レンダリング倍率とは?Render Scaleの意味と解像度との違い|FPSへの影響・75%の計算と設定方法、画質の変化
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3D映像を描く解像度の倍率
ゲームの設定にある「Render Scale」や「Resolution Scale」が、画面の解像度とどう違うのか分かりにくいことがあります。
レンダリング倍率(Render Scale)は、ゲームが3D映像を描く内部解像度を、基準となる解像度に対する割合で調整する設定です。出力解像度を基準にするゲームなら、1440pで75%にすると内部解像度は1920×1080相当になります。
75%は横と縦の両方に掛かるため、ピクセル数は約56%です。ただし100%の基準やUIの描画方法はゲームやエンジンによって異なり、倍率を下げてもFPSが必ず上がるわけではありません。
目次
要点レンダリング倍率とは何か
意味内部解像度を基準値に対する割合で変える
ゲームの映像は、3Dシーンを描画してから画面へ出力します。レンダリング倍率は、この描画解像度を基準値に対する倍率で調整する設定です。「Render Scale」「Resolution Scale」「Screen Percentage」など、ゲームやエンジンによって名称が異なります。
出力解像度を基準にする方式では、100%なら出力と同じ解像度、100%未満なら低い解像度で描いて出力解像度へ拡大します。たとえば2560×1440の出力に対して75%なら、内部解像度は1920×1080相当です。
ただし、100%が常にモニターのネイティブ解像度を意味するわけではありません。Meta QuestのRender Scaleは機種ごとに設定された既定解像度を基準とし、Meta Quest 3では1.0が片目1680×1760ピクセルです。基準解像度はゲームや機器、描画方式ごとに確認してください。
Unityの解像度スケールは低い解像度で描画した画像をアップスケーリングし、Unreal EngineのResolution Scaleも低解像度のシーンを目標解像度へ拡大します。したがって出力解像度そのものを下げる設定とは区別できます。
計算パーセントは縦横それぞれに掛かる
出力解像度を基準にする方式では、倍率は横と縦の両方に掛かるため、ピクセル数は倍率の二乗になります。下の数値はこの方式での計算例です。
| Render Scale | ピクセル数の割合 | 1440pでの内部解像度 |
|---|---|---|
| 100% | 100% | 2560×1440 |
| 90% | 約81% | 2304×1296 |
| 80% | 約64% | 2048×1152 |
| 75% | 約56% | 1920×1080 |
| 50% | 25% | 1280×720 |
90%にすると、描くピクセルは約19パーセント減ります。ただし実際の処理負荷や見た目の変化は、ゲームの描画方式とアップスケーラーによって異なります。
逆に50%は「半分」ではなくピクセル数が4分の1になります。効果が大きいぶん、元になる情報も4分の1しか残りません。数字の印象より影響が大きい点に注意してください。
参考までに、4Kは約830万ピクセル、1440pは約370万、1080pは約207万です。1440pの75%がちょうど1080p相当、4Kの50%も1080p相当になります。
違いゲーム解像度を下げるのと何が違うのか
本題です。1440pモニターで比べてみます。
| 方法 | 3Dの描画解像度 | モニターへの出力 |
|---|---|---|
| ゲーム解像度を1080pへ | 1920×1080 | 1920×1080(拡大表示) |
| 1440p+Render Scale 75% | 1920×1080相当 | 2560×1440を維持 |
3Dの負荷はどちらも1080p相当ですが、モニターへ出す解像度が違います。液晶はネイティブ解像度以外だと画素を1対1で表示できないため、出力自体を下げると画面全体がスケーリングされて少しぼやけます。
Unreal EngineはResolution ScaleをUIに適用しない仕様です。UnityのURPも、Render Scaleの対象はゲームの描画で、UIは端末のネイティブ解像度に保たれると定義しています。ただし各ゲームが独自の描画構成を採用する場合もあります。UIまで鮮明に保たれるかは、実際のタイトルで確かめてください。
