「0xc000001d」でゲームが起動しない原因|Illegal InstructionとAVX・AVX2対応を確認【2026年版】
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Illegal InstructionとCPUのAVX・AVX2対応を確認する
PCゲームを起動したときに、一瞬だけウィンドウが表示されてすぐ閉じたり、「Fatal Error」といったメッセージとともに強制終了したりして、Windowsのイベントビューアーに例外コード「0xc000001d」が記録されることがあります。ゲームを再インストールしても直らず、GPUドライバーを最新にしても同じ現象が続く場合、次に何を確認すればよいのか分からず立ち止まってしまう方も多いはずです。
0xc000001dはWindowsで「STATUS_ILLEGAL_INSTRUCTION」と定義されている例外コードで、CPUが実行できない命令を含むコードを実行しようとした状態を示します。ゲームでこの現象が起きる原因の一つが、ゲームやゲームエンジンがAVX・AVX2といった命令セットの利用を前提にビルドされているのに、使用しているCPUがその命令に対応していないケースです。一方でゲームファイルの破損やMOD、CPU・RAMの不安定動作が原因になることもあり、命令セットの問題だけを疑って終わらせてよいわけではありません。
この記事では、0xc000001dが記録されたときに何を優先して確認すべきかを、イベントビューアーの見方からCPUのAVX・AVX2対応確認、ゲームファイル側の切り分けまで順番に整理します。似ているコードの0xc0000005・0xc000007bとの違いも扱い、AVX2非対応CPUで実際にできる対処と、性能や設定では解決できない部分をはっきり区別します。
確認日:2026年8月24日。Microsoft:NTSTATUS値の定義(MS-ERREF)、Microsoft Learn:/arch (x86)コンパイラオプション、Microsoft:Xbox Compiler Technology(GDK)、Microsoftサポート:Visual C++ 2013のIllegal Instruction例外の修正、Microsoftサポート:System File Checkerツールの使用を参照しています。
目次
要点まず何が分かるか
0xc000001dはWindowsの「STATUS_ILLEGAL_INSTRUCTION」であり、CPUが実行できない命令を含むコードを実行しようとした状態を示すこと。原因の一つがゲームの前提とするAVX・AVX2にCPUが対応していないケースであること。AVX対応とAVX2対応は別の話であり、ゲームの最低動作環境に明記されないこともあること。CPU要件を満たしていても、ゲームファイルの破損やMODなど別の原因で同じ例外コードが出ることがあること。AVX2非対応が原因の場合、BIOS設定や性能の高さでは回避できず、対応CPUへの交換が基本の解決策になること。
仕組み0xc000001dとは
0xc000001dはWindowsのNTSTATUSコードで、「STATUS_ILLEGAL_INSTRUCTION」として定義されています。Microsoft公式のプロトコル資料では、このコードの説明として「不正な命令を実行しようとした(An attempt was made to execute an illegal instruction)」という例外である旨が示されています。CPUが理解できないビット列を命令として実行しようとした場合や、本来コードではない領域へ処理が飛んでしまい、そのデータを命令として解釈しようとした場合などに、Windowsへこの例外が通知され、ゲームのプロセスが終了します。
「DirectXが見つからない」「DLLファイルが存在しない」といった単純なファイル不足のエラーとは性質が異なります。0xc000001dは、CPUが実際にコードを実行しようとした段階で、その命令を処理できなかったことを示す例外です。
原因AVX・AVX2とは何か
AVXは「Advanced Vector Extensions」の略で、Intel・AMDのx86/x64 CPUが備える命令セット拡張です。複数の数値をまとめて処理するSIMD演算を効率化するために使われ、ゲームだけでなく動画処理、物理演算、圧縮、AI処理など幅広い用途で利用されます。AVX2はAVXをさらに拡張した命令セットです。
Visual C++には/arch:AVX・/arch:AVX2というコンパイラオプションがあり、Intel Advanced Vector Extensions、同2を有効にしてコードを生成できます。Microsoft公式のドキュメントでは、命令セット拡張機能を使用してコードを実行する前に、特定のプロセッサのドキュメントを参照するか、__cpuidを使って対応状況をテストする必要があると説明されています。ゲーム開発者は「AVX2対応CPUならAVX2版の処理を使用し、非対応なら別処理へ切り替える」という設計もできますが、ゲーム本体がAVX2必須としてビルドされている場合、非対応CPUでは起動できない可能性があります。
