【APU構成ガイド2026】グラボ不要で省スペースゲーミングPCを組む——8700G・8600Gで何ができるか正直に解説
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グラボ不要で省スペースゲーミングPCを組む
「グラボなしでゲーミングPCは組めるのか?」——答えはYesですが、条件が3つあります。AMDのRyzen 8000G(APU)を使えばグラボ代ゼロで軽〜中量級ゲームが動くPCを組めますが、メモリ選びを間違えれば性能が2割落ち、マザボを間違えればEXPOプロファイルが使えず、ケースを間違えれば「省スペース」のメリットも消えます。
本記事では8700G/8600Gを軸に、APU構成を本当に活かすパーツ選定の考え方、3つの予算別構成例、ゲーム動作の実態まで、実勢価格ベースで整理しました。CPU選びの細かい比較は8700G vs 8600G 比較記事を参照、本記事は「組み方全体」に焦点を当てます。
目次
01 / 全体像APU構成のメリット・デメリットを正直に整理
APU構成(グラボなしビルド)は万能ではありません。Ryzen 8000G世代のRDNA 3 iGPU(Radeon 780M / 760M)はゲーム用途として実用域に入りましたが、できることと限界を正確に把握しておかないと組んでから後悔します。
| 項目 | APU構成(グラボなし) | 通常構成(グラボあり) |
|---|---|---|
| 初期コスト | グラボ代ゼロ(−6〜15万円) | GPU代が追加 |
| eスポーツ系(VALORANT等) | 100〜200fps(快適) | さらに高fps |
| 中量級(Apex / Fortnite) | 低〜中設定で60〜90fps | 高設定で快適 |
| 重量級(サイバーパンク 2077) | 低設定+FSRで30〜45fps | 高設定で快適 |
| 消費電力 | 合計65〜100W | 合計250〜400W |
| 本体サイズ | Mini-ITX対応・最小8L級 | 大型GPUで20L以上が標準 |
| 動作音(負荷時) | 静音(GPU冷却ファン無し) | GPUファン音が支配的 |
| 将来のGPU増設 | AM5プラットフォームで対応可 | — |
- eスポーツ系専用機: VALORANT・LoL・Counter-Strike 2など軽量タイトル中心なら、グラボ代をまるごと節約できる
- 省スペース・静音PC: Mini-ITXケース+ロープロファイルクーラーで小型化が可能。リビングや書斎に置きやすい
- 段階的アップグレードの出発点: AM5は2027年以降も継続予定。APUで組んで後から単体GPUを追加すれば、CPU・マザボ・メモリはそのまま流用できる
02 / モデル8700G・8600G・8500G|どれを軸にするか
2026年現在、デスクトップAPUで「グラボなしゲーミング」が成立するのは実質3モデルです。CPU選びの詳細比較は別記事に譲り、本ガイドでは「構成軸として何を選ぶか」を3行で示します。
Ryzen 7 8700G
グラボなし構成で重量級まで視野に入れる人向け。サイバーパンク 2077・モンハンワイルズもFSR/AFMF併用で30〜45fps程度のプレイは可能。配信・動画編集の余裕も確保。
Ryzen 5 8600G
VALORANT・Apex・FF14・原神など中量級まで。8700Gとのゲーム性能差は約27%だが、価格差約1.5万円を周辺投資に回す方が賢明なケースが多数。本ガイドの推奨軸。
Ryzen 5 8500G
ゲーミング目的なら推奨外。事務PC・自宅サーバー・後で単体GPUを増設する前提のサブ機向け。マイクラやLoL等の軽量タイトルなら動くが、Apex以降は厳しい。
CPU選びの細かい比較(メモリ依存性・AFMF活用・配信負荷)は8700G vs 8600G 徹底比較で詳しく整理しています。本記事では「構成全体」を優先します。
03 / パーツAPU構成を活かすパーツ選びの正解
APU構成はパーツ選びがiGPU性能に直結します。特にメモリは「速度を1ランク間違えるだけで性能が15〜20%変わる」ほど影響が大きく、単体GPU搭載PCよりもパーツ選定の重要度が高いプラットフォームです。
B650チップセット帯が本命
APUのiGPU性能はメモリクロックで決まるため、EXPO(DDR5-6000+)対応マザーボードは必須。安価なA620でもEXPO対応モデルなら使えます。X670/X670Eは過剰投資。Wi-Fi 6E・PCIe 5.0 M.2スロット装備のB650Mが将来性とコスパのバランス最良。
DDR5-6000 EXPO 32GBが必須投資
AMD公式が「Ryzen 8000Gのスイートスポット」と呼ぶDDR5-6000帯が最適解。DDR5-5200比でiGPU性能が7〜13%向上します。2026年は世界的なAI需要で1年前の2〜3倍に高騰しているため、価格差が小さければDDR5-6000を、予算を絞るならDDR5-5600の下限品を選ぶ判断になります。安物のDDR5-4800で組むとiGPU性能を大きく落とすため避けてください。32GB容量はiGPUの共有VRAM枠を確保するためにも必須です。
