NVIDIA Reflex 2(Frame Warp)はなぜ未配信のままなのか|CES 2025発表から18ヶ月、遅延の背景を考察
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CES 2025発表から18ヶ月、公式サイトは今も「Coming Soon」の表示のまま
「Reflex 2」や「Frame Warp」という単語を、GPU関連のレビューやニュース記事で見かけたことがある方は多いはずです。NVIDIAが2025年1月のCES 2025で発表してから1年半が過ぎ、もう実際に使える機能だと思い込んでいる方もいるかもしれません。
しかし、NVIDIA公式のReflex技術ページを確認すると、2026年7月28日時点でもFrame Warpは「Coming Soon」の表示のままです。本記事では、CES 2025発表時にNVIDIAが公表した具体的な数値、モッダーが独自に作成した非公式デモが示した挙動、そして未配信が続く技術的な背景を整理します。
紛らわしいのは、Reflex 2のベースになっている通常のNVIDIA Reflex(Low Latency Mode)自体は、既に多数のゲームで有効化できることです。CES 2025で公表された数値だけを見て、Reflex 2やFrame Warpをすでに使える機能として紹介している解説も見られます。
目次
配信状況NVIDIA Reflex 2は2026年7月28日時点でも未配信のまま
NVIDIA公式のReflex技術ページには、2026年7月28日時点で「Reflex 2 introduces Frame Warp (coming soon!)」という記述があります。CES 2025での発表からおよそ18ヶ月が経った今も、Frame Warpは一般ユーザー向けに配信されていません。
NVIDIAは2025年1月、CES 2025のプレスカンファレンスでReflex 2とFrame Warpを発表しました。対応第1弾のタイトルとして名前が挙がったのは『THE FINALS』と『VALORANT』の2本です。
調べたところ、2026年7月28日時点でこの2本のどちらにも、一般ユーザーが利用できる公開版のReflex 2実装は確認されていません。配信時期についての公式なアナウンスも出ていない状態です。
仕組み既存のReflexと何が違うのか|Low Latency ModeとFrame Warpの関係
「Reflex」という名前がつく機能には、実は2つの段階があります。混同を防ぐため、まず整理します。
| 技術 | 現在の状況 |
|---|---|
| NVIDIA Reflex Low Latency Mode | 既に多数のゲームで利用可能。GPUとCPUの処理タイミングを同期し、レンダーキューの滞留を減らして遅延を抑える |
| NVIDIA Reflex 2 Frame Warp | 2025年1月のCES 2025で発表。表示直前に最新の入力へ映像を書き換える追加レイヤーだが、2026年7月28日時点で一般提供は始まっていない |
つまり、GPUレビューや設定ガイドで見かける「Reflexをオンにする」という説明の多くは、既に使える通常のReflex(Low Latency Mode)を指しています。Reflex 2やFrame Warpは、その上に追加される新しいレイヤーという位置づけです。
動作原理Frame Warpは表示直前の映像を最新の入力へ書き換える技術
NVIDIA公式の説明によると、Frame Warpの処理は次の流れになります。
- GPUが1枚のフレームを描画する
- そのフレームが画面へ送られる直前に、Frame Warpが直近のマウス入力(視点移動)を取得する
- 取得した入力に合わせて、描画済みのフレームの見た目を書き換えてから表示する
マウスを動かしてから画面に反映されるまでの間、GPUは新しいフレームを一から描き直す必要がありません。既に描画済みの映像を最新の入力へ合わせて微調整するだけなので、フレームレートを保ったまま体感の遅延を縮められるというのがNVIDIAの説明です。
Frame Warpは、GeForce RTX 50シリーズでの提供を優先し、他のRTX世代への対応は今後のアップデートで追加するとNVIDIAは説明しています。対応第1弾のタイトルは前述のとおり『THE FINALS』と『VALORANT』の2本です。
※Frame Warpの仕組みと対応方針は、NVIDIA公式ブログで確認できます。
数値検証THE FINALSで75%、VALORANTで3ミリ秒未満——CES 2025発表の数値を確認する
NVIDIAがCES 2025で公表した代表的な検証環境が『THE FINALS』です。GeForce RTX 5070を使い、4K解像度・最高画質・グローバルイルミネーション有効という設定で計測されています。
| 検証パターン | システムレイテンシ |
|---|---|
| Reflexオフ | 56ms |
| Reflex(Low Latency Mode)有効 | 27ms |
| Reflex 2(Frame Warp)有効 | 14ms |
Reflexオフの56msから、Reflex 2(Frame Warp)有効時の14msまで、合計で75%のレイテンシ削減という計算になります。
『VALORANT』では、GeForce RTX 5090を使い800fps以上が出るCPUボトルネック環境で検証が行われました。この条件でReflex 2を有効にした場合、システムレイテンシは平均3ミリ秒未満という数値が示されています。
