CPSの480mm簡易水冷「LR480S」が発売|Threadripper・Xeon向けの大型AIO水冷、価格は税込54,980円
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Threadripper・Xeon向けの大型AIO水冷
AIワークステーションやサーバー向けにIntel XeonやAMD Ryzen Threadripperなど大型CPUを組み込むとき、対応する簡易水冷の選択肢は決して多くありません。とりわけ480mmクラスのラジエーターを積んだ製品は国内ではほとんど流通しておらず、大型CPUを長時間フルロードで動かしたいユーザーほど、冷却面での選択肢の少なさに悩まされてきました。
CPSはこの領域に向けて、360mmモデルの「LR360S」と480mmモデルの「LR480S」を発売しました。いずれもIntel用とAMD用が用意され、38mm厚のラジエーター、120mmファン、フルセラミックベアリングポンプ、84×62mmの大型銅製ベースを組み合わせた構成です。
本記事では、対応するCPUソケットの一覧、LR360SとLR480Sの仕様の違い、そして480mmラジエーターを導入する際に見落としやすいPCケースとの互換性まで、購入前に確認しておきたいポイントを順番に整理します。
発売情報CPSから360mm・480mmの大型AIO水冷が登場
今回発売されたCPSのAIO水冷は、360mmモデルの「LR360S」と480mmモデルの「LR480S」です。いずれもIntel用とAMD用が用意されており、一般的なLGA1851やAM5ではなく、ワークステーションやサーバー向けの大型CPUソケットを対象としています。
| ブランド | 対応ソケット |
|---|---|
| Intel | LGA3647、LGA4677 |
| AMD | sTRX4、sWRX8、TR4、TR5、SP3、SP5、SP6 |
※Intel Xeonのほか、Ryzen ThreadripperやThreadripper PRO、EPYCを搭載するシステムが主なターゲットです。
一般的なゲーミングPCで使われるCore UltraシリーズやRyzen 9000シリーズ向けの製品ではないため、購入時には対応ソケットを必ず確認する必要があります。
ラジエーターLR480Sは厚さ38mmの480mmラジエーターを採用
上位モデルとなるLR480Sには、120mmファンを4基並べる480mmクラスのラジエーターが搭載されています。
ラジエーターの実寸は517×120×38mmです。一般的な簡易水冷で採用される27mm前後のラジエーターよりも厚い38mm設計となっており、冷却液が通る内部容量やフィンの熱交換面積を確保しています。
360mmモデルのLR360Sも同じ38mm厚ラジエーターを採用しており、ラジエーターサイズは397×120×38mmです。LR480SはLR360Sよりも120mmファン1基分長く、より大きな放熱面積を持っています。
CPUを短時間だけ高負荷にする一般的なゲーム用途よりも、レンダリング、AI開発、シミュレーション、映像エンコードなど、CPU負荷が長時間続く処理で強みを発揮する設計です。
ファン120mm高速ファンを4基搭載
LR480Sには、120×120×25mmのPWMファンが4基付属します。
ファンの回転数は500〜3,000rpmで、最大風量は99CFM、最大静圧は5.33mmH₂Oです。最大ノイズレベルは41.5dBAとされています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ファンサイズ | 120×120×25mm |
| 搭載数 | LR480Sは4基/LR360Sは3基 |
| 回転数 | 500〜3,000rpm |
| 最大風量 | 99CFM |
| 最大静圧 | 5.33mmH₂O |
| 最大ノイズレベル | 41.5dBA |
| ベアリング | デュアルボールベアリング |
一般的なゲーミングPC向け簡易水冷のファンは最大2,000rpm前後の製品が多いため、最大3,000rpmという仕様からも、静音性より冷却性能を重視していることが分かります。
ベアリングにはデュアルボールベアリングを採用しています。スリーブベアリングと比べて耐久性を確保しやすく、長時間連続で稼働するワークステーションやサーバーを意識した仕様です。
