電通の生成AIゲーム『Verse of Birth』とは?入力した言葉でキャラを生み出すSteam新作ローグライクを解説
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
入力した言葉からキャラを作るSteam向けローグライク
『Verse of Birth』は、入力した言葉から名前・姿・能力を持つ「ロゴス」を生成AIが作り出し、そのロゴスを編成してダンジョンを攻略するローグライク・タクティカルバトルです。イラストの生成にはAdobe Firefly、名前やフレーバーテキストの生成にはOpenAIのAPIを使用します。入力した言葉や生成データは開発者側のサーバーに保存され、一部は外部AIサービスにも送信されるため、個人情報や機密情報の入力は避ける必要があります。発売時期は2026年内とされていますが、具体的な日付と価格は本稿執筆時点で未定です。
生成AIを使ったゲームは珍しくなくなりましたが、その多くは開発中の素材作りにAIを使うだけで、プレイ中の体験そのものにAIを組み込んだ作品はまだ多くありません。「入力した言葉が本当にゲームの攻略要素になるのか」「送信したデータはどう扱われるのか」といった疑問を持つ人も少なくないはずです。
電通は2026年7月31日、社内横断チーム「デンツウゲームセンター」が手掛けるPC向けゲーム『Verse of Birth』を、2026年内にSteamで発売すると発表しました。プレイヤーが入力した言葉を基に、生成AIがキャラクター「ロゴス」をリアルタイムで作り出し、そのロゴスを編成してダンジョンを攻略するローグライク・タクティカルバトルです。開発は2025年に試作版として公開されていた作品を土台にしています。
本稿では、電通の公式発表とSteamストアの生成AI開示情報を照らし合わせ、ロゴスが生まれる仕組み、戦闘とローグライク要素の詳細、そして見落とされがちなデータ送信の扱いまで、公式情報の範囲でできる限り深掘りして整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Verse of Birth(バースオブバース/バスバス) |
| ジャンル | ローグライク・タクティカルバトル |
| 開発元 | dentsu Game Center(電通) |
| パブリッシャー | DENTSU INC. |
| 配信 | Steam(PC) |
| 発売時期 | 2026年内、日付・価格は未定 |
| 対応言語 | 日本語・英語・簡体字中国語・繁体字中国語 |
目次
特徴『Verse of Birth』はどんなゲーム?言葉から仲間「ロゴス」を生み出すローグライク
『Verse of Birth』は、プレイヤーが入力した言葉から生成AIがキャラクター「ロゴス」を作り出し、そのロゴスを編成してダンジョンに挑むローグライク・タクティカルバトルです。Steamストアの説明では、あらかじめ用意されたキャラクターを引き当てる方式ではなく、プレイヤー自身の言葉から仲間を生み出す点が特徴として強調されています。
戦闘はチームを編成してのターン制オートバトルで、ダンジョンの構成はプレイするたびに変化するローグライク要素を備えています。開発元は電通の社内横断チーム「dentsu Game Center」、パブリッシャーはDENTSU INC.です。
生成システム名前・姿・能力が入力した言葉で決まる「ロゴス」
ロゴスは、プレイヤーが入力または選択した言葉を基に、名前、2Dイラスト、フレーバーテキスト、能力などがまとめて生成されます。あらかじめ用意されたパーツをランダムに組み合わせる方式ではなく、一つのキャラクターとして外見・名前・能力に一貫性を持たせることを目指したシステムで、電通はこの生成システムについて特許を出願しています。
生まれたロゴスは、作成したプレイヤー本人だけが閲覧・使用できます。他のプレイヤーへ自動で共有されたり、公開データベースに登録されたりする仕組みではありません。


画像出典:Steamストア「Verse of Birth」掲載スクリーンショット(dentsu Game Center / DENTSU INC.)
