Steam新作の約31%が生成AI利用を開示|3年間・全53,597作品の全数調査で判明、発売数は急増も売上は上位1%に集中
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
3年間・全53,597作品の全数調査で判明、収益は上位1%に集中
ゲーム業界のデータ分析を手がけるSulka Haro(スルカ・ハロ)氏が、自身のニュースレター「Fragwyz」で、2023年7月から2026年7月にSteamで発売された全53,597作品を対象にした調査結果を公開しました。生成AIコンテンツの利用を開示した作品の割合は、2024年の10.9%から2026年には約31%(正確には30.8%)まで上昇しています。ただし開示の対象は、画像1枚の生成から音声・翻訳まで幅広く、作品全体をAIが作ったことを意味するものではありません。
Steamで新しく発売されるゲームのうち、生成AIの利用を開示した作品の割合が急速に増えています。ただ「AI開示が約3割」という数字だけが独り歩きすると、まるで新作の3本に1本が丸ごとAIで作られているように誤解されがちです。実際の開示は、背景画像を1枚だけ生成しただけの作品から、翻訳・音声合成・ゲーム中のリアルタイム生成まで、内容の幅が非常に広いものです。
ゲーム業界のデータ分析を手がけるSulka Haro氏が、自身のニュースレター「Fragwyz」で、2023年7月から2026年7月までにSteamで発売された「ゲーム」カテゴリー全53,597作品を対象にした調査結果を公開しました。サンプル抽出ではなく全数調査によるもので、AI開示率は2024年の10.9%から2025年に19.9%、2026年には約31%(30.8%)まで上昇しています。発売数が急増した内訳や、収益・レビュー評価がAI開示の有無でどう違うかまで踏み込んだデータも示されています。
発売数の急増がどこから来ているのか、パブリッシャーの構造やジャンルによる開示率の違い、収益とレビュー評価の関係まで踏み込むと、「AI開示3割」という数字だけでは見えてこなかった実態が浮かび上がります。特定の1週間を切り取ったスナップショットや開発者への意識調査とは異なり、3年間・全数調査という規模のデータだからこそ見えてくる部分です。
調査の枠組み2023年7月〜2026年7月に発売された全53,597作品を全数調査
今回のデータは、ゲーム業界の分析を手がけるSulka Haro氏(スルカ・ハロ氏)が、自身のニュースレター「Fragwyz」で公開した調査にもとづいています。対象は2023年7月から2026年7月までにSteamで発売された「ゲーム」カテゴリーの作品すべてで、その数は53,597本にのぼります。
重要なのは、これが一部を抜き出したサンプル調査ではなく、対象期間に発売された全作品を対象にした全数調査だという点です。Steamのストアページに表示される「AI Generated Content Disclosure(生成AIコンテンツの開示)」欄の有無を、対象作品すべてで確認して集計しています。
3年間の推移AI開示率は2024年の10.9%から2026年に約31%へ上昇
年ごとの開示率を見ると、上昇のペースがはっきり分かります。
| 年 | AI開示率 | 前年からの変化 |
|---|---|---|
| 2024年 | 10.9% | 基準年 |
| 2025年 | 19.9% | +9.0ポイント |
| 2026年 | 30.8%(約31%) | +10.9ポイント |
2026年の数値は7月時点までのデータであるため、通年の実績ではない点に注意が必要です。それでも2024年から2025年にかけて9.0ポイント、2025年から2026年にかけて10.9ポイントと、上昇幅そのものが年々広がっています。
発売数の内訳新作増加分の6〜9割をAI開示作品が占めています
Steam全体の新作発売数は右肩上がりですが、その中身をAI開示の有無で分けると、増加分の大半をAI開示作品が占めていることが分かります。
| 区分 | 期間前半の月平均 | 直近の月平均 |
|---|---|---|
| AI開示なしの新作 | 1,030本 | 1,320本 |
| AI開示ありの新作 | 13本 | 530本 |
AI開示のない作品の月間発売数は、この期間で約1,030本から1,320本へと3割弱の増加にとどまります。一方、AI開示のある作品は月13本から530本へと40倍以上に急増しています。増加分全体で見ると、AI開示作品が占める割合はおおむね6割から9割に達します。
