HP OmniDesk Miniが22.98万円|Panther LakeでもArc B390非搭載、ゲーム性能と価格を検証【2026年9月】
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
Core Ultra 7 356Hの内蔵GPUは4 Xeコア、12 Xeコアの Arc B390とは別物です
出典:日本HP公式 OmniDesk Mini製品ページ、Intel公式 Core Ultra 7 356H仕様、Intel公式 Arc B390サポートページ、MINISFORUM公式 M2商品ページ、MINISFORUM公式 M2 PRO-358H商品ページ、VideoCardz「HP OmniDesk Mini with Panther Lake now available」、Notebookcheck Intel Graphics 4 Xe3(Panther Lake)ベンチマーク・仕様、PC Gamer Arc B390実ゲーム検証(いずれも2026年9月16日確認)。価格・在庫・出荷日は変動するため、購入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
最新世代のCPUを積んだミニPCなら、内蔵GPUだけでもそこそこ快適にゲームができるはず——そう考えている人は少なくないはずです。特に「Panther Lake」というIntelの新しいブランド名を聞けば、なおさら期待は高まります。
しかし日本HPが発売した「HP OmniDesk Mini」のCore Ultra 7 356Hモデルは、同じPanther Lake世代でも内蔵GPUがゲーミング向けのArc B390ではなく、演算性能の低い「Intel Graphics」です。約475gという極小サイズにThunderbolt 4を2基備えた魅力的な省スペースPCですが、ゲーム性能を目的に選ぶと想定とのズレが生まれます。
Core Ultra 7 356HとArc B390搭載のCore Ultra X7 358Hの違いを整理したうえで、同じCore Ultra 7 356Hを積むMINISFORUM M2、Arc B390搭載のM2 Pro-358Hと価格・仕様を比較し、22万9,800円という価格が何に対する対価なのかを検証していきます。
目次
概要HP初のミニデスクトップPC「OmniDesk Mini」
日本HPは、OmniDesk Miniを「HP初のミニデスクトップPC」として展開しています。本体サイズは約130×130×48mm、重量は約475g。HPによると一般的な同社デスクトップPCの約5%相当のサイズまで小型化されており、付属の電源は上位構成で140W GaN Type-Cアダプター、下位構成で100Wアダプターが使われます。
約13cm四方はデスク上に置いてもほとんど場所を取らないサイズです。モニターの横に据え置くだけでなく、リビングや書斎など複数の作業場所を行き来する使い方も想定されています。HPは処理性能だけでなく、デザイン性や持ち運びやすさを前面に打ち出しています。

スペックCore Ultra 7 356Hモデルの価格と仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra 7 356H(Pコア4基・Eコア8基・低消費電力Eコア4基の16コア16スレッド、最大4.7GHz、キャッシュ18MB) |
| GPU | Intel Graphics内蔵GPU(Xeコア4基、最大2.45GHz、GPU単体で最大40 TOPS) |
| NPU | 50 TOPS(Copilot+ PC要件を満たす) |
| 電力 | Processor Base Power 25W・Maximum Turbo Power 80W |
| 製造プロセス | CPU: Intel 18A/GPU: Intel 3 |
| メモリ | LPDDR5X-8533 16GB(オンボード実装、24GB・32GB構成も用意、増設不可) |
| ストレージ | 512GB SSD |
| サイズ/重量 | 約130×130×48mm・約475g |
| インターフェース | Thunderbolt 4×2(前後各1、DisplayPort 2.1対応)、10Gbps USB Type-C、10Gbps USB Type-A×2、HDMI 2.1、有線LAN(2.5GbE) |
| 無線 | Wi-Fi 7・Bluetooth 6.0 |
| OS | Windows 11 Home(Copilot+ PC) |
| 価格 | 229,800円(税込、希望小売299,860円)※2026年9月16日確認、最短9月19日お届け |
