SteamOS 3.9.0 Previewは更新すべき?|Linux 7.2・休止状態対応、ROG Ally XはBluetooth不具合報告
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Linux 7.2・休止状態対応、ROG Ally XはBluetooth不具合報告
出典:Valve公式Steamアナウンス「SteamOS 3.9.0 Preview」にもとづきます。本記事は2026年8月30日時点の情報で構成しています。
SteamOSのアップデート通知が来ると、「今すぐ適用すべきか」「もう少し様子を見るべきか」と迷う場面は少なくありません。今回のSteamOS 3.9.0はPreviewチャンネル向けの初期ビルドで、Linux 7.2へのカーネルリベースやKDE Plasma 6.7.3への刷新など、通常のマイナー更新とは規模が違う変更が含まれています。
Valveは2026年8月下旬、SteamOSのPreviewチャンネル(Stable・Betaに続く最も早い公開テストチャンネル)向けに3.9.0を公開しました。Linuxカーネルの大幅な刷新に加え、休止状態の初期サポート、Wi-Fiバックエンドの変更、一部マザーボードとの起動互換性改善などが含まれる一方、ROG Ally XでのBluetooth障害や入力方式のバグなど、既に複数の不具合が報告されています。
この記事では、Valve公式の発表内容と海外の一次報道を確認しながら、3.9.0 Previewを試す価値がある人・Stableを維持したほうがいい人を整理します。
目次
結論ゲーム用途で使うならStableが無難
SteamOS 3.9.0 Previewは、OSの土台そのものを大きく更新するアップデートです。新しいハードウェア対応や機能追加が期待できる一方、Previewという名前どおりまだ検証段階で、Valve自身が「予期しない不具合や安定性問題が存在する可能性がある」と明記しています。
- Steam Deckや自作Steam MachineでSteamOSを普段のゲーム用として安定運用したい人
- Bluetooth・Wi-Fi・入力周りのトラブルを避けたい人
- 新機能より安定した動作を優先したい人
- 休止状態や新しいWi-Fiバックエンドなど新機能を先行して試したい人
- KDE Plasmaのデスクトップモード新機能に関心がある人
- 自作PCへのSteamOS導入で起動できなかった環境があり、改善状況を確認したい人
概要3.9.0 Previewとは|チャンネルの位置づけ
SteamOSのアップデートチャンネルは、一般ユーザー向けの「Stable」、その一歩手前の「Beta」、そして最も早く新機能が届く「Preview」の3段階に分かれています。「設定」→「システム」→「システム更新チャンネル」から切り替え可能です。今回の3.9.0はPreviewチャンネル向けの初期ビルドで、Stableへ自動配信される正式版ではありません。Valve公式は「これはSteamOS 3.9の初期Previewビルドであり、予期しない不具合や安定性問題が含まれる可能性がある」と明記しています。
カーネルLinux 7.2へのリベースは何を変える?
SteamOS 3.9.0では、Linuxカーネルが7.2ベースへ更新されました(Stableの3.8系はLinux 6.16ベース)。カーネル更新では新しいCPU・GPU・ネットワーク・ストレージへのハードウェアサポートが追加・改善されるほか、GPUドライバーの電源管理やGamescope(SteamOSの表示合成コンポーネント)とのWayland互換性の改善も期待されています。ただし、「カーネルが新しくなった=ゲームのFPSが大幅に上がる」という意味ではありません。Valveは3.9.0でゲーム性能の具体的な向上率を発表しておらず、現段階では新しいPCハードウェアへの対応範囲拡大や安定性改善のための更新と見るのが適切です。
デスクトップKDE Plasmaは6.4.3から6.7.3へ大幅更新
デスクトップモードのKDE Plasmaが6.4.3から6.7.3へ更新され、約2年分の機能改善が一度に入ります。画面ごとに独立した仮想デスクトップ、長押し操作に対応した仮想キーボード、ライト/ダークモードの切り替えウィジェット、設定画面でのマイクレベルテストなどが新たに使えるようになります。SteamOSはコントローラー操作を前提とした「ゲームモード」だけでなく、デスクトップモードへ切り替えれば一般的なLinux PCに近い環境としても使えるため、ブラウザやファイル管理、他のソフトウェアのインストールなど、ゲーム機以外の用途で使いたい人にとってはPlasmaの更新は実用的な意味を持ちます。