PCIe 4.0 NVMe SSD 1TB以上
8700G/8600GはPCIe 4.0までの対応。Gen5 SSDは速度差を体感できない上に高価なのでGen4の1TBが現実的。Crucial T500 / WD Black SN770 / Samsung 990 EVO Plus などが鉄板です。2026年はNANDフラッシュ価格高騰で1年前の3〜6倍になっており、容量を欲張ると一気に予算が膨らむ点に注意。500GBは2026年現在のゲーム1〜2本で埋まるため非推奨です。
Mini-ITX or Micro-ATXで小型化
APU構成最大のメリットは「グラボがない=ケース選択の自由度が高い」こと。Mini-ITXケースに収まれば本体サイズ8〜15L級まで小型化可能。後で単体GPUを増設する可能性があるなら、GPU長300mm前後を許容するMicro-ATXケースが安全です。
付属クーラーで動作可・社外品で快適度UP
TDP 65WのRyzen 8000Gは付属クーラー(Wraith Stealth)でも動作しますが、長時間ゲームでサーマルスロットリングが起きやすいのが弱点。Thermalright Phantom Spirit 120 SE級の空冷クーラー(¥6,000台)を追加すれば、温度・騒音ともに段違いに快適になります。簡易水冷は過剰投資。
APU構成は450〜550W電源で十分
APU単体構成なら最大100W程度の消費電力なので450W電源でも動作しますが、将来のGPU増設を考えるなら650W以上が安全。Mini-ITXケースに収めるならSFX規格の電源を選びます。安物電源は避け、80+ Gold認証以上を最低基準に。
04 / 構成例予算別|APU構成3パターンの具体例
パーツの考え方を踏まえ、3つの予算帯で具体的な構成例を整理しました。価格は2026年5月時点の実勢価格目安で、組合せの参考としてください。
最安構成|eスポーツ&軽量ゲーム特化
| CPU | Ryzen 5 8600G | ¥30,000 |
| マザボ | A620 / B650M(EXPO対応) | ¥14,000 |
| メモリ | DDR5-5600 32GB EXPO | ¥60,000 |
| SSD | NVMe Gen4 1TB | ¥28,000 |
| ケース | Micro-ATX 標準ケース | ¥7,000 |
| 電源 | ATX 550W 80+ Gold | ¥10,000 |
| クーラー | Wraith Stealth(付属) | ¥0 |
バランス構成|本ガイド推奨
| CPU | Ryzen 5 8600G | ¥30,000 |
| マザボ | ASRock B650M Pro RS WiFi | ¥20,000 |
| メモリ | G.SKILL Flare X5 DDR5-6000 32GB | ¥65,000 |
| SSD | NVMe Gen4 1TB(評価の高いモデル) | ¥30,000 |
| ケース | NZXT H5 Flow(Micro-ATX対応) | ¥13,000 |
| 電源 | ATX 650W 80+ Gold | ¥13,000 |
| クーラー | Thermalright Phantom Spirit 120 SE | ¥7,000 |
iGPU最強構成|重量級も視野
| CPU | Ryzen 7 8700G | ¥46,000 |
| マザボ | B650M / B650 ATX(EXPO対応) | ¥22,000 |
| メモリ | DDR5-6000 EXPO 32GB | ¥65,000 |
| SSD | NVMe Gen4 2TB | ¥50,000 |
| ケース | Cooler Master NR200P MAX等のMini-ITX | ¥18,000 |
| 電源 | SFX 750W 80+ Platinum | ¥18,000 |
| クーラー | Phantom Spirit 120 SE / NH-U12A | ¥8,000 |
2026年5月時点の実勢価格目安を提示しています。DDR5メモリは1年前の2〜3倍、NVMe SSDは3〜6倍まで高騰しており(AI需要・Micron消費者向けSSD撤退・Samsung値上げが主因)、構成全体の合計額は1年前の同等構成より約5〜8万円高くなっています。購入時は必ず価格.com・Amazonで最新価格を確認してください。SSDは信頼性で選ぶならTLC NANDモデル(Crucial T500・WD SN770等)が安心です。
05 / ゲーム性能タイトル別fps目安|DDR5-6000基準
「結局、どのゲームがどこまで動くのか?」を実数で整理します。複数の海外レビュー・国内ユーザー報告の中央値ベース、DDR5-6000メモリ・1080p解像度での目安です。重量級はFSR/AFMF併用前提です。
