ソニーのPS新作ディスク終了は延期される?開発者アンケート報道と業界ベテランの否定|2028年方針の最新状況【2026年9月】
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8月の延期説は否定、9月には開発者アンケートの報道。2028年1月の方針に変更なし
出典:Game File「Sony’s PlayStation disc plant is losing 10 percent of its volume in 2028, not 90」、Dexerto(開発者アンケート報道)、Push Square(PS5ユーザー向けアンケート)、Alinea Analytics「Wolverine sells 1.9M」、ソニー・インタラクティブエンタテインメント公式PlayStation.Blog日本版、Xbox公式XBOX Wire、業界関係者Richard Browne氏のX投稿、海外メディアMP1st、Gamerant。日程・数値は2026年9月1日時点、9月の続報は9月27日時点の情報にもとづきます。
「ソニーがPlayStation新作のディスク生産終了を1〜2年延期するらしい」——2026年8月末、こんな噂を見かけた方もいるかもしれません。しかし結論から言うと、この噂は出所があいまいなまま広がったもので、発生から2日と経たずに業界関係者から公に否定されています。9月25日前後には、ソニーが開発者に「物理版をなくすと問題があるか」を尋ねるアンケートを送ったという別の報道も出ましたが、これもソニーは認めていません。
ソニーは2026年7月1日、PlayStation向け新作のディスク生産を2028年1月に終了する方針を正式発表しました。今回の噂は、この方針が「1〜2年延期されるかもしれない」という内容でしたが、噂の広がり方そのものに不自然な点があり、ゲーム業界の勤続年数が長いベテランがすぐさま疑問を呈しています。
以下では、噂がどこから出てどう広まったのか、なぜ信ぴょう性が疑われているのか、そして同じ時期にXboxが発表した「disc-to-digital」機能との関係まで、時系列で整理します。
目次
噂の内容Gamescom会場発、Xboxの動きと絡めた「1〜2年延期」説
噂の発端は、2026年8月28日ごろに配信されたEurogamer Spainのポッドキャストです。ドイツ・ケルンで開催されたゲームイベント「Gamescom 2026」の会場で聞かれたという業界関係者の話として、ソニーが2028年1月からのディスク生産終了方針を1〜2年ほど延期する可能性がある、という内容が伝えられました。
この話は海外メディアMP1stが8月29日から30日にかけて記事化したことで一気に拡散しました。MP1stの報道では、Microsoftが次世代ハード「Project Helix」で物理メディアを重視する姿勢を見せていることへの対抗策として、ソニーが方針の見直しを検討しているという理屈が添えられており、大手パブリッシャー1社が「物理版を出せないならPlayStationでの発売を見送るかもしれない」と示唆している、という具体的な描写もありました。
否定業界ベテランRichard Browne氏「そんな話はGamescomで一切出ていない」
この噂に対し、ゲーム業界で長年のキャリアを持つRichard Browne氏(Domark、Psygnosis、ソニー、Microprose、THQなどでの勤務経験を持つ業界関係者)が、8月30日にX(旧Twitter)で公に反論しました。同氏は「Gamescomでソニーが戦略を変えるという話は一切出ていない。すべてのパブリッシャーは2028年からのディスクレス化というソニーの方針にしたがって動いている」と明言しています。
Browne氏はさらに、この噂の「情報源」とされる人物が、自分自身のXアカウントですらこの話を投稿していない点を指摘しました。噂が二次・三次情報として伝言ゲーム的に広がった一方で、一次発言者にたどり着けない状態だという趣旨です。同氏はあわせて、Microsoftも次世代ハードを投入する場合はディスクレス化に進むだろうという見方も示しています。
この否定は、Gamerant・VGTimes・Push Square(gamebastion経由)・Aroged・News Directory 3など複数の海外メディアが8月30日から31日にかけて取り上げており、「噂が浮上した直後に業界関係者から公に疑問視された」という一連の流れとして海外では広く共有されています。
現状の確認正式な方針は2026年7月1日発表のまま変わっていない
今回の噂が扱っている「2028年1月からのディスク生産終了」という方針自体は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2026年7月1日に正式発表したものです。対象は2028年1月以降に発売されるPlayStation向け新作のみで、すでに発売済みのタイトルや、2028年1月より前に発売されるタイトルのディスク版には影響しません。発表の詳しい内容はプレステ新作ディスク版、2028年1月に生産終了へで整理しています。