新規参入AI開示で参入する開発者は月140組から440組に増加
新しくSteamに参入する開発者・パブリッシャーの数でも、同じ傾向が確認できます。
| 区分 | 期間前半の月平均 | 直近の月平均 |
|---|---|---|
| 非AI開発者(新規参入) | 950組 | 950組(横ばい) |
| AI開示開発者(新規参入) | 140組 | 440組 |
AI開示を伴わない形で新規参入する開発者の数は、この2年間ほぼ横ばいです。一方、AI開示を伴って新規参入する開発者は月140組から440組へと3倍以上に増えています。参入のハードルが下がったことで、これまでゲーム開発に関わっていなかった作り手が流入していると考えられます。
パブリッシャー構造大半は一度きり、量産しているのはごく一部の企業です
発売元となるパブリッシャー(発売・販売元企業)の内訳を見ると、AI開示ゲームの量産は特定の企業に偏っていることが分かります。
つまり「AI開示作品が急増している」といっても、無数の企業がそれぞれ数本ずつ手を出しているわけではありません。大半の企業は一度きりの参入にとどまる一方、一部の企業が繰り返し量産することで全体の本数を押し上げている構造です。
ジャンル別の差トレーディングカードゲームは39%、メトロイドヴァニアは7%
AI開示率はジャンルによっても大きく異なります。
| ジャンル | AI開示率 | 傾向 |
|---|---|---|
| トレーディングカードゲーム | 39% | 全ジャンル中で最高 |
| ピクセルグラフィック | 12% | 低いグループ |
| 手描きスタイル | 9% | 低いグループ |
| メトロイドヴァニア | 7% | 全ジャンル中で最低 |
トレーディングカードゲーム(カードを収集・構築して対戦するジャンル)は39%と全ジャンル中で最も開示率が高く、逆にメトロイドヴァニア(探索と謎解きを組み合わせたアクションの一種)は7%と最も低い結果になっています。手描きスタイルやピクセルグラフィックのような、作り手の画風がそのまま評価につながるジャンルでは、AI開示の割合が低く抑えられている傾向がうかがえます。
レビュー評価AI開示作品はやや低く、高価格帯ほど差が開きます
レビュー評価そのものにも、AI開示の有無で差が出ています。
| 指標 | AI開示作品 | 非開示作品 |
|---|---|---|
| 平均好評率 | 77% | 81% |
| 中央値好評率 | 80% | 85% |
| 「やや好評」以上到達率 | 71% | 80% |
平均・中央値ともに、AI開示作品は非開示作品よりおおむね4〜9ポイント低い水準です。この差は価格帯によっても変わります。数百円程度の低価格帯ではAI開示・非開示の評価差は3ポイント程度にとどまりますが、20ドル(海外基準の価格帯で、日本円ではおおむね3,000円前後)以上になると、差は8ポイントまで広がります。価格が上がるほど、開発の作り込みの差がレビュー評価にも表れやすくなっていると見られます。
出典:Fragwyzの続報記事(パブリッシャー・ジャンル・レビュー分析)
収益の集中度試算売上の94%が上位1%のタイトルに集中しています
本数が増えても、そのすべてが収益につながっているわけではありません。Steam全体の収益構造を見ると、極端な集中が起きています。
この構造はAI開示の有無を問わずSteam全体に共通するものです。ただしAI開示作品は、レビュー100件に到達する割合が非AI作品の55%にとどまっており、この差はここ2年間ほぼ横ばいで変わっていません。多くのAI開示作品は、注目を集める前の段階でとどまっていると考えられます。
発売本数に占めるAI開示作品の割合は伸び続けていますが、それがそのまま収益シェアの伸びにつながっているとは限りません。
| 四半期 | 発売本数シェア | 試算販売本数シェア |
|---|---|---|
| 2026年Q1 | 28% | 17% |
| 2026年Q2 | 33% | 10% |
この四半期別の内訳は、当サイトで一次データを直接検証できていない参考情報です。発売本数のシェアは2026年第1四半期の28%から第2四半期に33%へと伸びている一方、試算販売本数に占めるシェアは17%から10%へとむしろ低下したと伝えられています。件数が増えるほど、1本あたりの成功率が上がっているわけではないことがうかがえます。