要注意「Core Ultra 7 356H」と「Core Ultra X7 358H」は内蔵GPUが別物
Panther Lake世代で特にややこしいのが、CPUの型番によって内蔵GPUの規模が大きく異なることです。OmniDesk Miniに載るCore Ultra 7 356HのGPUは、Intel公式仕様で「Intel Graphics」と記載されており、Xeコアは4基、最大クロック2.45GHz、GPU演算性能はINT8で最大40 TOPSです。
これに対し、Core Ultra X7 358Hなどに搭載される「Arc B390」はXeコアが12基で、GPU演算性能は最大122 TOPSに達します。Arc B390が使えるのはCore Ultra X9 388H・X9 378H・X7 368H・X7 358Hの4モデルに限られ、「X」が付かないモデルは規模の小さいIntel Graphicsになります。
| 項目 | Core Ultra 7 356H (OmniDesk Mini) | Core Ultra X7 358H (Arc B390搭載機) |
|---|---|---|
| 内蔵GPU | Intel Graphics | Arc B390 |
| Xeコア数 | 4基 | 12基 |
| GPU最大クロック | 2.45GHz | 2.5GHz |
| GPU演算性能 | 最大40 TOPS | 最大122 TOPS |
| CPUコア構成 | 16C16T(同じ) | 16C16T(同じ) |
CPUのコア数・スレッド数はどちらも同じ16C16Tです。型番も「356H」「358H」と非常に近く、同じPanther Lake・同じCore Ultra 7クラスの名前を見ただけでは、内蔵GPUの規模までは判断できません。「Panther Lake搭載だからArc B390相当のゲーム性能」と考えてOmniDesk Miniを選ぶと、想定していた性能との差が大きくなる可能性があります。
性能差4 Xeコア版とArc B390のゲーム性能差
※以下は複数の検証データをもとにした参考値です。OmniDesk Mini実機のベンチマークではありません。
HP OmniDesk Mini自体を使った十分なゲームベンチマークは、2026年9月16日時点でまだ確認できていません。そのため具体的なfpsをOmniDesk Miniの実測値として扱うことはできませんが、同じ4 XeコアのPanther Lake内蔵GPUについては、すでに複数の検証記事で性能の目安が示されています。
海外の技術系メディアの検証では、4 XeコアのIntel Graphics(Panther Lake)のゲーム性能について、AMD Radeon 760M前後が目安になるとされ、前世代Lunar LakeのArc Graphics 140Vより大幅に低いと評価されています。Radeon 760Mは、Ryzen 7040シリーズなどに搭載される下位クラスの内蔵GPUです。
一方、Arc B390については実ゲームでの性能がすでに確認されています。海外メディアの実機検証では、Core Ultra X7 358H搭載機で『サイバーパンク2077』を1080p・Medium設定・アップスケーリングなしで平均64fps記録したと報告されています。同程度の設定でRadeon 890Mが41fps、Lunar LakeのArc 140Vが33fpsだったとされており、Arc B390のゲーム性能が大きく強化されていることがうかがえます。
OmniDesk MiniのCore Ultra 7 356Hは4 Xeコア、上記の実機検証で使われたArc B390は12 Xeコアです。同じPanther Lake世代でも、規模がまったく異なるGPUという前提で判断してください。
Radeon 760M前後という性能目安から見て、OmniDesk Miniでも軽量なeスポーツタイトルやインディーゲーム、やや古めのPCゲームであれば設定を調整して遊べる可能性があります。ただし最新のAAAタイトルを1080p高画質・60fps前後で快適に遊ぶことを期待して選ぶPCではありません。その用途にはArc B390搭載機や、単体GPUを積んだPCの方が向いています。
メモリ16GBはオンボード、後から増設できない
国内で販売されているCore Ultra 7 356Hモデルは、LPDDR5X-8533のメモリを16GB搭載しています(24GB・32GB構成も用意)。HPのサポート資料によると、Core Ultra 7 356Hを搭載する上位基板ではこのLPDDR5X-8533がオンボードで実装されており、一般的なSO-DIMM方式のミニPCのように購入後にメモリを32GBや64GBへ交換する構造ではありません。
