Ryzen 9000が10月前半に再び値上がり、9600は42.0%上昇|9800X3Dは74,800円、通販価格で見る買い時
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
9600は42.0%、9700Xは29.6%、9800X3Dは24.7%上昇
2026年9月26日〜10月10日の秋葉原店頭調査で、Ryzen 9000シリーズは9600が42,579円(前回比+42.0%)、9700Xが51,800円(+29.6%)、9800X3Dが74,800円(+24.7%)まで上昇しました。10月15日時点の通販では9700Xが47,800円、9800X3Dが74,800円で、店頭より安いモデルもあります。上がり方はモデルごとに大きく違い、9500Fのようにほぼ動かなかったものもあります。
国内のCPU相場は、7月の急騰、8月の値下がり、9月前半の一部反発を経て、10月前半にもう一段上がりました。2026年9月26日〜10月10日の秋葉原店頭調査では、Ryzen 5 9600が前回比12,599円高の42,579円(+42.0%)、Ryzen 7 9700Xが11,820円高の51,800円(+29.6%)、Ryzen 7 9800X3Dが14,820円高の74,800円(+24.7%)、Ryzen 9 9900X3Dが24,700円高の112,800円(+28.0%)でした。「30〜40%前後」という上昇はこの中の一部のモデルで、7800X3Dの+5,000円、9500Fの+203円のように小幅なモデルも混ざっています。
結論から言えば、すでに買うモデルが決まっていて今月中に組みたいなら、店頭価格ではなく通販の実売で比べるのが先です。10月15日時点のドスパラとツクモでは、9700Xが47,800円で店頭の最安値より4,000円低く、9600も41,833円と店頭より下回っていました。8月には一度戻した前例がある一方、次の調査で下がると言える材料はないので、必要なら通販の在庫があるうちに決めるのが現実的です。
判断が分かれるのは、AM5のマザーボードとDDR5メモリをすでに持っているか、新規に揃えるかです。前者ならCPUだけの交換で済むので、価格差の小さい7800X3Dや9700Xが現実的です。後者はDDR5の相場も含めた総額で見ないと、CPUの数万円差が埋もれます。
目次
価格調査Ryzen 9000シリーズが最大3割超の値上がり
2026年7月11日から18日にかけて実施された秋葉原の店頭価格調査では、Ryzen 9000シリーズの多くが前回調査から1万円以上値上がりしました。主なモデルの価格変動は以下の通りです。
| CPU | 前回価格 | 7月後半の最安値 | 値上がり額 | 上昇率 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 9 9950X3D | 103,354円 | 117,230円 | 13,876円 | 13.4% |
| Ryzen 9 9900X3D | 89,180円 | 112,800円 | 23,620円 | 26.5% |
| Ryzen 7 9800X3D | 59,800円 | 72,800円 | 13,000円 | 21.7% |
| Ryzen 9 9950X | 92,700円 | 113,800円 | 21,100円 | 22.8% |
| Ryzen 9 9900X | 65,280円 | 77,520円 | 12,240円 | 18.8% |
| Ryzen 7 9700X | 38,780円 | 50,800円 | 12,020円 | 31.0% |
| Ryzen 5 9600X | 34,300円 | 45,200円 | 10,900円 | 31.8% |
| Ryzen 5 9600 | 32,800円 | 40,800円 | 8,000円 | 24.4% |
| Ryzen 5 9500F | 27,800円 | 27,800円 | 0円 | 0% |
特に影響が大きいのは、これまで3万〜4万円台で購入できたミドルクラスです。Ryzen 7 9700Xは3万8,780円から5万800円へ、Ryzen 5 9600Xは3万4,300円から4万5,200円へ上昇しました。いずれも短期間で価格帯そのものが一段上へ移った格好です。
上位CPUでも値上がり額は大きく、Ryzen 9 9900X3Dは約8万9,000円から11万円台、Ryzen 9 9950Xは約9万3,000円から11万円台となり、前回価格との差は2万円を超えています。