Render Scaleを下げたときに文字やHUDが読みやすいままかどうかは、ゲームの描画構成によります。設定を変えた後にメニューや体力バーを見比べると判断できます。
100%超上げるとSuper Samplingになる
Render Scaleは100%を超えて設定できるゲームもあります。125%、150%、200%といった値です。
この場合は出力解像度より高い解像度で描いてから縮小します。ジャギーや遠距離のディテールが改善しますが、負荷はパーセントの数字以上に増えます。
150%なら縦横1.5倍でピクセル数は約2.25倍、200%ならピクセル数は4倍です。1440pの150%は3840×2160、つまり内部4K相当を描くことになります。「200%だから負荷2倍」ではありません。GPUに大きな余裕がある古めのタイトル向けの使い方です。
診断下げてもFPSが上がらないときに分かること
Render Scaleを下げてもFPSがほとんど変わらないことがあります。CPUの処理やFPS上限のほか、解像度に依存しないGPU処理が律速している場合もあります。
Render Scaleが主に減らすのは、解像度に応じて増減する描画処理です。CPUのゲームロジックや物理演算などは内部解像度を下げても軽くならず、GPUのポストプロセスなど解像度に依存しない処理が残ることもあります。
負荷の高い同じ場面でRender Scaleを少し下げ、FPSとCPU・GPUそれぞれのフレーム時間を比べてください。
FPSが上がる→ 解像度に応じて増えるGPU処理が影響しています。
FPSが変わらない→ CPU、FPS上限、または解像度に依存しないGPU処理など、別の制約を調べます。
FPS上限やV-Syncが効いているときは、Render Scaleを下げても表示FPSは変わりません。GPU使用率や温度が下がる場合はあります。FPS上限の設定はゲーム内・NVIDIA・AMD・RTSSの方法から確認できます。
なお、特定の場所で100ミリ秒級に跳ねるスタッターはRender Scaleでは直りません。シェーダーのコンパイルや読み込みが原因のことが多く、フレームタイムグラフの読み方で切り分けられます。
注意ピクセルが4分の1でもFPSは4倍にならない
Render Scale 50%で内部ピクセルは25%になりますが、FPSが4倍になるわけではありません。解像度に比例しない処理が残るためです。
Unreal EngineでTemporal Upsampling(TAAU)を使う場合、After TonemappingやReplacing the Tonemapperの位置で実行するポストプロセスマテリアルはフル解像度で処理されます。内部解像度を下げても、GPUのすべての処理が同じ割合で軽くなるわけではありません。
アップスケーリング処理そのものにもコストがかかります。内部ピクセルが半分でもGPUの処理時間が半分にはならないと考えておいてください。
関係DLSS・FSR・XeSSとの違い
これらのアップスケーラーも「低い内部解像度から高い出力解像度を作る」点ではRender Scaleと同じです。違うのは拡大の方法です。
単純なRender Scaleでは、周囲のピクセルを補間して拡大する方式があります。DLSS Super ResolutionやXeSS、FSR 2以降は過去フレームや動きの情報を使う時間方向のアップスケーリングです。一方、FSR 1は現在のフレームだけを使う空間アップスケーリングです。同じ内部解像度でも、方式やバージョンで細部の再現性が変わります。
アップスケーラーに対応するゲームでは、Render Scaleを手で調整する代わりにQuality・Balanced・Performanceなどのプリセットを選べる場合があります。ゲームによってはアップスケーラー側が内部解像度を管理し、Render Scale項目が固定または無効になります。
3方式の対応GPUや使い分けはグラフィック設定の完全ガイドで整理しています。
解像度別同じ%でも意味がまったく違う
Render Scaleの適正値は、出力解像度によって変わります。同じ50%でも元の情報量が違うためです。
| 出力解像度 | 50%の内部解像度 | 実用性 |
|---|---|---|
| 4K | 1920×1080 | 高品質なアップスケーラーがあれば実用的 |
| 1440p | 1280×720 | 細部の劣化が目立ちやすい |
| 1080p | 960×540 | 遠距離や細いものが再現しきれない |
解像度が高いほどRender Scaleを下げやすくなります。4Kなら少し下げても内部に十分な情報が残りますが、1080pでは元が約207万ピクセルしかないため、下げ幅がそのまま画質に出ます。