2026年現在、Webブラウザ・ゲーム・AI関連ソフト・動画編集を同時に使うと16GBでは余裕が少なくなる場面もあります。長期間使うことを想定するなら、購入時点で必要なメモリ容量を選んでおく必要があります。
一方でLPDDR5X-8533という速度自体にはメリットがあります。内蔵GPUは専用VRAMを持たずシステムメモリを利用するため、メモリ帯域はグラフィックス性能にも影響します。後述するMINISFORUM M2は同じCore Ultra 7 356Hを積みながらDDR5-5600のSO-DIMMを採用しており、OmniDesk MiniのLPDDR5X-8533は増設性と引き換えに高速なメモリ帯域を得る設計と言えます。ただし両者のゲーム性能を同条件で比較したデータはまだなく、「LPDDR5Xだから何%速い」とまでは現時点で言えません。
拡張性Thunderbolt 4を前後に1基ずつ搭載
OmniDesk Miniで際立っているのがインターフェースです。Core Ultra 7モデルは、前面にThunderbolt 4と10Gbps USB Type-C、背面にThunderbolt 4、HDMI 2.1、10Gbps USB Type-A×2、有線LAN、ヘッドホン/マイク端子を備えます。前後のThunderbolt 4はどちらもDisplayPort 2.1に対応し、HPは最大4台の4Kディスプレイ出力にも対応するとしています。
有線LANはRealtek RTL8125系による2.5GbEに対応し、Wi-Fi 7・Bluetooth 6.0も備えます。約13cm四方・475gの筐体としては、かなり豪華な構成です。ゲーム性能よりも、多数のディスプレイや高速ストレージ、Thunderbolt機器を接続してコンパクトなデスク環境を作りたい人に向いた構成と言えます。
価格比較同じCore Ultra 7 356HのMINISFORUM M2と比べる
OmniDesk Miniの価格を評価するうえで参考になるのが、まったく同じCore Ultra 7 356Hを積む「MINISFORUM M2」です。M2はDDR5-5600のSO-DIMMを2基搭載し(最大128GBまで増設可)、M.2 PCIe 4.0 SSDスロットも2基備え、デュアル2.5GbE・Wi-Fi 7・USB4にも対応します。サイズは130×127×50mm・約520gと、OmniDesk Miniの130×130×48mm・約475gとほぼ変わりません。価格は2026年9月時点でおおむね18万円台後半(32GB+1TB構成、時期・販路により変動)です。
CPU性能そのものは同一で、メモリ・ストレージ容量、増設性、価格だけを見るとMINISFORUM M2の方が有利です。一方でOmniDesk MiniにはLPDDR5X-8533による高速なメモリ帯域、Thunderbolt 4×2、Bluetooth 6.0、最大4画面出力、そしてHPの国内販売網とサポート体制という違いがあります。完全な同等製品ではなく、OmniDesk Miniの22万9,800円という価格には、HPブランドやサポート、製品設計へのプレミアムがかなり含まれていると見るのが妥当です。
上位機比較約2.2万円足すとArc B390搭載機に届く
ゲーミングPCとして見ると、さらに厳しい比較があります。MINISFORUMの「M2 Pro-358H」はCore Ultra X7 358HとArc B390を搭載し、32GB LPDDR5X+1TB SSD構成が251,999円(通常314,999円)で販売されています。OmniDesk Miniの229,800円との差はわずか22,199円です。
HP OmniDesk Mini
- CPUCore Ultra 7 356H(16C16T)
- GPUIntel Graphics内蔵(4 Xe・専用GPUなし)
- メモリLPDDR5X-8533 16GB(増設不可)
- サイズ約130×130×48mm・約475g
MINISFORUM M2 Pro-358H
- CPUCore Ultra X7 358H(16C16T)
- GPUArc B390内蔵(12 Xe・GPU単体最大122 TOPS)
- メモリLPDDR5X 32GB(増設不可)
- サイズ195×195×47.5mm・1.39kg
M2 Pro-358HはOmniDesk Miniよりひと回り大きく、重量も約3倍になります。それでも、ゲーム用途だけを考えるなら約2.2万円の追加でArc B390・32GBメモリ・1TB SSDへ引き上げられる現在の価格差は無視できません。OmniDesk MiniをゲーミングPCとして購入する理由はかなり限定されるというのが実情です。