全国すべての販売店や通販サイトの平均価格を示すものではありません。ショップ独自の特価や在庫状況によって、実際の販売価格には差が生じます。
続報8月前半の調査では一転して値下がりに転じた
次の店頭価格調査(調査期間2026年7月25日〜8月1日、8月6日公開)では、7月後半の急騰は続かず、AMD Ryzenは一転して値下がりしています。
| CPU | 7月後半 | 8月前半 | 差額 |
|---|---|---|---|
| Ryzen 7 7700X3D | 63,980円 | 45,800円 | -18,180円(-28.4%) |
| Ryzen 9 9900X | 77,520円 | 62,800円 | -14,720円(-19.0%) |
| Ryzen 9 9950X3D | 117,230円 | 105,500円 | -11,730円(-10.0%) |
| Ryzen 5 9600X | 45,200円 | 39,800円 | -5,400円(-11.9%) |
| Ryzen 7 9700X | 50,800円 | 47,800円 | -3,000円 |
| Ryzen 7 7800X3D | 48,000円 | 48,000円 | 変動なし |
Intel側も同じ方向に動いており、Core Ultra 5 245Kは1万520円下がって3万2,980円になりました。多くのモデルで平均価格が5〜7%前後下がっています。
次の調査ではRyzenが軒並み下がり、値上がり幅が大きかったモデルほど戻り幅も大きくなっています。1回の価格調査だけを見て「これから何割も上がる」と判断しないほうがよい例です。
2026年8月14日時点の通販最安価格は次のとおりです。店頭調査が7月後半に付けた高値からは、多くのモデルが下の水準に戻っています。
| CPU | 7月後半の店頭 | 8月14日の通販最安 | 差額 |
|---|---|---|---|
| Ryzen 5 9600X | 45,200円 | 34,645円 | -10,555円 |
| Ryzen 7 9700X | 50,800円 | 39,980円 | -10,820円 |
| Ryzen 7 9800X3D | 72,800円 | 62,000円 | -10,800円 |
| Ryzen 5 8600G | 36,580円 | 27,980円 | -8,600円 |
| Ryzen 9 9900X3D | 112,800円 | 85,980円 | -26,820円 |
| Ryzen 5 9500F | 27,800円 | 27,800円 | 変動なし |
特にRyzen 5 9600Xと8600Gは、値上がり前の水準にほぼ戻りました。
続報8月後半もCPUは値下がり、一方でDDR5は上昇に転じた
AKIBA PC Hotline!が2026年8月8日〜22日に実施した調査(8月26日公開)では、Ryzen 9000シリーズの値下がりがさらに続いています。
| CPU | 8月後半の最安値 | 前回比 |
|---|---|---|
| Ryzen 9 9900X3D | 101,600円 | -11,200円 |
| Ryzen 7 9850X3D | 78,900円 | -180円 |
| Ryzen 7 9800X3D | 64,780円 | -3,890円 |
| Ryzen 7 9700X | 40,880円 | -6,920円 |
| Ryzen 5 9600 | 34,980円 | -4,820円 |
9800X3Dは6万4,780円まで下がり、後継の9850X3D(78,900円)との差は1万4,120円まで開きました。両者の仕様差は、最大ブーストクロックが5.2GHzから5.6GHzへ上がる程度です。価格差が広がった分だけ、9800X3Dのコストパフォーマンスが以前より際立つ状況でした。
同じ8月8日〜22日の調査(AKIBA PC Hotline! 8月後半のメモリ価格)では、DDR5メモリは上昇傾向でした。16GB×2枚組はDDR5-5600が55,980円(-4,000円)、DDR5-6000が59,980円(-1,000円)とやや下がった一方、32GB×2枚組はDDR5-5600が89,980円(+1万円)、DDR5-6000が97,980円(横ばい)、DDR5-6400が119,780円(+7,800円)と、新規構築で選びやすい32GB容量帯を中心に値上がりしています。CPUの値下がり分だけを見て「組み時」と判断すると、メモリ側の値上がりを見落とすことになります。
DDR5価格の詳しい推移と容量別の相場はDDR5メモリ価格の推移・買い時を扱った別記事で随時更新しています。
続報9月前半は一転、一部モデルが急反発
