SteamOS 3.8.25 Betaは更新すべき?FSR使用時の性能低下とFirmware 108・Steam Machine対応を解説
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FSR使用時の性能低下とFirmware 108を解説
出典:Valve公式Steamニュース「SteamOS 3.8.25 Beta」、Valve開発者Pierre-Loup Griffais氏のBluesky投稿、GamingOnLinuxの報道にもとづきます。情報は2026年8月9日時点です。
Steam DeckやSteam MachineにSteamOSのアップデート通知が来ると、「今すぐ適用すべきか」「もう少し様子を見るべきか」と迷う場面は少なくありません。今回のSteamOS 3.8.25 Betaは、Valve自身が性能低下の既知問題を明らかにしているため、なおさら判断に慎重さが求められます。
Valveは2026年8月8日(日本時間)、SteamOSのBeta/Previewチャンネル向けに3.8.25を公開しました。Steam Machine Firmware 108によるスリープ関連の修正、MSI ClawやOneXPlayerなど他社製ハンドヘルドPCへの対応強化、Steam Controller(2026)のドライバー対応などが含まれる一方、コンポジションが必要になる一部のケース(FSR使用時など)で性能が低下する既知問題があり、この問題はStable 3.8.16ではすでに修正済みです。
この記事では、Valve公式のパッチノートと開発者の発言を一つずつ確認しながら、3.8.25 Betaを試す価値がある人・Stable 3.8.16を維持したほうがいい人を整理し、更新後にFPSが下がったと感じたときの切り分け手順まで解説します。
結論FSRを使うなら今はStable 3.8.16が無難
SteamOS 3.8.25 Betaは、Steam Machineやサードパーティ製ハンドヘルドPCを中心に多数の改善が入ったアップデートです。ただし、ゲームの体感性能そのものを底上げする更新ではなく、コンポジションが必要になる一部のケースでは性能が落ちる既知問題が残っています。誰に向いているアップデートかを先に整理します。
- Steam DeckやSteam Machineでゲームプレイを安定して楽しみたい人
- FSR使用時などに処理落ち・カクつきを感じたくない人
- 新機能を試すより安定した動作を優先したい人
- Steam Machineのスリープ復帰(勝手に復帰する・CPU性能が戻らない)に困っている人
- MSI ClawやOneXPlayerなど他社製ハンドヘルドPCの対応改善を試したい人
- HDMI接続時のフリーズやWi-Fi接続の不安定さなど、今回修正された症状に該当している人
3.8.25 Betaはハードウェア対応の拡大が中心のアップデートです。ゲームの描画性能を底上げする目的で更新すると、むしろFSR関連の既知問題に当たる可能性があります。
概要SteamOS 3.8.25 Betaとは|公開日と適用範囲
SteamOS 3.8.25は、2026年8月8日(日本時間)にValveがBeta/Previewチャンネル向けに公開したアップデートです。Stableチャンネルへ自動配信される正式版ではなく、「Settings」→「System」→「System Update Channel」から手動でBetaを選んだ場合にのみ適用されます。
今回の更新内容は、Steam Controller、Steam Machine、HDMI、Wi-Fi、Bluetoothオーディオ、他社製ハンドヘルドPCなど、幅広いハードウェア対応が中心です。対象となる機器を使っているユーザーには意味の大きいアップデートですが、Steam Deckで一般的なSteamゲームをプレイしているだけなら、急いで導入する必要性は低めです。
既知問題FSR使用時などに性能が低下する不具合
SteamOS 3.8.25 Betaで最も注意したいのが、Valveが公式に明記している性能低下です。Valve公式のパッチノートには「コンポジションが必要になる一部のケースで性能が低下する既知の問題がある(FSRを有効にしている場合など)」と記載されています。3.8.25 Betaへ更新したあとにゲームのFPSが下がった、FSRを使用するとフレームレートが落ちる、といった症状が出た場合は、この既知問題の影響を疑う価値があります。
Valveの説明はコンポジションが必要になる状況の一例としてFSRを挙げているだけで、FSRを採用するすべてのゲーム・すべての環境で同じ問題が起きると断定しているわけではありません。3.8.25 Beta導入後に明らかなFPS低下が発生した場合に、まずバージョンを疑うという考え方が適切です。
対処Stable 3.8.16への切り替えと切り分け方
今回少し特殊なのは、Betaで確認されている問題がStable版ではすでに修正されている点です。Valveは3.8.25 Betaのパッチノートで、この性能低下の問題について「最新のStable版(3.8.16)ではすでに修正済み」と明記し、影響を受けるユーザーに対し、Beta側へ修正が反映されるまでStableチャンネルへ切り替えることを案内しています。SteamOSやBazziteのアップデートをいつ受け取るべきかという考え方は、Mesa 26.2がSteamOS・Bazziteに与える影響を整理した記事でも扱っています。
Steam MachineFirmware 108でスリープ関連の不具合を修正
SteamOS 3.8.25 Betaには「Steam Machine Firmware 108」が含まれます。Valve公式のパッチノートによると、Firmware 108では次の2点が修正されました。
