NTEがRTX 5090×DLSS 5で実写級に|背景だけリアルになりキャラは「フィギュア化」する理由を検証【2026年9月】
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出典:NVIDIA GeForce News「DLSS 5 Delivers AI-Powered Breakthrough In Visual Fidelity For Games」、NVIDIA GeForce News「DLSS 5: Neural Rendering Brings Lifelike Lighting to NBA 2K27」、NVIDIA GeForce News「NTE, Diablo IV: Lord of Hatred & Bus Bound Launch With DLSS」、PC Gamer「DLSS 5 can slash performance by up to 73% on an RTX 5080 gaming PC in NBA 2K27」、Tom’s Hardware「We tested DLSS 5 in NBA 2K27 with every RTX 50-series GPU」、Bilibili「5090异环dlss5展示,画面太震撼宛如现实,地平线6!」(投稿者:害羞的铅笔)、Bilibili「5090异环dlss5拉满后,二次元手办在街上逛街?太强了!」(同投稿者の続報)、NTE公式サイト「公平运营声明」、価格.com「チップ種類(NVIDIA):GeForce RTX 5090」商品一覧(いずれも2026年9月12日確認)。価格.comのRTX 5090一覧は取材時点の実勢データで、閲覧タイミングにより変動します。
『NTE(Neverness to Everness)』の街並みがRTX 5090とDLSS 5で「実写のように見える」映像が、中国の動画投稿サイトBilibiliを中心に拡散しています。Xでも「街並みが超リアルに」「二次元キャラクターが現実世界に迷い込んだよう」と紹介され、UE5で作られた都市と作画寄りのキャラクターとのギャップが話題になりました。
ただし元動画を確認すると、投稿日は2026年8月29日です。NVIDIAがDLSS 5を実際に配信し始めたのは2026年9月4日(米国時間9月3日)で、最初の対応タイトルは『NBA 2K27』でした。つまりBilibiliの映像は、DLSS 5が正式に世に出るより前に公開されています。NTE自体もNVIDIAの対応予定タイトルには挙がっているものの、2026年9月12日時点でDLSS 5に対応する正式アップデートはまだ配信されていません。
この記事では、投稿日の矛盾から見える「これは正式版の映像ではない」という事実関係、NTEの都市とDLSS 5の相性がなぜ良いのか、そしてRTX 5080の公式検証で判明した性能負荷の重さを整理したうえで、通常のNTEプレイヤーがRTX 5090を用意する必要があるのか、非公式な導入を試す価値があるのかという実用的な判断材料まで踏み込みます。
目次
動画話題のBilibili動画は投稿日から見て正式版ではない
拡散した動画のタイトルは「5090异环dlss5展示,画面太震撼宛如现实,地平线6!」(RTX 5090で『异环(NTE)』のDLSS 5を披露、画面が衝撃的なほど現実的で『Horizon』シリーズのよう、という意味)で、投稿者は「害羞的铅笔」という個人アカウントです。投稿日時は2026年8月29日で、都市部の道路やビル、車のガラスなどが強く反射する街並みが映されています。同じ投稿者は8月31日にも「5090异环dlss5拉满后,二次元手办在街上逛街?太强了!」(DLSS 5を最大まで適用したら二次元フィギュアが街を歩いているように見える、という内容)という続報を公開し、こちらもあわせて拡散しました。
ここで整理しておきたいのが日付の順序です。NVIDIAがDLSS 5を正式配信したのは2026年9月4日(米国時間では9月3日午後9時)で、最初にプレイできる対応タイトルは『NBA 2K27』でした。Bilibiliの動画はこれより約1週間早い8月29日の投稿です。つまりこの映像は、NVIDIAによるDLSS 5の正式リリースより前に世に出ており、NTEのゲーム内に正式実装されたDLSS 5設定を有効にした映像ではありません。