Microsoftのゲーム開発者向けドキュメントでも、対象プラットフォームが対応していない命令セットの組み込み関数(intrinsics)を検証せずに使用すると、アプリがruntime invalid instruction exceptionを投げると明記されています。過去には、Visual C++ 2013のx64 C Runtimeが、AVX・FMA3命令の実行前にOS側のAVX状態保存対応を確認しないまま使用しようとしたことが原因で、log・log10・powなどの浮動小数点演算関数を呼び出したプログラムがIllegal Instruction例外(0xc000001d)でクラッシュする不具合を、Microsoft自身が公式サポート技術情報で認めた例もあります。
注意点AVXとAVX2は別の命令セットとして扱われる
AVXに対応していてもAVX2に対応していないCPUがあります。ゲームの必要条件が「AVX必須」なのか「AVX2必須」なのかを区別する必要があります。逆にAVX2に対応しているからといって、AVX-512やAVX10のようなさらに新しい命令セットへ対応しているとは限りません。Visual C++の/archオプションも、AVX・AVX2・AVX512・AVX10.1・AVX10.2をそれぞれ別の引数として扱っています。
CPUがどの世代からAVX・AVX2に対応しているかは、おおまかな目安として次のとおりです。すべての型番を網羅するものではないため、最終的には使用しているCPUの型番で確認してください。
| 時期の目安 | Intel | AMD |
|---|---|---|
| 2011年前後 | Sandy Bridge世代からAVXに対応 | Bulldozer世代からAVXに対応(AVX2は非対応) |
| 2013年前後 | Haswell世代(第4世代Core)からAVX2に対応 | まだAVX2非対応の世代が続く |
| 2015年前後 | Haswell以降の世代はAVX2に対応 | Excavatorコア搭載APUからAVX2に対応 |
| 2017年以降 | 同上 | Zenアーキテクチャ以降はAVX2に対応 |
Steamなどの最低動作環境に「AVX2必須」と明記されていないゲームもあります。最低CPUとして具体的なモデル名だけが掲載されている場合、そのCPU世代が持つ命令セットが事実上の要件になっている可能性があります。CPU使用率には余裕があるのにゲームが起動すらしないという状況は、こうしたケースで起こりえます。
切り分け確認する順番
0xc000001dが記録されたときは、次の順番で確認すると原因を絞り込みやすくなります。
確認方法イベントビューアーで例外コードを確認する
タスクバーの検索から「イベントビューアー」を開き、「Windowsログ」→「Application」を選択します。ゲームが終了した時刻に近いエラーの中から、ソースが「Application Error」になっている項目を探してください。詳細画面には「例外コード」の欄に0xc000001dと表示されるほか、「障害が発生しているモジュール名」も記録されています。
障害モジュールがゲーム本体のEXEなのか、付属のDLLなのか、MODやScript Extender由来のDLLなのかによって、優先して確認すべき場所が変わります。ゲーム本体のEXEが直接表示されている場合はCPUの命令セット要件を、MOD由来のDLLが表示されている場合はMOD側の互換性を優先して確認してください。
確認方法CPUがAVX・AVX2に対応しているか確認する
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブ→「CPU」で、使用しているCPUの正式なモデル名を確認できます。そのモデル名をもとに、CPU-ZやHWiNFOといった無料ツールを使うと、対応している命令セットの一覧からAVX・AVX2のチェック項目を直接確認できます。IntelやAMDの公式製品ページに命令セットの対応状況が掲載されている場合もありますが、掲載の有無や形式は製品によって異なるため、CPU-Zなどのツールで実際の対応状況を確認する方が確実です。
ここで注意したいのは、「ゲームがAVX2を要求しているか」と「CPUがAVX2に対応しているか」は別々に確認する必要がある点です。CPU側が対応していても、ゲーム側の別の問題で0xc000001dが発生することはあります。CPUの対応状況を確認できたら、ゲームファイル側の切り分けに進んでください。
類似エラー0xc0000005との違い
数字が近いエラーに0xc0000005があります。これはWindowsの「STATUS_ACCESS_VIOLATION」で、実行中のプログラムが許可されていないメモリアドレスへ読み書きしようとした場合に発生します。0xc000001dはCPUが不正な命令を実行しようとした結果であり、メモリアドレスへのアクセス自体が問題になる0xc0000005とは性質が異なります。
ただし、RAMが不安定な状態でプログラムのデータや命令ポインターが壊れた場合、壊れた場所や壊れ方によって0xc0000005になったり0xc000001dになったりする可能性があります。CPUのAVX・AVX2要件を満たしているのに0xc000001dが不規則に発生する場合は、0xc0000005・ntdll.dllのクラッシュを扱った別記事で紹介しているXMP/EXPOやRAMの切り分け手順も参考にしてください。
類似エラー0xc000007bとの違い
