HWiNFOがRadeon VRAM個別温度監視を追加予定|対象はRX 5000〜9000、NVIDIA版は先行実装済み【2026年8月】
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対象はRX 5000〜9000、NVIDIA版は先行実装済み【2026年8月】
グラフィックボードの温度を監視ソフトで確認しても、表示されるのはGPUコアの代表的な数値と、メモリ全体をまとめた1つの温度だけというケースがほとんどです。基板のどこかで冷却に偏りが起きていても、平均的な数値の裏に隠れてしまい、サーマルパッドの接触不良なのか単なる個体差なのかを切り分ける手段はほとんどありませんでした。当サイトでは以前、GeForce RTX 50のGDDR7メモリを測定点ごとに監視する手法を取り上げましたが、この動きがAMD Radeonにも及ぼうとしています。
HWiNFOの「予定変更履歴(upcoming changes)」には、AMD Navi世代GPU向けにGDDR6メモリをチップごとに個別監視する機能が新たに記載されました。ただし、この記載はあくまで今後実装予定の項目であり、2026年8月4日時点でダウンロードできる正式版・ベータ版のいずれにも、この機能はまだ組み込まれていません。リリース日についても公式な発表はありません。
本記事では、HWiNFOの予定変更履歴に何が記載されているのか、NVIDIA向けにはどこまで実装が進んでいるのか、そしてAMD Radeonユーザーが現時点でできることを整理します。
出典:HWiNFO公式サイト / HWBusters報道 / VGTimes報道
要点まず何が起きたか
HWiNFOが公開している変更履歴のうち、今後の実装予定を示す「upcoming changes」欄に、AMD Navi世代のRadeon GPUを対象とした「GDDR6メモリのチップ別個別温度監視」機能が新たに記載されました。ただし、あくまで予定段階の記載であり、2026年8月4日時点で配布されている正式版・ベータ版のいずれにも、この機能はまだ実装されていません。リリース時期についてもHWiNFO側から公式な発表はありません。
先行NVIDIA向けは既にHWiNFO本体へ実装済み
同じ「チップ別のVRAM個別温度監視」でも、GeForce RTX 50シリーズ向けはすでに実装段階を終えています。HWiNFOのベータ版v8.51-6040で、GDDR6XおよびGDDR7を搭載するモデル向けにこの機能が正式に追加され、あわせてBlackwell世代のGPUホットスポット温度の報告機能も加わりました。
当サイトで以前取り上げたGeForce RTX 50のGDDR7個別温度監視は、GPU修理・解析に携わる開発者らが独自にレジスターを解析し、MSI Afterburner向け非公式プラグイン「Hotspot.dll」やHWiNFOのベータ版で確認できるようにした手法でした。今回のNVIDIA向けHWiNFO本体実装は、この非公式な解析の流れを踏まえて、HWiNFO自身が公式機能として取り込んだものと位置づけられます。一方、Radeon向けは同じ「本体への正式実装」がまだ完了していない段階です。
| ベンダー | 実装状況 | 対象メモリ |
|---|---|---|
| NVIDIA(GeForce RTX 50) | 実装済み(HWiNFO v8.51-6040ベータ) | GDDR6X/GDDR7 |
| AMD(Radeon Navi世代) | 予定変更履歴に記載のみ・未実装 | GDDR6 |
範囲予定されている対象はRX 5000〜9000シリーズ
HWiNFOの変更履歴では、AMD Navi向け機能の対象として、Radeon RX 5000シリーズ、RX 6000シリーズ、RX 7000シリーズ、RX 9000シリーズという幅広い世代が挙げられています。「Navi」は初代RDNA以降のRadeon GPUを指す呼び方で、実現すれば数世代にまたがる幅広いモデルが対象になる可能性があります。
ただし、これは変更履歴に記載されている範囲であり、実際に実装された段階で、GPU世代やVBIOS、搭載されているGDDR6メーカーによっては個別温度が取得できないモデルが出てくる可能性は残ります。NVIDIA向けの実装でも、モデルごとにセンサーの取得可否や表示形式に差が出ており、「対象世代」と「全モデルで確実に表示される」は同じ意味ではありません。また、CPU内蔵Radeonはシステムメモリの一部をVRAMとして使用するため、ディスクリートGPUに搭載されたGDDR6チップと同じ形式での監視対象にはなりません。
意義なぜチップ別の温度が重要なのか
グラフィックボード上のVRAMは、すべてが同じ条件で冷却されているわけではありません。電源回路に近いチップ、ヒートシンクの端にあるチップ、サーマルパッドの圧縮量が不足しているチップでは、同じ負荷でも温度差が生じます。従来の単一温度表示では、メモリ全体が高温なのか、特定のチップだけが異常なのかを切り分けにくいという問題がありました。
