APU構成ガイド|グラボ不要でゲーミングPCを組む手順と予算別3構成、メモリ高騰後の総額を実測【2026年9月】
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パーツ選びの考え方と、予算別3構成の総額を実測価格で出します
「グラボなしでゲーミングPCは組めるのか」——答えはYesですが、条件が3つあります。AMDのRyzen 8000G(APU)を使えばグラフィックボード代ゼロで軽量から中量級のゲームが動くPCを組めますが、メモリ選びを間違えれば性能が2割落ち、マザーボードを間違えればEXPOプロファイルが使えず、ケースを間違えれば省スペースというメリットまで消えます。
そしてもうひとつ、2026年特有の事情があります。DDR5-6000の32GBキットが通販7万円台からと、CPU本体より高くなりました。グラフィックボード代を浮かせるためにAPUを選んでも、メモリ代でその分が相殺されかねません。総額を正確に把握しないまま組むと期待が外れます。
8700Gと8600Gを軸に、パーツ選定の考え方、予算別3構成の総額、ゲーム動作の実態を実測価格で整理します。CPU単体の細かい比較は8700G vs 8600G 比較記事を参照してください。ここでは組み方の全体像に焦点を当てます。
8600Gを軸にした最安構成で159,000円、このガイドの推奨であるバランス構成で180,000円、8700Gを使うiGPU最強構成で249,000円が2026年9月19日時点の目安です。そのうちメモリだけで72,000〜73,000円を占めます。eスポーツ中心で省スペースを優先するなら十分に合理的ですが、重量級を144fpsで遊びたいなら単体GPUを積む構成のほうが確実です。
目次
全体像APU構成のメリットと限界を正直に整理
APU構成(グラボなしビルド)は万能ではありません。Ryzen 8000G世代のRDNA 3 iGPU(Radeon 780M / 760M)はゲーム用途として実用域に入りましたが、できることと限界を正確に把握しておかないと組んでから後悔します。
| 項目 | APU構成 グラボなし | 通常構成 グラボあり |
|---|---|---|
| 初期コスト | グラボ代ゼロ 6〜15万円ぶん軽い | GPU代が追加 |
| eスポーツ系 VALORANT等 | 100〜200fps | さらに高fps |
| 中量級 Apex / フォートナイト | 低〜中設定で60〜90fps | 高設定で快適 |
| 重量級 サイバーパンク 2077 | 低設定+FSRで30〜45fps | 高設定で快適 |
| 消費電力 | 合計65〜100W | 合計250〜400W |
| 本体サイズ | 最小8L級 Mini-ITX対応 | 大型GPUで20L以上が標準 |
| 動作音 負荷時 | 静音 GPU冷却ファンなし | GPUファン音が支配的 |
| 将来のGPU増設 | AM5プラットフォームで対応可 | — |
APU構成が刺さる3パターン
モデル8700G・8600G・8500Gのどれを軸にするか
2026年現在、デスクトップAPUでグラボなしゲーミングが成立するのは実質3モデルです。CPU単体の詳細比較は別記事に譲り、ここでは構成の軸として何を選ぶかを整理します。
メモリ依存性、AFMFの活用、配信負荷といった観点での8700Gと8600Gの比較は8700G vs 8600G 徹底比較で詳しく整理しています。ここでは構成全体を優先します。
Zen 5コアとRDNA 3.5を組み合わせたAM5向けAPU「Ryzen 9000G(Gorgon Point)」の存在は、AGESAへの対応追加とマザーボードメーカーの示唆から確度が高いと見られています。ただし2026年9月時点でAMDは正式発表しておらず、発売日も価格も不明です。いますぐ1台必要なら8700Gか8600Gで組み、急がないならAMDの発表を待つという切り分けになります。AM5は2029年までの継続が公式表明されているため、いま組んだ土台が無駄になることはありません。
※Ryzen 9000GのAM5対応とAGESAへの追加は海外メディアの報道、AM5の2029年までの継続はAMDの技術ドキュメント更新を確認した報道によります。Ryzen 9000Gはリーク段階の情報です。
パーツAPU構成を活かすパーツ選びの正解
APU構成はパーツ選びがそのままiGPU性能に直結します。特にメモリは速度を1ランク間違えるだけで性能が15〜20%変わるほど影響が大きく、単体GPUを積むPCよりもパーツ選定の重要度が高いプラットフォームです。
構成例予算別3パターンの総額
パーツの考え方を踏まえ、3つの予算帯で具体的な構成を並べます。価格は2026年9月19日時点で実際に確認した通販価格をもとにした目安で、OSのライセンス代は含みません。
