AMD FSRがUnreal Engine 5.8に対応|RX 7000はMLアップスケーリングのみ対応、フレーム生成はRX 9000限定
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RX 7000はMLアップスケーリングのみ、フレーム生成はRX 9000限定のまま
出典:AMD公式GPUOpen「AMD FSR plugin updated for Unreal Engine 5.8」、AMD公式FSR技術ページ、AMD公式GPUOpen「AMD FSR SDK 2.3」、AMD公式GPUOpen「AMD FSR SDK」自動アップグレード仕様、海外メディアTechPowerUp。日程・数値は本記事公開時点(2026年8月30日)の情報にもとづきます。
「Unreal EngineのAMD FSRプラグインがRadeon RX 7000シリーズに対応した」というニュースを見て、「これでRX 7000でもFSR 4のフレーム生成まで使えるようになった」と考えてしまうと、実際の挙動と食い違います。AMDが2026年8月27日に発表したのは、あくまでUnreal Engine向け公式プラグインのUnreal Engine 5.8対応と、そのプラグインが持つMLベースのFSR Upscalingの対応範囲拡大であり、フレーム生成側の対応範囲は変わっていません。
AMD公式GPUOpenの発表によると、今回のアップデートはFSR「Redstone」SDK 2.3をベースにしており、Unreal Engine 5.8へ正式対応する一方でUnreal Engine 5.2への対応は終了しました。プラグインに含まれるFSR Upscaling 4.1.1は、これまでRadeon RX 9000シリーズ(RDNA 4)専用だったMLベースのアップスケーリングを、Radeon RX 7000シリーズ(RDNA 3)のディスクリートGPUでも利用できるようにする内容です。あわせてFSR Frame Generation 4.0.1もモーションベクトルとカメラパラメータの処理が改善されていますが、こちらはRDNA 4向けの機能という位置づけに変わりはありません。
この記事では、RX 7000で「使えるようになったもの」と「引き続き使えないもの」の線引きを明確にしたうえで、実は今回のニュースより2カ月以上前の2026年6月時点で、ドライバー側ではすでにRX 7000向けのFSR Upscaling 4.1対応が始まっていたという時系列の訂正、Unreal Engine 5.2からの移行が実務にどう影響するか、そして手元のRX 7000・RX 9000でこれから何をすればいいかまで整理します。
目次
発表概要Unreal Engine 5.8への正式対応とFSR Redstone SDK 2.3
AMD公式GPUOpenが2026年8月27日に公開した記事によると、Unreal Engine向けの「AMD FSRプラグイン」がUnreal Engine 5.8に対応しました。ベースとなっているのはFSR「Redstone」SDK 2.3で、Unreal Engine 5.8で正式サポートが始まった一方、Unreal Engine 5.2への対応は終了しています。プラグインに含まれる主要な技術として、GPUOpenの発表ではFSR Upscaling 4.1.1とFSR Frame Generation 4.0.1の2つが挙げられています。
あわせて、低遅延機能「Radeon Anti-Lag 2」のUnreal Engine向けプラグインもUnreal Engine 5.8対応版が公開されました。GPUOpenの説明では、Radeon Anti-Lag 2はFSR Frame Generationと組み合わせて使うことで、追加の低遅延効果が得られるとされています。Unreal Engine 5.8自体の新機能としては、多数の動的ライトを扱える「MegaLights」がProduction Ready(製品版レベル)に到達したこと、大規模な地形を構築する「Mesh Terrain」とAI駆動のワークフローを扱う「Unreal MCP」がExperimental(実験的機能)として利用可能になったことにも言及があります。
最重要ポイントRX 7000が対応するのはMLアップスケーリングのみ
今回の発表で最も誤解されやすいのが、Radeon RX 7000シリーズの対応範囲です。GPUOpenの発表は、FSR Upscaling 4.1.1によってRadeon RX 7000シリーズ(RDNA 3)のディスクリートGPUでMLベースのアップスケーリングが利用可能になったと明記しています。これまでMLベースのFSR Upscalingは、Radeon RX 9000シリーズ(RDNA 4)専用の機能でした。この点は間違いなくRX 7000ユーザーにとってプラスの変化です。
