RTX 5090がマザーボード8枚と抱き合わせ?台湾PChomeの異例なセット掲載を解説
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台湾PChomeの異例なセット掲載が映す、いまのGPU市場
台湾の大手EC「PChome 24h」で、GIGABYTE AORUS GeForce RTX 5090 MASTER 32Gに、マザーボード8枚と1000W電源を組み合わせたセットが確認されました。価格は24万1,290台湾ドル。GPUを1枚買うだけのはずが、Intel向けとAMD向けを含む複数世代の基板が一気に届く、個人向けとしては極めて不自然な構成です。
これは「マザーボード8枚を無料でもらえる」話ではありません。セット全体に高い価格が付けられており、日本で買える商品でもありません。しかも、Intel向けとAMD向けが混在する8枚の基板は、1台のPCでは使い切れません。欲しいRTX 5090を買うために、不要な部品の保管・売却まで買い手へ引き受けさせる点に、このセットの問題があります。
目次
ニュースRTX 5090に「PC数台分」の部品を付けたセットが並ぶ
海外メディアのTom’s Hardwareは2026年8月8日、PChome 24hに掲載された4種類の異例なRTX 5090セットを報道しました。いずれも台湾ドル建てで、米ドル換算は同誌が1米ドル=32.25台湾ドルとして算出した参考値です。地域ごとに税・流通・保証が異なるため、米国の単品価格と単純に優劣を決める比較ではありません。
| セット | 価格・主な同梱品 | 何が異例か |
|---|---|---|
| GIGABYTE RTX 5090 MASTER | 24万1,290台湾ドル(約7,482ドル)。RTX 5090×1、B860M×2、X870E×1、B850M×5、1000W電源×1。 | マザーボードが合計8枚。Intel向けとAMD向けが混在し、1台のPCには使い切れない。 |
| MSI RTX 5090 GAMING TRIO OC | 27万4,090台湾ドル(約8,499ドル)。RTX 5090×1、X870E×3、B650M×2、Ryzen 9 9950X3D×1。 | CPUを含めても、基板は5枚。複数台のPCを組める量を一括にしている。 |
| ASUS ROG Astral RTX 5090 | 24万8,990台湾ドル(約7,721ドル)。RTX 5090×1、Radeon RX 9060 XT×4。 | 基板ではなく、別クラスのGPUを4枚同梱する構成。 |
| GIGABYTE RTX 5090 AI BOX | 26万7,090台湾ドル(約8,282ドル)。外付けRTX 5090×1、X870E×1、RTX 5060×2、B850M×3。 | 外付けGPUを起点に、GPU・マザーボードをまとめて複数台分にしている。 |
注記:4セットの価格・内訳はTom’s Hardwareの報道にもとづきます。次節のGIGABYTEセットのみ、PChomeの商品ページで直接確認しています。
現物確認8枚セットはPChomeの商品ページでも内訳を確認できる
GIGABYTEのセットについては、PChomeの商品ページに「AORUS RTX 5090 MASTER 32G+B860M/X870/B850Mマザーボード+プラチナ電源」として掲載されています。内訳はRTX 5090 MASTERが1枚、B860M GAMING X WIFI6Eが2枚、X870E AORUS MASTERが1枚、B850M FORCE WIFI6E V2が5枚、1000W電源が1台です。
つまりマザーボードは2+1+5で合計8枚です。Intel用B860MとAMD用X870E・B850Mが同じ箱に入るため、購入者が1台の自作PCで全てを使うことはできません。記事執筆時に確認した同ページは「入荷通知」の表示で、セットの掲載・価格と即時購入可能な在庫は分けて考える必要があります。
一次情報:PChome 24h 商品ページ(2026年8月9日確認)
構図これは「GPUがお買い得」の話ではなく、抱き合わせでRTX 5090を売る構図
この掲載だけで、PChomeがRTX 5090の単体販売を一切行っていないとは言えません。しかし、少なくともこの商品ページでRTX 5090を選ぶには、複数台分の不要な部品をセットで受け入れる必要があります。消費者目線ではかなり強引な売り方です。「余りも処分できる」と考える場合でも、手数料・配送・動作確認・保証の切り分けを含め、不要品が1円で売れなくても納得できるかを基準にするべきです。
背景GPU値上がりと同じ時期に現れた、部品流通のちぐはぐさ
このセット自体がAI需要やGDDR7価格の上昇によって生まれた、と証明する資料はありません。ただし、GPU価格が広い地域で上昇している時期に現れたことは重要です。NVIDIAのRTX 5090は32GB GDDR7を搭載する最上位GPUで、NVIDIAの公式ストア表示では発売時MSRPが1,999ドルです。
日本ではCFD販売が、GIGABYTE製VGAについて2026年8月1日受注分から価格改定を予定し、対象製品は現行価格比で約120〜140%になる見込みと案内しました。これは台湾のセット販売の原因を直接示すものではありませんが、GPUを単体で選べる市場が当たり前ではなくなりつつあるという空気を補強します。
出典:NVIDIA RTX 5090公式ストア情報・CFDの価格改定を報じたTom’s Hardware
日本の購入判断国内ユーザーが受け取るべき教訓は「抱き合わせを探す」ことではない
今回のPChomeセットは台湾向けで、日本の販売店に同じ施策があることを示すものではありません。むしろ、RTX 5090を検討する国内ユーザーは、単体GPUの価格だけで結論を出さず、完成品BTOも含めて比較するほうが現実的です。GPUをまとまった数量で調達するBTOメーカーでは、単体と完成品の価格差が異常に縮むことがあります。
| 状況 | 先に見ること | 避けたい判断 |
|---|---|---|
| RTX 5090が必要な制作・AI用途 | 必要VRAM、CUDA環境、電源・ケース・冷却を含む総額。BTO完成品も同条件で比べる。 | 「同梱品が多いから得」と、不要な部品の売却額を満額で見込むこと。 |
| 4Kゲームが主目的 | 遊ぶゲームの実フレームレートと、RTX 5080・RTX 5070 Tiとの体感差。 | 価格高騰を理由に、本来不要な最上位GPUへ飛び付くこと。 |
| 価格が下がるまで待ちたい | 国内の在庫・実売と、必要な時期。短期でMSRPに戻る保証はない。 | 海外の一つのセットを、日本の将来価格を示す確定材料として扱うこと。 |
国内での単体GPUとBTOの逆転現象、GPU価格上昇の動きは別記事で継続して追跡しています。今回のニュースは「RTX 5090が売れ残った」という証拠ではありません。むしろ、欲しいGPUを購入の入口にして、買い手へ別部品の負担を移せるほど供給側が強いことを示す一例として読むのが妥当です。
FAQRTX 5090のマザーボード抱き合わせについてよくある質問
まとめ8枚の基板は、RTX 5090を買う条件にされた負担だ
台湾PChomeでは、RTX 5090 MASTERにマザーボード8枚と1000W電源を付けた24万1,290台湾ドルのセットが確認されました。複数台分、しかもIntel向け・AMD向けが混在する部品を引き受けて初めてRTX 5090を選べる構成は、普通の自作PCユーザーにとって合理的とは言えません。
PChomeやメーカーがこの組み合わせを用意した理由は公表されていないため、在庫処分や供給契約の事情までは断定できません。それでも購入者に起きることは明確です。欲しいRTX 5090に、不要な基板・電源の保管や売却リスクを上乗せする、抱き合わせに近い販売条件です。日本では話題性のある海外セットを追うより、必要な用途を定め、単体・BTO・代替GPUの総額を冷静に比べるべきです。



