Ryzen 100とRyzen 200の違いとは?Zen 4・Zen 3+・Radeon 780Mの見分け方【2026年版】

Ryzen 100とRyzen 200の違いとは?Zen 4・Zen 3+・Radeon 780Mの見分け方【2026年版】

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CPU情報 / 2026年7月10日
Ryzen 100とRyzen 200の違いとは?
Zen 4・Zen 3+・Radeon 780Mの見分け方【2026年版】
AMDがRyzen 100シリーズとRyzen 200シリーズに、Hawk Point世代のAPUを合わせて11モデル追加しました。数字の大小だけではもう世代も内蔵GPU性能も判断できません。ノートPC・ミニPC選びで失敗しないための見分け方を整理します。
2026年6月2日発売AMD公式ページにも表記ゆれ型番だけで判断は危険

出典:AMD公式

ノートPCやミニPCのスペック表で「Ryzen 7」「Ryzen 5」という表記を見て、数字が大きいほど新しくて速いはずだと考えていないでしょうか。実はその前提は、もう当てはまらなくなっています。

AMD(Advanced Micro Devices、CPUやGPUを手がける半導体メーカー)は2026年6月、Ryzen 200シリーズとRyzen 100シリーズに合わせて11種類の新モデルを追加しました。

厄介なのは、これまで型落ち世代の代名詞だったRyzen 100シリーズの中に、最新のRyzen 200と同じ世代のチップが混在し始めたことです。

この記事では、追加された11モデルの具体的な仕様と、AMD公式ページに残る表記の不整合を整理したうえで、ノートPC・ミニPC選びで型番だけに頼らず失敗しないための確認ポイントをまとめます。

目次

経緯何が起きたのか

AMDはノートPC・ミニPC向けのRyzen 100シリーズとRyzen 200シリーズに、2026年6月2日付けで合わせて11の新モデルを追加しました。

いずれも「Hawk Point」と呼ばれる世代のAPU(CPUとGPUを1チップに統合したプロセッサ)で、内蔵GPUにはRDNA 3世代のRadeonグラフィックスを搭載しています。

Ryzen 200シリーズには「Ryzen 7 253」「Ryzen 7 249」「Ryzen 5 225」「Ryzen 5 224」「Ryzen 7 217」「Ryzen 5 216」「Ryzen 3 205」の7モデルが追加されました。

Ryzen 100シリーズには「Ryzen 9 180」「Ryzen 7 165」「Ryzen 7 155」「Ryzen 5 125」の4モデルが追加されています。

新モデル追加された11モデルの仕様

まずRyzen 200シリーズの追加モデルです。上位4モデルは通常のZen 4コアのみで構成され、下位3モデルは高効率コア「Zen 4c」を組み合わせたハイブリッド構成になっています。

モデルコア構成コア/スレッド内蔵GPU
Ryzen 7 253Zen 48 / 16Radeon 780M(12CU)
Ryzen 7 249Zen 48 / 16Radeon 780M(12CU)
Ryzen 5 225Zen 46 / 12Radeon 760M(8CU)
Ryzen 5 224Zen 46 / 12Radeon 760M(8CU)
Ryzen 7 217Zen 4 + Zen 4c6 / 12Radeon 740M(4CU)
Ryzen 5 216Zen 4 + Zen 4c6 / 12Radeon 740M(4CU)
Ryzen 3 205Zen 4 + Zen 4c6 / 8Radeon 740M(4CU)

続いてRyzen 100シリーズの追加モデルです。4モデルとも「Hawk Point」世代・4nmプロセス・RDNA 3内蔵GPUという、Ryzen 200の上位〜下位モデルとほぼ同じ中身を持っています。

モデル世代コア/スレッド内蔵GPU
Ryzen 9 180Hawk Point(Zen 4・4nm)8 / 16Radeon 780M(12CU)
Ryzen 7 165Hawk Point(Zen 4・4nm)6 / 12Radeon 760M(8CU)
Ryzen 7 155Hawk Point(Zen 4・4nm)6 / 12Radeon 740M(4CU)
Ryzen 5 125Hawk Point(Zen 4・4nm)4 / 8Radeon 740M(4CU)

