ローグライトMMORPG『Soulbound: Online』は賛否両論|ワイプ方針撤回と、不評の46%が20時間超という内訳
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ローグライト×MMORPGの新作、正式版でのワイプ方針は撤回された
SpiderWareは2026年7月21日、PC向けアクションMMORPG「Soulbound: Online」の早期アクセス版をSteamでリリースしました。本作は、ピクセルアートで描かれたMMORPGの世界に、敵の大群を次々と倒す「Bullet Heaven」系の戦闘とローグライト要素を組み合わせた作品です。
ソロまたは最大3人で挑戦できるダンジョンだけでなく、大人数向けレイド、農業、釣り、採集、装備製作、取引、ハウジングなども用意されています。発売記念セールは終了し、2026年8月12日時点のSteam価格は通常の1,900円です。
配信から3週間が経過し、評価も見えてきました。Steamのレビューは495件で「賛否両論」。本記事では、この評価の内訳と、8月7日に発表された正式版でのワイプ方針の撤回、ローンチ直後のサーバー障害とその後のパッチ状況を中心に、ゲームシステムや前身作品からの経緯、動作環境まで整理します。
目次
評価495件で賛否両論、不評の半数近くは20時間超のプレイヤー
Steam公式のレビュー集計を確認したところ、2026年8月12日時点で495件のレビューが寄せられていました。内訳は好評280件・不評215件で、好評率は57%。Steam上の評価区分は「賛否両論」です。日本語のレビューは5件(推奨1件・非推奨4件)と、まだ傾向を読める数ではありません。
早期アクセス開始直後には、開発元の前身プロジェクトがWeb3・NFT系だったことを理由にした投稿も相次ぎました。ただし、それだけで「賛否両論」になっているわけではありません。直近の不評レビュー100件についてプレイ時間を集計すると、次のような分布になります。
| プレイ時間 | 不評レビュー100件中 | 比率 |
|---|---|---|
| 1時間未満 | 18件 | 18% |
| 1〜5時間 | 21件 | 21% |
| 5〜20時間 | 15件 | 15% |
| 20時間以上 | 46件 | 46% |
中央値は11.1時間で、不評レビューの46%は20時間以上プレイした人が書いたものです。開発元の経歴だけを理由に短時間で低評価をつけた投稿も一定数ありますが、その一方で、腰を据えて遊んだうえで不満を残している層のほうが多いという構図になっています。
長時間プレイ層の不評で繰り返し挙がっているのは、次のような点です。
- クラフトや強化に現実時間の待ちが必要。低位の装備素材を作るのに数時間かかるといった指摘が多く、スマートフォン向けゲームの時間制限に近いという声が出ています
- 周回の中身が単調。ダンジョンのローグライト部分そのものは他作品と大きく変わらず、装備集めの繰り返しに飽きるという指摘があります
- サーバーのラグと接続の不安定さ。ローンチ直後だけでなく、その後もたびたび挙げられています
- 正式版でのワイプ予定。数十時間かけた進行度が消えるなら課金する意味がない、という不満が目立ちました
このうち、クラフトの待ち時間とワイプについては、後述する8月7日のアップデートで方針が変わっています。
レビュー件数・内訳・プレイ時間分布:Steam公式のレビュー集計を2026年8月12日に取得し、直近の不評レビュー100件のプレイ時間を集計したものです。
方針転換正式版でのワイプ撤回と、ローンチ直後のサーバー障害
開発元は8月7日のアップデート告知で、正式版(1.0)到達時にプレイ進行度をリセットする当初の計画を撤回しました。早期アクセス開始前には「1.0では全員が同じ位置から再スタートする」と告知していましたが、Discordやフォーラム、レビューでの反発を受けて方針を改めた形です。
開発元は「2週間あまりで50〜100時間を費やしている人が多く、それを手放してもらうのは正しくない。最初の判断は見落としだった」として謝罪しました。早期アクセス中に作成したキャラクター、進行度、アイテム、コスメティック、実績はいずれも1.0で初期化されません。いま買って育て始めても無駄にはならない、という点は購入判断に直結します。
同じアップデートでは、不評レビューでも指摘の多かったクラフト・強化の待ち時間が大幅に短縮され、どの強化も1日を超えないよう調整されました。ダンジョン部分も内部的に作り直され、開発元のベンチマークではCore i5-10400FとGeForce GTX 1650、メモリ16GBという最低動作環境相当の構成でフレームレートが約30%向上したとしています。あわせてデイリーのライブイベントが実装され、コスメティックやペット、マウントを集められるようになりました。
さかのぼると、ローンチ直後は決して順調ではありませんでした。開発元は7月23日の告知で、サーバー環境ごとの収容人数を制限するバグによって用意した容量が大幅に不足していたことを認めています。対応としてプレイヤー向けの環境を6つ追加し、各環境の収容人数も引き上げました。アイテムが消失する不具合や、キャラクターがその場から動けなくなる不具合も報告され、実績システムは深刻な問題が見つかったため一時的に無効化されています。
