valve公式Steamアナウンス「SteamOS 3.9.1 Preview」、およびSteamOS 3.9.0 Previewの発表にもとづきます。
SteamOSのアップデート通知が来ると、「今すぐ適用すべきか」「もう少し様子を見るべきか」と迷う場面は少なくありません。SteamOS 3.9.1は、9月14日(米国時間)に公開されたばかりのPreview版で、3.9.0で見つかった不具合の修正が中心です。
Valveは2026年9月14日(米国時間)、SteamOSのPreviewチャンネル向けに3.9.1を公開しました。Lenovo Legion Go 2で『Forza Horizon 6』を起動するとクラッシュする問題、外部モニターのフレームレート制限問題、RDNA1・RDNA2搭載PCのサスペンド/復帰問題、Steam Deckのファン制御問題などを修正しています。
Valve公式の発表内容にもとづき、SteamOS 3.9.1で追加された修正内容と、3.9系全体(Linux 7.2・KDE Plasma 6.7.3等)の変更点、更新すべき人・Stableを維持したほうがいい人を整理します。
目次
結論3.9.0からなら更新の価値あり、3.8 Stableからはまだ待機
SteamOS 3.9.1は、3.9.0で見つかった複数の不具合を修正するアップデートです。すでに3.9.0 Previewを使っているなら更新するメリットは分かりやすい一方、3.9.1も引き続きPreviewチャンネル向けで、Valve自身が「予期しない不具合や安定性問題が含まれる可能性がある」と明記しています。
- すでにSteamOS 3.9.0 Previewを使用中で、Legion Go 2のクラッシュや外部モニターのFPS問題に該当する人
- RDNA1・RDNA2搭載PCでサスペンド/復帰の不具合に遭遇していた人
- Steam Deckでファンが急に高回転になる症状が出ていた人
- Steam Deckや自作Steam MachineでSteamOSを普段のゲーム用として安定運用したい人
- SteamOS 3.8 Stableで問題なく使えている人
- 新機能より安定した動作を優先したい人
3.9.13.9.0の不具合修正が中心、基盤更新はなし
SteamOS 3.9.1は、3.9.0で導入されたLinux 7.2やKDE Plasma 6.7.3といった基盤部分をさらに更新するものではありません。Valveのリリースノートでは「New in SteamOS 3.9.1」として、3.9.0公開後に追加された修正項目が区別されています。3.9.0をすでに導入しているユーザーにとって重要なのは、OSの世代更新ではなく、実際の利用環境で発生していたクラッシュやサスペンド、フレームレート制限といった不具合が修正された点です。
修正1Legion Go 2でForza Horizon 6を起動するとクラッシュする問題
SteamOS 3.9.1で最も目を引く変更が、Lenovo Legion Go 2で『Forza Horizon 6』を起動した際に発生するシステムクラッシュの修正です。Steam Deck以外の携帯ゲーミングPCと特定ゲームの組み合わせに対して、Valveが直接対応した事例です。SteamOSはもともとSteam Deck向けのOSでしたが、3.9系ではブートローダーの互換性改善やWi-Fiバックエンド変更など、Steam Deck以外のハードウェアを意識した変更も進んでいます。今回のLegion Go 2固有の修正は、その対応範囲の広がりを示す例といえます。
修正2一部の外部モニターでFPS制限が低くなる問題
SteamOS 3.9.1では、一部の外部ディスプレイでフレームレート制限を使用した場合に、設定した値より実際のFPSが低くなってしまう問題も修正されています。Steam Deckをドックへ接続してモニターやテレビへ出力しているユーザーに関係する修正です。フレームレート上限を設定しているのに想定より低いFPSしか出ていなかった場合、ゲーム側の性能不足ではなくSteamOS側のフレーム制御が原因だった可能性があります。
修正3RDNA1・RDNA2搭載PCのサスペンドと復帰問題
