Steam Remote Playの映像がカクつく原因|59.94fps対応でテレビへの配信は改善する?【2026年7月更新】
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59.94fps対応でテレビへの配信は改善する?【2026年7月更新】
Steamは2026年7月21日の安定版アップデートで、Remote Playに「59.94 FPS」のフレームレート上限を追加しました。60fpsとの違いはわずか約0.06fpsですが、59.94Hzで動作するテレビへ配信している場合、この差が一定間隔のカクつきとして蓄積することがあります。効果が出やすい環境・出にくい環境の見分け方と、原因別の診断手順を解説します。
Steam Remote Playを使って、ゲーミングPCの映像をリビングのテレビやSteam Deckへ配信すると、「通信速度は十分なのに一定間隔で映像がカクつく」「60fpsに設定しているのに滑らかに見えない」と感じることがあります。
Valveは2026年7月21日、Steamクライアントの安定版アップデートを配信し、Remote Playに新しく「59.94 FPS」のフレームレート上限を追加しました。同時に、自動設定時のフレームドロップ削減や、帯域幅を無制限にした際にクライアント側の動画デコーダーへ過剰な負荷がかかる問題も修正されています。59.94fpsは一見60fpsとほとんど変わらない数字ですが、テレビの中には「60Hz」と表示されていても内部では実際に約59.94Hzで動作している製品があり、今回の対応はこの差によるフレームの重複・欠落を減らすためのものです。
ただし、Remote Playのカクつきがすべて59.94fps設定だけで直るわけではありません。ネットワーク、エンコード、デコード、PC側のフレームレート、テレビの映像処理など、別の原因も考えられます。この記事では、59.94fps対応の中身から、効果が出る環境の見分け方、原因別の診断手順まで順番に解説します。
アップデート内容Steam Remote Playに追加された59.94fpsとは
2026年7月21日のSteamクライアント更新では、Remote Playに関して主に次の変更が実施されました。
| 変更内容 | 期待できる効果 |
|---|---|
| 59.94 FPSの上限を追加 | 59.94Hzで動作するテレビとのフレーム同期を改善 |
| 自動設定時のフレームドロップを削減 | フレームレートを自動にしている環境の安定性を改善 |
| 帯域幅無制限時のデコーダー過負荷を修正 | 高ビットレート配信時のカクつきや処理落ちを軽減 |
| 一部環境で発生した低リフレッシュレートを修正 | 異常に低いフレームレートになる問題を解消 |
| オフライン端末が配信先として表示される問題を修正 | 接続端末一覧の誤表示を改善 |
これらは当初、7月8日にSteamクライアントのベータ版へ追加されましたが、その後、7月21日の安定版アップデートへ取り込まれています。安定版は7月22日に追加修正を含めて再配信されているため、現在はSteamクライアントベータへ参加しなくても、通常どおり更新すれば利用できます。
出典:Steam Deck公式ニュース「Steam Client Update」
数値の違い60fpsと59.94fpsは何が違う?
60fpsは、1秒間に60枚の映像を表示する設定です。一方、59.94fpsは厳密には「60000÷1001」で、約59.94006fpsとなります。NTSC方式のテレビ信号は60000/1001、つまり約59.94として扱われており、両者の差は約0.06fpsしかありません。
一瞬見ただけでは違いを判別できませんが、60.000fpsの映像を59.940fpsの画面へ長時間表示し続けると、映像側と画面側のタイミングが少しずつずれていきます。計算上は、およそ16.7秒ごとに1フレーム分の差が蓄積します。その差を補正するために、同じフレームを繰り返したり、フレームを飛ばしたりすると、「十数秒おきに一瞬だけ引っかかる」という周期的なカクつきとして見えることがあります。
Windowsでは、テレビ互換のタイミングを報告する画面に対し、ユーザーが60Hzを選んでも内部では59.94Hzが保存される場合があります。Windowsのディスプレイ設定で「59Hz」と表示される場合も、実際に59.000Hzで動いているとは限りません。
背景なぜテレビでは59.94Hzが使われているのか
59.94Hzは、アナログテレビ時代のNTSC映像方式に由来するリフレッシュレートです。現在のテレビはデジタル化されていますが、放送映像や既存の映像規格との互換性を保つため、59.94Hz、29.97fps、23.976fpsといった小数のフレームレートが今も広く使われています。
そのため、テレビの商品仕様や設定画面では「60Hz」と案内されていても、PCや映像機器から確認すると59.94Hzとして認識されることがあります。
効果の見極め59.94fps対応でテレビへの配信は改善する?
