Intel Arc A750・A770は2026年でも現役か|ReBAR必須の罠とAV1エンコード対応
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ReBAR無効で性能最大24%減の罠 ・ AV1エンコード対応はNVIDIA/AMDより先行
Intel Arc A750・A770は2022年10月に発売された、Intelにとって初の本格的なディスクリートゲーミングGPUです。NVIDIA・AMDの2強体制に第3の選択肢として割り込んだモデルとして、発売当初から独自の注目を集めてきました。
結論を先に言うと、ReBAR(Resizable BAR)を有効にできる環境であれば、2026年の今も実用的なGPUです。ただしReBARが無効な環境では性能が大きく落ち込む、Arc特有の注意点があります。一方でAV1のハードウェアエンコードは発売当初からNVIDIA・AMDの上を行っており、この点は今も明確な強みです。
この記事では、Intelの次世代ゲーミングGPUロードマップが事実上凍結されたと報じられる中で、既存のArc A750・A770がどこまで現役かを整理します。ReBAR必須という独自の注意点、レイトレーシング・XeSSの実力、旧世代APIタイトルでの弱点、そして中古購入時の判断基準まで解説します。
目次
スペックArc A750とArc A770の基本スペック
| 項目 | Arc A750 | Arc A770(8GB/16GB) |
|---|---|---|
| 発売 | 2022年10月12日 | 2022年10月12日 |
| Xe-core/RTユニット | 28基/28基 | 32基/32基 |
| VRAM | 8GB GDDR6 | 8GB/16GB GDDR6 |
| バス幅/帯域 | 256-bit/512GB/s | 256-bit/512GB/s(16GB版は560GB/s) |
| TDP | 225W | 225W |
| 発売時MSRP | $289 | $329/$349 |
※MSRPは発売当時の海外希望小売価格です。当時の日本国内実売価格や現在の中古相場とは異なります。A750に16GB版の正式モデルはなく(試作品が目撃された程度)、A770のみ8GB・16GBの2構成が存在します。
XeSS・レイトレーシングハードウェアRT対応、性能自体は評判以上
Arc AlchemistはXe-coreにXMX(行列演算エンジン)とRay Tracing Unitを搭載しており、NVIDIA・AMDと同様にハードウェアアクセラレーションによる超解像・レイトレーシングに対応しています。
ReBAR必須Resizable BARを無効にすると性能が大きく落ち込む
Arc Alchemistで最も知っておくべき注意点が、Resizable BAR(ReBAR)への依存度の高さです。
海外の実測(25タイトル平均)によると、ReBARを無効にした状態でのArc A770の性能は、有効時と比べて1080pで77%・1440pで76%・4Kで80%程度まで落ち込みます。つまり最大で約24%前後の性能低下が起きる計算です。これはNVIDIA・AMD製GPUではここまで顕著に現れない、Arcのアーキテクチャに起因する特性です。
2026年時点でこの傾向が改善されたかどうかを示す最新の再検証データは見当たりませんでした。Arcを購入・中古で入手する際は、マザーボードとCPUの両方がReBARに対応しているか、BIOS設定でReBARが有効になっているかを必ず確認してください。
実測性能2025〜2026年発売タイトルでの評価
2025〜2026年に発売された注目タイトルで、Arc A750・A770がどう扱われているか整理します。
発売直前にIntelがArc A-series向けの専用最適化ドライバを配信し、1080p Ultra設定で最大40%・1440p Ultra設定で最大30%の性能向上を謳いました(同時期のB-seriesは1080p最大7%・1440p最大6%の向上)。新作タイトルへの継続的な最適化姿勢がうかがえます。
公式の最低動作環境にArc A580が含まれており、ハードウェアレイトレーシング必須のタイトルでも起動できます。A750・A770はA580を上回るモデルのため、この要件を満たします。
公式の最低GPUにArc A380、推奨GPUにArc A580が明記されています。A750・A770はいずれも上回るため、快適にプレイできる水準です。
Overwatch 2やVALORANTのような軽量タイトルでは、1080pで高いフレームレートを確保しやすいという評価が一般的です。ドライバ更新でCS2のようなタイトルの性能問題が大幅に改善した実績もあり、継続的な最適化の恩恵を受けやすい領域です。
※各要件・数値は公式サポートページやIntel公式発表等の情報にもとづく参考値です。パッチや設定条件によって変動するため目安としてご覧ください。
Arcは新しいDX12・Vulkanタイトルでは健闘する一方、DX9・DX11世代の旧作タイトルではドライバの変換レイヤーを経由するオーバーヘッドが発生し、性能が伸びにくいという弱点が発売当初から指摘されてきました。過去の実測ではDX11版がDX12版の半分以下のフレームレートにとどまった例も報告されています。ドライバ更新でこの弱点は着実に改善されてきており(同一タイトルでバージョン間1.7倍以上の性能向上が報告された例もあります)、以前ほど致命的ではなくなっていますが、アーキテクチャに起因する根本的な弱点が完全に解消されたわけではありません。古いゲームを中心に遊ぶ人は、この点を踏まえておく必要があります。