SteamOS 3.9.1では、RDNA1またはRDNA2世代の単体GPUを搭載したシステムで発生していたサスペンド/復帰問題も修正されています。Steam Deckの内蔵APUだけでなく、単体Radeon GPUを積んだ一般PCも修正対象です。3.9.0でLinuxカーネルが7.2へリベースされ、休止状態への予備的なサポートも追加されているため、電源管理まわりの改善が続けて入った形です。ただし今回明記されているのはRDNA1・RDNA2世代の単体GPUで、他の世代やAPUでの同様の症状が解決したとは限りません。
修正4Steam Deckのファン高回転・起動ロゴ消失も修正
Steam Deckでは、ファン制御がまれにBIOS側へ戻ってしまい、再起動するまで通常より高いファン回転数になる問題が修正されました。原因不明のファン高回転が発生していた場合は、ハードウェア故障だけでなくSteamOS側のファン制御も疑ってよさそうです。このほか、シームレスブートのリグレッションによってSteam起動アニメーションの前にブートロゴが消えてしまう問題も修正されています。セキュリティと安定性の更新に加え、開発者向けにはsteamos-bootdebugやチェインローダーメニューを使ったVerbose Modeの出力がPlymouthに隠れてしまう問題の修正、同梱RenderDocのバージョン更新も行われました。
概要3.9.0 Previewとは|チャンネルの位置づけ
SteamOSのアップデートチャンネルは、一般ユーザー向けの「Stable」、その一歩手前の「Beta」、そして最も早く新機能が届く「Preview」の3段階に分かれています。「設定」→「システム」→「システム更新チャンネル」から切り替え可能です。今回の3.9.0はPreviewチャンネル向けの初期ビルドで、Stableへ自動配信される正式版ではありません。Valve公式は「これはSteamOS 3.9の初期Previewビルドであり、予期しない不具合や安定性問題が含まれる可能性がある」と明記しています。
カーネルLinux 7.2へのリベースは何を変える?
SteamOS 3.9.0では、Linuxカーネルが7.2ベースへ更新されました(Stableの3.8系はLinux 6.16ベース)。カーネル更新では新しいCPU・GPU・ネットワーク・ストレージへのハードウェアサポートが追加・改善されるほか、GPUドライバーの電源管理やGamescope(SteamOSの表示合成コンポーネント)とのWayland互換性の改善も期待されています。ただし、「カーネルが新しくなった=ゲームのFPSが大幅に上がる」という意味ではありません。Valveは3.9.0でゲーム性能の具体的な向上率を発表しておらず、現段階では新しいPCハードウェアへの対応範囲拡大や安定性改善のための更新と見るのが適切です。
デスクトップKDE Plasmaは6.4.3から6.7.3へ大幅更新
デスクトップモードのKDE Plasmaが6.4.3から6.7.3へ更新され、約2年分の機能改善が一度に入ります。画面ごとに独立した仮想デスクトップ、長押し操作に対応した仮想キーボード、ライト/ダークモードの切り替えウィジェット、設定画面でのマイクレベルテストなどが新たに使えるようになります。SteamOSはコントローラー操作を前提とした「ゲームモード」だけでなく、デスクトップモードへ切り替えれば一般的なLinux PCに近い環境としても使えるため、ブラウザやファイル管理、他のソフトウェアのインストールなど、ゲーム機以外の用途で使いたい人にとってはPlasmaの更新は実用的な意味を持ちます。
電源管理休止状態の初期対応、スリープとの違い
SteamOS 3.9.0では、休止状態(hibernation)の初期サポートも追加されました。通常のスリープは作業状態をRAMに残したまま低消費電力状態へ移行するため復帰は速い一方、わずかに電力を消費し続けます。休止状態はRAM上の状態をストレージへ保存してから電源を落とすため、長時間放置する場合の消費電力をさらに抑えられます。ただし3.9.0時点ではまだGame ModeのUIから休止状態を選択できません。Valveも「preliminary support(初期サポート)」と位置づけており、今回すぐに使い勝手が劇的に変わる機能ではない点には注意してください。