AKIBA PC Hotline!が2026年8月29日〜9月5日に実施した調査では、8月に入ってから続いていた値下がり傾向が崩れました。Ryzen 5 9600だけが値下がりを続けて初めて3万円を切った一方、Ryzen 9 9950X3D・9900X・Ryzen 5 9500F・7600は軒並み25〜45%の急反発という、モデルによって明暗が分かれた結果です。
| CPU | 前回価格 | 9月前半の最安値 | 差額 | 変動率 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 5 9600 | 34,980円 | 29,980円 | -5,000円 | 調査開始後初めて3万円を切る |
| Ryzen 9 9950X3D | 105,480円 | 132,800円 | +27,320円 | +25.9% |
| Ryzen 9 9900X | 62,800円 | 78,800円 | +16,000円 | +25.5% |
| Ryzen 5 9500F | 27,800円 | 36,153円 | +8,353円 | +30.0% |
| Ryzen 5 7600 | 23,980円 | 34,800円 | +10,820円 | +45.1% |
これまで3万円前後で組める低予算枠として紹介してきたRyzen 5 9500Fと、前世代のRyzen 5 7600がそろって3割前後値上がりしています。低予算でAM5を組む選択肢としての魅力は、この2モデルに関して今回の調査でいったん後退しました。一方で唯一値下がりしたRyzen 5 9600は秋葉原の特価で2万9,980円まで下がり、9500F・7600との価格差はほぼ解消しています。
今回の急反発について、AMDや国内代理店から価格改定の公式発表は出ていません。上昇したモデルと下落したモデルが同じ調査内に混在していることからも、秋葉原の店頭調査における在庫・仕入れ状況の変動であり、AMDによる一律の値上げではないとみられます。1回の調査だけで全モデルの傾向を断定せず、次回調査での動きも確認したほうがよいでしょう。
2026年9月時点の通販では、Ryzen 5 9600の最安値は3万2,146円です。秋葉原の特価2万9,980円とは別物で、「3万円を切った」というのは秋葉原の一部店舗に限った話であり、全国どこでも3万円で買えるという意味ではありません。9500F(2万7,800円前後)・7600(2万6,478円前後)についても、通販の最安値と秋葉原の店頭価格は別々に動くため、購入直前に両方を確認してください。
出典:AKIBA PC Hotline!週刊価格調査(調査期間2026年8月29日〜9月5日)
続報10月前半はRyzen 9000の主力が再び上昇、9600は4万円台に戻った
2026年9月26日〜10月10日の秋葉原店頭調査(AKIBA PC Hotline!)では、Ryzen 9000シリーズの主力モデルがそろって前回調査より上がりました。調査期間の途中には、9月26日に9850X3Dが76,180円、10月3日に9600Xが39,800円まで下がった日もありました。表は10月10日時点の最安値で、この時点では上昇したモデルが目立ちます。
| CPU | 10月10日時点の最安値 | 前回調査との差 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| Ryzen 9 9900X3D | 112,800円 | +24,700円 | +28.0% |
| Ryzen 7 9800X3D | 74,800円 | +14,820円 | +24.7% |
| Ryzen 9 9900X | 77,360円 | +7,080円 | 約+10% |
| Ryzen 7 9700X | 51,800円 | +11,820円 | +29.6% |
| Ryzen 5 9600 | 42,579円 | +12,599円 | +42.0% |
| Ryzen 5 9600X | 45,480円 | +5,680円 | 約+14% |
| Ryzen 7 9850X3D | 81,800円 | +4,170円 | 約+5% |
| Ryzen 5 9500F | 36,182円 | +203円 | ほぼ横ばい |
9600は9月前半に29,980円まで下がり、初めて3万円を切ったモデルでした。それが4万円台に戻ったため、「9500Fより安いZen 5の6コア」という立ち位置は崩れ、9600と9500Fの価格はほぼ並びました。9500Fは36,182円で、9月前半の36,153円とほとんど変わっていません。
