Steam Remote Playで音は出るのに映像が真っ黒になる原因|ホスト・クライアント・設定を切り分ける【Windows 11】
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ホストで映るかを見てから、クライアントのデコード、ホストのエンコードの順に変えます
ゲームのBGMも聞こえ、コントローラーにも反応するのに、画面だけが黒いまま。Valveの公式サポートは、全ゲームで黒画面になるときの確認として両PCのビデオドライバー更新、ホストのハードウェアエンコード無効化、クライアントのハードウェアデコード無効化を挙げています。
対象はWindows 11のPC間接続です。Steam DeckやSteam Linkのアプリ、LinuxのWaylandホストは、設定の位置や確認点が違います。
出典:Steam Remote Playのサポート・Steam Link:接続後に黒画面・Steam Link:ゲーム起動時に黒画面・Steamクライアント更新(10月13日)・Pyrowaveの告知・AMD AMFの黒画面報告・Linuxクライアントの黒画面報告・steam-for-linux Issue #13585
Steam Remote Playは、ゲームを動かしているPC(ホスト)で映像と音声を取り込み、手元の機器(クライアント)へ送る仕組みです。音が聞こえていても、映像の取り込み・圧縮・復号・表示のどこかで止まっていることがあります。
Valveのサポートでは、全ゲームで黒画面になるなら、まず両方のPCでビデオドライバーを更新し、直らなければホストのハードウェアエンコードとクライアントのハードウェアデコードを、それぞれ無効にして試すよう案内しています。特定のゲームだけなら、ホストでウィンドウモードにする、Steam Linkなら常駐ソフトを止める、という別の手順があります。
両方を最初から切ると、どちらが原因だったのか分かりません。片方ずつ変え、1回ごとに映るかを確かめてください。設定をオフにしても、ログには別の処理が出ている例もあります。
目次
切り分け黒くなる場面で、先に疑う場所が変わります
ホストは実際にゲームを動かしているPC、クライアントは映像を受け取って表示する側です。症状ごとの最初の確認は次のとおりです。
| 症状 | 疑う場所 | 最初の確認 |
|---|---|---|
| ホストの画面でもゲームが映らない | Remote Playの外、ゲーム自体 | 切断してホストで直接起動 |
| ホストでは映り、どのゲームもクライアントで黒い | ドライバー、エンコード、デコード | ドライバー更新、デコード→エンコードの順に無効化 |
| 特定のゲームだけ黒い | 表示モード、Steam外のゲーム | ウィンドウモードに変更 |
| Steam Linkで接続後に黒く、音は聞こえる | ホストの常駐ソフトとの競合 | RivaTuner Statisticsなどを停止 |
| 特定のクライアントだけ黒い | そのクライアントのデコード | 別のクライアントで同じゲームを試す |
| LinuxのWaylandホストで黒い | 画面の取り込み方式 | ログの取り込み方式、X11との比較 |
音が聞こえるのは、接続とホストからの音声送信が成立している証拠です。映像の取り込み・圧縮・復号・表示まで正常だという証拠にはなりません。逆に、映像は出るのに音だけ出ない場合は、Steam Remote Playで映像は出るのに音が出ない原因で手順をまとめています。
最初まずホストの画面とゲーム数を確かめます
設定を変える前に、2つだけ確認します。
- ホストのモニターでゲームが映っているか。Remote Playを切断し、ホストでそのゲームを直接起動します。ここで映らなければ、Remote Playの設定を変えても直りません。
- 別のゲームでも黒くなるか。Valveは、特定のゲームだけの問題なら、ゲーム名をバグ報告用のディスカッションへ報告するよう案内しています。ドライバー更新とエンコード・デコードの無効化は、全ゲームで起きるときの手順です。
ホストとクライアントのGPU名とドライバーのバージョン、Steamのバージョン(安定版かベータ版か)、試したゲーム名を控えておくと、結果を比べられます。ベータ版に参加しているなら、黒画面が出始めた時期とベータ参加の時期が重なっていないかも見ます。
手順デコード、エンコードの順に1つずつ無効にします
Valveのサポートは、全ゲームで黒画面になる場合に、次の3つを挙げています。