電源管理休止状態の初期対応、スリープとの違い
SteamOS 3.9.0では、休止状態(hibernation)の初期サポートも追加されました。通常のスリープは作業状態をRAMに残したまま低消費電力状態へ移行するため復帰は速い一方、わずかに電力を消費し続けます。休止状態はRAM上の状態をストレージへ保存してから電源を落とすため、長時間放置する場合の消費電力をさらに抑えられます。ただし3.9.0時点ではまだGame ModeのUIから休止状態を選択できません。Valveも「preliminary support(初期サポート)」と位置づけており、今回すぐに使い勝手が劇的に変わる機能ではない点には注意してください。
接続・起動Wi-Fiバックエンド変更とマザーボード互換性改善
新規インストール環境では、Wi-Fiバックエンドが「iwd」から「wpa_supplicant」へ変更されます。Valveによると、さまざまなWi-Fiネットワークとの互換性改善が目的で、スリープ復帰後の高速な再接続にも対応しています。既存インストール環境は自動で切り替わらず、引き続きiwdが使われる場合がある点には注意してください。あわせてブートローダーも更新され、一部のマザーボードとの起動互換性が改善されています。CPU・GPU・マザーボードの組み合わせが多岐にわたる一般PCへSteamOSを広げるうえで、こうした起動・接続まわりの互換性改善は地味ながら重要な部分です。AMD搭載PCへ実際にSteamOSを導入する手順はAMD GPU搭載PCを公式SteamOSで「自作Steam Machine」化する完全ガイドで解説しています。
既知の不具合ROG Ally XのBluetooth障害など複数報告あり
Previewという名前どおり、公開直後から複数の不具合が報告されています。海外の一次報道によると、ROG Ally XでのBluetooth障害、フレームレート制限に関する問題、プリンター・Samba共有まわりの問題、中国語ユーザー向けSteamチャットの入力方式バグなどが確認されています。
今回のような大規模なカーネル・デスクトップ環境の刷新では、特定のハードウェアだけで発生する不具合が公開後にまとまって見つかることが珍しくありません。普段使いのSteam Deckや自作Steam Machineをゲーム専用機として安定運用したい場合は、Stableチャンネルを維持し、これらの不具合が修正されてから3.9系のStable昇格を待つのが安全です。
補足Steam Deck以外への対応拡大は継続中
SteamOSは既に「Steam Deck専用OS」の段階から、AMD搭載PC全般で使えるOSへと対応範囲を広げつつあります。3.9.0のブートローダー改善やWi-Fi周りの変更も、この流れの延長です。ただし現状ではNVIDIA GPUがベータサポート対象に含まれておらず、Protonでも動作しないゲームが一部残るなど、Windowsを完全に置き換えられる段階にはまだありません。SteamOSとNVIDIA環境の関係はSteamOSはNVIDIAにいつ対応する?、ゲーミングノートでの実機検証はSteamOS 3.9はゲーミングノートでも使える?、Windows 11との性能・機能比較はSteamOS vs Windows 11|ハンドヘルドOS完全比較で詳しく解説しています。
FAQよくある質問
まとめ基盤更新は大きいが、ゲーム用途では急ぐ必要なし
Valveは2026年8月、SteamOS 3.9.0をPreviewチャンネルで公開しました。Linuxカーネルの7.2へのリベース、KDE Plasmaの6.4.3から6.7.3への刷新、休止状態の初期サポート、Wi-Fiバックエンドのwpa_supplicantへの変更、一部マザーボードとの起動互換性改善など、OSの基盤に関わる更新が中心です。
ただしValve自身がPreviewビルドには予期しない不具合が含まれる可能性があるとしており、実際にROG Ally XでのBluetooth障害など複数の不具合が既に報告されています。ゲーム性能の具体的な向上も発表されていません。
Steam Deckや自作Steam MachineでSteamOSを普段のゲーム用として安定運用しているなら、3.9系がStableへ昇格するまで待つのが安全です。新しいデスクトップ機能や休止状態を先行して試したい人、自作PCへの導入で起動できなかった環境の改善状況を確認したい人は、Previewチャンネルを試す価値があります。
※本記事の情報は2026年8月30日時点のValve公式発表・海外の一次報道にもとづきます。