旧世代にも波及しています。Ryzen 7 7800X3Dは5,000円高の54,800円、Ryzen 7 7700X3Dは15,000円(+32.8%)高の60,800円、AM4のRyzen 7 5700Xは7,820円高の37,800円です。Ryzen 8000シリーズも、8700Gが53,799円(+1,819円)、8600Gが36,800円(+3,005円)と上がり、Ryzen 5 7500Fは29,280円(+4,010円)、AM4のRyzen 7 5800XTは47,480円(+5,680円)でした。Intelは最安値がほとんど動いておらず、Core Ultra 5 250K Plusが3,100円下がって38,580円になった程度でした。
9600の+42.0%は、前回の最安値が29,980円と店頭の特価に近かったことが効いています。9800X3Dは前回59,980円、9700Xは前回39,980円(今回の上昇額からの逆算)と、こちらも低い水準でした。調査期間の平均価格で見ると、9600は+3,943円、9700Xは+5,876円、9800X3Dは+8,607円で、最安値ほどは動いていません。「全モデルが3〜4割上がった」と受け取らないでください。AMDや国内代理店から価格改定は公表されていません。
店頭調査は秋葉原の限られた店舗の価格です。2026年10月15日時点のドスパラとツクモの表示価格は、9700Xが両店とも47,800円、9600はツクモで41,833円(在庫あり)、9800X3Dはドスパラで74,800円でした。ツクモの9800X3Dは93,800円で在庫がなく、購入できる価格としては比べていません。7800X3Dはドスパラで54,800円、AM4の5700Xは37,640円です。
| CPU | 秋葉原店頭の最安値(10/10まで) | 通販の表示価格(10/15) |
|---|---|---|
| Ryzen 5 9600 | 42,579円 | 41,833円(ツクモ・在庫あり) |
| Ryzen 7 9700X | 51,800円 | 47,800円(ツクモ・ドスパラ) |
| Ryzen 7 7800X3D | 54,800円 | 54,800円(ドスパラ) |
| Ryzen 7 9800X3D | 74,800円 | 74,800円(ドスパラ) |
CPUと同時に買うDDR5メモリも高い状態です。AKIBA PC Hotline!の10月前半のメモリ調査(9月26日〜10月10日)では、DDR5-6000 16GB×2枚組(合計32GB)の最安値が68,970円(前回比+15,980円)でした。DDR5-5600 32GB×2枚組(合計64GB)は最安値が97,980円で横ばいでも、平均価格は前回より22,025円(20.9%)高く、10万円を切っているのは1モデルだけで、中心は12〜13万円台です。
9800X3D(74,800円)とDDR5-6000 16GB×2枚組(68,970円)を店頭の最安値どうしで足すと143,770円、9850X3D(81,800円)では150,770円です。マザーボード・クーラー・SSD・GPU・電源・ケースは含まれていません。AM5マザーボードとメモリを持っている人がCPUだけを替えるのと、新規に揃えるのとでは、総額が数万円単位で変わります。
9800X3Dと9700Xの差は、通販で27,000円です。海外の発売時レビュー(TechSpot、RTX 4090・DDR5-6000 CL30での測定)では、ゲーム別の平均で9800X3Dが9700Xより約30%、7800X3Dより約11%速く、CS2は668fpsで9700X比27%、Star Wars Jedi: Survivorは234fpsで同45%の差でした。ただしこれは2024年の発売時の結果で、GPUの負荷が高い設定では差が縮みます。価格差の約56%ぶんの性能が常に出るわけではありません。9700Xと7800X3Dの違いはゲーム性能・消費電力・価格を比べた記事で詳しく見られます。
この調査の対象は、AKIBA PC Hotline!が独自に調べた秋葉原の店頭価格で、全国の相場ではありません。通販の価格と在庫は日々動くので、購入直前にもう一度見てください。
出典:AKIBA PC Hotline!の週刊価格調査・メモリ価格調査(いずれも2026年9月26日〜10月10日、秋葉原店頭)/ドスパラ Ryzen 販売一覧(2026年10月15日確認)/ツクモ Ryzen 7 9700X/ツクモ Ryzen 5 9600/ツクモ Ryzen 7 9800X3D/ツクモ G-GEAR GE7A-C261/B/TechSpot(英語)Ryzen 7 9800X3D レビュー