- 両方のPCでビデオドライバーを更新する
- ホスト側の詳細設定でハードウェアエンコードを無効にする。直ったら、ホストのGPUとドライバーのバージョンを報告する
- クライアント側の詳細設定でハードウェアデコードを無効にする。直ったら、クライアントのGPUとドライバーのバージョンを報告する
実際に試すときは、次の順番にします。設定は「Steam」→「設定」→「Remote Play」の中にあります(日本語の表記や位置はバージョンで変わります)。
- ドライバーを更新する。ホストとクライアントの両方で、GPUメーカーの最新ドライバーを入れて再起動します。
- クライアントのハードウェアデコードだけ無効にする。クライアントのSteamで、Remote Playの詳細なクライアント設定(Advanced client options)にあるハードウェアデコードをオフにし、Steamを再起動して同じゲームへ接続します。
- 映らなければ元に戻す。デコードの設定を戻します。両方を変えたまま次へ進むと、どちらが効いたのか分からなくなります。
- ホストのハードウェアエンコードだけ無効にする。ホストのSteamで、Remote Playの詳細なホスト設定(Advanced host options)にある「Enable hardware encoding」をオフにして、再接続します。
- それでも映らなければ、両方を無効にした状態を試す。片方ずつでは直らず、両方で直る例を拾うための最後の手順です。
結果の読み方は次のとおりです。どれも原因の確定ではなく、次に疑う場所を決める材料です。
| 結果 | 疑う場所 | 次にやること |
|---|---|---|
| デコードを切ると映る | クライアントのGPUドライバーとデコード経路 | クライアントのドライバー更新、バージョンを控えて報告 |
| エンコードを切ると映る | ホストのエンコード、またはそこで選ばれる映像形式 | ホストのドライバー更新、ログで選ばれた方式を確認 |
| 両方を切ったときだけ映る | エンコーダーとデコーダーの組み合わせ | 片方ずつ戻して、動く組み合わせを探す |
| どれでも映らない | 取り込み、常駐ソフト、ゲームの表示モード | 以降の節の確認へ |
ハードウェアエンコードを切ると、映像の圧縮はGPUの専用機能を使わない方式になります。CPUの余裕が少ないホストや、古いCPUのクライアントでは、動作が重くなる場合があります。映ることを確かめたあとは映像の滑らかさも見て、重いようならドライバーやSteamの更新後に、もう一度オンへ戻して試します。
ログ設定をオフにしても、別の経路で動いていることがあります
設定を切って映ったのか、設定が効いていないのか。ここはログを見ないと分かりません。Steamのインストール先にあるlogs\streaming_log.txtに、取り込み方式、使われたエンコーダー、クライアントのデコーダーなどが記録されます。Valveのサポートも、音声エラーの確認先としてこのファイルを挙げています。
Windows 11のRX 6600 XTホストからSteam Deck OLEDへ配信して映像が黒くなった例が、2026年8月3日にSteamコミュニティのバグ報告として上がっています。音声と入力は動き、ホストのハードウェアエンコードを切ると映ったという内容です。同じ報告には、見落としやすい点が2つあります。
- H.264でもHEVCでも、AMDのエンコーダーを使うと黒くなった
- クライアント側のハードウェアデコードを切ってDeckを再起動しても、ログには
VAAPI Vulkan hardware decodingと出ていた
ログには、クライアントがテクスチャを作れなかったことを示すCVulkanAccel: Couldn't create texture: Unsupported Ycbcr colorspace: 0という行もありました。ホストのエンコードを切って映った理由が、エンコーダーそのものの不具合なのか、クライアントが受け取る映像の形式が変わったためなのかは、この報告だけでは決められません。GPUの故障と考えて部品を替える前に、ログで経路を確かめるほうが確実です。
Linuxのクライアントでは、2025年11月30日の報告に「ハードウェアデコードが有効だと映像が黒いまま、音声と操作だけ動き、詳細なパフォーマンス表示ではデコードが行われていない」という例があります(CachyOS、Ryzen 9 6900HS、RX 6700S)。これも1台の環境の報告で、Linux全般の不具合だと言えるものではありません。