0xc000007bはWindowsの「STATUS_INVALID_IMAGE_FORMAT」で、32bit・64bitのDLLの不一致など、実行イメージの形式に問題がある場合に発生します。ゲームや依存DLLを正常な実行形式として読み込めず、起動段階で止まるケースが中心です。これに対し0xc000001dは、CPUが実際にコードの実行を試みた段階で、その命令を処理できなかったことを示す例外です。実行ファイルを読み込めているかどうかという点で、両者は発生している段階が異なります。
0xc000007b向けの対処法をそのまま0xc000001dへ適用しても、原因がAVX2非対応であれば解決しません。DLLの再配置やVisual C++ Redistributableの再インストールを繰り返す前に、まず例外コード自体を確認してください。0xc000007bの詳しい原因と対処は別記事で解説しています。
切り分けCPU要件を満たしているのに発生する場合
CPUがゲームの要求するAVX・AVX2に対応しているにもかかわらず0xc000001dが出る場合は、CPUの命令セット以外の原因を疑います。まずSteamなら「プロパティ→インストール済みファイル→ゲームファイルの整合性を確認」、Epic Gamesなら「管理→確認」を実行してください。次に、MOD・ReShade・Script Extenderをすべて外したバニラ状態で同じ現象が起きるか確認します。無効なメモリアドレスへのアクセスとしてEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONが記録される場合の切り分けは別記事でも詳しく扱っていますが、特定のゲームだけかどうかをまず切り分けるという考え方の順番は0xc000001dでも共通しています。
ゲームアップデート後から発生するようになった場合は、開発元の公式フォーラムやパッチノートで既知の不具合として扱われていないか確認してください。ゲーム側のビルド設定が原因で、CPU判定の実装ミスやAVX2要件の見直しが後日のパッチで行われることもあります。
対処法AVX2非対応CPUは性能や設定では回避できない
CPUのAVX・AVX2非対応が原因と判断できた場合、コア数やクロック周波数が高いCPUに買い替えても、対象の命令セットに対応していなければ同じ0xc000001dが発生します。命令セットへの対応はCPUの世代・アーキテクチャに紐づく機能であり、性能の高さとは別の問題です。
BIOS設定だけでAVX2を後から追加することもできません。CPUアーキテクチャ自体が持つ機能のため、ソフトウェア側のエミュレーションも一般的なPCゲームでの現実的な解決策にはなりません。物理CPUがAVX2に対応していても、仮想マシン上でその命令セットがゲストOSへ公開されていなければ、仮想マシン内のゲームからは利用できない場合があります。ただし通常のゲーミングPC(Windowsを直接起動して使う環境)では、この点を気にする必要はほとんどありません。
AVX・AVX2要件を満たしていないPCでは、対応するCPUへ交換することが基本的な解決方法になります。買い替えを検討する際は、単に新しいCPUというだけでなく、ゲームが要求する命令セットに対応した世代であることを確認してください。
最終確認複数アプリで起きるならWindowsシステムファイルを確認する
CPU要件を満たし、ゲームファイルにも問題がなく、複数のアプリでWindows関連DLLを巻き込んだクラッシュが続く場合は、Windowsのシステムファイル自体の破損を確認します。管理者としてターミナルを開き、DISM.exe /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthを実行したあとにsfc /scannowを実行してください。Microsoft公式サポートも、DISMが修復に必要なファイルを用意し、その後SFCが保護されたシステムファイルをスキャンして破損したファイルを修復するという順番を案内しています。
ただしAVX2非対応が原因の0xc000001dであれば、DISMやSFCを何度実行しても解決しません。1本のゲームだけで発生している段階では、先にCPU要件とゲームファイル側を確認し、複数アプリで発生する状態まで進んでからWindows修復を検討してください。
FAQよくある質問
まとめ0xc000001dはCPUの命令セット非対応で決めつけない
0xc000001dはWindowsの「STATUS_ILLEGAL_INSTRUCTION」で、CPUが実行できない命令を含むコードを実行しようとした状態を示す例外です。ゲームがAVX・AVX2などの命令セットを前提にビルドされているのに、CPUがその命令に対応していない場合に発生することがありますが、ゲームファイルの破損やMOD、CPU・RAMの不安定動作が原因になることもあります。
まずイベントビューアーで例外コードと障害モジュールを確認し、ゲームの最低CPU要件と自分のCPUを照合してください。CPU要件を満たしているならゲームファイルの整合性確認とMODの除外を、複数ゲームで発生するならOC・XMP/EXPOの解除を試します。AVX・AVX2非対応が原因と確認できた場合、性能の高いCPUへの買い替えやBIOS設定では解決せず、対象の命令セットに対応したCPUへ交換することが基本的な解決方法になります。