外部のAIサービスを利用する都合上、生成方式は今後変更される場合があります。Steamの開示情報によると、サービス側の状況に応じて生成方式が更新されることがあり、その場合は入力した言葉から姿や名前が決まる仕組み自体が変わる可能性があるとされています。ただし、それまでに生成済みのロゴスはセーブデータ内に保存されるため、変更後も引き続き使用できます。変更時はSteamのお知らせで事前に案内する方針です。
使用技術Adobe FireflyとOpenAI APIでロゴスを作る仕組み
ロゴスの生成には、外部の生成AIサービスが使われています。Steamストアの説明によると、2Dイラストの生成にはAdobe Firefly、名前やフレーバーテキストの生成にはOpenAIのAPIが使用されます。敵キャラクターやイベント用のイラストも、開発段階でAdobe Fireflyを使って事前に生成されたものです。
Adobe Fireflyを採用した理由について電通は、許可を得たコンテンツや権利を保有するコンテンツだけを学習データとしている点を挙げています。アドビとのパートナーシップを基に、権利面や安全性に配慮した生成AI活用基盤を構築したとしています。
なお、製品版のSteamストアページでは、OpenAI側の具体的なモデル名までは記載されていません。2025年の試作版ではGPT-4oが画像を解析してスキルなどを生成する仕組みが使われていましたが、製品版でも同じモデルを使うのか、発売時点の別モデルに切り替わるのかは公表されていないため、現時点では「OpenAI APIを使用するゲーム」と表現するのが正確です。
戦闘システム前列・中列・後列を組み替えるターン制オートバトル
戦闘では、生成したロゴスをチームに編成し、前列にタンク役、中列にサポート役、後列にアタッカー役を置くといった形でフォーメーションを組みます。攻撃やスキルは自動で発動しますが、プレイヤーは戦況に応じてロゴスの配置を組み替えます。
味方を密集させてスキルの連鎖を狙うか、分散させて敵の範囲攻撃を避けるか。敵の配置とスキルを読みながら陣形を調整する必要があり、眺めているだけのオートバトルではありません。生成したロゴスの能力をどう編成に組み込むかが、攻略の軸になりそうです。
ローグライク要素ダンジョンは挑戦のたびに変化、チャーム・パルサーで一度きりのビルドを組む
ダンジョンの構成は、挑戦するたびに変化します。道中では「チャーム」や「パルサー」と呼ばれる強化要素を獲得し、そのプレイ限りのビルドを組み立てます。同じスキルでも発動するタイミングや対象となるロゴスによって価値が変わるため、ロゴスの能力とダンジョン内で得た強化要素の組み合わせが、毎回異なる攻略につながります。
自分の言葉から生み出したキャラクターを使う生成要素と、偶然の巡り合わせで手に入る強化要素を組み合わせるローグライク要素が、繰り返し遊ぶ動機になりそうです。
追加要素50種類以上のイベント、10段階チャレンジ、エンドレスモードが用意される
通常のダンジョン攻略以外にも、複数のゲームモードが用意されます。Steamストアによると、ゲーム内には50種類以上のイベントが収録される予定です。作成したロゴスの特徴によって、イベント中に通常とは異なる選択肢が現れる場合もあるとされています。
ロゴスの配置が制限される10段階のチャレンジモードや、次第に強くなるボスと連続で戦うエンドレスモードも用意されます。Steamの対応機能としては、シングルプレイ、Steam実績、Steamクラウド、ファミリーシェアが記載されています。
データの扱い入力した言葉は開発者側のサーバーに保存、生成したロゴスは他プレイヤーには非公開
プレイする際に特に注意したいのが、入力データの扱いです。Steamストアの生成AI開示によると、プレイヤーが入力した言葉、生成条件、生成されたロゴスのデータは、開発者側のサーバーへ送信・保存されます。保存された記録は、生成機能の提供、報告された生成結果の確認、不具合の調査などに使われるとされています。
さらに、生成に必要な一部の情報は、開発者側のサーバーからAdobe FireflyやOpenAIなどの外部AIサービスにも送信されます。外部サービスへ送信されたデータはAIモデルの学習や改善には使用されないと説明されていますが、氏名や連絡先などの個人情報、第三者に知られたくない機密情報を入力しないよう注意する記載があります。ゲーム内の入力欄であっても、手元のPC内だけで処理が完結するわけではない点は理解しておく必要があります。