実際、2026年8月末は『NBA 2K27』の早期アクセス版からDLSS 5のニューラルレンダリング用DLLが見つかり、RenoDXコミュニティが数時間で他のゲームへ移植する実験が相次いだ時期でもあります(詳細はDLSS 5がNBA 2K27から流出し非公式MODでControlへ移植された経緯の記事で解説済みです)。Bilibiliの投稿者は動画の中でNTEへの具体的な導入方法を明らかにしていないため、同じ手法を使ったのか、別の非公式な実装なのかは特定できません。ただし公開されている情報の範囲では、NTEの公式機能として存在するDLSS 5をONにした映像ではなく、なんらかの非公式な先行実装による映像と見るのが妥当です。
対応状況NTEはDLSS 5対応予定タイトルだが正式実装はまだ先
NTEとDLSS 5がまったくの無関係というわけではありません。NVIDIAは2026年3月16日、GTC 2026でDLSS 5を発表した際、対応予定タイトルとして『NTE: Neverness to Everness』を公式に挙げています。開発元のHotta Studioも、CAPCOMやUbisoft、Bethesdaなどと並んでDLSS 5対応を表明したパブリッシャーの1社として名前が掲載されました。
一方、2026年9月12日時点でNTEに正式実装されているRTX機能は別物です。NVIDIAがNTEのグローバル配信開始(2026年4月28日、日本時間29日)にあわせて公開した記事によれば、NTEにはDLSS Super Resolution・DLSS Ray Reconstruction・DLSS Multi Frame Generation・パストレーシングが実装されており、NVIDIA Appを使えばDLSS 4.5 Super Resolutionへのアップグレードも可能です。DLSS 5やニューラルレンダリングについては、この記事では一切触れられていません。つまり「NTEはDLSS 5対応予定」と「NTEでDLSS 5が今すぐ使える」はまったく別の話で、正式なNTE向けDLSS 5アップデートが配信された際には、今回の非公式映像とは見た目や性能が変わる可能性があります。対応タイトル全体の状況はDLSS 5対応タイトル一覧の記事で随時更新しています。
仕組みなぜ背景だけ実写っぽく見えるのか
単純に解像感が上がっているわけではありません。DLSS 5の中核である3D-Guided Neural Renderingは、グラフィックスパイプラインの最終段階で動作するAI処理で、ゲームエンジンが描画したフレームの色情報とモーションベクトルを受け取り、その場でライティングとマテリアルの表現を作り直します。NVIDIAの説明によれば、この処理は間接光・被写体表面下の光の透過・髪や植物への光の当たり方・接触部分の影といった、リアルタイムレンダリングでは再現しづらい要素を追加できます。
興味深いのは学習と実行時で使う情報が違う点です。AIモデルの学習段階では、色情報だけでなく表面アルベドや法線マップ、深度、ラフネスといったゲームエンジン内部のGバッファ相当のデータも使ってキャラクターの見た目やシーンの意図を壊さないよう訓練されています。しかし実際にプレイヤーの画面で処理が走る実行時には、モデルが受け取るのは描画済みのカラーフレームとモーションベクトルだけで、3Dの正解データそのものは渡されません。学習時に「正しい素材の見え方」を覚えたAIが、実行時には2D情報だけからそれを推測して描き直している、というのがDLSS 5の実態です。都市を移動するゲームで、濡れた路面やガラス、金属の反射がまとめて「実写っぽく」変化して見えるのは、この推論がうまくはまった結果と考えられます。
相性NTEはDLSS 5の効果が出やすい条件をすでに持っている
NTEはもともとUnreal Engine 5を採用し、PC版はパストレーシングにも対応しています。NVIDIAは入力となるレンダリング結果の情報量が多いほど最終的な結果も良くなるという趣旨の説明をしており、レイトレーシングやパストレーシングによる豊富なライティング情報を土台にできるゲームほど、ニューラルレンダリングの効果が発揮されやすいとされています。NTEの都市には道路、車、ガラス張りのビル、看板、室内照明、濡れた路面など、光と素材の違いがはっきり出るオブジェクトが数多くあり、しかもベースの映像側ですでにパストレーシングで陰影が作り込まれています。話題の動画で建物や道路が実写映像に近づいて見えるのは、RTX 5090の描画性能の高さだけでなく、NTEの都市設計そのものがDLSS 5の得意分野と噛み合っている面が大きいと考えられます。
一方で、背景がリアルになるほど際立つのがアニメ調キャラクターとの落差です。同じ投稿者が8月31日に公開した続報では「DLSS 5を最大まで適用すると二次元のフィギュアが街を歩いているように見える」という趣旨のタイトルが付けられています。NTEはもともと、リアル寄りの都市の中へ意図的にアニメ調のキャラクターを配置する作品です。DLSS 5が道路や建物、ガラスを現実世界に近い方向へ変換すればするほど、背景とキャラクターの「リアリティの尺度」が離れていき、「アニメキャラが街を歩いている」画面から「実写の街に精巧なフィギュアが立っている」画面へと見え方が変化します。この違和感こそ、今回の映像が注目された大きな理由といえそうです。