拡張策外付けGPUという選択肢もある
OmniDesk MiniにはThunderbolt 4が2ポートあるため、Thunderbolt対応の外付けGPUボックス(eGPU)を組み合わせる方法もあります。普段は静音な小型PCとして使い、ゲームをするときだけGPUを接続する運用が可能です。
ただし、ゲーム目的で最初からOmniDesk MiniとeGPUを購入すると、本体約23万円にGPUとeGPUケースの費用まで加わります。コストパフォーマンスを重視するなら、最初から単体GPU搭載PCを選んだ方が合理的なケースが多いはずです。Thunderbolt eGPUは、すでにOmniDesk Miniを仕事用として所有しており、後からグラフィック性能が必要になった場合の拡張手段として考えるのが適しています。
結論OmniDesk Miniが向いている人・向いていない人
- 机を広く使いたい、複数ディスプレイやThunderboltドックを多用したい人
- PCを部屋間で移動させる、あるいは常時稼働の作業機として使いたい人
- 軽量なeスポーツタイトルやインディーゲームが遊べれば十分な人
- HPの国内サポート・販売網を重視する法人・個人ユーザー
- 最新AAAタイトルを1080p高画質で遊びたい人(Arc B390搭載機や単体GPU機のほうが確実です)
- メモリを16GBから増設したい人(LPDDR5Xはオンボード実装のため増設できません)
- スペック単価を重視する人(同じCPUのMINISFORUM M2の方が安く、増設もできます)
FAQHP OmniDesk Miniのよくある質問
いいえ。Core Ultra 7 356Hの内蔵GPUは「Intel Graphics」(Xeコア4基)で、Arc B390(Xeコア12基)とは別物です。Arc B390はCore Ultra X7 358Hなど「X」の付く上位モデルに限られます。
最新のAAAタイトルを高画質で遊ぶ用途には向きません。軽量なeスポーツタイトルや古めのPCゲームなら設定次第で遊べる可能性はありますが、ゲーム目的ならArc B390搭載機や単体GPU機を優先したほうが確実です。
できません。LPDDR5X-8533はオンボード実装のため、購入時点で選んだ容量(16GB/24GB/32GB)がそのまま上限になります。
スペック単価とメモリ増設性を重視するならM2、Thunderbolt 4×2による拡張性やHPの国内サポートを重視するならOmniDesk Miniが向いています。2026年9月時点の価格差は数万円です。
2026年9月16日時点でキャンペーン価格モデルは購入可能で、最短9月19日お届け予定です。最新の納期は公式サイトで確認してください。
まとめまとめ|「Panther Lake」の名前だけで選ばない
HP OmniDesk Miniは、HP初のミニデスクトップPCとして登場したPanther Lake搭載モデルです。Core Ultra 7 356H・16GB・512GB SSD構成は、希望小売価格299,860円のところ229,800円のキャンペーン価格で購入でき、最短9月19日にお届けされます。
約130×130×48mm・約475gという極小サイズに、Thunderbolt 4×2、2.5GbE、Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0、最大4台の4Kディスプレイ出力を備える点は大きな魅力です。一方で、搭載されるCore Ultra 7 356HのGPUはArc B390ではなく4 Xeコアの「Intel Graphics」で、12 XeコアのArc B390とは規模がまったく異なります。「Panther Lake」という名前だけで最新AAAゲーム向けの高性能iGPUを期待するべきではありません。
同じCore Ultra 7 356Hを積むMINISFORUM M2は2026年9月時点でおおむね18万円台後半、Arc B390搭載のM2 Pro-358Hは251,999円です。この比較から見ると、OmniDesk Miniは「性能単価を追求したミニPC」というより、HPのサポート、475gの小型軽量設計、高速LPDDR5X、Thunderbolt 4×2、Copilot+ PCといった使い勝手を重視するプレミアムな省スペースPCという位置づけになります。
ゲームが目的ならArc B390搭載機や単体GPU機を優先してください。仕事や開発用に、とにかく小さく、Thunderboltを含む拡張性とメーカーサポートを重視するならHP OmniDesk Miniが候補になります。用途を分けて考えると、229,800円という価格を判断しやすくなります。