一方で、同じ発表で更新されたFSR Frame Generation 4.0.1については、対応ハードウェアが広がったという記述はありません。AMD公式GPUOpenの別記事「AMD FSR SDK 2.3」でも、FSR Upscaling 4.1.1が「Radeon RX 9000 and 7000 Series」向けと明記される一方、Frame Generation 4.0.1とRay Regeneration 1.2.0は「Radeon RX 9000 Series GPUs and above」向けとして区別されています。つまり、MLベースのFSR Frame Generationは引き続きRadeon RX 9000シリーズ(RDNA 4)以上限定であり、RX 7000シリーズでは利用できません。
今回の発表を「RX 7000がFSR 4に完全対応した」と要約するのは不正確です。正確には「RX 7000はMLベースのアップスケーリングのみ対応。MLベースのフレーム生成はRX 9000限定のまま」という区分です。RX 7000で表示のなめらかさをフレーム生成に頼りたい場合、ML以外の解析的なフレーム生成技術を使うことになります。
アップスケーリングとフレーム生成で対応範囲が分かれている理由についても補足しておきます。RX 7000シリーズ向けのFSR Upscaling 4.1は、RX 9000シリーズが使うFP8命令セットとは異なるINT8ベースの実装で動作していると海外メディアが報じています。RDNA 3にはRDNA 4のような専用のAIアクセラレーターがないため、AMDはこのINT8による代替実装でRX 7000にMLアップスケーリングを持ち込んだ形です。一方のフレーム生成は処理負荷がさらに大きく、現時点ではRDNA 4のAIアクセラレーターを前提とした設計のままとなっています。
時系列の訂正ドライバー側は2026年6月に対応済み、今回はUEプラグインへの統合
「8月27日にRX 7000が初めてFSR 4.1に対応した」という理解も誤りです。AMD公式GPUOpenが2026年6月24日に公開した記事「AMD FSR SDK 2.3」の時点で、RX 7000向けのMLベースFSR Upscaling 4.1対応はすでに発表されていました。実際のドライバーとしては、AMD Software: Adrenalin Edition 26.6.2(2026年6月22日リリース)でこの対応が配信されています(RX 7700 XTでのFSR 4.1展開の詳細はこちら)。
つまり、Radeon RX 7000シリーズのGPUを持つユーザーは、ドライバーをAdrenalin 26.6.2以降に更新していれば、対応するゲームで6月の時点からMLベースのFSR Upscalingを使えていたことになります。7月にはAdrenalin 26.7.1(7月28日公開)でFSR 4.1関連のクラッシュ修正も配信されました。今回8月27日の発表で新しいのは、この対応がドライバー単体の話ではなく、Unreal Engineの開発者が使う公式FSRプラグインそのものに正式に組み込まれた点です。
この違いは開発者視点で見るとわかりやすくなります。ドライバー側の対応は、FSR 3.1以降をすでに統合済みでDirectX 12を採用しているゲームに限り、AMD Software: Adrenalin EditionがFSR UpscalingをML版へ後付けでアップグレードする仕組みです(この条件については次の見出しで詳しく解説します)。これに対して、今回のUnreal Engineプラグイン対応は、これから開発されるUnreal Engine 5.8ベースのゲームが、開発段階からFSR Upscaling 4.1.1を標準搭載しやすくなるという話です。ゲーマー側の体感としては、「今すぐ何かが変わる」というより「今後発売されるUE5.8ベースの新作でFSR対応が組み込まれやすくなる」という中長期的な変化と捉えるのが正確です。
今後の展望ゲーム側のアップデートなしでFSRが新しくなる仕組みも用意されている
今回のUE5.8対応で見落とされがちなのが、FSRそのものの更新方法が変わりつつあるという点です。AMD公式GPUOpenが公開している「AMD FSR SDK 2.3」の説明によると、FSR「Redstone」SDK 2.3以降、将来のAMD Software: Adrenalin Editionのドライバーリリースを通じて、ゲーム内で使われているMLベースの技術のバージョンをデフォルトで更新できる仕組みが用意されています。