見る行は、取り込み方式(Capture method)、作られたエンコーダー(Created encoder)、クライアントのデコーダー(Client video decoder)、それにCLIENT:で始まるエラーです。正常に映るセッションと黒いセッションのログを並べると、どこが変わったのかが分かります。
パフォーマンス表示でも使用中のエンコーダーを確かめられます
Valveのサポートは、クライアントの詳細設定で「Performance Overlay」を「Details」にし、配信中にF6を押す方法を案内しています。エンコーダーの説明欄に「QuickSync」とあればIntelのハードウェアエンコード、「NVFBC」か「NVIFR」とあればNVIDIAのハードウェアエンコードです。この案内は古いサポート文面に基づくので、現在のSteamでは表示の出し方が違う場合があります。出ないときはログで確かめてください。
常駐ソフト接続後に黒くなり音だけ聞こえるなら、キャプチャの競合を疑います
Steam Linkの公式サポートには「接続後に黒画面になる」という項目があり、黒画面で音が聞こえるなら、RivaTuner Statisticsのタスクを無効にすると案内されています。同じページが、問題を起こした例がある常駐ソフトとして挙げているのは次のとおりです。
- MSI Afterburner、RivaTuner Statistics
- Razer Synapse、ASUS AI Suite
- ZoneAlarm、Skype(Skypehost)
- MEGASyncなどのクラウド同期サービス
- Frapsなどの画面キャプチャソフト
ホストで該当するソフトが動いていたら、一時的に終了してから再接続します。FPS表示を隠すだけでなく、タスクトレイから終了するところまで行って比べてください。終了して映るなら競合、変わらなければ別の原因です。競合が必ず起きるわけではないので、原因が確かめられるまでアンインストールは要りません。
同じページには、動画配信サービス、音楽配信、大きなファイルの転送が「配信の体験に影響する場合がある」ものとして別枠で載っています。黒画面の原因として挙がっているのは、上の一覧です。
特定のゲーム1本だけ黒いなら、ウィンドウモードで比べます
Steam Linkの公式サポートには「ゲーム起動時に黒画面になる」場合の項目もあり、ホストのゲーム内設定でフルスクリーンからウィンドウモードに変えるよう案内されています。ホストの前で次のように進めます。
- Remote Playを切断し、ホストで問題のゲームを起動する
- ゲーム内のグラフィック設定または表示設定を開く
- 画面モードがフルスクリーンなら「ウィンドウ」に変える
- クライアントから再び接続して、映るかを見る
同じページは、Steamライブラリに入っていないゲームを「+ ADD A GAME…」から追加し、ライブラリから起動するよう案内しています。Steam外のゲームのストリーミングは、動く場合もありますが、公式にはサポートされていません。Steam外のゲームだけ黒いときは、Steam版のゲームで同じ症状が出るかを先に確かめてください。
コーデックHEVC、HDR、新コーデックPyrowaveは、1項目ずつ戻して比べます
Steamは2026年10月13日に、安定版のクライアント更新を出しました。Remote Playの項目には、映像の処理に関わる変更が含まれています。
- 実験的な映像コーデック「Pyrowave」の追加
- Vulkanの取り込み性能の大幅な改善
- 色の正確さ、鮮明さ、明るさの改善
- HEVCが使えないときはH.264へ自動で切り替える
- OLED版Steam Deckへ配信するときはHDRを無効にする
更新内容に、黒画面が直ったとは書かれていません。それでも、報告されている黒画面にはHEVCやHDRの組み合わせが絡むものがあるため、Steamを更新したあとに再確認する価値があります。
Pyrowaveは、他のコーデックの5〜10倍の帯域を使う低遅延の方式です。標準では有効ではなく、Remote Playの詳細なクライアント設定でオンにします。GPUでエンコードとデコードを行い、HDRはホストとクライアントの両方が対応していれば自動で選ばれます。黒画面が出始めたのがPyrowaveをオンにした直後なら、オフに戻して比べます。仕様と必要な帯域はSteam Remote Playの新コーデックPyrowaveで解説しています。