通販比較店頭と通販は、モデルによって安いほうが入れ替わる
店頭調査の価格は秋葉原の限られた店舗のもので、通販の価格とは別に動きます。10月15日は、9700Xは通販47,800円・店頭51,800円と通販が安い一方、7800X3Dと9800X3Dは通販・店頭とも同額でした(前節の表)。
店頭と通販のどちらが安いかは時期とモデルで入れ替わるので、購入直前に両方を見比べるのが確実です。通販側の安い在庫がなくなれば店頭価格に近づきますが、いつそうなるかは分かりません。
内訳7月後半の「最大35%」はRyzen 5 8600Gの数字
AMD製CPU全体で最も値上がり率が大きかったのは、Ryzen 9000シリーズではなくRyzen 5 8600Gです。
今回の価格調査を報じる記事の見出しは「最大35%の急騰」ですが、この数字はRyzen 9000シリーズに含まれないRyzen 5 8600Gの上昇率です。Ryzen 9000シリーズだけで見ると、最大の上昇率はRyzen 5 9600Xの31.8%にとどまります。
Ryzen 5 8600Gは2万7,080円から3万6,580円へ9,500円値上がりし、上昇率は35.1%に達しました。旧世代やSocket AM4向けCPUでも、次のような大幅上昇が確認されています。
| CPU | 前回価格 | 7月後半の最安値 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| Ryzen 5 8600G | 27,080円 | 36,580円 | 35.1% |
| Ryzen 5 5600GT | 19,800円 | 26,680円 | 34.7% |
| Ryzen 5 5500 | 13,400円 | 17,880円 | 33.4% |
| Ryzen 5 5500GT | 17,980円 | 23,680円 | 31.7% |
| Ryzen 5 7600 | 23,980円 | 31,350円 | 30.7% |
Ryzen 5 5600GTや5500GTは、グラフィックボードなしでも画面を出力できる比較的安価なCPUとして選ばれてきました。しかし、2万円台後半まで上昇すると、これまでの価格面での魅力は薄くなります。
Socket AM4環境を安価に延命する目的でCPUを探している場合も、過去の価格を前提に選ぶのではなく、現在の実売価格を確認したほうがよいでしょう。
出典:上記と同一の調査データ(2026年7月11日〜18日調査)に基づきます
背景CPU価格が突然上がった理由は?
今回の国内価格上昇について、AMDや国内代理店から直接的な理由は公表されていません。そのため、すべてを世界的なCPU不足やAI需要の影響と断定することはできません。国内流通在庫の入れ替わり、特価販売の終了、仕入れ価格の変更など、複数の要因が重なった可能性もあります。
実際、今回の調査では最安値だけでなく、複数ショップの平均価格も大きく上昇しています。Ryzen 9 9950X3Dの平均価格は約2万2,000円、Ryzen 9 9900X3Dは約2万5,000円、Ryzen 7 9700Xは約1万1,400円上がりました。単一店舗のセール終了だけでなく、市場全体で価格水準が切り上がったことがうかがえます。
世界市場に目を向けると、AIインフラ向けの需要拡大を背景にサーバーCPUの供給が逼迫しています。中国市場では一部のサーバーCPUが2026年初めから40%以上値上がりし、Intel製品では納期が最大6カ月に延びています。CPUだけでなく、メモリやネットワーク機器にも需要が波及しています。
サーバーCPUとデスクトップ向けRyzenは異なる製品ですが、半導体メーカーや製造ライン、部材、物流を含む調達環境が厳しくなっていることは、消費者向けCPUの価格を考えるうえでも無視しにくい要素です。
出典:Reuters(英語)Intel・AMDのサーバーCPU中国価格急騰に関する報道(2026年7月23日)
AMDや国内代理店から価格改定は公表されておらず、在庫変動なのか継続的な値上げなのかは分かっていません。1回の価格調査だけで、さらに数割上がると決めつけるのは早計です。
新製品Ryzen 7 7700X3Dの割高感は、2週間で解消した
今回の価格調査では、新しいゲーミングCPU「Ryzen 7 7700X3D」も6万3,980円で販売開始されました。
Ryzen 7 7700X3DはZen 4世代の8コア16スレッドCPUで、96MBのL3キャッシュとAMD 3D V-Cacheを搭載します。ベースクロックは4.0GHz、最大ブーストクロックは4.5GHz、TDPは120Wです。
