DLSS 5がNBA 2K27から流出、非公式MODでControlへ移植しRTX 5070 TiでFPS50%減【2026年8月】
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RenoDXコミュニティが数時間で『Control』へ移植、RTX 5070 Ti・4Kでフレームレート約51%減
出典:TechSpot「Modders got Nvidia’s controversial DLSS 5 running early, and it’s a huge performance hit」、Wccftech「NVIDIA’s DLSS 5 Cracked Into Control Hours After Modders Found A Hidden DLL Inside NBA 2K27」、VideoCardz「Breaking: Modders unlock experimental NVIDIA DLSS 5 hours after DLL discovery」、VideoCardz「NVIDIA DLSS 5 Neural Rendering DLL found in NBA 2K27 early access build, file is 3x larger than DLSS 4」、DSOGaming「Modders Have Enabled NVIDIA DLSS 5 Mod in Control」、eTeknix「Nvidia DLSS 5 Leaked in NBA 2K27, Hinting at an Imminent Launch」、Nexus Mods「Control – RR and DLSS 5 – RenoDX」MODページ(いずれも2026年8月28日確認)。ベータファイルの解析とコミュニティによる検証・MOD実装の報告であり、NVIDIA・Visual Concepts・2K・Remedy Entertainmentいずれからも本件についての公式コメントは確認できていません。
NVIDIAが2026年3月に発表したDLSS 5のニューラルレンダリングは、対応タイトルが正式にそろうまで実際の挙動を確かめる手段がありませんでした。仕組みの説明を読んでも、自分のGPUでどの程度重い処理なのか、フレームレートにどれだけ影響するのかは想像するしかない状態が続いていました。
2026年8月26日に早期アクセスが始まった『NBA 2K27』のゲームファイルから、ニューラルレンダリング用とみられるDLLが見つかり、発見からわずか数時間後にはRenoDXコミュニティの開発者が『Control』へ組み込んで実際に動かして見せました。GeForce RTX 5070 Ti・RTX 5090それぞれの4K環境で計測されたフレームレートの数値も報告されています。
Neural Rendering自体の仕組みは別記事で解説済みのためここでは繰り返さず、この記事では今回初めて具体的な性能数値が明らかになった経緯、その数値をそのまま信じてよいのか、正式版までの間に手元で何をすればいいのかに絞って整理します。
目次
発見の経緯『NBA 2K27』早期アクセスビルドからNeural Rendering用DLLが見つかる
『NBA 2K27』はデラックス版・Ultra版の購入者に対し、2026年8月27日午前1時(日本時間)から最大9日間の早期アクセス権を付与しています。このビルドが配信された直後、ゲームファイルを調べていたユーザーによって、見慣れないDLLファイル「nvngx_dlssnr.dll」の存在が報告されました。Windows上のプロパティ表示では「NVIDIA DLSSNR Version 310.8.0.0」と識別されます。ファイル名に含まれる「NR」はNeural Renderingの略とみられ、ファイルの更新日時は2026年8月26日で、早期アクセス開始のタイミングとほぼ重なります。
このDLLが注目を集めた最大の理由はファイルサイズです。約158MBというサイズは、従来のDLSS Super Resolution用DLLの20〜50MB程度と比べて大幅に大きく、DLSS 4世代の中でも大きめのビルドと比べても約3倍にあたります。報告によると、ファイルの大部分はニューラルネットワークの学習済みウェイトが占めており、約1億4,800万のFP8パラメータが含まれているとされています。これまでDLSSの各機能がいずれも数十MB程度の軽量なモデルだったのに対し、Neural Renderingは桁違いに大きなAIモデルを積んでいることになります。
ここで誤解しやすいのは「流出」という言葉の意味です。NVIDIAのサーバーが外部から侵害されてファイルが盗み出されたわけではありません。市販されている(早期アクセス権を含めて正規に購入された)ゲームのビルドファイルの中に、まだ告知されていない機能のDLLが同梱されていて、それをユーザーがファイル解析によって見つけた、という経緯です。ゲーム内には現時点でNeural Renderingを有効にするUIや設定項目は存在せず、『NBA 2K27』自体も2026年8月28日時点でDLSS 5対応タイトルとしては発表されていません。またこのDLLはGeForce RTX 50シリーズのGPUでのみ動作する仕様になっており、RTX 20〜40シリーズでは今回の実験の対象になりません。