実用面CPU相性・配信用途・ドライバサポートの現状
中古価格現行GPUとの価格比較
中古市場でのArc A750・A770の実勢価格を、現行の新品エントリークラスGPUと比較します。
Arc A750の中古最安値は約2万円〜、Arc A770(16GB)は約4万円〜5万円程度という水準です。前述の通りIntel自社設計品の新規出荷はすでに終了しているため、これから入手するなら中古かAIBパートナー製の残り在庫が中心になります。中古相場サイトによって数値のばらつきが大きいため、複数の販売店で比較することをおすすめします。
一方、現行の新品エントリークラス(RTX 5060 8GB等)は約5.3万円〜という水準で、Arc A770(16GB)とはそれほど大きな差がありません。新品保証・現行世代の機能対応を重視するなら、新品という選択肢も十分検討に値します。価格は変動するため、購入・売却を検討する際は最新の相場を都度確認してください。
※Arc Alchemistの中古市場での酷使リスク(マイニング等)については、Ethereumマイニングでの効率が競合より低かったとされ、大規模な酷使対象にはなりにくかったモデルです。とはいえ動作確認済み・保証付きの販売店を選ぶことは、どのGPUを選ぶ場合でも共通して重要です。
判断基準買い替えるべきか、使い続けるべきか
乗り換え先買い替え先のGPU候補
Arc A750・A770からの買い替えでは、同じIntel系統のArc B580も含めて、幅広い選択肢を比較できます。まず、どれくらいの性能差があるのかを視覚的に確認しておきましょう。
| GPU | 相対性能(PassMark G3D Mark、RTX 5070=100%換算) |
|---|---|
| Arc A750現在 | 44.1% |
| Arc A770現在 | 46.6% |
| Arc B580 12GB | 55.9% |
| RX 9060 XT 16GB | 70.0% |
| RTX 5060 Ti 16GB | 78.9% |
| RX 9070 XT | 93.9% |
| RTX 5070 | 100% |
※PassMarkの合成ベンチマーク「G3D Mark」スコアをもとに、この表内で最も高いRTX 5070を100%として換算した相対値です。他のGPU現役シリーズ記事で使用している実ゲーム集計ベースの指数とは算出方法が異なるため、単純な横並び比較はできませんが、この表内での序列・倍率関係は参考にできます。
| 候補GPU | 実売の目安 | どんな乗り換えか |
|---|---|---|
| Intel Arc B580 12GB | 約4.8万円〜 | 同じIntel系統の後継世代。ReBAR依存やAPIの弱点など傾向は近いが、世代分の性能向上とVRAM12GBが手に入る |
| RX 9060 XT 16GB | 約5.4万円〜 | VRAM16GBまで確保しつつ、Intel特有のReBAR依存・旧API弱点から解放されるコストパフォーマンス重視の候補 |
| RTX 5060 Ti 16GB | 約9.2万円〜 | DLSS対応・VRAM16GBを両立したい人向け |
| RTX 5070 12GB | 約9.8万円〜 | RTX 5060 Ti 16GBと近い価格帯で、より高い演算性能を求めるなら比較検討の価値がある |
| RX 9070 XT 16GB | 約9.3万円〜 | 性能を大きく引き上げたい人向けの上位候補 |
※実売の目安は2026年7月21日時点の市場最安値をもとにした参考値です。メモリ価格の高騰でGPU価格は上昇局面にあり、変動が大きい点にご注意ください。最新は各リンク先で確認してください。
結論から言うと、Arc特有のReBAR依存・旧API弱点から解放されたいならRX 9060 XT 16GBをおすすめします。8GBモデルとほぼ同じ価格帯でVRAM 16GBまで確保でき、コストパフォーマンスも良好です。
NVIDIA環境・DLSS対応を維持したいならRTX 5060 Ti 16GBを軸に、予算があればRTX 5070まで視野に入れると納得感のある買い物になりやすいです。
この中から、用途別に4枚挙げておきます。


FAQよくある質問
まとめReBAR環境なら現役、旧作中心なら要注意
Arc A750・A770は、発売から4年近くが経過した今も、ReBARを有効にできる環境で新しめのタイトルを中心に遊ぶなら実用的なGPUです。AV1ハードウェアエンコードでNVIDIA・AMDに先行していた強みは今も健在で、レイトレーシング性能も同世代のRTX30/RX6000と比べて健闘しています。
一方で、ReBAR無効環境では性能が大きく落ち込む点、DX9/DX11の旧作タイトルで根本的な弱点が残る点は押さえておくべきです。次世代ゲーミングGPUの開発中止が報じられていますが、既存機のドライバサポートは継続中のため、慌てて買い替える必要はありません。買い替えを検討する際は、Arc特有の弱点から解放されたいならRX 9060 XT 16GB、NVIDIA環境・DLSS対応を維持したいならRTX 5060 Ti 16GBを軸に検討してください。
ReBARを有効にできる環境であれば、Arc A750・A770は2026年の今も実用的なGPUです。AV1ハードウェアエンコードでの先行という強みは今も明確で、レイトレーシング性能も健闘していますが、ReBAR無効時の性能低下とDX9/DX11旧作タイトルでの弱点は理解しておく必要があります。次世代ロードマップの凍結報道はありますが、既存機のサポートは継続中のため、買い替えを急ぐ理由にはなりません。





