Vantex V1は買いか|トラックパッド内蔵のエルゴ一体型キーボード、Kickstarter支援159ドルの使いどころと注意点
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トラックパッド内蔵のエルゴ一体型キーボード
出典:TechPowerUp「Vantex V1 Launches as No-Frills Ergonomic Mechanical Keyboard with Built-in Trackpad」(2026年10月26日)の記載にもとづきます。価格はKickstarterの支援価格(米ドル)です。日本円での金額と日本への発送条件は、支援前にVantexのKickstarterプロジェクトページで確かめてください。
キーボードとマウスの間で手を往復させる時間が長いと、肩と手首が先に疲れます。Vantex V1は、縦の列に沿ってキーを並べるカラムスタッガード配列と、左右の手の間に置いたトラックパッドで、その往復を減らそうとするキーボードです。
結論から言うと、FPSのエイムをこれで担うのは現実的ではありません。向いているのは、文章作成・プログラミング・Web閲覧が中心で、ゲームはストラテジーやRPG、MMOなどカーソル操作にそこまでの精度を求めない用途にとどまる人です。ラピッドトリガーやバックライトはなく、ゲーミングキーボードとしての機能は備えていません。
分かれ目は、Kickstarterの支援であること、そしてファームウェアが未公開であることです。日本円での金額・送料・無線の技適は支援前に自分で確かめる必要があるため、支援は「届くまでの時間と不確実さを許容できるか」で決めるのが現実的です。
目次
要点Vantex V1の特徴は3つ
60%サイズのカラムスタッガード配列を一体型にまとめ、中央に45×45mmのマルチタッチ対応トラックパッドを備えます。支援価格は無線3モード版が159ドル、有線版が129ドルです。
配列Corne系の縦列配列を一体型にした60%サイズ
Vantex V1は、CorneやSilakka54といった分割キーボードで使われるカラムスタッガード配列(キーを横ずらしではなく、指の長さに合わせて縦の列で並べる配列)を採用しています。ただし左右は分かれておらず、アルミの一体型筐体にまとまっています。分割キーボードの自作や組み立てに踏み込まずに、縦列配列を試せる位置づけです。

サイズは60%相当で、キーは1uか1.25uのものが中心です。例外はトラックパッドの下にある長いキー1つだけです。特殊な形のキーが少ないため、通常のキーボードからの移行で戸惑う場面は減らせます。トラックパッドの上には、マウスキー、ナビゲーション、マクロなどを割り当てられるショートカットキーが3つあります。
左右が一体なので、分割キーボードのように肩幅に合わせて左右の位置を変えることはできません。そのぶん設置面積は小さく済み、デスクの上で場所をとりません。
操作系45×45mmのトラックパッドとマウス用レイヤー
中央のトラックパッドは45×45mmで、マルチタッチのジェスチャーに対応します。キーボードには4つのプログラム可能なレイヤーがあり、そのうち1つはマウス操作用のレイヤーとして設定できます。
注意したいのは、使うファームウェアがまだ公開されていないことです。VIAやQMKのような既存のキー設定ソフトに対応するのか、独自のソフトになるのかは、現時点で分かりません。キー割り当てやレイヤーの変更が使いやすいかどうかは、公開後の情報を見て判断する必要があります。
打鍵感独自の白リニアスイッチとホットスワップ対応
標準の高さのMX互換スイッチを使い、付属するのはVantexの準自社製「White Linear」スイッチです。動作力は初期30gf以上・作動時42±3gf・底打ち時47±5gf、プリトラベル2.0mm、総ストローク3.5mmで、寿命は5,000万回打鍵とされています。軽めのリニアで、2mmのプリトラベルは一般的なメカニカルスイッチと同じ水準です。

基板とプレートはどちらもホットスワップに対応するため、はんだ付けなしでスイッチを交換できます。キーキャップはチェリープロファイルのPBT昇華印刷で、レトロな配色のセットが付属します。
仕様Vantex V1の仕様早見表
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 配列 | 60%・カラムスタッガード | 1u/1.25uが中心、長いキーはトラックパッド下の1つ |
| トラックパッド | 45×45mm・マルチタッチ | 上に3つのショートカットキー |
| レイヤー | 4層 | 1層はマウスレイヤーに設定可能 |
| スイッチ | Vantex White Linear | 42±3gf・総ストローク3.5mm・ホットスワップ |
| キーキャップ | PBT昇華印刷・Cherryプロファイル | レトロ配色 |