結論として、配信先のテレビが59.94Hzで動作している場合は、周期的なカクつきが改善する可能性があります。特に効果が期待できるのは、次のような環境です。
Steam公式の更新内容では、59.94fps上限の追加に加えて、自動設定時のフレームドロップも削減されています。そのため、手動で59.94fpsを指定しなくても、「自動」を使用している環境で改善する可能性があります。
設定方法Steam Remote Playを59.94fpsに設定する方法
Steam Linkアプリ、Steam Deck、Big Pictureモードでは、設定項目の名称や配置が異なる場合があります。59.94fpsが表示されない場合は、SteamクライアントとSteam Linkアプリの両方を更新してください。また、安定版への追加前から起動し続けている端末では、一度アプリや端末を再起動すると表示される可能性があります。
テレビの確認テレビが59.94Hzか確認する方法
Windows 11で確認する
テレビをPCへ直接接続できる場合は、Windowsの設定から確認できます。「設定」「システム」「ディスプレイ」「ディスプレイの詳細設定」の順に開き、対象のテレビを選んでリフレッシュレートを確認してください。表示が「59Hz」「59.94Hz」「59.95Hz」、または「60Hzだがテレビ互換の解像度を使用」のいずれかなら、59.94fpsを試す価値があります。
ただし、Windowsで60Hzと表示されていても、実際には59.94Hzが使われている場合があります。59.94fpsと60fpsの両方を数分ずつ試し、一定間隔の引っかかりが減る方を選ぶのが確実です。
テレビ側の情報表示で確認する
テレビによっては、入力信号の情報画面やゲームダッシュボードから、現在の解像度とリフレッシュレートを確認できます(例:3840×2160/59.94Hz、1920×1080/60Hz 等)。Steam Linkアプリをテレビ本体で動かしている場合、入力信号画面ではアプリ内部のフレームレートを確認できないこともあります。その場合は、59.94fpsと60fpsを切り替えて、カメラを一定速度で動かした際の滑らかさを比較してください。
原因診断Steam Remote Playがカクつく主な原因
1. 60fpsとテレビの59.94Hzが一致していない
今回のアップデートが直接対策している原因です。配信映像が60.000fps、テレビが59.940Hzの場合、両者のタイミングは完全には一致せず、ネットワークやPC性能に問題がなくても周期的なフレーム飛びが発生する可能性があります。この場合は、Remote Playの上限を59.94fpsへ変更します。
2. Wi-Fiの遅延やパケットロス
Remote Playでは、単純なダウンロード速度よりも通信の安定性が重要です。速度測定で数百Mbps出ていても、Wi-Fiの干渉によって通信が一時的に止まると、映像がカクついたり画質が急に低下したりします。ホストPCを有線LANへ接続する、無線を使う場合は5GHz帯を利用する、ルーターのファームウェアを更新する、Remote Playの画質を「バランス」または「高速」にするといった対策が有効です。回線側から見直したい場合はゲーム用Wi-Fiルーターの選び方も参考にしてください。
3. 帯域幅を無制限にしてデコーダーへ負荷がかかっている
帯域幅を「無制限」にすると画質は上がりやすくなりますが、クライアント端末へ非常に高いビットレートの映像が送られる場合があります。2026年7月のアップデートでは、帯域幅を無制限にした際にクライアント側の動画デコーダーへ過剰な負荷がかかる問題が修正されましたが、修正後も端末そのものの性能を超える映像を安定して再生できるわけではありません。4K配信や高画質設定でカクつく場合は、帯域幅を無制限から固定値へ変更し、低い設定から少しずつ上げてください。目安は1920×1080/59.94fpsで15〜30Mbps、2560×1440で30〜50Mbps、3840×2160で50Mbps以上です。
4. ホストPCのゲームが安定して59.94fps以上出ていない