個別表示が実現すれば、VRAM温度の最高値だけでなく、チップ間の温度差から冷却状態を判断できるようになります。特定のチップだけが周囲より大きく高い場合は、サーマルパッドの位置ずれや厚さ不足、クーラーの締め付け圧力の偏りを疑う材料になります。すべてのチップがほぼ同じ温度で高い場合は、ケースのエアフローや室温など、グラフィックボード全体の冷却条件を優先して確認すべきサインになります。この考え方自体は、先行するNVIDIA GDDR7の個別温度監視でも同様に指摘されています。
未確定現時点で分かっていること・分かっていないこと
- HWiNFOの予定変更履歴に、AMD Navi向けGDDR6チップ別温度監視の記載が追加されたこと
- 対象としてRX 5000〜9000シリーズが挙げられていること
- 同種の機能はNVIDIA向けにv8.51-6040ベータで既に実装されていること
- AMD向け機能の具体的なリリース時期(正式版かベータ版か、いつ配布されるか)
- 対象世代のうち、実際にどのモデル・VBIOSまで個別温度が取得できるか
- 1チップずつ完全に分離できるのか、複数チップをグループ化した値になるのか(NVIDIA版ではRTX 5090で2個1組の出力だった前例がある)
周辺情報同じ変更履歴にはRadeon向けの他の監視機能も
今回のVRAM個別温度と同じ変更履歴の項目には、Radeon RX 9000シリーズ(Navi 4x世代)を対象とした「グラフィックボードへの入力+12V電圧」の監視機能や、Navi 3x世代(RX 7000シリーズ)を対象とした「GPU SOCクロック」の監視機能、Front End Clockの表示不具合の修正なども挙げられています。+12V入力電圧の監視は、電源ユニットから届く電圧が瞬間的に低下する現象をログとして残せるようになるもので、電源関連の不安定動作を調べる際に役立つ可能性があります。VRAM個別温度と同様、これらもまだ実装段階には至っていません。
現状Radeonユーザーが今できることは何か
チップ別のVRAM個別温度は現時点で確認できませんが、HWiNFOの現行版でも、GPU全体を代表するメモリ温度、GPU Temperature、GPU Hot Spot Temperatureといった項目は引き続き確認できます。冷却状態に不安がある場合は、まずこれらの標準的な項目でゲーム中の推移を確認し、メモリクロックの低下や画面の乱れ、ファン回転数の急上昇がないかをチェックするのが現実的な対処になります。GPU全体の適正温度の目安については、GPU温度の適正値と下げる方法をまとめた記事も参考にしてください。
チップ別温度が実装された後は、最高温度そのものよりも、チップ間の温度差に注目するのが有効になるとみられます。同じ負荷条件でチップ間の差が小さければ比較的均等に冷却されている状態、特定のチップだけが継続して大きく高い状態が続く場合は、サーマルパッドの接触不良などローカルな冷却不良を疑う材料になる、という考え方は、先行するNVIDIA GDDR7の個別温度監視でも使われている判断軸です。ただし、AMD版が実際にどのような形式で表示されるかが分かるまでは、具体的な数値のしきい値を断定することはできません。
チップ別温度を今すぐ確認したいという理由で、グラフィックボードを分解したり、非公式なツールやレジスタ改変を試したりするのはおすすめできません。基板やコネクターの破損、保証対応への影響といったリスクがあるうえ、AMD向けの実装がどのような形式になるかまだ確定していないため、今の時点で得られる情報にも限りがあります。HWiNFOの正式な実装を待つのが安全です。
FAQよくある質問
総括まとめ|実装はこれから、まずは経過を見守る段階
HWiNFOの予定変更履歴に、AMD Radeon(Navi世代)向けのGDDR6メモリ個別温度監視機能が記載されたことが分かりました。対象としてRX 5000〜9000シリーズという幅広い世代が挙げられており、実現すればNVIDIA GeForce RTX 50シリーズに続き、Radeonでも冷却の偏りやサーマルパッド不良をチップ単位で確認できるようになります。
ただし、2026年8月4日時点ではあくまで予定段階で、正式版・ベータ版のいずれにも実装されておらず、リリース時期も未定です。NVIDIA向けはHWiNFO v8.51-6040ベータで既に実装が完了しているため、Radeon向けの実装が近いうちに続く可能性はありますが、断定はできません。
HWiNFOの変更予定リストに、AMD Radeon Navi世代向けのGDDR6メモリ個別温度監視が追加されました。対象はRX 5000〜9000シリーズと幅広い一方、2026年8月4日時点では未実装でリリース時期も未定です。同種の機能はNVIDIA GeForce RTX 50向けにHWiNFO v8.51-6040ベータで既に実装されています。
Radeonユーザーが今できるのは、現行版HWiNFOでGPU全体のメモリ温度やGPU Hot Spot Temperatureを確認し、冷却状態の目安をつかんでおくことです。チップ別温度が実装された後は、絶対温度だけでなくチップ間の温度差に注目することが、局所的な冷却不良を見つける手がかりになります。