問題は、上位モデルに当たるRyzen 7 7800X3Dが4万8,000円で販売されていることです。Ryzen 7 7800X3Dも8コア16スレッド、L3キャッシュ96MB、TDP 120Wという構成ですが、ベースクロックは4.2GHz、最大ブーストクロックは5.0GHzと、7700X3Dより高くなっています。
| CPU | コア/スレッド | 最大クロック | L3キャッシュ | 最安値 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 7 7700X3D | 8/16 | 4.5GHz | 96MB | 63,980円 |
| Ryzen 7 7800X3D | 8/16 | 5.0GHz | 96MB | 48,000円 |
| Ryzen 7 9800X3D | 8/16 | 5.2GHz | 96MB | 72,800円 |
7月後半の時点では、仕様上のクロックが高い7800X3Dより7700X3Dが1万5,980円高いという逆転が起きていました。新製品には発売直後の価格上乗せが生じることがあり、価格が7800X3Dを下回るまで様子を見るのが無難な状況でした。
7700X3Dは次回調査(7月25日〜8月1日)で1万8,180円安い4万5,800円まで下落しました。下落率は28.4%で、この期間のRyzenでは最大です。7800X3Dが4万8,000円で据え置かれたため、7700X3Dのほうが2,200円安いという本来の並びに戻っています。発売直後の上乗せが2週間ほどで剥がれた、という典型的な動きでした。
ただし、これは秋葉原の店頭調査の数字です。2026年8月14日時点の通販最安は5万8,000円で、7800X3Dの4万9,800円より高い状態でした。店頭の特価が通販まで波及しているとは限らないので、購入時は両方を見比べてください。この価格逆転現象については、7700X3Dと7800X3Dのベンチマーク結果まで踏み込んで検証した別記事も参照してください。
出典:AMD公式 Ryzen 7 7700X3D 製品情報 / AMD公式 Ryzen 7 7800X3D 製品情報
本命候補7800X3Dと9800X3Dの差は、8月に1万2,200円まで縮み、10月は2万円に戻った
ゲーム用途で最初に候補になるのはRyzen 7 7800X3Dですが、9800X3Dとの距離は7月後半から大きく変わりました。
7月後半の店頭調査では、9800X3Dが7万2,800円まで上がる一方で7800X3Dは4万8,000円に据え置かれ、両者の差は2万4,800円まで開いていました。この差なら7800X3D一択と言い切れます。ところが2026年8月14日時点の通販では、9800X3Dが6万2,000円、7800X3Dが4万9,800円で、差は1万2,200円。半分以下に縮んでいます。
9800X3DはZen 5世代で、最大ブーストクロックは5.2GHz。7800X3D(Zen 4・5.0GHz)に対して最低フレームレートの落ち込みが小さく、将来売却するときの価値も残りやすい世代です。差が2万4,800円あった7月後半は7800X3Dが明確に有利で、8月14日には1万2,200円まで縮みました。10月15日のドスパラ価格は54,800円と74,800円で、差は2万円に戻っています。差が1万円台前半まで縮んだときは、予算に余裕があれば9800X3Dを検討する価値があります。逆に少しでも安く抑えたいなら、7800X3Dの優位は変わりません。
7月後半の4万8,000円前後という7800X3Dの価格は、一部店舗の特価だった可能性があります。購入時には在庫と販売条件を確認してください。
一方、動画編集やレンダリングなどで多数のコアを使う作業が中心なら、ゲーム向けの7800X3Dより Ryzen 9 9900Xや9950Xが候補になります。9900Xは8月前半に6万2,800円まで下がりましたが、10月前半の店頭は77,360円(+7,080円)です。急ぎでなければ、次の調査まで様子を見る選択もあります。
低予算枠低予算枠のRyzen 5 9500Fは、7月の水準からは上がった
9500Fの最安値は、10月前半で36,182円(前回比+203円)です。7月・8月は2万7,800円で据え置かれていましたが、9月前半に36,153円へ上がりました。Zen 5世代の6コア12スレッドCPUで、最大ブーストクロックは5.0GHz、TDPは65Wです。CPUクーラーとしてWraith Stealthも付属します。
ただし、9500Fには内蔵GPUがなく、使用するには別途グラフィックボードが必要です。