| パーツ | 最安構成 eスポーツ特化 | バランス構成 推奨 | iGPU最強構成 重量級も視野 |
|---|---|---|---|
| CPU | Ryzen 5 8600G 28,000円 | Ryzen 5 8600G 28,000円 | Ryzen 7 8700G 45,000円 |
| マザーボード | A620 / B650M 14,000円 | B650M(Wi-Fi付き) 17,000円 | B650M / B650 ATX 22,000円 |
| メモリ | DDR5-5600 32GB 72,000円 | DDR5-6000 32GB 73,000円 | DDR5-6000 32GB 73,000円 |
| SSD | Gen4 1TB 29,000円 | Gen4 1TB 30,000円 | Gen4 2TB 58,000円 |
| ケース | Micro-ATX 標準 6,000円 | Micro-ATX ミドルタワー 13,000円 | Mini-ITX 18,000円 |
| 電源 | ATX 550W 10,000円 | ATX 650W 12,000円 | SFX 750W 25,000円 |
| CPUクーラー | 付属品を使用 0円 | 社外空冷 7,000円 | ロープロ空冷 8,000円 |
| 合計 OS別 | 159,000円 | 180,000円 | 249,000円 |
価格は2026年9月19日時点で各商品ページを確認した通販価格をもとにした目安です。最安構成はVALORANT・LoL・Counter-Strike 2・マインクラフト・FF14が中心の人向け、バランス構成は中量級まで一通りこなしつつ将来の単体GPU増設にも対応する構成、iGPU最強構成はMini-ITXの省スペースとAPU性能の上限を両立させる構成です。
最安構成159,000円のうち72,000円、バランス構成180,000円のうち73,000円がメモリ代です。DDR5は1年前の2〜3倍、NVMe SSDは3〜6倍まで高騰しており(AI需要、Micronの消費者向けSSD撤退、Samsungの値上げが主因)、構成全体の合計は1年前の同等構成より5〜8万円高くなっています。半年で数万円動く水準なので、購入前に必ず最新の通販価格を確認してください。
完成品自作より安くなる構成すらあります
ここまで自作の総額を積み上げてきましたが、メモリが高騰したいま、自作の価格優位はほとんど残っていません。APU構成の完成品はパソコンショップアークが8700Gと8600Gの両方で販売しており、いずれもWindows 11 Home(DSP版)と1年保証が付いた価格です。自作3構成と並べます。
| 選択肢 | CPU | メモリ | 総額 | OS |
|---|---|---|---|---|
| 自作|最安構成 | 8600G | DDR5-5600 32GB | 159,000円 | 別途必要 |
| 自作|バランス構成 | 8600G | DDR5-6000 32GB | 180,000円 | 別途必要 |
| arkhive GC-A5M Micro-ATX | 8600G | DDR5-6000 32GB | 189,800円 | 込み |
| arkhive GC-A5S DeskMeet 8L | 8600G | DDR5-6000 32GB | 199,800円 | 込み |
| arkhive BC-A7M ミニタワー | 8700G | 16GB | 206,800円 | 込み |
| arkhive GC-A7S DeskMini 1.92L | 8700G | SO-DIMM DDR5-5600 32GB | 239,800円 | 込み |
| 自作|iGPU最強構成 | 8700G | DDR5-6000 32GB | 249,000円 | 別途必要 |
※完成品の価格と構成は2026年9月19日時点で各商品ページを確認したものです。いずれもWindows 11 Home(DSP版)とBTOパソコン通常保証1年間が付きます。受注生産のため納期は購入前にご確認ください。メーカーの製品画像にはモニターが写っているものがありますが、モニター・マウス・キーボードはいずれも別売です。
8700GとMini-ITXで組む自作は249,000円(OS別)でしたが、同じ8700Gを1.92リットルに収めたGC-A7Sは239,800円でWindows込みです。本体価格で9,200円安いうえにOSライセンス代も浮きます。SFX電源が20,000円台、2TBのSSDが58,000円という現在の相場では、小型構成を自作で安くするのは難しくなりました。
それでも自作を選ぶ理由が残る3点
※完成品側のモデル単位の詳しい比較は8700G vs 8600G 比較記事でも扱っています。