その後は7月28日、30日、31日、そして8月7日と、ほぼ週次のペースで修正が続いています。
アップデート内容:Steam公式の開発元告知8月7日「Patch 2 – No Wipe, Dungeon Improvements and Live Events」と7月23日「Hotfix 2 – Servers, Roadmap & Patch Notes」を2026年8月12日に確認。
ゲーム概要MMOの世界とローグライトダンジョンを組み合わせた新作
『Soulbound: Online』の大きな特徴は、MMORPGとしての共有世界と、プレイするたびに内容が変化するインスタンスダンジョンを組み合わせていることです。
ダンジョンでは、敵の出現パターンや危険物、戦利品などがプレイごとに変化します。大量の敵が押し寄せるなかで攻撃や能力を組み合わせて戦う、いわゆる『Vampire Survivors』系に近い全方位アクションが採用されています。
ダンジョンはソロプレイに加え、最大3人でのオンライン協力プレイに対応。さらに、5人以上で挑む大人数レイドも用意されています。
一方、ダンジョンの外には多数のプレイヤーが行き交う共有オーバーワールドが広がっています。こちらではクエストを進めるだけでなく、農業、釣り、採集、料理、クラフト、アイテム取引といったMMORPGらしい生活要素を楽しめます。
ダンジョンで装備や素材を集め、オーバーワールドで装備製作や拠点強化を進め、再び難しいダンジョンに挑むというサイクルが本作の基本となります。
クラスレス方式タンクやヒーラーにも自由に切り替えられる成長システム
キャラクターの成長には、固定された職業を選択する一般的なMMORPGとは異なる「クラスレス方式」が採用されています。
装備やアビリティを変更することで、タンク、ヒーラー、DPS、複数の役割を組み合わせたハイブリッドなど、さまざまな構成を試すことができます。
Steamストアによると、早期アクセス開始時点で10種類以上のアビリティと、200種類以上の強化可能なレリックツリーが実装されています。例えば、魔法使いの火球に連鎖する雷攻撃を追加したり、バーサーカーのハンマー攻撃にライフスティールを組み合わせたりと、能力同士の相乗効果を利用したビルド構築が可能です。
ダンジョン内では複数の候補から強化を選ぶローグライト形式でキャラクターを成長させますが、拠点や装備などにはプレイをまたいで引き継がれる永続的な成長要素もあります。毎回異なるビルドを試すローグライトのランダム性と、長期間キャラクターを育てるMMORPGの成長要素を両立した設計です。
ハウジング自分専用の拠点で農業やクラフトも可能
すべてのプレイヤーには、自分専用の拠点が用意されています。
拠点にはクラフト用の設備を設置でき、ダンジョンで入手した素材から武器や防具、ポーション、料理などを製作できます。設備をアップグレードすると、さらに上位の装備やアイテムが解放されるため、拠点の発展もキャラクター育成に直結します。
家具やトロフィーを配置できるほか、部屋のレイアウトを変更するエディターも実装。フレンドを自分の拠点へ招待することも可能です。
また、装備の性能とは別に外見専用のコスメティックスロットが用意されています。強い装備を使用しながら、見た目は好きな衣装に変更できる仕組みです。


前身作品ブラウザ・Discordで展開された『WorldWideWebb』が原点
『Soulbound: Online』の前身にあたる作品は、ブラウザやDiscord上で展開されていた『WorldWideWebb』です。
同作はもともとWeb3やNFTを取り入れたゲームとしてスタートしましたが、2024年に『Soulbound』へ改名。その後、ゲーム部分を強化しながら展開を続け、ブラウザ版とDiscord版では100万人以上のプレイヤーを獲得したとされています。
Steam版は単なる移植ではなく、戦闘システム、協力プレイ、ダンジョン、クラフト、拠点構築などを再構成した新たなバージョンとして展開されています。
Steam版のウィッシュリスト登録数も急速に伸びており、2026年6月中旬には5万件、7月12日には12万件に到達したことが公式サイトで発表されています。
収益化方針基本プレイ無料ではなく買い切り方式を採用
『Soulbound: Online』は基本プレイ無料ではなく、ゲーム本編を購入する買い切り方式です。
開発元は本作について、プレイヤーが料金を支払うことで戦闘力を獲得する「Pay to Win」方式にはしない方針を示しています。
一方で、早期アクセス開始後にはコスメティックストアの実装が予定されています。販売対象はキャラクターの外見、家具、エモート、ペットなどで、ゲーム内で直接的な強さを得る商品ではありません。
Steamストアでは、早期アクセス中と正式リリース後で基本価格を変更する予定はないと説明されています。ただし、収益化の詳細についてはコミュニティと協議しながら検討を続けるとしており、コスメティックストアに加えて、プレミアムサブスクリプションの導入も検討していることが明らかにされています。いずれの方式についても、Pay to Winにはしない方針が繰り返し強調されています。
早期アクセス計画期間は12〜18カ月、レベル上限はまず99まで拡張