前提知識ニューラルレンダリングをひとことでおさらい
ニューラルレンダリング(Neural Rendering)は、DLSS 5でNVIDIAが導入するAI処理で、映像の一部をAIモデルが新たに描き直す技術です。従来のDLSSがピクセルを補完・生成する処理だったのに対し、Neural Renderingは反射やキャラクターの質感といった要素の描画そのものにAIが関与する点が大きな違いとされています。発表時のデモや技術的な仕組みはDLSS 5発表時の技術解説記事で詳しく取り上げていますので、基礎から確認したい場合はそちらを参照してください。
NVIDIAは開発者向けに、AI処理の対象を人物やオブジェクト単位で外せるマスキング機能や、処理の強さを段階的に調整できる強度スライダーも用意しています。この制御機能の詳細はDLSS 5の開発者向け制御を解説した記事で扱っており、今回『Control』の実験実装で確認された複数のスライダーや切り替え可能なスタイルも、この制御の仕組みを踏まえたものとみられます。
実装RenoDXコミュニティが数時間で『Control』へ移植
RenoDXは、ReShadeをベースにレイトレーシングやトーンマッピングの調整用MODを複数タイトルへ提供しているモディングコミュニティです。DLLの発見からわずか数時間後、RenoDXコミュニティの開発者Speedlemur氏が、抽出したnvngx_dlssnr.dllを『Control』のDX12実行ファイルに対しReShade経由で組み込み、Neural Renderingを実際に動作させることに成功したと報告しました。
現時点での実装はキャラクターモデルへの適用にとどまっており、主人公ジェシー・フェイデンのモデルを中心に検証が行われています。確認されている調整項目はTone Strength・Local Structure Strength・Skin Structure Strengthなど複数の強度スライダーで、これに加えて7種類のスタイルを切り替えられる状態になっています。スライダーを動かすと肌の質感や輪郭の描き方がリアルタイムに変化する様子が報告されており、開発者向け制御として用意されているマスキングや強度調整の仕組みが、そのままこの実験実装でも機能していることがうかがえます。HDRについては初期の検証時点で正常に動作せず、テストはSDR中心で行われました。
性能RTX 5070 Ti・RTX 5090で計測されたフレームレート
この実験実装を4K解像度でテストした結果、Neural Renderingを有効にするとフレームレートが大きく落ち込むことが確認されています。GPU別の数値は次の通りです。
| 項目 | RTX 5070 Ti | RTX 5090 |
|---|---|---|
| 解像度 | 4K | 4K |
| Neural Rendering無効時 | 約71fps | 約91fps |
| Neural Rendering有効時 | 約35fps | 約50fps |
| フレームレート低下率 | 約50.7% | 約45% |
どちらのGPUでもフレームレートがほぼ半減しており、現状の実装が「まだ実用段階ではない」ことがはっきり分かる数値です。低下率がRTX 5070 Tiのほうがやや大きく出ている点も見逃せません。Neural Renderingの処理コストはGPU世代によらずある程度固定的にかかるとみられ、ベースのフレームレートが低いモデルほど比率としての落ち込みが大きく出やすい、という見方ができます。
今回の実装は、Neural Renderingの処理をレンダリングパイプラインの後ろのほう(アップスケーリング後、場合によってはトーンマッピング後)に追加している可能性が指摘されています。ゲームエンジン側に正式に統合された場合とは処理を挟む位置が異なり、HDRが正常動作しない問題も、この処理位置の違いが一因とみられます。RenoDXの開発者自身も、これはNVIDIAが用意している完成形の統合ではないと説明しています。今回の数値は、あくまで非公式な実験実装をむりやり動かした際の参考値であり、NVIDIAが正式にゲームへ統合した際の性能を予測する材料としては扱えません。
MOD公開Nexus Modsで一般公開、ただしDLLは同梱されず
発見から数日後、Speedlemur氏は「Control – RR and DLSS 5 – RenoDX」と題したMODをNexus Modsで公開しました。公開版はReShadeの完全なアドオン対応を前提に、『Control』のDX12実行ファイルへ適用する形式です。MOD側でNeural Renderingにあたる機能は「Neural Uplift」と呼ばれており、これを使うにはGeForce RTX 50シリーズのGPUと、GeForceドライバー616.56以降が必須条件として明記されています。
注目すべきは、MOD本体にnvngx_dlssnr.dll自体は同梱されていない点です。利用者は別途このDLLを自分で用意する必要があり、これはNVIDIAの権利物であるファイルをMOD側が再配布できないためとみられます。DLLが同梱されない形式であること自体が、この実装がNVIDIAから正式に配布されたものではないことを裏付けています。HDRについては、公開版ではHDR表示自体は使えるようになったと案内されていますが、開発者は「現状のDLSS 5がSDR入力を前提にしているとみられるため、HDR対応は一種の回避策」と説明しています。内部的にはHDR映像をいったんSDR相当に変換してから処理している可能性が高く、正式にHDR向けへ最適化された処理ではないとみられます。