この方針をめぐっては、7月の発表直後からユーザーの反発が続いていましたが、ソニーは2026年7月31日の決算説明会でも方針を維持する姿勢を示しています。執行役CFOの陶琳氏は、ユーザーの気持ちを受け止めたいとしつつ、コンテンツ全体のデジタル化を理由に計画そのものは見直さないと説明しました。詳しくはソニー、PSディスク生産終了は決算説明会でも撤回せずで解説しています。今回のGamescom発の噂も、この「撤回・延期しない」という立場を覆す新しい公式発言ではなく、あくまで真偽不明の伝聞情報にとどまっている点を押さえておく必要があります。
9月の続報ソニーが開発者に物理版の影響をアンケートしたとの報道、ソニーは未確認
2026年9月25日前後には、別の噂が広がりました。YouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」のTom氏が、ポッドキャスト「Broken Silicon」で、ソニーが開発者に大規模なアンケートを送ったと話したものです。同氏は、関係者から聞いた話として「これまでで最大級のアンケート」で、その中に「物理版の売り方に問題があるか」を遠回しに尋ねる質問があったと説明しています。
ただし、ソニーはアンケートの存在を認めておらず、質問票も公開されていません。確認できるのは、Tom氏が匿名の情報源から聞いたと話しているところまでです。アンケートがあったとしても、方針を見直すためなのか、2028年に向けた運用上の問題を洗い出すためなのかは分かりません。「延期」や「撤回」が決まったと読むのは早すぎます。
9月25日のPS5ユーザー向けアンケートにディスクの設問はない
開発者アンケートの報道から数日後の9月25日には、ソニーがPS5ユーザー向けの満足度アンケートを公開しました。こちらは実物の設問が画面ごと共有されており、存在自体は確かです。ただ、尋ねているのはPS5独占タイトル、ゲームのラインナップ、UI、ゲームのパフォーマンス、オンラインプレイ、DualSenseといったPS5全般の満足度で、物理ディスクについて直接尋ねる設問はありません。
ディスクの話題と結びついたのは、ユーザー側の動きです。自由記述欄に2028年のディスク終了への反対意見を書き込み、その画面を共有する投稿が海外で広がりました。つまり「ソニーがディスク終了の是非をユーザーに尋ねた」のではなく、「PS5全般のアンケートの自由記述欄が、反対意見を伝える場として使われた」というのが実態です。
開発者向けは物理版の売り方に触れる質問があったとされる一方で、ソニーは存在を認めていません。ユーザー向けは存在こそ確かですが、ディスクについての設問がありません。どちらも「撤回の検討が始まった」根拠にはならず、2つを1本の動きとしてつなげる材料も今のところ出ていません。方針の変化を見極めるなら、次の決算説明会でディスクについての回答が7月31日から変わるかどうかのほうが確かな手がかりになります。
工場の生産量は「10%まで減る」のではなく「10%減る」
もう1つ、誤解されやすい数字が訂正されています。ソニーのディスク製造子会社Sony DADCのDietmar Tanzer氏が7月にオーストリアのメディアで話した内容が、一部で「タールガウ工場の生産量が2028年に現在の10分の1になる」と報じられていました。Sony DADCは9月、ゲーム業界メディアGame Fileに対し、Tanzer氏が話したのは「総生産量が10%減る」という見通しで、「10%まで減る」ではないと訂正しています。
同社は、2028年1月以降も既存タイトルのディスクの再発注が市場に出ることも説明しています。7月1日の発表どおり、終わるのは2028年1月以降に発売される新作のディスク化で、PlayStationのディスク製造そのものが止まるわけではありません。
物理版は少数派だが、まだ2割前後ある
ソニーの2026年度第1四半期(4〜6月)の決算資料では、PS4/PS5向けフルゲームの販売本数は6,610万本で、そのうちダウンロード版は82%でした。前年同期は83%、前四半期は85%だったので、直近でデジタル比率が急に高まったわけではなく、8割前後で推移しています。残る約18%を単純に掛け合わせると、3か月でおよそ1,190万本が物理版だった計算になります(82%から逆算した参考値で、ソニーが公表した本数ではありません)。
9月15日に発売された『Marvel’s Wolverine』については、市場分析会社Alinea Analyticsが、発売3日間で約190万本・約1億3,000万ドルを売り上げ、売上高の22.9%が物理版だったと推計しています。ソニーの公表値ではなく、しかも「本数」ではなく「売上高」の割合なので、上の82%とは単純に比べられません。それでも、大型の新作で物理版が一定の割合を占めていることを示す数字です。