※価格・構成は変動します。最新情報は各BTOショップ公式ページでご確認ください。
ゲーム性能タイトル別のfps目安
DDR5-6000のメモリを載せた1080p環境での目安を整理します。複数の海外レビューサイトが公開している計測値の中央値で、重量級はFSRやAFMFの併用が前提です。
| タイトル | 8700G Radeon 780M | 8600G Radeon 760M | 判定 |
|---|---|---|---|
| VALORANT 中設定 | 170〜200 fps | 140〜170 fps | 快適 |
| League of Legends 高設定 | 150〜180 fps | 130〜160 fps | 快適 |
| Counter-Strike 2 低設定 | 90〜110 fps | 70〜85 fps | 快適 |
| Minecraft Java版 Fancy | 110〜140 fps | 90〜115 fps | 快適 |
| Apex Legends 低設定 | 75〜90 fps | 60〜70 fps | 設定調整 |
| フォートナイト パフォーマンス | 80〜100 fps | 60〜80 fps | 設定調整 |
| FINAL FANTASY XIV 黄金のレガシー・高品質 | 80〜100 fps | 65〜85 fps | 設定調整 |
| 原神 中〜高設定 | 60 fps(上限) | 50〜60 fps | 快適 |
| サイバーパンク 2077 低設定+FSR | 40〜45 fps | 30〜35 fps | FSR前提 |
| モンスターハンター ワイルズ 最低設定+FSR | 35〜45 fps | 28〜34 fps | FSR前提 |
| 龍が如く8 低設定 | 40〜50 fps | 30〜40 fps | FSR前提 |
複数の海外レビューサイトが公開している計測値の中央値です。CPU・メモリ速度・解像度設定で実測値は前後します。FSRやAFMF(Hyper-RX)を併用すれば表示フレームレートはさらに底上げできます。
製品構成の核となる4点
このガイドで推奨した構成の中核パーツを整理します。CPU 2モデルとDDR5メモリ、空冷クーラーは構成全体の体感を決める重要パーツです。マザーボードや電源は8700G vs 8600G 比較記事でも扱っています。
※在庫と価格は2026年9月19日時点で各商品ページを確認したものです。パーツの在庫は短期間で動くため、購入前に現在の掲載内容をご確認ください。


※価格・在庫は変動します。最新の価格はAmazonの商品ページでご確認ください。
判定APU構成が向いている人・避けるべき人
- VALORANT・LoL・マインクラフトがメイン。8600Gでも100fps以上を安定して出せる
- 省スペースと静音を最優先したい。Mini-ITXで8〜18L級に収まる
- 段階的に強化したい。AM5は2029年まで継続するので、あとからGPUを足せる
- 普段使い兼ライトゲーム機が欲しい。Office・Web・動画再生を1台で完結させたい
- グラフィックボードの在庫や価格の変動に振り回されたくない
- 消費電力を100W前後に抑えたい。電気代と発熱の両方が効いてくる
- Apexやフォートナイトを144fps以上で遊びたい。APUでは60〜90fpsが現実的な上限
- サイバーパンク 2077やモンスターハンターワイルズを快適に遊びたい。FSR併用でも30〜45fpsが限界
- 動画編集・3DCG・本格的な配信をやりたい。共有VRAMには明確な限界がある
- 総額を15万円以下に抑えたい。メモリ高騰で最安構成でも159,000円かかる
- 組み立てに時間をかけたくない。完成品がほぼ同額で買える状況にある
- いますぐ組む必要がない。後継のRyzen 9000Gの発表を待つ選択肢もある
APU構成はグラボなしでもゲームができるという強みを持つ一方で、万能ではありません。eスポーツ系を低コストかつ省スペースで楽しみたい、段階的に強化していきたいという人には合理的な選択肢です。CPUはこのガイド推奨の8600G、性能を一段上に振りたいなら8700G。メモリはDDR5-6000のEXPO対応32GBが必須で、ここを妥協すると本体ランクの差以上にiGPU性能を落とします。ただし2026年9月時点では総額の見立てが変わりました。最安構成でも159,000円、そのうち72,000円がメモリ代です。グラフィックボード代を浮かせるという当初の狙いは、メモリ代でかなり相殺されます。さらに完成品PCがWindows込み189,800円から出ており、自作との差はほぼ消えました。それでも省スペースや静音、消費電力を優先する理由があるなら、APU構成は今でも成立します。