水冷ヘッド大型CPUを覆う84×62mmの銅製ベースを搭載
水冷ヘッドには、84×62mmの大型銅製ベースプレートが採用されています。
Ryzen ThreadripperやXeonなどの大型CPUは、一般向けのRyzenやCoreシリーズよりもヒートスプレッダーの面積が大きくなっています。通常サイズの水冷ヘッドではCPU全体を十分に覆えない可能性があるため、専用の大型ベースが必要です。
銅製ベースにはサーマルペーストが塗布済みで、メーカー公称では熱抵抗0.02℃・cm²/Wの低揮発性サーマルペーストが使われています。
一般向けCPU用の簡易水冷を変換ブラケットで無理に取り付ける構成とは異なり、対応CPUのヒートスプレッダーを広く覆うことを前提に設計されている点が特徴です。
ポンプフルセラミックベアリングポンプを採用
LR360SとLR480Sには、フルセラミックベアリングを使用したウォーターポンプが搭載されています。
ポンプの回転数は2,600rpm±10%で、公称ノイズレベルは15dBAです。ポンプ本体のサイズは84×76×43mmとなっています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ベアリング | フルセラミックベアリング |
| 回転数 | 2,600rpm±10% |
| ノイズレベル | 15dBA(公称) |
| ポンプ本体サイズ | 84×76×43mm |
| チューブ素材 | EPDM複合素材(編み込み外装) |
| チューブ長 | 500mm |
セラミックは硬度や耐摩耗性に優れるため、長期間の連続稼働を想定したポンプと相性のよい素材です。メーカーは、ポンプ内部の空間を広く取ることで、高い流量と低騒音性を両立したと説明しています。
冷却チューブにはEPDM複合素材が使われ、外側には編み込み処理が施されています。チューブ長は500mmあり、大型ケース内でもラジエーターとCPUソケットを接続しやすい設計です。
モデル比較LR360SとLR480Sの違い
LR360SとLR480Sの主な違いは、ラジエーターの長さ、搭載ファン数、本体重量、価格です。
| 項目 | LR360S | LR480S |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 45,980円 | 54,980円 |
| ラジエーターサイズ | 397×120×38mm | 517×120×38mm |
| 搭載ファン数 | 120mmファン×3基 | 120mmファン×4基 |
| 本体重量(ファン込み) | 約1.92kg | 約2.32kg |
| ポンプ・ベース | フルセラミックベアリングポンプ・84×62mm銅製ベースは共通仕様 | |
| 発売日・保証 | 2026年7月24日発売・製品保証2年間で共通 | |
ポンプやファンの基本仕様は共通しているため、設置スペースに余裕があり、CPUを長時間フルロードで運用するならLR480Sが候補になります。
一方、480mmラジエーターを搭載できるケースは限られます。ケースとの互換性や取り回しを重視するなら、比較的対応ケースを見つけやすいLR360Sのほうが導入しやすいでしょう。
注意点480mmラジエーターは対応PCケースに注意
LR480Sを導入する際に最も注意したいのが、PCケースとの互換性です。
製品名では480mmラジエーターとされていますが、ラジエーター本体の全長は517mmあります。さらに、厚さ38mmのラジエーターに25mm厚のファンを取り付けるため、合計の厚さは単純計算で約63mmになります。
LR480Sのチューブ長は500mmあるため、大型ケースでの取り回しには配慮されています。ただし、ラジエーター本体だけで2kgを超えるため、取り付け部分の強度や作業性も確認しておきたいところです。
一般的なミドルタワーケースでは搭載が難しく、480mmラジエーターに正式対応したフルタワーケースやワークステーションケースが事実上必要になります。ケース選びの基本的な考え方は大型パーツ向けPCケースの選び方でも整理しているので、あわせて参考にしてください。
判断基準一般的なゲーミングPCにLR480Sは必要なのか
通常のゲーミングPCにLR480Sを搭載する必要性は低いでしょう。