1080pでGPU性能がわずかに足りない程度なら、Render Scaleを大きく下げる前に影や反射など個別の重い設定を先に調整したほうが画質を保ちやすくなります。アンチエイリアスのように、方式を変えるだけで負荷が動く設定もあります。
VRAM下げても使用量はあまり減らない
Render Scaleを下げると、解像度に依存する描画用のバッファは小さくなります。ただしテクスチャの解像度は変わりません。
テクスチャ品質をUltraにしたままRender Scaleを80%へ下げても、高解像度テクスチャは引き続き読み込まれます。VRAM不足が原因のカクつきを直したいなら、Render Scaleよりテクスチャ品質を下げるほうが効きます。
Render ScaleはGPUの演算負荷を下げる設定、テクスチャ品質はVRAM使用量を下げる設定と役割を分けて考えると判断しやすくなります。詳しくはテクスチャ品質とVRAMの関係で解説しています。
手順何%にすべきかの決め方
| 状況 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 画質を優先したい | 100% | 設定を比べるときの基準値にする |
| あと5〜10fps欲しい | 90% | ピクセルが約19%減り、差は小さい |
| もう一段軽くしたい | 80% | ピクセルは約64%まで減る |
| 1440pで大きく稼ぎたい | 75% | 内部1080p相当になる |
| 競技系で高fpsが要る | 画質を見ながら調整 | 遠距離の敵や輪郭を見分けられる範囲にする |
| 4Kで性能を優先 | 50〜70% | 内部1080p以上を確保できる |
比較するときは、GPU負荷が高い同じ場所で測ってください。100%で平均FPS・1% Low・GPU使用率を記録し、90%、80%と変えて差を見ます。
画質の確認は静止画だけでは足りません。カメラを動かして、遠距離の敵、細い柵、草木が不安定になっていないかを見ます。Render Scaleを下げたときの劣化は、止まっているときより動いているときに出やすいためです。
Q&Aよくある質問
総括まとめ|レンダリング倍率の意味と調整の考え方
レンダリング倍率(Render Scale/Resolution Scale/Screen Percentage)は、ゲームが3D映像を描く内部解像度を基準値に対する割合で調整する設定です。出力解像度を基準にする方式では、1440pの75%は1920×1080相当になります。
倍率が縦横に掛かる方式なら、75%でピクセル数は約56%、50%で25%です。ただし100%が何の解像度を基準にするかは機器や描画方式によって異なります。UIもエンジンやゲームによって描画方法が変わります。
倍率を下げるとGPU負荷を減らせる場合がありますが、FPSが必ず上がるわけではありません。GPU負荷が原因かを確かめながら少しずつ下げ、画質とFPSの両方を確認してください。特定タイトル・環境の実測値をほかのゲームへ当てはめないことも大切です。
レンダリング倍率とは、ゲームの内部描画解像度を基準値に対する割合で調整する設定です。出力解像度を基準にする場合、1440pの75%は内部1080p相当で、ピクセル数は約56%。画質の低下やFPSの変化、UIの鮮明さはタイトルやPC構成によって異なるため、設定を変えて実際に見比べるのが確実です。
出典:Epic Games公式「Scalability Reference」、Epic Games公式「Screen Percentage with Temporal Upscale」、Epic Games公式「Introduction to Performance Profiling」、Unity公式「Introduction to changing resolution scale」、Unity公式「Universal Render Pipeline asset reference」、Meta Horizon OS Developers「Render Scale」、AMD GPUOpen「FidelityFX Super Resolution 1」、AMD GPUOpen「FidelityFX Super Resolution 2」、NVIDIA Developer「DLSS」、Intel Developer「XeSS Super Resolution Developer Guide」。確認日:2026年10月24日。






