Corsair新型RM1200eのPinProtectとは?ThermalProtectとの違いと1200W電源が必要な構成
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12V-2×6の6ピンを個別に監視、異常が続くとGPUを停止
出典:CORSAIR「What is PinProtect?」/CORSAIR RM1200e製品解説/RM1200eマニュアル/CORSAIR米国製品ページ/ThermalProtectケーブル解説/NVIDIA GeForce RTX 5090/RTX 5080/Hardware Busters RM1200e(2026)レビュー/CORSAIR過電流保護と温度保護の比較/アスク旧型発売発表
RTX 5090のような高消費電力GPUは、600W対応の12V-2×6ケーブル1本で接続します(RTX 5090の総グラフィックス電力は575W)。ケーブルの溶損が気になって電源を選び直すか迷っている人に向けて、CORSAIRが新型電源「RM1200e」を発表しました。
RM1200eの特徴は「PinProtect」です。12V-2×6端子のうちGPUへ12Vを送る6本のピンの電流を個別に監視し、異常な電流が15〜30秒ほど続くとGPUを止めます。1200W・Cybenetics Platinum・10年保証で、米国の表示価格は204.99ドルです。日本の発売日と円価格は、10月22日時点でCORSAIR米国公式の発表や製品ページに載っていません。
ただし、PinProtectは焼損を完全に防ぐ仕組みとして説明されていません。RTX 5090でもNVIDIAが示す必要システム電力は1000Wなので、1200Wにする理由は保護機能とCPU・増設の余裕に分かれます。今の電源で容量が足りているなら、ThermalProtectケーブルを足す手もあります。

目次
要点RM1200eで何が変わったか
PinProtectは電源の12V-2×6端子に組み込まれ、常に有効で無効にできません。画面に通知は出ず、作動すると画面が暗転して電源ファンが100%まで上がります。PinProtectの公式解説は2026年6月1日付で公開済みで、10月21日の発表はRM1200eの発売告知です。
仕組みPinProtectは何を見て、いつ止めるのか
PinProtectは12V-2×6の12Vピン6本それぞれの電流をリアルタイムで測ります。どれかのピンで電流がしきい値を超えた状態が続くと、2本のsense線の状態を変えてGPUの電力を制限し、GPU自身が停止します。
すぐには止まりません。異常を検知しても、まず一時的な電力の跳ね上がりかどうかを見極める猶予があり、CORSAIRの「What is PinProtect?」では標準で30秒続いて初めてGPUが落ちるとされています。同じCORSAIRの別の解説記事(過電流保護と温度保護の比較)は「15〜25秒」と書いており、公式資料の間で数字が割れています。その間も各ピンの監視は続き、電流が正常に戻れば何も起きなかったことになります。
GPUが止まって画面が真っ暗になり、同時に電源ファンが100%まで回ります。音が出るので、画面を見ていなくても気づけます。
電源ボタンの長押しで落とし、12V-2×6ケーブルを電源側・GPU側の両端で抜き差しし直します。CORSAIRの二色コネクターは、灰色の部分が完全に見えなくなれば挿し込み完了の目印です。軽く引いても抜けないことも確かめます。
RM1200eのPinProtectは常時有効で、オフにできません。iCUEと連携しない電源に載るため、画面の通知も電流の表示もありません。
電流のしきい値の数値は、CORSAIRの解説ページとマニュアルには載っていません。「何アンペアで止まるか」を自分で確かめる手段がない点は、買う前に知っておきたいところです。
違いPinProtect・PinProtect+・ThermalProtectの違い
名前が似ていますが、見ている物理量も載る製品も違います。なお上位版の「PinProtect+」は、しきい値が低く電流を細かい刻みで測り、iCUEで画面通知や各ピンの電流表示、無効化ができます。CORSAIRの公式解説では、載るのは別の電源「HX1000i SHIFT CRYSTAL」だけです。
| 項目 | PinProtect(RM1200e) | ThermalProtect |
|---|---|---|
| 見るもの | 12Vピン6本それぞれの電流 | GPU側コネクターから30mmのコーム内の温度 |
| 止める条件 | 異常電流が続く(公式資料では30秒、または15〜25秒) | 65℃を超える |
| 止まる仕組み | 2本のsense線の状態を変えてGPUの電力を制限 | sense線の信号でGPUに停止を伝える |
| 画面の通知 | なし(暗転とファン全開) | 公式解説に記載なし |
| 載る場所 | 電源本体(RM1200e) | 専用ケーブル。ネイティブ12V-2×6端子の電源に使える |
※CORSAIR公式解説(PinProtectは2026年6月1日付)にもとづきます。
ThermalProtectの検知方法は単体ケーブルの国内発売を扱った記事に詳しくまとめています。温度と電流は別の異常なので、片方があればもう片方が要らなくなるわけではありません。
仕様RM1200eの仕様と付属ケーブル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定格出力 | 1200W(+12Vは100A・1200W)。入力は100〜240V |
| 規格 | ATX 3.1、PCIe 5.1対応 |
| 効率認証 | Cybenetics Platinum(総合効率は最大89%) |
| GPU用端子 | ネイティブ12V-2×6を1基 |
| 付属のGPU用ケーブル | 600W対応12V-2×6×1、PCIe 6+2ピン×3、12V-2×6から6+2ピン2本への分岐×1(いずれも約650mm) |