一方で、生成したロゴスが他のプレイヤーに公開されることはありません。Steamストアの説明では、生成されたロゴスは作成したプレイヤーだけが閲覧・使用でき、他のプレイヤーとは共有されないとされています。ロゴスを交換したり対戦させたりする機能や、Steam Workshopとの連携についても、現時点では発表されていません。
入力欄には氏名、連絡先、勤務先など第三者に知られたくない情報を入力しないようにしましょう。ゲーム内の入力であっても、外部のAIサービスへ一部データが送信される点は忘れないようにしたいところです。
試作版2025年公開のカードゲーム版「誕生の詩」から製品版へ進化
『Verse of Birth』は、2026年に突然発表された新作ではありません。電通は2025年3月、東京・吉祥寺で開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025」に、本作の試作版を出展していました。
当時は生成AIを活用したPC用カードゲームとして紹介されており、プレイヤーが入力する「誕生の詩」というテキストからモンスターを生成し、手札として使う内容でした。試作版では、Adobe Fireflyがモンスター画像を生成し、その画像をGPT-4oが解析して名前や攻撃・防御スキルなどを生成する仕組みが使われていました。当時の発表では、開発パートナーの募集も行われていました。
2026年に公開された製品版では、単純なカードゲームという位置付けから、ロゴスの配置を入れ替えて戦うローグライク・タクティカルバトルへと発展しています。50種類以上のイベント、10段階のチャレンジモード、エンドレスモードといった、継続的に遊ぶための要素も追加されました。約1年半を経て、Steam向けの製品として発売する段階まで進んだことになります。
開発体制電通の社内横断チーム「デンツウゲームセンター」とは
開発元としてSteamに登録されている「dentsu Game Center」は、電通が2023年9月に設立した社内横断のクリエイティブチームです。電通の発表によると、ゲームに精通した約200人が所属しており、広告やコミュニケーション領域で培った企画、体験設計、シナリオライティングなどをゲーム開発へ活用する方針とされています。
『Verse of Birth』のSteamページでは、開発元がdentsu Game Center、パブリッシャーがDENTSU INC.と記載されています。大手広告会社の電通が、マーケティング支援やプロモーションではなく、自社名義でSteam向けPCゲームを発売する点でも注目される作品です。
配信予定価格と発売日はまだ未定、8月8日には東京ゲームダンジョンに登場
『Verse of Birth』の発売時期は2026年内です。Steamストアでもリリース日は「2026年」とだけ記載されており、具体的な月日や価格は本稿執筆時点で発表されていません。
2026年8月8日(土)には、東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝)で開催されるインディゲーム展示会「東京ゲームダンジョン13」へ出展されます。287団体が出展する規模のイベントで、開催時間は11時から17時までの予定です。イベント出展時に、製品版に近い内容が試遊できる可能性があります。発売日や価格、生成回数の制限などについて追加情報が公開されるか注目です。
言語仕様インターフェースと字幕は対応、フル音声は対応表記なし
『Verse of Birth』は日本語に対応します。Steamストアの言語一覧では、日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語のいずれも、インターフェースと字幕への対応が明記されています。
一方で、フル音声はどの言語についても対応の表記がありません。ストーリーやロゴスの設定文、スキル説明などを読む機会が多いタイプのゲームなので、日本語字幕がしっかり対応している点は安心材料です。
動作環境最低・推奨PCスペックはWindows 11、GTX 970/RX 6500 XTから
Steamストアに掲載されている動作環境は、Windows 11専用です。最低動作環境はCore i5-8500またはRyzen 5 3500、メモリ8GB、GeForce GTX 970またはRadeon RX 6500 XT。推奨動作環境はCore i7-10700KまたはRyzen 7 3700X、メモリ16GB、GeForce GTX 1660またはRadeon RX 6600 XTです。