HDRが黒画面の原因だと公式に説明されているわけではありません。ただ、映像の色の形式が変わる設定なので、ほかの手順で直らないときは1項目だけ戻して試す価値があります。ゲーム内にHDR設定があれば先にそこをSDRにし、直らなければWindows 11の「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「HDR」をオフにします。両方を同時に変えると、どちらが効いたのか分かりません。
LinuxWaylandのホストは、ログの取り込み方式を見ます
ホストがLinuxなら、Windowsとは別の要因があります。2026年9月6日にValveのsteam-for-linuxへ上がった報告(Issue #13585)は、Bazzite 44のKDE Waylandセッション(RX 9070 XT)のホストからAndroidのSteam Linkへ配信すると、音声は届き、映像は黒い、止まる、まれにしか更新されない、という内容です。同じ機械でX11のセッションなら正常に配信できています。
この報告のログには、通常の起動ではDesktop capture unavailable, try running Steam with -pipewireと出て、取り込み方式はDesktop Black Frame + libx264になっていました。-pipewireを付けて起動すると取り込みが働いて黒画面は減ったものの、60fpsの目標に対して35〜36fps前後だったそうです。1台の環境の測定値で、Wayland全般に当てはまる数字ではありません。使っているディストリビューションとSteamのバージョンを控え、X11のセッションでも同じゲームを試すと、取り込み方式の問題かを判断できます。
機器別Steam DeckとSteam Linkは、別のクライアントでも試します
Steam DeckやSteam Linkのアプリは、設定画面がWindows版Steamと違います。Windows版の「クライアントの詳細設定」と同じ位置に項目があるとは限りません。使える設定が見つからないときは、次の2点を優先します。
- 別のクライアントで同じゲームを試す。ノートPCでは映るのにスマートフォンだけ黒いなら、そのクライアントのアプリとデコードを疑います。どのクライアントでも黒いなら、ホストのエンコード、取り込み、常駐ソフトです。
- Steam Deckは本体の画面で確かめる。ドックでテレビやモニターへ出しているなら、本体の画面で同じ症状が出るかを見ます。
Steam Linkのメニューは映り、ゲームを始めてから黒くなるなら、ホスト側で取り込めていない可能性が高く、先ほどの常駐ソフトとウィンドウモードが先です。
直らない場合再現条件をそろえて報告します
ここまでで直らないときは、Valveのバグ報告用ディスカッション(Steam Remote Playのグループ)へ報告する方法があります。次の情報があると、ほかの利用者の報告と突き合わせられます。
- ホストとクライアントのOS、GPU名、ドライバーのバージョン
- Steamのバージョン(安定版かベータ版)
- 黒くなるゲームの名前、全ゲームか1本かの別
- デコード、エンコード、両方を切ったときの結果
streaming_log.txtのうち、取り込み方式、エンコーダー、デコーダー、エラーの行
ログにはPCの環境情報が含まれることがあります。公開する前に、ユーザー名やネットワークの情報が入っていないかを確かめてください。
FAQよくある質問
まとめホストで映るか確かめてから、1つずつ変えます
音は出るのに映像が黒いときは、最初にホストの画面で映っているかと、全ゲームか1本だけかを確かめます。全ゲームなら、両PCのドライバーを更新し、クライアントのハードウェアデコード、ホストのハードウェアエンコードの順に、1つずつ無効にして比べます。
特定のゲームだけならウィンドウモードを、Steam Linkで接続後に黒くなるならRivaTuner Statisticsなどの常駐ソフトの停止を試します。直らないときは、HDRやHEVC、Pyrowaveを1項目ずつ戻し、streaming_log.txtで実際に使われた取り込み方式とデコーダーを確認します。
設定のオフとログの経路が一致しない例もあります。GPUの故障と決めつけず、控えたドライバーのバージョンと再現条件を報告してください。SteamのほかのトラブルはSteamのトラブルを症状から探す診断チャートから探せます。