デジタルが8割を占めること自体は、ソニーが方針の理由に挙げる「デジタル化」の裏付けです。一方で、少数派の2割が残っていることが、今回のようなアンケート報道が注目される背景になっています。現時点で公式に言えるのは、2028年1月以降の新作からディスク生産を終えるという方針が変わっていないということだけです。
Xboxとの関係disc-to-digital機能は別の発表、混同に注意
今回の噂と同じタイミングで話題になったのが、Xboxが2026年8月26日に正式発表した「disc-to-digital」機能です。XBOX Wireの発表によると、対応するXbox One・Xbox Series Xのディスクを持つプレイヤーが、そのディスクのデジタル権利を取得できる仕組みで、8月31日からXbox Insider向けのテストが始まりました。物理ディスク自体もこれまでどおり利用できる仕組みで、ディスクの利用を終わらせる機能ではありません。
MP1stが報じた噂では、この時期のXboxの動きを「Project Helix(次世代Xboxのコード名)が物理メディアを重視している証拠」として扱い、ソニーの方針転換の理由づけに使っていました。しかし、disc-to-digital機能はあくまで既存ディスクの権利をデジタル化する仕組みであり、Project Helixというこれから出るハードウェアが物理メディアにどこまで対応するのかとは、性質の異なる話です。次世代Xboxのディスクドライブ搭載有無を含むハード仕様は、2026年9月1日時点で公式に確定した情報がなく、メディアによる見立ても分かれています。今回の噂を評価するうえで、この2つを同一視しないことが重要です。
対象の確認今回の件で状況が変わる人・変わらない人
- 手元にPS5・PS4のディスク版ソフトを持っている人(今回の話にかかわらず今後も遊べます)
- 2028年1月より前に発売されるPlayStation新作のディスク版を買う予定の人
- 「ソニーが延期を正式表明した」と考えていた人(そうした事実は確認されていません)
- 2028年1月以降に発売されるPlayStation新作をディスクで買いたいと考えている人
- PS6にディスクドライブが搭載されるかどうかを気にしている人(現時点で仕様は未確定)
- Xboxのdisc-to-digital機能を実際に使ってみたい、Xbox One・Series Xディスクを持つ人
購入判断今からPS5のディスク版・ディスクドライブを選ぶ意味はあるか
今回の噂が否定されたことで、「2028年1月からディスク生産が終わる」という前提そのものは変わっていません。そのうえで、今PS5をディスク対応で使うかどうかを考えるなら、現行のPS5・PS5 Proは本体からディスクドライブを着脱できる設計になっている点を踏まえておくとよいでしょう。ディスクドライブなしのデジタル・エディションを購入したあとでも、対応するUltra HD Blu-rayディスクドライブを別売りで追加できる仕組みで、2026年9月時点でもソニー公式ストアや主要小売店で継続して販売されています。
したがって「将来ディスクが減っていくから、今ディスク版やドライブを選ぶ意味がない」と単純に結論づける必要はありません。中古ソフトの売買や貸し借り、手元にある旧世代のPS4ディスクを引き続き使いたい人にとって、ディスクドライブの価値は今回の噂の真偽にかかわらず変わらないままです。逆に、そうした使い方をしない人にとっては、今回の件を機にディスク対応を急いで用意する必要もありません。
FAQよくある質問
2026年8月28日ごろにGamescom発として広まった「ソニーがPlayStation新作のディスク生産終了方針を1〜2年延期する」という噂は、8月30日に業界ベテランのRichard Browne氏から公に否定されています。同氏は、Gamescomでそうした話が出た事実はなく、噂の情報源自体の発言も確認できないと指摘しました。
現時点で有効な方針は、2026年7月1日にソニーが発表した「2028年1月以降に発売される新作のディスク生産を終了する」という内容のままで、7月31日の決算説明会でもCFOが撤回・延期しない姿勢を説明しています。同じ時期に話題になったXboxのdisc-to-digital機能は、既存ディスクをデジタル権利に変換する別の仕組みであり、今回の噂と直接結びつける根拠はありません。
9月には、ソニーが開発者に物理版をなくす影響を尋ねるアンケートを送ったという報道も出ましたが、ソニーは認めていません。9月25日に公開されたPS5ユーザー向けの満足度アンケートにも、ディスクについての設問はありません。Sony DADCは工場の2028年の生産量について「10%まで減る」ではなく「10%減る」と訂正しており、既存タイトルの再発注も続きます。
今の時点で確実に言えるのは、2028年1月からの方針は変わっていないということです。PS5のディスク対応を続けたい人にとって、着脱式のディスクドライブは今回の噂の真偽にかかわらず販売が続いており、慌てて判断を変える必要はありません。PS6のディスクドライブ搭載有無を含め、今後も未確定な情報が多いテーマなので、確定情報が出た際はあらためて取り上げます。



