AMD EXPO Ultra-Low Latencyとは?BIOS更新だけでは速くならない理由と対応メモリ・有効化手順【2026年6月】
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AMD EXPO ULL
EXPO Ultra-Low Latencyとは?
「BIOS更新だけで速くなる」は誤解です
AMDの新メモリ認証規格「EXPO Ultra-Low Latency(ULL)」対応BIOSが、600シリーズのマザーボードにも展開され始めました。通常のEXPO比で最大4%のfps向上(AMD公称)という規格ですが、最大の注意点は既存のEXPOメモリでは使えないこと。仕組み・条件・手順・今やるべきかを整理します
3行でわかる要点
- EXPO ULLは周波数を上げずにサブタイミングの最適化値をメモリ側に収録する新認証規格。通常EXPO比で最大4%、JEDEC定格比で最大13%のfps向上(いずれもAMD公称値)
- 最大の落とし穴は既存のEXPOメモリでは使えないこと。ULL認証プロファイルを書き込んだ新しいキット(2026年6月から順次発売)が必要で、「BIOSを更新するだけで速くなる」わけではない
- 対応BIOSはGIGABYTEがAM5全機種に展開済み、ASUS・MSIも600シリーズへ拡大中。有効化はBIOSでEXPOをオンにするだけで、対応キットなら自動適用される
EXPO ULLとは何か|周波数を上げずにレイテンシを削る新規格
EXPO Ultra-Low Latencyは、AMDがComputex 2026で正式発表したEXPOプロファイルの拡張規格です(EXPO 1.2仕様の一部)。これまでのEXPOプロファイルが収録していたのは周波数と主要タイミングまででしたが、ULLではセカンダリ・ターシャリといったサブタイミングの最適化値を初めてメモリのSPDに収録できるようになりました。手動で詰めれば数十項目の調整が必要だった領域を、メーカー検証済みの値で自動適用する仕組みです。
結果として、同じDDR5-6000でもCL26のような極めて詰めたプロファイルが規格として成立し、通常のDDR5-6000 EXPOキット比で実効レイテンシを5〜7ナノ秒削減できるとされています。
AMD公称の効果(Ryzen 7 9700X+RTX 5090・30タイトル超での社内テスト)
vs JEDEC定格(DDR5-5600)
平均fps 最大+13%1% Low 最大+15%
vs 通常のEXPO
平均fps 最大+4%1% Low 最大+4%
数値はAMDの発表値です。第三者機関による体系的な実測はキット発売が始まったばかりのためまだ出揃っていません
最大の注意点|既存のEXPOメモリでは使えません
ULLを使うための条件は次の3つです。
1
ULL認証メモリキット「AMD EXPO Technology: Featuring Ultra Low Latency」認証のキットが2026年6月から順次発売。G.SkillやKingston、TeamGroupなど主要メーカーが対応を発表しており、AMDは「価格は既存EXPOキットと実質同等」と説明しています。購入前にAMD公式互換性リストとマザーボードのQVLで確認を
2
対応BIOS(AGESA 1.3.0.1以降)AGESA ComboAM5 1.3.0.1 / 1.3.0.1bベースのBIOSが必要。800シリーズに続き600シリーズへの展開が6月に入って本格化しています(下の対応状況参照)
3
AM5プラットフォームAMDの社内テストはRyzen 7 9700Xで実施。世代別の対応マトリクスは未公表のため、購入前にマザーボードメーカーの対応情報を確認してください
もうひとつ押さえておきたいのは、X3D系CPUでは効果が相対的に小さいという点です。メモリメーカー自身が「とくに非X3DのAMDデスクトップCPUで効果が大きい」と説明しており、3D V-Cacheがメモリレイテンシの影響を吸収する9800X3Dなどでは、4%という数字をそのまま期待しないほうが現実的です。
対応マザーボードの現在地(2026年6月13日時点)
GIGABYTE
AM5全機種
6月1日のプレスでAM5マザーボード全製品への展開を発表。B650・X670系の最新BIOS(AGESA 1.3.0.1)で対応済みで、現時点で最も対応が広いベンダーです