ただし対象になるのは無条件ではありません。AMD公式の説明では、FSR UpscalingについてはFSR 3.1以降を統合済みのゲームに限り、Radeon RX 9000・RX 7000シリーズ(DirectX 12のみ)でML版のFSR Upscaling 4.1.1へ自動アップグレードされる対象になり得るとされています。FSR Frame Generationについてはさらに条件が絞られ、FSR 3.1.4を統合済みのゲームかつRadeon RX 9000シリーズ(DirectX 12のみ)が対象で、RX 7000シリーズは対象外です。
この仕組みが働くのは、開発元がすでにFSR 3.1系を組み込んでいるタイトルに限られます。FSRを導入していないゲームや、FSR 3.1より前の古いバージョンのまま更新が止まっているゲームは対象外です。実際にどのタイトルがいつ対象になるかはAMDおよび各ゲームの今後のアナウンス次第で、現時点で対象タイトルの具体名は発表されていません。
実務的な影響Unreal Engine 5.2サポート終了は既存タイトルにすぐ波及しない
今回のプラグイン更新でUnreal Engine 5.2への対応が終了したことは、Unreal Engineを使う開発者にとって実務上の変化です。Unreal Engine 5.2ベースで開発を続けているタイトルは、AMD公式の最新FSRプラグインをそのまま導入できなくなり、Unreal Engine 5.8への移行が前提になります。逆に言えば、これから新規にUnreal Engineプロジェクトを立ち上げる開発者にとっては、最初からUnreal Engine 5.8とFSR Upscaling 4.1.1を組み合わせられるため、RX 7000向けのMLアップスケーリング対応を後回しにする理由が減ります。
プレイヤー側への影響という点では、すでに発売済みでUnreal Engine 5.2ベースのまま更新予定のないタイトルが、このニュースだけを理由に急にFSR対応を変えることはありません。エンジン側のプラグインが更新されても、個々のゲームがエンジンをアップデートし、プラグインを取り込んで初めて反映される仕組みだからです。手元の環境で今すぐ挙動が変わるわけではない、という前提を押さえておくと、過度な期待や誤解を避けられます。
今すぐできること環境ごとに確認しておきたいポイント
対象の確認今回の変化が関係する人・関係しない人
- Radeon RX 7000シリーズを使っていて、MLベースのFSR Upscalingを使えるゲームを増やしたい人
- Unreal Engineでゲームを開発していて、AMD公式FSRプラグインの最新機能を追いたい人
- Unreal Engine 5.2ベースのプロジェクトをUnreal Engine 5.8へ移行するか検討している開発者
- Radeon RX 9000シリーズを使っている人(MLベースのアップスケーリング・フレーム生成とも、この発表以前から対応済み)
- Radeon RX 6000シリーズ以前を使っていてMLベースのFSR Upscalingを待っている人(2027年前半まで対象外)
- RX 7000でMLベースのフレーム生成が使えるようになると期待していた人(今回も対象外のまま)
FAQよくある質問
総括まとめ|RX 7000はアップスケーリングのみ、フレーム生成はRX 9000限定
AMDは2026年8月27日、Unreal Engine向けの「AMD FSRプラグイン」をUnreal Engine 5.8に正式対応させたと発表しました。プラグインに含まれるFSR Upscaling 4.1.1により、MLベースのアップスケーリングがRadeon RX 7000シリーズ(RDNA 3)でも利用可能になりましたが、同時に更新されたFSR Frame Generation 4.0.1は引き続きRadeon RX 9000シリーズ(RDNA 4)以上限定です。「RX 7000でFSR 4が完全解禁された」という理解は不正確で、対応するのはアップスケーリングのみという点を押さえておく必要があります。
また、RX 7000向けのFSR Upscaling 4.1対応自体は今回が初出ではありません。ドライバーレベルでは2026年6月のAdrenalin 26.6.2の時点ですでに配信されており、今回の発表はこの対応をUnreal Engine向け公式プラグインに正式統合したという意味合いです。あわせてUnreal Engine 5.2へのサポートは終了しており、Unreal Engineで開発を続ける場合はUnreal Engine 5.8への移行が前提になります。
Radeon RX 7000シリーズを使っている場合は、AMD Software: Adrenalin Editionが26.6.2以降になっているかをまず確認してください。フレーム生成の滑らかさを求める場合は、非公式ツールのOptiScalerという選択肢もありますがBANリスクを伴います。RX 9000シリーズを使っている場合は今回の発表で状況は変わらず、RX 6000シリーズ以前を使っている場合は2027年前半のFSR 4.1対応を待つことになります。