参考として、既存モデルの「Ryzen 7 250」もAMD公式ページ上でRyzen 200シリーズ・Hawk Point・Zen 4・8コア16スレッド・Radeon 780M・標準TDP 28W・TSMC 4nmと明記されています。Ryzen 200シリーズは基本的に「Zen 4世代のノートPC・ミニPC向けAPU」と見て差し支えありません。

Ryzen 7 250はLenovoのビジネスノート「ThinkPad E14 Gen 7」などの実機にすでに採用されており、この価格帯のノートPCを検討する際に実際に出会う型番になっています。

混乱ややこしいのはRyzen 100シリーズ

問題は、Ryzen 100シリーズという名前が指す中身が一定ではなくなったことです。従来のRyzen 100シリーズは「Rembrandt」と呼ばれる、より古い世代が中心でした。例えば既存モデルの「Ryzen 7 170」「Ryzen 5 150」はZen 3+コア・RDNA 2内蔵GPU・6nmプロセスという構成です。

これらは2023年前後に出回ったRyzen 7 7735HS・Ryzen 5 7535HSの型番を付け替えて再投入したリネーム品で、Ryzen 200シリーズ側にも「Ryzen 9 270」(旧Ryzen 9 8945HS相当)のようにリネーム元を持つモデルが存在します。

ところが今回追加された「Ryzen 9 180」「Ryzen 7 165」「Ryzen 7 155」「Ryzen 5 125」は、Zen 4コア・RDNA 3内蔵GPU・4nmプロセスのHawk Point世代です。

つまり同じ「Ryzen 100シリーズ」という括りの中に、世代もGPU性能も異なる2つのグループが混在していることになります。

比較項目旧世代(例:Ryzen 7 170)新規追加(例:Ryzen 9 180)
コア世代Zen 3+(Rembrandt)Zen 4(Hawk Point)
内蔵GPU世代RDNA 2RDNA 3
製造プロセス6nm4nm

さらにややこしいのは、AMD公式ページ側の表記です。今回追加されたRyzen 100シリーズの新モデルは実際にはZen 4コアのHawk Point世代であるにもかかわらず、AMD公式ページの一部では「Zen 3+」と表記されたままになっていることが分かっています。

仕様自体はHawk Point世代のものと一致しているため、これは表記側の誤りとみられます。

そもそもRyzen 10・Ryzen 100という3桁未満の型番自体、2025年10月にAMDが新設したものです。当時は「Ryzen 10」がZen 2(Mendocino)、「Ryzen 100」がZen 3+(Rembrandt)という、旧世代の在庫チップを再利用するための型番として導入されました。

狙いは、それまでの4桁型番(Ryzen 7040番台など)や、今後投入されるZen 6世代の次世代型番と、旧世代の再利用チップとをひと目で区別できるようにすることだったとされています。

ノートPCメーカーにとってBIOSや熱設計、マザーボードの検証といったプラットフォーム認証コストはCPU自体の調達コストを上回ることも多く、型番を変えるだけで旧世代のシリコンを新製品として出荷し直せるようにする狙いがあったと報じられています。

つまり本来は「型落ち世代であることを型番でひと目で分かるようにする」ための仕組みだったはずが、今回Hawk Point世代がRyzen 100シリーズに混ざったことで、その区別の仕組み自体が機能しなくなっているのが実情です。

この状態では「Ryzen 100シリーズだから型落ち世代」「番号が小さいから古い」という単純な判断はもう成り立ちません。Ryzen 100シリーズのチップが、Ryzen 200シリーズの一部モデルと同じ世代・同じ内蔵GPUを積んでいることも普通にあり得るということです。

電力クラス型番末尾の接尾辞も当てにならない

見落とされがちなのが、型番末尾の接尾辞(サフィックス)です。AMDのノートPC向けCPUは通常、型番の末尾に電力クラスを示すアルファベットが付きます。

接尾辞消費電力帯主な用途
E9Wファンレス・省電力ノート
U15〜28W薄型ノート
HS35W以上高性能薄型ノート
HX55W以上最高性能帯(ゲーミングノート等)

ところが今回追加された11モデルには、こうした接尾辞が一切付いていません。「Ryzen 9 180」のように数字だけの型番になっており、通常であれば末尾のアルファベットから読み取れるはずの電力クラスすら、名前だけでは判断できなくなっています。