9600の42,579円との差は約6,400円で、どちらもWraith Stealthクーラーが付属します。差が小さいので、同じ6コア12スレッドでもブースト上限が高い9600を選ぶ余地があります。
Intel動向乗り換えれば安くなるとは限らない
7月後半の調査では、AMDだけでなくIntelのCore Ultra 200S/200S Plusシリーズでも平均価格が上昇していました。
Core Ultra 7 265Kの最安値は一時的に4万5,980円へ下がったものの、平均価格は前回から1万1,416円高い5万9,196円となりました。Core Ultra 9 285Kの平均価格は10万7,490円、Core Ultra 5 245Kの最安値は9,010円高い4万3,500円でした。
一部店舗には例外的に安い在庫が残っているものの、多くのショップではCore Ultra 7 270K Plusが6万6,800円、265Kが6万2,500円、Core Ultra 5 250K Plusが4万5,800円前後で販売されていました。最上位のCore Ultra 9 285Kが12万円台となった例もありました。10月前半(9月26日〜10月10日)は最安値がほとんど動かず、Core Ultra 5 250K Plusが3,100円下がって38,580円になった程度です。
CPU単体の価格だけを見てAMDからIntelへ変更すると、マザーボードの買い直しによって総額が上がることもあります。既存環境をアップグレードする場合は、CPUだけでなくマザーボードやメモリを含めた合計金額で比較する必要があります。
完成品BTOゲーミングPCも値上がりする?
CPUの仕入れ価格が上がれば、Ryzen搭載BTOパソコンの価格にも影響する可能性があります。
ただし、BTOメーカーは一定量のCPUや部品を事前に確保しているため、店頭のCPU価格が上がった翌日に、すべての完成品が同じ割合で値上がりするわけではありません。
メーカーが保有する在庫、仕入れ契約、セール、構成変更などによって、影響が表れる時期は異なります。CPU価格が上がっても、旧価格で調達した在庫を使うモデルや、セール対象となっている完成品では、自作PCより安くなるケースも考えられます。
反対に、CPUだけでなくメモリやSSDも高い状態が続けば、BTO全体の価格は上がりやすくなります。
自作PCを組む前に、同等構成のBTO価格も比較したほうがよいでしょう。
おすすめ今買うならこのRyzen 2製品|7800X3Dと9500F
10月15日時点の通販では、ゲーム用途ならRyzen 7 7800X3D(ドスパラ54,800円)が価格と性能のバランスで最有力です。予算を抑えるなら、10月前半の上昇が小幅だったRyzen 5 9500Fが候補になります。9800X3Dとの差は2万円(通販価格どうし)に広がっているので、複数の購入先で最新の実売価格を確認したうえで判断してください。
※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
結論急騰は1回では終わらなかった、通販価格で比べて判断する
7月後半の値上がりは8月に一度戻りましたが、9月前半の一部反発に続き、10月前半にも主力モデルが再び上がりました。「急騰は1回で終わった」とは言えなくなり、8月に買い控えた人が得をしたとも限りません。
2026年10月15日時点の通販価格を前提にすると、用途別の判断は次のようになります。
10月前半の秋葉原店頭調査で、9600は+42.0%、9700Xは+29.6%、9800X3Dは+24.7%と上昇し、7月・8月の「戻した」流れは一巡しました。一方で、10月15日のドスパラ・ツクモの通販では、9700Xが47,800円、9600が41,833円と店頭の最安値より安いモデルもあります。上昇率の大きさに慌てるより、買うモデルを絞って通販と店頭の両方を見てください。
AM5のマザーボードとDDR5を持っているならCPUだけの交換、持っていないなら新規構築でDDR5を含めた総額、という順で考えます。BTOはCPU価格の上昇がすぐ全体に反映されるとは限らず、ツクモのG-GEAR GE7A-C261/B(Ryzen 7 9700X、RTX 5060 Ti 8GB、32GB、1TB SSD)は通常307,800円のところ、10月23日10時までの期間限定構成で279,800円と表示されています(メモリがDDR5-4800になる点など構成が異なるため、同一構成の値下げ幅ではありません)。記事中の価格は2026年10月15日時点で確認したものです。