| 項目 | 最小動作環境 | 推奨動作環境 |
|---|---|---|
| OS | Windows 11(64bit) | Windows 11(64bit) |
| CPU | Core i5-8500 / Ryzen 5 3500 | Core i7-10700K / Ryzen 7 3700X |
| メモリ | 8GB RAM | 16GB RAM |
| GPU | GeForce GTX 970 / Radeon RX 6500 XT | GeForce GTX 1660 / Radeon RX 6600 XT |
| DirectX | Version 11 | Version 11 |
| ストレージ | 4GBの空き容量 | 4GBの空き容量 |
| ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 | ブロードバンドインターネット接続 |
映像は2D主体で、最新世代のハイエンドGPUを要求するタイトルではありません。ロゴスの生成処理はクラウド上の外部AIサービスで行われるため、GeForce RTXシリーズが搭載するTensorコアのような、AI処理向けの性能をPC側に用意する必要もありません。
ただし、最低・推奨のどちらもWindows 11のみが記載されており、Windows 10やmacOS、Linuxへの対応は本稿執筆時点で確認できません。Steam Deckへの正式対応も発表されていないため、GPU負荷だけで判断せず、OS要件と常時オンライン接続が必要な点を踏まえて検討してください。
おすすめどんな人に向いている?
『Verse of Birth』は、既存のキャラクターを引き当てる収集要素よりも、自分の言葉でキャラクターを生み出す体験そのものに価値を感じる人向けの作品です。
おすすめできる人
- 自分の発想でキャラクターを作る過程を楽しみたい
- ローグライクやデッキ構築系のリプレイ性が好き
- 生成AIを使ったゲーム体験に興味がある
- 常時オンライン接続やクラウド送信の仕組みに抵抗がない
様子見でもよい人
- オフライン専用でプレイしたい
- 入力データの外部送信をシビアに気にする
- 生成回数や課金方式がはっきりしてから判断したい
- キャラクターの収集・交換要素を重視したい
注目ポイント生成回数・課金・バランス調整など製品版で気になる点
『Verse of Birth』の魅力は、プレイヤーの発想がそのままキャラクター生成や編成へつながる点です。一方で、製品版の評価を左右しそうな未発表の情報も残っています。
特に気になるのは、ロゴスを生成できる回数です。Adobe FireflyやOpenAIのAPIを利用するたびに外部サービス側の処理コストが発生するため、購入すれば無制限に生成できるのか、回数制限や追加課金があるのかは、本稿執筆時点で公式な説明がありません。
生成される能力のバランスも重要です。入力する言葉によって極端に強いロゴスが作れる場合は攻略が単調になりかねませんし、逆に言葉と性能の関係が弱すぎると、自由に言葉を考える意味が薄くなります。生成にかかる待ち時間や、不適切な言葉へのフィルター、外部サービスが一時的に止まった場合にどこまでプレイできるのかも、発売前に確認したいポイントです。
総括まとめ|言葉から仲間を生むローグライクは今後の続報に注目
『Verse of Birth』は、プレイヤーが入力した言葉から生成AIがキャラクター「ロゴス」を作り出し、そのロゴスを編成してダンジョンを攻略するローグライク・タクティカルバトルです。イラストの生成にはAdobe Firefly、名前やフレーバーテキストの生成にはOpenAIのAPIが使われています。
戦闘は前列・中列・後列の配置を組み替えるターン制オートバトルで、ダンジョンの構成はプレイのたびに変化します。2025年に公開されたカードゲーム形式の試作版から、50種類以上のイベントや複数のゲームモードを備えた製品へと発展しました。
一方で、プレイには常時インターネット接続が必要で、入力した言葉や生成データは開発者側のサーバーに保存され、一部は外部AIサービスにも送信されます。個人情報や機密情報を入力しないよう注意が必要です。発売時期は2026年内としか公表されておらず、具体的な発売日や価格、生成回数の制限は本稿執筆時点で未定です。8月8日の「東京ゲームダンジョン13」出展など、今後の続報に注目したいタイトルです。