※本セクションの数値はNVIDIA公式ブログで公表された検証環境・数値に基づきます。実際のレイテンシはPC構成やゲーム内設定によって変動します。
遅延の理由なぜ配信が遅れているのか|公式見解と技術的な推測を分けて整理する
配信時期はもちろん、当初の想定より遅れている理由についても、NVIDIAから明確な説明は出ていません。ここから先は、公式に発表されている内容と、非公式デモから読み取れる技術的な推測を分けて整理します。
調べたところ、NVIDIAは開発者向けに「Reflex 2の組み込みは半日程度の開発工数で済むほど簡単」で、今後はDLSS Frame GenerationやMulti Frame Generationに対応するゲーム全般へ展開していく方針だと説明しています。つまり、開発者側の統合作業の難しさが主な足かせという説明にはなっていません。
一方で、2025年10月頃、モッダーのPureDark氏が非公式のFrame Warpデモを公開し、技術的な手がかりを示しました。このデモは『ARC Raiders』のパブリックテストで一時的に公開されていたゲーム内データを抽出し、再実装する形で作られたことが分かっています。
- Reflex 2は開発者にとって組み込みが容易な機能である
- 今後はDLSS Frame Generation / Multi Frame Generation対応ゲーム全般へ展開する方針
- 提供はGeForce RTX 50シリーズを優先し、他世代は今後のアップデートで対応
- 非公式デモはRTX 2080 Ti等の旧世代GPUでも動作した
- ただし画面端の映像に破綻(アーティファクト)が出やすく、90fps前後では確認できるレベルで残った
- PureDark氏は画面の見えない範囲を上下左右に25%多く描画することで、この乱れを軽減する改良版を後日公開した
120fps以上ではこのアーティファクトが目立ちにくくなったとされています。画面端の映像をなめらかに書き換えるには本来の画面外の情報も必要になるという性質がうかがえ、GPU世代によってTensor Coreの世代・性能が異なる中、この処理を各世代で安定して動かせる水準に仕上げる作業に時間がかかっている可能性は考えられます。ただし、これはあくまで非公式デモから読み取れる推測であり、NVIDIAが公式に認めた遅延理由ではありません。
対応ゲームTHE FINALSとVALORANT——対応が予告されている2作品の現状
| ゲームタイトル | 状況(2026年7月28日時点) |
|---|---|
| THE FINALS | CES 2025で対応第1弾として発表。公開版の実装は未確認 |
| VALORANT | 同じく対応第1弾として発表。公開版の実装は未確認 |
NVIDIAは、Reflex 2を今後DLSS Frame GenerationやMulti Frame Generationに対応するゲーム全般へ広げていく方針も示していますが、対象となる具体的なタイトルや時期は公表されていません。
対応GPU正式対応はRTX 50シリーズのみ|旧世代は「将来のアップデート」待ち
| GPU世代 | Reflex 2の対応状況(公式) |
|---|---|
| GeForce RTX 50シリーズ | 提供開始時に優先対応する世代として発表済み(配信時期自体は未定) |
| GeForce RTX 40 / 30 / 20シリーズ | NVIDIAは世代を個別には明言せず、「他のGeForce RTX GPUへ将来のアップデートで対応を追加する」とのみ説明。具体的な時期は未公表 |
前述の非公式デモはRTX 2080 Ti等、RTX 50シリーズより前の世代でも動作が確認されています。技術的には旧世代のTensor Coreでも処理自体は動かせることがうかがえますが、これは非公式かつ検証目的のデモであり、正式版の対応時期や挙動を保証するものではありません。
低遅延対策Reflex 2を待つ間にできる、今すぐ使える低遅延設定
Reflex 2の配信を待つ必要はありません。今すぐ試せる対策を整理します。
FAQよくある質問
まとめまとめ|Reflex 2はCES 2025から18ヶ月経った今も「発表済みの未来」のまま
NVIDIA Reflex 2とFrame Warpは、CES 2025での発表当時、THE FINALSで75%、VALORANTで3ミリ秒未満という具体的な数値とともに大きな注目を集めました。しかし2026年7月28日時点で、NVIDIA公式ページの表記は「Coming Soon」のままで、THE FINALSとVALORANTのどちらにも公開版の実装は確認されていません。
NVIDIAは配信が遅れている理由を公式には説明していません。非公式デモは画面端の映像処理に技術的な難しさが残っている可能性を示していますが、これはあくまで非公式デモから読み取れる推測であり、NVIDIAが認めた事実ではない点には注意が必要です。
待っている間は、Reflex 2ではなく、既に多数のゲームで使える通常のReflex(Low Latency Mode)を活用するのが現実的な選択です。
Reflex 2とFrame WarpはCES 2025で発表された技術で、2026年7月28日時点でも一般ユーザー向けには未配信です。NVIDIAは配信の遅れについて公式な説明をしておらず、非公式デモから読み取れるのはあくまで技術的な推測にとどまります。
今すぐ低遅延を求めるなら、Reflex 2の配信を待つより、既に使える通常のReflex(Low Latency Mode)とNVIDIAアプリの設定を見直す方が現実的です。