Remote Playの配信上限を59.94fpsにしても、ゲーム自体が40〜50fpsまで低下していれば映像は滑らかになりません。配信では、ゲームの描画に加えて映像のキャプチャとエンコードも必要です。GPU使用率が常に99%付近になっていると、エンコーダーへ処理を回せず配信映像だけがカクつく場合があります。ゲーム内のフレームレートを60fps前後へ制限する、レイトレーシングや影・描画距離を下げる、DLSS・FSR・XeSSを利用するといった調整で、継続して59.94fps以上を維持できる状態を目指してください。
5. クライアント側のハードウェアデコードが合っていない
通常はハードウェアデコードを有効にした方が、CPU負荷を抑えて滑らかに再生できます。ただし、端末やGPUドライバー、使用コーデックの組み合わせによっては、ハードウェアデコードを有効にしたときだけフレームドロップが発生する場合があります。ハードウェアデコードの有効/無効を比較し、HEVCやAV1を使用している場合はH.264でも試す、クライアント端末のGPUドライバーを更新する、解像度と帯域幅を一段階下げるといった順番で切り分けてください。設定を一度に複数変更すると原因を判断しにくいため、1項目ずつ変更するのがおすすめです。
6. テレビの映像処理が遅延や不自然な動きを生んでいる
テレビでは、倍速補間・ノイズ低減・超解像処理・輪郭補正・映画向けフレーム補間・ダイナミックコントラストといった映像処理が行われることがあります。これらは動画視聴には有効ですが、ゲーム映像では入力遅延や不自然なフレーム補間につながることがあります。テレビ側で「ゲームモード」「ゲームオプティマイザー」「低遅延モード」などを有効にしてください。ただし、ゲームモードは主に入力遅延を減らす機能で、ネットワーク上のフレームドロップ自体を修復するものではありません。
そもそもfpsとHzがどう関係し、ティアリングやスタッターがなぜ起きるのかを詳しく知りたい場合は、フレームレートとリフレッシュレートの違いで図解しています。
設定の選び方59.94fpsと自動設定はどちらを選ぶべき?
基本的には、最初に「自動」を試すのがおすすめです。今回のアップデートでは、自動設定時のフレームドロップも削減されています。テレビやクライアント端末の情報をSteamが正しく取得できている環境では、自動設定のままでも適切に動作する可能性があります。それでも周期的にカクつく場合は、59.94fpsを手動で指定します。
| 配信先 | おすすめ設定 |
|---|---|
| 一般的なテレビ | 自動または59.94fps |
| Windowsで59Hzと表示されるテレビ | 59.94fps |
| 59.94Hzと明示されるテレビ | 59.94fps |
| 正確な60.000Hz対応PCモニター | 60fps |
| 原因を切り分けたい場合 | 59.94fpsと60fpsを比較 |
| ネットワークが不安定 | フレームレートより先に通信環境を改善 |
59.94fpsは、60fpsより画質や反応速度を大きく下げる設定ではありません。1秒あたりの差は約0.06フレームしかないため、対応テレビではむしろフレームの流れが安定する可能性があります。
確認順59.94fpsにしても直らない場合の確認順
FAQSteam Remote Playの59.94fpsに関するよくある質問
Steam Remote Playに追加された59.94fps上限は、主に59.94Hzで動作するテレビへゲーム映像を配信するときのフレームレート不一致を解消するための機能です。60.000fpsと59.940fpsの差はわずかですが、長時間配信するとタイミングのずれが蓄積し、一定間隔でフレームが飛んだように見える場合があります。
2026年7月21日のSteamクライアント安定版では、59.94fpsの追加だけでなく、自動設定時のフレームドロップ削減や、帯域幅無制限時のデコーダー過負荷も修正されました。テレビへの配信が一定間隔でカクつく場合は、Steamを最新版へ更新し、Remote Playを59.94fpsにする、テレビをゲームモードにする、ホストPCを有線LANへ接続する、帯域幅を無制限から固定値へ変更するといった設定から試してください。
59.94fpsは万能なカクつき対策ではありませんが、ネットワークに問題がないのに周期的な引っかかりが残るテレビ環境では、最初に試したい設定の一つです。