Valveの開発者であるPierre-Loup Griffais氏はBlueskyで、「SteamOS 3.8.25はBetaで公開され、Steam Machineにとって重要な2つの修正が含まれる。OS更新を適用したあとにファームウェア更新も必ず適用してほしい。このファームウェアの修正内容は、Stableへ戻したあとも残る」と説明しています。つまり、Firmware 108だけを目的にBetaへ切り替え、その後Stableへ戻しても、スリープ関連の修正内容自体は失われません。Steam Machineに関する他の不具合対応は、Steam Machineの「Red Line of Death」とCMOSクリアの記事でも扱っています。
接続まわりHDMI・Bluetooth・Wi-Fiの改善点
外部モニターやテレビ、ワイヤレスオーディオ機器を使う場合に関係する修正も複数含まれています。
対応機種MSI Claw・OneXPlayerなど他社製ハンドヘルドへの対応強化
SteamOS 3.8.25 BetaではValve製ハードウェア以外への対応も進んでいます。公式パッチノートでは、MSI ClawおよびOneXPlayerのデバイスバリエーションに対するサポート改善が明記されているほか、次のモデルでゲームパッド対応が新たに加わりました。
外付けWi-Fiアダプターを使う機器やWi-Fiを内蔵していない機器への対応も改善されました。MSI ClawやOneXPlayerなどへの対応が継続的に強化されていることからも、SteamOSを使えるハンドヘルドPCの範囲は徐々に広がっていることがわかります。
コントローラーSteam Controller(2026)とSteam Frame Wireless Adapterへの対応
コントローラー関連では、新型の「Steam Controller(2026)」がSteamOS標準のhid_steamコントローラードライバーへ追加されました。これにより、Steamが起動していない状況でも、ネイティブなコントローラー対応アプリケーションからSteam Controller(2026)を利用できます。hid_steamドライバーの改善は、初代Steam Controller向けにLinuxカーネル側でも進められており、詳しい経緯はLinux 7.3に向けたhid-steamのセンサー対応の記事で解説しています。
あわせて、2015年発売の初代Steam Controller Wireless Adapterからシステムを復帰させる機能も追加されました。さらに、Valveが開発中の据え置き型VRデバイス「Steam Frame」用ワイヤレスアダプターについても、予備的なサポートが含まれています。Steam Frameの技術的な背景はValveの互換レイヤー「Lepton」を解説した記事でも取り上げています。SteamOS 3.8.25 Betaは、ゲームの描画性能を改善するだけのアップデートではなく、Valveが今後展開するハードウェアへの対応を広げる意味合いも強いバージョンです。
細かな修正バッテリー表示とアップデート失敗の改善
そのほか、日常的な使い勝手に関わる細かな修正も含まれています。充電器を接続していても本体の消費電力が充電器の供給能力を上回ると、バッテリー残量が減っていくことがあります。3.8.25 Betaでは、このように「充電器には接続されているが、供給できる以上の電力を本体が使用している」場合のバッテリー状態表示が改善されました。TDPを上げてゲームを動かす高性能な携帯ゲーミングPCで、低出力のUSB PD充電器を使っているユーザーには分かりやすい変更です。
また、以前のSteamOSアップデートを一部のユーザーが正常に適用できなかった問題も修正されています。ダウンロードはできるのに適用段階で失敗する、再起動しても以前のバージョンのままになる、といった症状が出ていた環境では改善する可能性があります。ただし、アップデート失敗にはストレージ容量やネットワークなど別の原因もあるため、すべての更新エラーが今回の修正だけで解決するとは限りません。開発者向けにはLinuxカーネルが6.18.42へ更新されています。
確認手順更新後にFPSが下がったと感じたときの切り分け方
3.8.25 Betaへ更新した直後からゲームのFPSが下がったと感じても、いきなりグラフィック設定を大きく下げたりゲームを再インストールしたりする必要はありません。次の順番で切り分けます。
FAQSteamOS 3.8.25 Betaに関するよくある質問
総括まずは自分の症状が既知問題に該当するか確認する
SteamOS 3.8.25 Betaは、Steam Machine Firmware 108によるスリープ関連の修正、HDMI・Bluetooth・Wi-Fiの改善、MSI ClawやOneXPlayerなど他社製ハンドヘルドPCへの対応強化、Steam Controller(2026)やSteam Frame Wireless Adapterへの対応が一度にまとめて入った、内容の濃いアップデートです。一方で、コンポジションが必要になる一部のケースでは性能が低下する既知問題が残っており、Valveはその例としてFSR使用時を挙げています。この問題はStable 3.8.16ではすでに修正済みです。
Steam Deckを普段のゲーム用として安定運用したいなら、急いで3.8.25 Betaへ更新する必要はありません。Steam MachineのFirmware 108が必要、MSI Clawなどの互換性改善を試したい、HDMIやWi-Fi関連の修正が必要といった明確な理由がある場合にBetaを試すのがよいでしょう。更新後にゲームが重くなったと感じたら、グラフィック設定を大きく変更する前に、Stable 3.8.16へ切り替えて同条件で性能を比較してください。