| タイトル | 画質設定 | 8700G(780M) | 8600G(760M) | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| VALORANT | 中 | 170〜200 fps | 140〜170 fps | 快適 |
| League of Legends | 高 | 150〜180 fps | 130〜160 fps | 快適 |
| Counter-Strike 2 | 低 | 90〜110 fps | 70〜85 fps | 快適 |
| Minecraft(Java版) | Fancy | 110〜140 fps | 90〜115 fps | 快適 |
| Apex Legends | 低 | 75〜90 fps | 60〜70 fps | 設定調整必須 |
| フォートナイト | パフォーマンス | 80〜100 fps | 60〜80 fps | 設定調整必須 |
| FF14 黄金のレガシー | 高品質 | 80〜100 fps | 65〜85 fps | 設定調整必須 |
| 原神 | 中〜高 | 60 fps(上限) | 50〜60 fps | 快適 |
| サイバーパンク 2077 | 低 + FSR | 40〜45 fps | 30〜35 fps | FSR/AFMF前提 |
| モンスターハンター ワイルズ | 最低 + FSR | 35〜45 fps | 28〜34 fps | FSR/AFMF前提 |
| 龍が如く8 | 低 | 40〜50 fps | 30〜40 fps | FSR/AFMF前提 |
複数の海外レビュー・国内ユーザー報告の中央値(2026年5月時点)。CPU・メモリ・解像度設定で実測値は前後します。FSR / AFMF(Hyper-RX)併用で表示fpsをさらに底上げ可能です。
06 / 製品APU構成の核となるおすすめパーツ4選
本ガイドで推奨した構成の中核パーツ4点を整理しました。CPU 2モデル+DDR5メモリ+空冷クーラーは構成全体の体感を決める重要パーツです。マザーボードや電源は8700G vs 8600G 比較記事でも詳しく扱っています。

AMD Ryzen 7 8700G
グラボなし構成でiGPU性能の天井を叩きたい人向けの最上位APU。Radeon 780M(12 CU)+8コア16スレッドで、VALORANT・Apexはもちろん、サイバーパンク 2077・モンハンワイルズもFSR/AFMF併用で30〜45fpsプレイ可能。配信・動画編集にも8コアの余裕で対応します。「PREMIUM構成」の中核CPUとして本ガイド推奨。

AMD Ryzen 5 8600G
本ガイド推奨の中核CPU。Radeon 760M(8 CU)+6コア12スレッドで、VALORANT・Apex・FF14・原神までの中量級タイトルを十分にこなします。8700Gとのゲーム性能差は約27%だが、価格差1.5万円を周辺投資(メモリ・ケース・クーラー)に回した方がトータル満足度が高くなります。後で単体GPU増設も可能。
07 / 結論APU構成が向いている人・避けるべき人
こんな人にはハマる
- VALORANT・LoL・マイクラがメインの人。8600Gでも100fps以上を安定して出せ、グラボ代を浮かせて他のパーツに投資できる
- 省スペース・静音PCを作りたい人。Mini-ITXケースに収まる8〜18L級でリビング・書斎に置きやすい
- 段階的にPCを強化したい人。AM5は2027年以降も継続予定。最初はAPUで動かし、予算ができたらGPUを足せる
- 普段使い兼ライトゲーム機が欲しい人。Office・Web・動画再生・軽量ゲームを1台で完結
こんな人にはハマらない
- Apex・Fortniteを144fps以上で遊びたい人。APU構成では60〜90fpsが現実的な上限。高リフレッシュレートを活かすには単体GPUが必要
- サイバーパンク 2077・モンハンワイルズなど重量級を快適に遊びたい人。FSR/AFMF併用でも30〜45fpsが限界。重量級重視なら単体GPU構成一択
- 動画編集・3DCG・本格配信を本気でやりたい人。iGPUのエンコード性能と共有VRAMには明確な限界があり、専用GPU環境が必要
APU構成は「グラボなしでもゲームができる」という強みを持つ一方で、万能ではありません。eスポーツ系を低コスト・省スペースで楽しみたい・段階的に強化していきたい人にとっては合理的な選択肢です。CPUは本ガイド推奨の8600G、性能を一段上に振りたいなら8700G。メモリはDDR5-6000 EXPO 32GBが必須投資で、ここを安物で済ませると本体ランクの差以上にiGPU性能を落とします。マザーボード・ケース・クーラーまで「APU構成最適化」の視点で選べば、グラボに10万円使わなくても満足度の高いゲーミングPCが組めます。