ASUS
X670Eベータ展開中
X670E系(ROG Crosshair・Strix・ProArt・TUF)にベータBIOS 3803を配布。B650などミドル帯は「数週間以内」に展開予定とされています
MSI
B650・A620へ展開中
X670E GODLIKEの先行対応に続き、6月上旬からB650系列(A620の廉価モデル含む)のBIOSリリースノートにULL対応が記載されています
ASRock
600シリーズ未確認
確認できているのは800シリーズの一部のみ。600シリーズへの展開は2026年6月13日時点で未確認です
有効化の手順|対応キットなら「EXPOをオンにするだけ」
1
マザーボードのBIOSを更新する各社サポートページから、AGESA 1.3.0.1以降ベースの最新BIOSを適用します。リリースノートに「EXPO ULL」「Ultra Low Latency」の記載があるバージョンが目印です
2
ULL認証キットを装着するパッケージやスペック表の「AMD EXPO Technology: Featuring Ultra Low Latency」表記で見分けられます。既存のEXPOキットからの差し替えが必要です
3
BIOSでEXPOを有効化するGIGABYTEは「EXPOを有効化するだけで認証済みプロファイルが自動適用される」と公式に説明しています。EXPOは初期状態でオフ(JEDEC定格起動)なので、この操作は必須です。ASUS・MSIのULL固有の設定項目名は現時点で公式情報がなく、通常のEXPO有効化が入口になります
4
安定性を確認するサブタイミングを詰める規格の性質上、適用後はTestMem5やKarhuなどのメモリテストを一度回しておくと安心です。ゲーム中の不可解なクラッシュが出る場合はEXPOを一旦オフにして切り分けを
結局、今やるべきか|タイプ別の判断
既存のEXPOメモリで安定稼働中の人
何もしなくて構いません。ULLのために動作中のメモリを買い替えても、得られるのは最大4%です。メモリ高騰が続く今、数万円を掛け直す価値はほぼありません。BIOS更新自体は不具合修正の観点で有益ですが、それで速くなるわけではない点だけ誤解なく
これからメモリを買う・AM5で新規に組む人
ULL認証キットを選ぶ価値があります。AMDの説明どおり価格が既存キットと同等なら、同じ予算で4%分を実質無料で受け取れる計算です。非X3DのCPU(9700Xなど)ほど効果が出やすく、X3D機なら優先度は下がります。国内流通はこれからなので、急がないなら在庫が揃うのを待つ手もあります
参考|いま32GBを揃えるなら現行の定番EXPOメモリ
ULL認証キットの国内流通は始まったばかりで、選択肢が出揃うまでもう少し掛かります。いますぐ32GBが必要な人向けに、現行のEXPO対応定番を挙げておきます(差は最大4%なので、価格と入手性で選んで問題ありません)。
EXPO対応の大定番CORSAIR VENGEANCE DDR5-6000MHz 32GB(16GB×2)EXPODDR5-6000・EXPO対応の定番中の定番。AM5環境で設定一発で動き、流通量が多く高騰下でも比較的価格がこなれやすい1組です。将来ULL認証キットに乗り換える場合でも、売却しやすい定番ブランドという安心感があります。価格目安:約69,800円~Amazonで詳細を見る マイクロン純正チップの堅実派Crucial PRO DDR5-6000 32GB(16GB×2)XMP 3.0/EXPO両対応メモリチップ製造元であるマイクロンの純正ブランド。DDR5-6000・XMP 3.0/EXPO両対応でIntel環境への流用も利きます。国内正規代理店品の安定供給が強みで、相性トラブルを避けたい堅実派向けです。価格目安:約74,000円~Amazonで詳細を見る ※価格は変動します。最新の価格はAmazonでご確認ください。
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ゲーミングスタイル管理人
自作PC愛好家・ゲーム歴15年超
ゲーミングPC歴は15年以上。毎年パーツを更新しながら最新トレンドを追いかけています。初心者にもわかりやすく、上級者も満足できる情報発信を心がけています。