OEM(相手先ブランド供給)向けの特定用途チップである可能性が考えられ、一般的な店頭モデルと同列に語れない位置づけの可能性もあります。少なくとも、型番だけに頼った判断がこれまで以上に難しくなったことは確かです。

AI対応唯一まだ機能する目印は「Ryzen AI」の有無

ここまで見てきたとおり、シリーズ番号も接尾辞も当てにならなくなった中で、実はまだ確実に機能している見分けの目印が1つあります。「Ryzen AI」を名乗っているかどうかです。

AMDのノートPC向けCPUは、AI処理用のNPU(Neural Processing Unit、AI演算専用のプロセッサ)性能によって「Ryzen AI」ブランドと無印「Ryzen」に分かれています。

Ryzen AI 300シリーズ(例:Ryzen AI 9 HX 370)のNPUは50 TOPSで、マイクロソフトが定めるCopilot+ PC(Windows 11のAI機能群をローカル実行できる認定PC)の要件である40 TOPS以上を満たします。

一方、無印Ryzenに使われているHawk Point世代のNPUは最大16 TOPSにとどまり、Copilot+ PCの認定を受けられません。旧世代のRembrandtに至ってはNPUそのものを搭載していません。

つまり「Ryzen AI」と付いていなければ、Ryzen 100だろうとRyzen 200だろうとCopilot+ PCの機能は使えないと判断できます。Copilot+対応のAI機能を重視するなら、シリーズ番号を読み解くより先に「Ryzen AI」の表記があるかを確認するのが最も確実です。

注意点ノートPC・ミニPC選びで見るべきポイント

この状況を踏まえると、ノートPCやミニPCを選ぶ際は次の点を確認しておくと安心です。

確認すべき点理由
「Ryzen 100」「Ryzen 200」という数字だけで判断しない同じシリーズ名の中でも世代・内蔵GPUが混在している
内蔵GPUの型番(Radeon 780M / 760M / 740M)を確認するCU(演算ユニット)数が多いほど内蔵GPUの性能が高い傾向にある
ゲーミング用途なら外部(ディスクリート)GPU搭載モデルを優先する内蔵GPUは軽量なゲームや簡単な作業向けの性能にとどまる
ミニPC・薄型ノートでは型番以外のスペック欄まで見るCPU名だけでは内蔵GPUの世代までは判断できない
型番末尾の接尾辞(U / HS / HX)の有無も確認する接尾辞がないモデルは電力クラスが型番から読み取れない
AI機能重視なら「Ryzen AI」表記を確認する無印RyzenはNPUが16 TOPS以下でCopilot+ PC非対応

判断気にしなくていい人・要チェックな人

あまり気にしなくていい人

  • 外部GPU搭載のゲーミングノートやデスクトップPCを検討している人
  • Radeon 780M・760M・740Mの性能差をすでに把握している人
  • 動画視聴・事務作業中心で、ゲーム性能を重視しない人

要チェックな人

  • ミニPCや薄型ノートを内蔵GPU性能重視で選ぼうとしている人
  • 「番号が大きい方が新しい」という前提で機種を比較しようとしている人
  • スペック表の「Ryzen ○○」という表記だけを見て購入を決めようとしている人
まとめ

今回のRyzen 100/200シリーズ拡充が示すのは、AMDのノートPC向けCPUがシリーズ名・型番だけでは世代を判別できないところまで複雑化しているという実態です。特にRyzen 100シリーズは、同じ名前の中に旧世代のRembrandtと新しいHawk Pointが混在しており、AMD公式ページ側の表記にも誤りが残っています。

ノートPCやミニPCを選ぶ際は、CPU名の数字の大小だけで判断せず、内蔵GPUの型番やコア構成まで含めてスペック欄を確認する習慣をつけておくと、購入後の「思ったより性能が低かった」という失敗を避けやすくなります。

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自作PC愛好家・ゲーム歴15年超

ゲーミングPC歴は15年以上。毎年パーツを更新しながら最新トレンドを追いかけています。初心者にもわかりやすく、上級者も満足できる情報発信を心がけています。