開発元は、早期アクセス期間を約12〜18カ月と見込んでいます。
現在のバージョンではレベル50までのコンテンツが実装されており、正式版では上限をレベル99まで拡張する予定です。現時点ではレイドが1種類、手作業で制作されたクエストが50本以上収録されています。正式版では複数のレイドを追加し、クエスト数も現在の2倍以上に増やす計画です。新たなエリア、ストーリー、登場人物、生活スキル、装備、ビルドの選択肢なども順次追加されます。
早期アクセス開始後のロードマップには、MMORPGとしての機能を拡張する多数のアップデートが掲載されています。比較的早い段階で実装予定となっているのは、プレイヤー同士でアイテムを売買できるオークションハウス、ギルド、共有ギルド拠点、部分的なコントローラー対応などです。
その後は、新レイドボス「Mecha Titan」、日本語を含む多言語対応、エンドレスダンジョン、銃系武器、高難度ダンジョン、季節イベントなどが追加される予定です。2027年には大型ストーリー拡張、Lunar Cityエリア、Mac版、Steam Deck正式対応も計画されています。
なお当初は、正式版へ移行する際にプレイ進行度をリセットする計画でしたが、この方針は8月7日に撤回されています。早期アクセス中に育てたキャラクターはそのまま1.0以降へ引き継がれます。
ロードマップに挙げられた機能のうち、オークションハウス、コントローラー対応、日本語を含む多言語対応は、2026年8月12日時点でいずれもまだ実装されていません。ロードマップの内容や実装時期は開発状況によって変更される可能性があります。
ローカライズ日本語対応は3週間経っても未実装
2026年8月12日時点でも、Steamストアに記載されている対応言語は英語のみです。早期アクセス開始から3週間が経ちましたが、日本語インターフェースや日本語字幕にはまだ対応していません。
ただし、公式ロードマップでは、日本語、スペイン語、フランス語、ブラジルポルトガル語を優先して追加する方針が発表されています。第1段階ではUIと会話文を翻訳し、その後、追加言語を順次展開する予定です。日本語音声を含むローカライズ音声についても、将来的な追加が示されています。
日本のプレイヤーにとっては、日本語対応の実施時期が購入を判断するうえで重要になりそうです。実装時期は8月12日時点で公表されていません。
動作環境推奨スペックは意外に高め
ピクセルアート作品ではあるものの、推奨動作環境としてGeForce RTX 3060 TiまたはRadeon RX 6700 XTが指定されています。
| 項目 | 最低動作環境 | 推奨動作環境 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64-bit | Windows 10 64-bit |
| CPU | Core i5-10400F/Ryzen 5 3600 | Core i7-12700/Ryzen 7 5800X |
| メモリ | 4GB | 16GB |
| GPU | GeForce GTX 1650/Radeon RX 570 | GeForce RTX 3060 Ti/Radeon RX 6700 XT |
| ストレージ | 800MB | 800MB |
最低環境と推奨環境の差が大きく、特に推奨CPUとGPUはピクセルアート作品としては高めです。大人数が接続する共有オーバーワールドや、大量の敵とエフェクトが表示されるダンジョンを考慮したスペックとみられます。
ただし、この要求水準は今後下がる可能性があります。開発元は8月7日のアップデートでダンジョン部分を作り直しており、最低動作環境に近いCore i5-10400FとGeForce GTX 1650、メモリ16GBの環境でフレームレートが約30%向上したと説明しています。カクつきの軽減やヒット判定の精度改善も同時に行われたとしており、最適化は継続中とのことです。
総括ローグライト好きにもMMORPG好きにも刺さるが、待ち時間の設計が評価を分ける
『Soulbound: Online』は、短時間で繰り返し遊べるローグライトダンジョンと、長期的なキャラクター育成や生活要素を楽しむMMORPGを融合した意欲的な作品です。
ダンジョンだけを短時間遊ぶことも、農業やクラフト、取引、拠点作りに時間をかけることもできるため、プレイヤーによって異なる遊び方ができそうです。一方で、Steamの評価は495件で「賛否両論」にとどまっており、その不評の半数近くは20時間以上プレイした層から出ています。争点は主に、クラフトや強化に現実時間の待ちを課す設計と、周回の単調さです。
『Vampire Survivors』系のアクションや、自由なビルド構築、MMORPGの生活コンテンツに興味があるなら、追いかける価値のあるタイトルです。8月7日に正式版でのワイプ方針が撤回され、いま育てたキャラクターが無駄にならなくなった点は、購入判断を後押しする材料になります。クラフトの待ち時間も同じアップデートで大幅に短縮されました。
ただし、2026年8月12日時点で日本語には対応しておらず、実装時期も公表されていません。オークションハウスやコントローラー対応も未実装です。価格は発売記念セールが終わり通常の1,900円に戻っています。英語で遊べること、そして開発途上の作品であることを前提に判断してください。