nvngx_dlssnr.dllはNVIDIAが公式に検証・配布したファイルではなく、ゲームのインストールフォルダから抽出されたものです。改ざんされたファイルが紛れ込むリスクや、ドライバー・OSの動作が不安定になるリスクを完全には排除できません。現状のパフォーマンスもフレームレートが半減する水準で、実用性はほとんどありません。試すこと自体を止める立場にはありませんが、公式サポート対象外の操作である点は理解した上で、あくまで自己責任で判断してください。
波及他タイトルでも同様の実験が広がる
『NBA 2K27』から抽出されたDLLを使った同種の検証は、『Control』以外のタイトルにも広がっています。『A Hat in Time』でもキャラクターモデルへNeural Renderingを適用した実験が報告されており、2026年8月28日には『Kingdom Come: Deliverance II』やスカイリムでも動作検証が始まったと報告されています。いずれも同じDLLを使った非公式なコミュニティ実装の域を出ておらず、公式対応が発表されたわけではありません。
正式版NVIDIAは2026年秋に投入予定、対応タイトルは既に発表済み
NVIDIAは2026年秋にDLSS 5を正式投入する予定で、アサシンクリード シャドウズ・バイオハザード レクイエム・Starfield・ホグワーツレガシー・The Elder Scrolls IV: Oblivion Remasteredなどの対応が既に発表されています。対応タイトルの最新一覧はDLSS 5対応タイトル一覧の記事で管理していますので、そちらを確認してください。『NBA 2K27』はDLLが見つかったものの、2026年8月28日時点でこの対応タイトルリストには含まれていません。
なお、DLSS 5は発表直後にNeural Renderingの処理でキャラクターの顔つきが変わって見えるという指摘を受け、批判が起きた経緯もあります。詳しい経緯はDLSS 5の炎上騒動を扱った記事で取り上げています。
読者の判断影響を受けるのは誰か、いま何をすればいいか
今回の発見と実験結果を踏まえて、多くのPCゲーマーが取るべき行動は明快です。
- ほとんどのプレイヤーが該当します。GPUの買い替えは不要で、今回のDLLやMODを自分で導入する必要もありません
- 正式版はNVIDIAアプリ・ドライバー経由の更新で2026年秋に自動的に届く見込みです
- 『NBA 2K27』を早期アクセス・製品版で遊んでいても、今回の発見によって何かが変わるわけではありません
- GeForce RTX 50シリーズを所有していて、秋の大型タイトルを4Kで遊ぶ予定がある人(今回のDLLが動作するのはRTX 50シリーズのみです)
- 正式版のパフォーマンスコストがどの程度になるか気になる人(ただし今回の数値をそのまま目安にはできません)
- MODコミュニティの動向を追っている人(現状は非公式・不安定な段階です)
正式版が投入された後にチェックすべきなのは、フレームレートの数字だけでなく、映像の質感がどう変わったかです。今回の実験値はパイプラインの後ろに無理やり処理を挟んだ状態での参考値であり、NVIDIAがエンジンへ正式に統合した際には最適化が進み、負荷が今回よりも軽くなる可能性があります。逆に、映像品質を優先した重い処理のままリリースされる可能性もあり、現時点でどちらとも断定できません。手元のGPUを今から変える必要はなく、ドライバーとNVIDIAアプリを最新に保ちながら、秋の正式発表を待つのが現実的な対応です。
FAQよくある質問
総括まとめ|非公式の実験値、いま買い替えや導入をする段階ではない
『NBA 2K27』の早期アクセスビルドから見つかったnvngx_dlssnr.dll(158MB・Ver.310.8.0.0)は、DLSS 5のNeural Rendering用とみられるファイルです。発見から数時間後にはRenoDXコミュニティの開発者Speedlemur氏が『Control』の主人公ジェシー・フェイデンのモデルへ組み込み、実際に動作させることに成功しました。
GeForce RTX 5070 Ti・4K環境で約71fpsから約35fpsへ(約50.7%減)、RTX 5090・4K環境で約91fpsから約50fpsへ(約45%減)という数値が複数の検証で確認されていますが、これは処理位置の異なる非公式な実験実装での参考値であり、DLSS 5正式版の性能として扱うべきではありません。数日後にはNexus Modsで一般公開されたものの、DLL自体は同梱されておらず、動作にはRTX 50シリーズとドライバー616.56以降が必須という制約付きです。
一般のPCゲーマーが今すぐ何かをする必要はありません。GPUの買い替えも、このMODやDLLを自分で導入することも不要です。NVIDIAは2026年秋にDLSS 5を正式投入する予定で、対応はNVIDIAアプリ・ドライバーの更新を通じて自動的に届く見込みです。手元の環境でできる準備は、ドライバーを最新に保ちながら正式発表を待つことに尽きます。