| 筐体 | 電気泳動塗装のアルミ一体型 | レトロベージュのみ |
| 接続 | 無線版は2.4GHz・Bluetooth・USB-C有線、有線版はUSB-C | 無線のポーリングレートは記載なし |
| バックライト | なし | RGBもなし |
| 支援価格 | 無線版159ドル/有線版129ドル | Kickstarter。日本円・送料はページで要確認 |
ゲームゲーム用キーボードとして使えるか
Vantex V1は、ゲーム性能を前面に出した製品ではありません。ラピッドトリガーのような磁気式スイッチの機能はなく、バックライトもありません。FPSやリズムゲームで入力速度と遅延を詰めたい人は、ラピッドトリガーキーボードの選び方で紹介している磁気式モデルのほうが適しています。
トラックパッドも、FPSのエイムを担う道具ではありません。素早い振り向きや微調整は、ゲーミングマウスのセンサーと握りやすさが前提です。45mm角の小さなパッドで指を滑らせる操作では、競技性の高いタイトルでは通常のマウスを併用するほうが安全です。
一方で、ストラテジー、RPG、MMO、アドベンチャーのように、キー入力とカーソル操作を切り替えながら遊ぶタイトルとは相性が良い可能性があります。キーボードから手を離さずにメニューを操作でき、ゲームと作業の合間に使う小型の1台として置けます。ただし、これは仕様から考えた見立てで、実際の操作感は支援者の実機レビューで確かめる必要があります。
有線版は無線版より30ドル安く、遅延が気になるなら有線接続で使う選択肢があります。無線版を2.4GHzで接続した場合の遅延やポーリングレートは、公表されている情報の範囲では分かりません。
- 文章作成やプログラミングでキーボードとマウスの往復を減らしたい人
- 縦列配列を試したいが、分割キーボードの組み立てやはんだ付けは避けたい人
- ストラテジーやMMOなど、キー入力とカーソル操作が混ざるゲームが中心の人
- スイッチ交換や見た目のカスタムを楽しみたい人
- FPSやリズムゲームで、ラピッドトリガーや高速な入力を重視する人
- バックライトやRGBが欲しい人
- VIAやQMKなど、実績のある設定ソフトで管理したい人
- 届くまでの時間や仕様変更の可能性を許容できない人
比較Keychron Orca echoとの違い
ポインティングデバイスを内蔵した縦列配列のキーボードとして近いのが、Keychron Orca echoです。Orca echoは左右が分かれた分割型で、右手側に19mmのトラックボールを備える49キーの配列です。Vantex V1は60%サイズの一体型で、ポインティングデバイスはトラックパッドという違いがあります。
肩幅に合わせて左右の位置を変えたい人は分割型のOrca echo、設置面積を抑えて1枚で完結させたい人はVantex V1が候補になります。トラックボールは指先で転がす操作、トラックパッドは指を滑らせる操作で、慣れる方向が異なります。
ゲームでの入力性能を優先するなら、磁気式スイッチを備え国内で買えるAurora 80 JISやEpomaker HE60のような製品のほうが適しています。
支援Kickstarterで支援する前に確認したい点
Kickstarterは完成品の購入ではなく、プロジェクトへの支援です(支援はこちら:VantexのKickstarterプロジェクトページ)。製品が届くまでの期間や仕様変更の可能性を前提に考える必要があります。
- 日本への発送:日本が発送対象か、送料がいくらかをプロジェクトページで確認します。日本円での金額と送料もここで分かります。
- 技適:無線版は2.4GHzとBluetoothを使います。日本国内で無線機器を使うには技適の取得が必要ですが、Vantex V1の無線版が取得済みかどうかは、支援前に問い合わせるか、ページで確かめてください。日本で使う予定なら、有線版を選ぶか、無線を使わない前提で考える方法があります。
- ファームウェア:キー設定のソフトは未公開です。公開されてから支援しても遅くない場合があります。
- 出荷時期:出荷予定時期は支援前にプロジェクトページで確認してください。遅れる可能性も見込んでおく必要があります。
まとめまとめ|ゲーム専用機ではなく、作業と軽いゲームを1台にまとめたい人向け
Vantex V1は、縦列配列とトラックパッドを一体型の1枚にまとめた、試しやすい価格のエルゴノミクスキーボードです。無線版159ドル、有線版129ドルという支援価格で、有線版を選べば入り口をさらに下げられます。
ただし、FPSやリズムゲームのための入力性能はなく、ファームウェアと日本での入手条件はまだ見えていません。ゲームが主目的なら磁気式のキーボードを選び、作業が中心でゲームは軽く遊ぶ程度なら候補に加えてよい製品です。
FPS向きではなく、作業中心+軽いゲームの人向け。支援するなら、日本への発送・技適・ファームウェアの3点が見えてからでも遅くありません。

