AMD Zen 6「Medusa Point」ESの2GHz表示は本当?主な4件のGeekbench結果とAM5の現状【2026年10月】
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主な4件のGeekbench結果とAM5
Zen 6はAMDの次世代CPUアーキテクチャです。デスクトップ向けは「Olympic Ridge」、ノートPC向けのAPUは「Medusa」と呼ばれています。Geekbenchに「2GHz」と表示されたESのスコアが話題になりましたが、表示値を実動作クロックとして性能差を判断することはできません。
結論から言うと、このESのスコアから、デスクトップ版Zen 6とRyzen 9000の性能差はまだ読み取れません。デスクトップ版について公式に決まっているのは、AMDがAM5を2029年までサポートするという方針までで、性能や個別のマザーボードとの互換性は発表されていません。今PCが必要ならAM5で組んでよく、型番ごとの買う・待つは Zen 6とRyzen 9000の購入判断 で確認できます。
話題のESはデスクトップではなくノートPC向けのMedusa Pointとみられます。「2GHz」はGeekbenchの表示値で、詳細データの動作クロックは約5.37GHzだったと報じられています。半分以下のクロックでZen 5を上回ったという読み方はできず、同クロックでのIPC差も未確定です。
目次
結論今PCが要るならAM5、組み替えを待てるならZen 6の実測を見てから
- PCが壊れた、初めて組むなど、今すぐ必要
- 将来はCPUだけ交換して長く使いたい
- ゲーム性能を最優先し、現行のX3Dで足りる
- Zen 6デスクトップの発売日が決まるまで待てない
- 今のPCでゲームが問題なく動いている
- 2027年に最上位構成を新しく組む予定がある
- Zen 6 X3Dのキャッシュ増量に期待している
- ノートPCやハンドヘルドでZen 6世代を狙っている
ESGeekbenchの「2GHz ES」は3月と7月に複数の結果がある
3月から話題になっているESは、Geekbench上でプラットフォーム名「AMD Plum-MDS1」、10コア20スレッド、L3キャッシュ32MBと表示されます。ノートPC向けAPU「Medusa Point」の試作品とみられ、下の表はそのうち主な4件の測定例です。3月18日の記録は識別子が「-21_N」、7月の記録は「-33_N」で、同一個体の連続測定とは断定できません。
| 確認時期 | シングル | マルチ |
|---|---|---|
| 3月中旬(初出) | 1,210 | 7,323 |
| 3月18日 | 2,300 | 13,002 |
| 7月上旬 | 3,174 | 15,092 |
| 7月17日 | 3,329 | 16,555 |
| Ryzen AI 9 HX 370 Zen 5・12コア・Geekbench平均 | 2,605 | 13,397 |
| Ryzen AI 9 365 Zen 5・10コア・Geekbench平均 | 2,469 | 12,409 |
※複数の登録結果から選んだ主な4件で、全件の一覧ではありません。Zen 5の2行はGeekbenchの平均値で、ESの個別結果とは集計方法が異なります。Geekbench 6.6.0(Windows)の測定例です。識別子やBIOS・電力設定が異なる可能性があり、同一個体の性能推移を示す表ではありません。元データ:3月18日、7月8日、7月17日。
3月18日の記録はマルチ13,002で、表のRyzen AI 9 365の測定値を上回ります。7月17日の結果はシングルがHX 370より約28%、マルチが約24%高く、同じ10コアのRyzen AI 9 365と比べるとシングルで約35%上回ります。ただし、機種・電力・クロックが異なるため、このスコア差をIPC向上幅には換算できません。
7月17日の結果は、Geekbenchの概要欄にベースクロック2.00GHz、最大2,152MHzと出ますが、詳細データでは最大約5.37GHzに達していたと報じられています。未発表のCPUをGeekbenchやWindowsが正しく読み取れていないとみられ、低クロックでZen 5を超えたとは言えません。同じクロックで見ても伸びているのか、製品版のクロックはどうなるのかは、まだ分かっていません。
ノートPC向けAPUのスコアなので、次期デスクトップRyzen(開発コード Olympic Ridge。Ryzen 10000は仮称)の性能とそのままは結びつきません。参考までに、デスクトップのRyzen 7 9700Xはシングル3,345・マルチ16,882で、7月17日のESとほぼ並びます。電力と冷却の条件が違うため、ゲームのfpsを推測する材料にはなりません。ノート側の続報は Medusa PointのGeekbenchリーク記事 で追っています。
確度公式に決まっていることは意外と少ない
AM5のサポート期間とZen 6デスクトップの発売時期では、公式に発表された範囲が異なります。
| 情報 | 現在の扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| AM5を2029年までサポート | AMD公式 | Computex 2026のAMD公式ブログ。Zen 6の名指しはなし |
| Olympic RidgeはAM5向け | AMD資料を引用した報道 | 技術情報ポータルの分類とされる情報。個別マザーボードの対応は未確認 |
| Medusa1はAM5とFP10、Medusa2はFP10 | AMD資料を引用した報道 | 同じポータルの分類とされる情報。仕様の確定ではない |
| znver6の新命令セット | コード上で確認 | GCC・LLVMに入った対応コード。製品の性能は示さない |
| デスクトップの発売時期 | 未発表 | 2027年とする報道はあるが、AMDは日付を出していない |
| 最大24コア・最大288MB級のキャッシュ | リーク | リーカーの投稿と海外メディアの報道。正式仕様ではない |