今後の見通し2027〜2028年に新作の半数に達するという試算も
現在のペースがそのまま続いた場合、2027年から2028年ごろには、Steamの新作の半数がAI開示に達するという試算も示されています。
ただしこれは、直近の伸び率をそのまま単純に延長した仮定計算であり、確定した予測ではありません。開示ルールの運用方法や、開発ツールの普及ペース、Valve側の審査方針の変化次第で、この数字は上下に変わる可能性があります。
開示制度の変更2026年1月の改訂でプレイヤーが直接触れる生成物に絞り込み
Steamの生成AIコンテンツ開示は、Steamを運営するValve(バルブ)が2024年1月に導入した制度です。
導入当初は、開発中にあらかじめ用意しておく「事前生成コンテンツ」と、プレイ中にその場で作られる「ライブ生成コンテンツ」の2区分で申告する仕組みでした。
この制度は2026年1月に改訂され、対象範囲がプレイヤーが直接触れる生成コンテンツに絞り込まれました。改訂後は、コード補完のような開発チームの社内効率化ツールは開示対象から外れ、プレイヤーが実際に目にしたり聞いたりする生成物だけが申告の対象になっています。
出典:Steamコミュニティ公式アナウンス / 改訂内容を報じたPC Gamerの記事
開発者側の受け止め方については、別の切り口の調査もあります。2026年1月時点のスナップショットデータとGDC 2026の意識調査を扱った過去記事(Steam新作の3割がAI製——開発者の52%は「悪影響」と回答)では、開発者の52%が「AIは業界に悪影響」と回答するなど、感情面の変化が報告されています。今回整理した発売数・収益・レビュー評価の構造とあわせて読むと、Steamで起きている変化がより立体的に見えてきます。
まとめデータが示していること・注意して読むべき点
- Steamで生成AI利用を開示した作品の割合は、2024年10.9%→2025年19.9%→2026年約31%(30.8%)と一貫して上昇している
- 新作発売数の増加分の6〜9割をAI開示作品が占めているが、収益は上位1%のタイトルに極端に集中している
- AI開示作品はレビュー評価がやや低く、高価格帯ほどその差が広がる傾向がある
- 「AI開示」は画像1枚の生成から全編AI生成まで幅広く含む申告で、「AI製ゲームが約31%」という意味ではない
- 四半期別の売上シェアは第三者の集計記事にもとづく参考情報で、当サイトで一次データを検証できていない
- 2027〜2028年に半数へ達するという試算は、現状の伸び率を延長した仮定計算であり確定した予測ではない
Steamで生成AI利用を開示した作品の割合は、全53,597作品を対象にした全数調査で、2024年の10.9%から2026年に約31%(正確には30.8%)まで上昇していました。ただし開示の対象は、画像1枚の生成から音声・翻訳・リアルタイム生成まで幅広く、「作品全体をAIが作った」ことを意味するものではありません。
発売本数が増える一方で、収益は上位1%のタイトルに極端に集中しており、AI開示の有無にかかわらずSteam全体に共通する構造です。数だけを見て一喜一憂せず、実際に評価されているタイトルがどれかを見極めることが、これまで以上に重要になっています。
関連機材評価が集まった本命タイトルにじっくり向き合うための機材
収益上位1%のタイトルが売上の94%を占め、レビューが1件も付かない作品が3割近くにのぼる——今回のデータが示すのは、Steamで本当に評価されているタイトルはごく一部だという現実です。次々に増える新作を浅く追いかけるより、実際に評価が集まった作品を長く、快適な環境で遊ぶ方が満足度は高くなります。ストレージと音響、それぞれの観点で役立つ機材を紹介します。
レビュー評価の高い定番タイトルほど、アップデートで容量が膨らみがちです。2TBの余裕があれば、話題になったからと安易にインストールしては消す、を繰り返す必要がありません。Gen5対応で読み込みも速く、じっくり遊び込みたい本命タイトルを迎える器として向いています。
音声演出やBGMの作り込みは、量産型のAI開示タイトルが後回しにしやすい部分です。DTS Headphone:Xの空間オーディオに対応し、評価の高いタイトルが力を入れている音の演出をしっかり聞き分けられます。着脱式マイク付きでUSB-C/USB-A/3.5mmの3通りに対応し、PC以外の手持ち機種でも使い回せます。
※価格は2026年7月時点の目安です。変動するため、最新価格は各リンク先でご確認ください。