| ファン | 140mmライフルベアリング。低負荷で止まるZero RPM対応 |
| サイズ | 150×150×86mm、フルモジュラー、黒と白 |
| 保証 | 10年 |
| 米国の表示価格 | 204.99ドル(黒、2026年10月22日時点) |
※CORSAIR公式のマニュアルと製品解説、米国製品ページの表記です。
付属の分岐ケーブルを使うPCIe 6+2ピン接続の場合に、PinProtectが同じように働くかは公式資料に書かれていません。PinProtectは12V-2×6接続の保護機能として説明されているので、12V-2×6のケーブルでGPUにつなぐ構成が前提です。なお、ネイティブの12V-2×6ケーブルと分岐ケーブルは、同時には接続できません。
実測海外の実測で分かる強みと弱み
Hardware Bustersの新型レビュー(10月20日公開)は、Cybeneticsの試験結果をもとに評価しています。効率は115V入力で89.423%、230V入力で91.606%(いずれもETA Platinum)、騒音は21.78/21.99dB(A)でLAMBDA Aです。日本の100V入力での値ではありません。低負荷では電源ファンが止まり、軽い負荷時の効率は比較した1200W電源の中で最良とされています。
PinProtectの試験結果として、12V-2×6のピン別過電流保護は12Aの水準で作動したと表に記載されています。これは試験機関の値で、CORSAIRの公表値ではありません。一方、同じレビューは弱点も挙げています。リップル抑制は競合に及ばず、5V側の負荷変動も大きめで、電源ファンが故障したときの保護もありません。電源全体の過電力保護は約1489W(定格の124%)で作動しました。
つまりRM1200eは、PinProtectで新しい安全装置を載せた電源ですが、電圧の安定性など基本性能で他社の1200W電源を上回るとはいえません。保護機能に価値を見いだせるかが、選ぶ決め手になります。
容量1200Wが必要になるのはどんな構成か
NVIDIAが公表するGeForce RTX 5090の必要システム電力は1000W、RTX 5080は850Wです。どちらもRyzen 9 9950Xを載せた構成が基準で、他の構成では変わるとも注記されています。つまりGPU単体の要件だけなら、RTX 5090でも1000W級で足ります。
1200Wを選ぶ理由は、ここに足し算します。消費電力の大きいCPU、多数のドライブや拡張カード、GPUの電力上限を上げる運用などです。ワット数に余裕があれば、ピーク時の負荷率が下がり、電源ファンが回りにくくなります。余裕の取り方は人によるので、ピーク消費電力を見積もったうえで決めます。
- RTX 5090など600W級のGPUを新しく組む(電源も新調する)
- CPUや拡張カードも含めてピーク消費電力が1000W近くになる
- ネイティブ12V-2×6端子で、アダプターなしで接続したい
- RTX 5080以下で、手持ちの電源が850W以上ある
- 国内の発売日・価格が出る前に、今の電源を捨ててまで替えたい理由がない
- 保護機能だけが目的で、今の電源に容量の不満がない
国内日本での買い方と旧型の見分け方
2026年10月22日時点で、CORSAIR米国公式の発表や製品ページに、新型RM1200eの国内発売日・円価格・国内向け型番は載っていません。米国の表示価格204.99ドル(型番CP-9020316-NA)は、そのまま日本の価格にはなりません。
注意したいのは、国内に旧型の「RM1200e 2023」(型番CP-9020258-JP)がすでに流通していることです。アスクの発表では2025年5月29日発売、発売時の予想市場価格は33,780円前後(税込)でした。名前が同じなので、購入前に商品名の型番と、仕様欄に「PinProtect」の表記があるかを確かめてください。CORSAIRの公式ページでも「2nd Gen」「3rd generation」と世代呼称が揺れているため、世代名だけで判断するのは避けたほうが安全です。新型の本体モデルはRPS0254、部品番号は黒が75-007013、白が75-007014です。
選択肢今の電源を使い続けて保護を足すなら
電源の容量が足りているなら、ThermalProtectケーブルを足すほうが安く済みます。ネイティブ12V-2×6端子を持つ電源なら、電源メーカーを問わず使えます。ただし見るのは温度で、PinProtectのようなピン別の電流は見ません。
電流の異常を光と音で知らせる追加デバイスについては、Super Flower OCP DONGLEの解説で、検知のしきい値と国内での購入条件をまとめています。
比較1200W級の電源を選ぶときの違い
国内で買える1200W級の電源は、RM1200e以外にもあります。PinProtectを重視するなら新型RM1200eの国内販売を待ち、容量と入手性を優先するなら他社の1200W電源も候補です。
850Wまたは1000Wで足りる構成なら、ThermalProtectケーブル付きのRM850e・RM1000eの解説を先に見てください。容量の目安はGPU別の電源ワット数ガイドで確認できます。
まとめまとめ|保護の種類と容量を分けて決める
RM1200eの価値は、電源側にピン単位の電流保護を載せたことです。ただし異常が十数秒から30秒ほど続いてからの停止で、焼損の完全な防止ではありません。ケーブルを根元まで挿し込み、灰色の部分が見えない状態にする確認が先です。
RM1200eはGPUへの12Vピン6本を個別に監視し、異常が続くとGPUを止めます(停止までの時間は公式資料で30秒、または15〜25秒)。RTX 5090の必要システム電力は1000Wなので、1200Wは必須ではなく余裕を取るための選択です。国内の発売日・価格は未確認で、旧型の型番CP-9020258-JPと取り違えないよう確認してください。容量が足りているなら、ThermalProtectケーブルを足す選択肢があります。