| Medusa Pointの内蔵GPU | 有力な推測 | LLVMとMesaに入ったRDNA 4m(GFX1170・GFX1171)。AMDは製品との対応を発表していない |
デスクトップ向けはOlympic Ridge、MedusaはノートPC向けAPUの系統です。対応するチップセットの範囲は、個別マザーボードのCPUサポートリストとBIOSの発表を待つ必要があります。内蔵GPUはGFX11.7系の「RDNA 4m」が有力で、詳細は GFX1171の解説記事 にあります。
znver6のコードに入ったAVX-512 BMMやAVX_VNNI_INT8などは、AIや暗号処理向けの拡張です。ゲームで効いてくるのは、IPC・L3キャッシュ・メモリ周りの改善で、特にCPU律速のタイトルが恩恵を受けます。
時期デスクトップの発売時期は未発表、2027年説は報道段階
AMDはZen 6世代のサーバー向けEPYCを公表しています。デスクトップとノートの時期は2027年を軸にしたリークと報道が中心で、デスクトップ版の発売日はAMDから示されていません。
| 製品 | 対象 | 時期と状態 |
|---|---|---|
| EPYC 9006「Venice」 | サーバー | AMDが2026年7月に256コアのEPYC 9996の比較資料を公開。サーバー向けが先行 |
| Olympic Ridge 次期デスクトップRyzen | デスクトップ(AM5) | 2027年とする報道。AMDは日付を未発表 |
| Medusa Point | ノートPC向けAPU | 2027年前半とする報道。AMDのロードマップではZen 6世代のMedusaは2027年 |
| Medusa BB | 普及価格帯のノートPC | 2027年とする報道。半期は未確定 |
デスクトップの発売時期は、AMDが日付を出していない以上、2027年前半と書かれた記事も推測です。購入計画の前提にするなら、AMDの発表を待つのが確実です。この件はNova Lakeとの比較も含めて Nova Lake vs Zen 6の待つか買うかの記事 で整理しています。
互換AM5は2029年まで続く、ただしZen 6対応は別の話
2026年のComputexで、AMDはAM5プラットフォームのサポートを2029年まで延長すると発表しました。AMD公式ブログは、Ryzen 7 7700X3Dの発売に合わせて「Socket AM5を2029年までサポートする」と書いています。Zen 6への言及はなく、あくまでソケットの方針です。
Olympic RidgeをAM5向けとする根拠として、AMDの技術情報ポータルの分類を引用した報道があります。「AM5 Olympic Ridge」「AM5 Medusa1」といった表記が報じられました。ただし、B650・B850・X670・X870のどれが対応するかは、マザーボードメーカーのCPUサポートリストとBIOS配布が出るまで分かりません。互換性の整理は Olympic RidgeのAM5互換の記事 と AM5 2029年表明の記事 にあります。
10月にはZen 6世代のサーバー向けEPYC 9996とRyzen 7 9700Xを比べるGeekbenchの報道も出ました。ただし、EPYC 9996のスコアをデスクトップ版Zen 6のゲーム性能差に置き換えることはできません。Ryzen 9000の国内価格と型番別の買う・待つ判断は Zen 6とRyzen 9000の性能差・購入判断 で確認できます。
ゲームゲームで本命になるのはX3Dのキャッシュ
Zen 6デスクトップの同クロック性能はまだ確定していません。仮にIPCが伸びても、ゲームではL3キャッシュ容量の影響が大きい世代が続いています。Ryzen 7 9800X3Dが多くのゲームでRyzen 9 9950Xを上回るのは、積層した96MBのL3キャッシュにゲームのデータを置けるからです。
リークによると、Zen 6のデスクトップは1つのCCD(コアをまとめたチップ)に12コアと48MBのL3を載せ、X3Dでは最大288MB級のキャッシュになるとされています。これらは正式仕様ではありません。Zen 6 X3Dが現行の9800X3Dをどれだけ上回るかは、発売後のレビューで確かめる段階です。ベンチマークの見方としては、基準になる現行のX3Dとのfps差と、消費電力を一緒に見るのが確実です。
立場別今の環境ごとに取る行動
おすすめZen 6まで待てないなら|AM5で組む現行CPU
AM5は2029年まで続くため、今のX3Dで組んでも、将来CPUだけ載せ替える道が残ります。ゲーム性能を優先する人向けに、現行の8コアX3Dを2つ挙げます。
FAQZen 6に関するよくある質問
まとめ2GHzは表示値、公式に決まったのはAM5の継続まで
話題のESはノート向けのMedusa Pointとみられ、2GHzはGeekbenchの表示値です。主な4件のスコアは試作品の測定例で、デスクトップ版Zen 6の性能を決めるものではありません。公式に決まったAM5の2029年までの継続と、リークの24コア・288MBは分けて読んでください。Ryzen 9000を型番ごとに今買うか待つかは Zen 6とRyzen 9000の性能差・購入判断 で、Intelの次世代と比べた判断は Nova LakeとZen 6の比較 で確認できます。
出典:AMD「Computex 2026: 10 Years of AM4, AM5 Support Through 2029」、VideoCardz「AMD confirms Zen 6 Medusa1 APUs and Olympic Ridge CPUs for AM5 socket」、XenoSpectrum「AMD Portal Listings Point to Olympic Ridge and Medusa Chips on AM5, FP10 for Zen 6」、HotHardware「AMD Zen 6 X3D CPUs May Rock Up To 288MB Of Cache」、Tom’s Hardware「AMD Ryzen 7 9850X3D review」、Wccftech「AMD Says It Will Bring New Zen Architectures & Products To AM5 Through 2029」