調整正式版なら背景とキャラで効果を切り替えられる
この「キャラだけ浮く」問題は、正式なDLSS 5では開発者側である程度コントロールできる設計になっています。NVIDIAによれば、DLSS 5の開発者向け制御には、効果の強さを構造(Structure Intensity)と色調(Tone Intensity)に分けて調整するスライダー、キャラクターと環境を自動で見分けて適用度を変えるセマンティックAIマスキング、そしてガラスや水滴、植物といった特定の素材だけを切り出して調整できるエンジンレベルのマスキングが用意されています。複数のAIモデルを切り替えて使うことも可能です。
実際、最初の正式対応タイトルとなった『NBA 2K27』では、開発元のVisual Concepts がピクセル単位で細かく効果を調整できるマスク機能を使い、実在選手をスキャンした顔の造形は保ったまま、肌や髪、ユニフォームの質感だけをニューラルレンダリングで強化しています。NTEに正式なDLSS 5アップデートが来た場合、Hotta Studioが同じような仕組みを使い、都市や車には強めに、プレイアブルキャラクターには弱めに適用するというチューニングをする余地は十分にあります。今回話題になっている「実写の街を二次元フィギュアが歩く」映像は、NTE版DLSS 5の完成形というより、こうした開発者側の調整が入る前の状態を強く適用した実験に近いと見るのが自然です。
性能RTX 5080でも4Kで約73%低下という重さ
画質面以上に注意したいのが性能です。DLSS 5のニューラルレンダリングそのものは非常に重い処理で、フレーム生成のようにfpsを増やす技術ではありません。最初の正式対応タイトルである『NBA 2K27』でRTX 5080を使って検証された数値は次の通りです。
| 項目 | 1440p | 4K |
|---|---|---|
| 設定 | Ultra・レイトレーシングON | Ultra・レイトレーシングON |
| ネイティブ(DLSS 5 OFF) | 約230fps | 約183fps |
| DLSS 5 有効時 | 約93fps | 約49fps |
| フレームレート低下率 | 約59.6% | 約73% |
この数値はDLSS フレーム生成を併用せず、ニューラルレンダリング単体の負荷だけを見たものです。1440pでも半分近くまでフレームレートが落ち、4Kでは73%減という重さになります。RTX 50シリーズ全機種を対象にした別の横断検証でも同様の傾向が確認されており、NVIDIA自身が公式に4KでのDLSS 5利用を勧めているのはRTX 5080とRTX 5090の2枚だけです。1080pまで解像度を下げればRTX 5060でも平均60fps前後を確保でき、1440pで実用的な体験を狙うならRTX 5070が事実上の下限ライン、という位置づけになっています。
現実解NTEを遊ぶだけならRTX 5090は要らない
「NTEを遊ぶにはRTX 5090が必要」と受け取る必要はありません。当サイトはRTX 3060 12GB環境でNTEを実機検証しており、フルHDでは画質プリセット別に平均約71〜119fps、DLAAを使っても平均90fps前後で動作しています(詳細はRTX 3060でNTEは遊べるか実機検証した記事)。通常のNTEをプレイするだけなら、RTX 5090とはまったく異なる価格帯のGPUで十分に楽しめます。
RTX 5090が意味を持つのは、4K・最高画質・パストレーシング・そして将来的なDLSS 5ニューラルレンダリングまで重ねて「NTEで現在考えられる最高クラスの映像」を狙う場合に限られます。当サイトのRTX 5090購入ガイドでも指摘している通り、RTX 5090の価値が明確に出るのはAI推論・8K・業務用途などで、純粋なゲーミング用途であればRTX 5080でも十分以上という結論になっています(RTX 5090は本当に必要かを整理した記事)。今回の映像も、一般的なNTEの必要スペックを示すものではなく、最高峰GPUを使ったグラフィックス技術のデモに近いものと考えるべきです。