今回の製品はLGA1851、LGA1700、AM5、AM4には対応していないため、Core Ultra 7やRyzen 7を搭載した一般的なゲーミングPCには取り付けられません。対応するのは、Xeon、Threadripper、Threadripper PRO、EPYCなどのワークステーション・サーバー向けCPUです。
ゲーム用途では、CPUが常に最大消費電力で動き続けるわけではありません。一般向けCPUであれば、240mmや360mmの簡易水冷、あるいは高性能な空冷CPUクーラーで対応できるケースが多くなります。
- Xeon・Threadripper・Threadripper PRO・EPYCを搭載したワークステーションを組んでいる人
- ゲーム開発・3DCG制作・動画編集・AIモデルの前処理などでCPUを長時間フルロードで使う人
- 480mmラジエーターに正式対応したフルタワー・ワークステーションケースを用意できる人
- Core Ultra 7やRyzen 7など一般向けCPUでゲーミングPCを組んでいる人(対応ソケット外)
- ゲームが主用途でCPUが常時高負荷にならない人(240〜360mmの簡易水冷や空冷で足りる場合が多い)
- 480mm対応のフルタワー・ワークステーションケースを用意できない人
ゲーム開発、3DCG制作、動画編集、AIモデルの前処理などを同じPCで行い、Threadripperを長時間フルロードで動かすユーザーにはLR480Sが候補になります。ゲーム専用PC向けというより、ゲーム制作やクリエイティブ作業にも使用する高性能ワークステーション向けの製品と考えるのが適切です。
選び方360mmではなく480mmを選ぶメリット
480mmラジエーターの利点は、360mmモデルよりも放熱に使える面積が広いことです。
同じファン回転数で比較した場合、ラジエーター面積に余裕がある480mmモデルは、冷却液の熱をより多く空気へ逃がせる可能性があります。冷却能力に余裕があれば、CPU温度を抑えるだけでなく、ファン回転数を下げて運用できる場合もあります。
ただし、実際の冷却性能はラジエーターのサイズだけでは決まりません。ポンプの流量、内部構造、ファン性能、CPUとの接触状態、ケース内の吸排気なども影響します。
それでも、数時間から数日単位でCPU負荷が続く用途では、冷却面積の余裕がシステムの安定性につながる可能性があります。
価格価格はLR360Sが45,980円、LR480Sが54,980円
CPS LR360Sの市場想定価格は税込45,980円、LR480Sは税込54,980円です。どちらも2026年7月24日に発売されました。
型番LR480S-INTELについては、通販サイトのアプライドネットでも税込54,980円で掲載されています。製品保証期間は購入日から2年間です。
一般向けの360mm簡易水冷と比べると高価格ですが、大型CPUソケット専用の銅製ベース、38mm厚ラジエーター、高速デュアルボールベアリングファンなどを備えたワークステーション向け製品であることを考慮する必要があります。
また、LR480Sを導入する場合は、CPUクーラー本体だけでなく、対応する大型PCケースも必要です。システム全体の予算と設置スペースを含めて検討したほうがよいでしょう。
購入CPS LR480Sの購入先
まとめCPS LR480Sは長時間の高負荷運用を想定した大型AIO水冷
CPS LR480Sは、国内では珍しい480mmラジエーターを採用したオールインワン型水冷CPUクーラーです。38mm厚の大型ラジエーター、最大3,000rpmの120mmファン4基、フルセラミックベアリングポンプ、84×62mmの銅製ベースを組み合わせ、ThreadripperやXeonなどの大型CPUを長時間稼働させる環境を想定しています。
一般的なゲーミングPC向けの製品ではありませんが、AI開発、レンダリング、シミュレーション、動画制作などを行う高性能ワークステーションでは有力な選択肢になりそうです。ただし、ラジエーター本体は全長517mm、ファン込みでは厚さ約63mmとなるため、対応ケースはかなり限定されます。
購入前にはCPUソケットだけでなく、ラジエーターの設置位置や周辺パーツとのクリアランスまで確認することが重要です。国内で入手できる大型ソケット向けAIO水冷は選択肢が少ないため、ThreadripperやXeonを本格的に冷却したいユーザーにとって、LR360SとLR480Sは注目すべき新製品といえます。
出典:本記事は以下の販売店情報を基に執筆しています。