接続・起動Wi-Fiバックエンド変更とマザーボード互換性改善
新規インストール環境では、Wi-Fiバックエンドが「iwd」から「wpa_supplicant」へ変更されます。Valveによると、さまざまなWi-Fiネットワークとの互換性改善が目的で、スリープ復帰後の高速な再接続にも対応しています。既存インストール環境は自動で切り替わらず、引き続きiwdが使われる場合がある点には注意してください。あわせてブートローダーも更新され、一部のマザーボードとの起動互換性が改善されています。CPU・GPU・マザーボードの組み合わせが多岐にわたる一般PCへSteamOSを広げるうえで、こうした起動・接続まわりの互換性改善は地味ながら重要な部分です。AMD搭載PCへ実際にSteamOSを導入する手順はAMD GPU搭載PCを公式SteamOSで「自作Steam Machine」化する完全ガイドで解説しています。
既知の不具合ROG Ally XのBluetooth障害は3.9.1でも未言及
3.9.0公開直後には、ROG Ally XでのBluetooth障害、フレームレート制限に関する問題、プリンター・Samba共有まわりの問題、中国語ユーザー向けSteamチャットの入力方式バグなどが海外の一次報道で確認されていました。このうちフレームレート制限の問題は、上記のとおり3.9.1で修正されています。一方、ROG Ally XのBluetooth障害・プリンター/Samba・入力方式のバグについては、3.9.1のリリースノートに修正の記載がなく、解消されたかどうかは明記されていません。
今回のような大規模なカーネル・デスクトップ環境の刷新では、特定のハードウェアだけで発生する不具合が公開後にまとまって見つかることが珍しくありません。普段使いのSteam Deckや自作Steam Machineをゲーム専用機として安定運用したい場合は、Stableチャンネルを維持し、これらの不具合が修正されてから3.9系のStable昇格を待つのが安全です。
補足Steam Deck以外への対応拡大は継続中
SteamOSは既に「Steam Deck専用OS」の段階から、AMD搭載PC全般で使えるOSへと対応範囲を広げつつあります。3.9.0のブートローダー改善やWi-Fi周りの変更も、この流れの延長です。ただし現状ではNVIDIA GPUがベータサポート対象に含まれておらず、Protonでも動作しないゲームが一部残るなど、Windowsを完全に置き換えられる段階にはまだありません。SteamOSとNVIDIA環境の関係はSteamOSはNVIDIAにいつ対応する?、ゲーミングノートでの実機検証はSteamOS 3.9はゲーミングノートでも使える?、Windows 11との性能・機能比較はSteamOS vs Windows 11|ハンドヘルドOS完全比較で詳しく解説しています。
FAQよくある質問
まとめ新機能追加でなく、3.9系を実用域へ近づける修正更新
SteamOS 3.9.1は、3.9.0で導入されたLinux 7.2・KDE Plasma 6.7.3を維持しつつ、実際の利用環境で発生していた複数の問題を修正するアップデートです。Legion Go 2での『Forza Horizon 6』クラッシュ、外部モニターのフレームレート制限、RDNA1・RDNA2搭載PCのサスペンド/復帰、Steam Deckのファン制御、起動ロゴ消失などが修正対象です。
ROG Ally XのBluetooth障害やプリンター・Samba共有まわりの問題については、3.9.1のリリースノートに修正の記載がなく、解消されたかどうかは明記されていません。ゲーム性能の具体的な向上も発表されていません。
すでにSteamOS 3.9.0 Previewを使用しているなら3.9.1へ更新する価値がありますが、SteamOS 3.8 Stableで問題なくSteam Deckを使用できているなら、3.9系がStableへ昇格するまで待つのが安全です。
※Valve公式発表にもとづき随時更新しています。