価格面でも補足が必要です。Xで拡散した際の要約には「RTX 5090は価格100万円超え」という紹介も見られましたが、2026年9月12日時点で価格.comに掲載されているRTX 5090は7モデルで、価格は約94万8,800円(MSI GeForce RTX 5090 32G VENTUS 3X OC)から約139万9,880円(Inno3D GeForce RTX 5090 X3)まで幅があります。つまり「必ず100万円を超える」わけではありませんが、最安値でも90万円台からという価格帯であることは確かです。今回のためだけにRTX 5090を用意するのは、価格の面でもかなり極端な選択です。
注意非公式導入はNTEでは特にリスクが高い
動画を見て自分の環境でも試したくなるかもしれませんが、NTEでは慎重になる必要があります。NTE公式は2026年2月6日付の「公平运营声明(公平運営声明)」で、ゲームの公平性を損なう一切の第三方(サードパーティ)ツールの使用を禁止しており、違反が確認されたアカウントには封号(アカウント停止)処分を行うと明記しています。この声明はグラフィックス系のMODと通常のチート行為を区別しておらず、見た目を変えるだけのツールだからといって対象外になるわけではありません。
今回のBilibili投稿者がどのような方法でDLSS 5をNTEへ適用したのかは、動画内で明らかにされていません。同時期には『NBA 2K27』から抽出されたDLSS 5用DLLをReShade経由で他のゲームへ組み込む非公式MODがコミュニティで広まっており、同種の手法である可能性はありますが特定はできません。NTEはすでにDLSS 5対応予定タイトルとして名前が挙がっているため、正式なアップデートを待たずにアカウント停止のリスクを取ってまで非公式版を試すメリットは大きくないというのが率直なところです。
読者の判断影響を受けるのは誰か、今どうすればいいか
今回の映像と関連する事実を踏まえると、多くのNTEプレイヤー・PCゲーマーが取るべき行動は明確です。
- 普段どおりNTEをプレイしている人。RTX 3060クラスでもフルHDなら平均70〜120fps前後で遊べており、今回の映像によって現状のプレイ環境が変わるわけではありません
- 今すぐRTX 50シリーズやRTX 5090を買う必要がある人はほぼいません。NTE向けのDLSS 5正式実装はまだ配信されていません
- NTEで非公式ツール・MODの類を導入していない人。アカウント停止のリスクを負う理由がありません
- RTX 50シリーズを所有していて、NTEのDLSS 5正式対応時期が気になる人(時期はNVIDIA・Hotta Studioとも未発表です)
- 他ゲームで非公式DLSS 5 MODを試している人。NTEについても同種の手法が使われた可能性がありますが、NTE公式は第三方ツールの使用を明確に禁止しており、同じ感覚で試すとアカウント停止のリスクを負います
- RTX 5090の購入を検討している人。今回の映像はグラフィックス技術のデモであり、通常のNTEプレイに必要な性能とは別物である点は踏まえておく必要があります
NTE向けにDLSS 5の正式アップデートが来た際にチェックすべきなのは、フレームレートの数字だけでなく、Hotta Studioが背景とキャラクターにそれぞれどの程度の強さでニューラルレンダリングを適用するかです。今回の非公式映像はパイプラインの最後に無理やり処理を挟んだ状態に近く、正式版では開発者側の調整によって見た目も負荷も変わる可能性があります。手元の環境を今から変える必要はなく、ドライバーとNVIDIA Appを最新に保ちながら、NTE側の公式発表を待つのが現実的な対応です。
FAQよくある質問
RTX 5090とDLSS 5を組み合わせた『NTE』の映像がBilibiliで拡散していますが、投稿日は2026年8月29日でDLSS 5の正式配信(9月4日)より前です。NTEはNVIDIAが対応予定タイトルとして公式に発表しているものの、2026年9月12日時点で正式なDLSS 5アップデートはまだ配信されておらず、今回の映像は非公式な先行実装による実験と見るのが妥当です。
背景だけが実写のように見えるのは、ゲーム内にすでにあるパストレーシングの豊富なライティング情報とDLSS 5のニューラルレンダリングが噛み合っているためで、正式版では開発者側の調整でキャラクターと背景の効果を切り分けられる設計になっています。一方でRTX 5080の公式検証でも4Kで約73%のフレームレート低下が確認されており、性能面の負担は軽くありません。
通常のNTEプレイヤーが今すぐ何かをする必要はありません。RTX 3060クラスでもフルHDなら快適に遊べており、非公式なDLSS 5導入はNTE公式が禁止する第三方ツールに該当し、アカウント停止のリスクを負います。RTX 5090の購入も、今回の映像のためだけであれば見送るのが賢明です。NTE向けのDLSS 5正式対応がいつ配信されるかは、Hotta Studioの発表を待って判断してください。



