Wooting 80HE+発表|80HEとの違いはLekker Tikkenスイッチ・FR4プレート・大型ノブ、9月17日予約開始
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変わったのは打鍵感・音・操作性で、8kHzポーリングは据え置きです
出典:Wooting公式「Wooting 80HE+」、Wooting公式「Wooting 80HE」、Wooting公式「Lekker Tikken Medium」製品ページ、Wooting公式「Lekker switch Linear60 (L60) V2」製品ページ、Wootility v5.4.2 変更履歴(いずれも2026年9月10日取得)。ノブの動作モードは開発元がComputex 2026で行った説明にもとづきます。
Hall Effect方式のゲーミングキーボードは、ラピッドトリガーやアクチュエーションポイントの調整といった入力性能で語られがちです。ただし実際に毎日触ると、打鍵音が軽い、キーの軸がぐらつく、といった質感の部分が気になってきます。
Wootingが発表した「Wooting 80HE+」は、まさにその部分に手を入れたモデルです。スイッチをLekker L60 v2からLekker Tikken Mediumへ、スイッチプレートをポリカーボネートからFR4へ変更し、大型のロータリーノブと分割スペースバーを追加しました。
重要なのは、入力性能そのものは80HEから変わっていない点です。80HEの時点でTrue 8kHz Pollingと約0.125msの入力速度に到達しており、80HE+はその上に打鍵感と操作性を積んだ改良版という位置付けになります。すでに80HEを持っている人が買い替えるべきかまで、公式仕様をもとに整理します。

目次
要点先に結論だけ押さえる
変更点80HEと80HE+で違うのは4か所です
Wooting公式が80HE+の変更点として挙げているのは、次の4項目です。
| 項目 | Wooting 80HE | Wooting 80HE+ |
|---|---|---|
| スイッチ | Lekker L60 v2 | Lekker Tikken Medium |
| スイッチプレート | ポリカーボネート | FR4 |
| ノブ | なし | Zinc完成品に標準搭載 |
| 分割スペースバー | なし | Moduleで選択可能 |

あわせて内部構造にも手が入っています。公式は80HE+を「FR4 plate and refined internals」と表現しており、プレートだけでなくケース内部も調整されたことが分かります。
逆に言えば、Hall Effectセンサー、ラピッドトリガー、ポーリングレートといった中核部分は変更対象に入っていません。ここが80HE+を理解するうえで一番大事な点です。
スイッチLekker Tikken Mediumは底打ちが旧型より軽くなります
実用面で最も影響が大きいのがスイッチの変更です。両方の公式製品ページに数値が載っているので、並べて比較できます。
| 項目 | Lekker L60 v2(80HE) | Lekker Tikken Medium(80HE+) |
|---|---|---|
| 押し始めの荷重 | 40gf | 42gf |
| 底打ちの荷重 | 60gf | 54gf |
| ストローク | 4mm | 4mm |
| スプリング | 記載なし | 22mm |
押し始めは40gfから42gfへわずかに重く、底打ちは60gfから54gfへ軽くなります。押し始めから底までの荷重の変化が20gf分から12gf分へ縮まるため、押し込むほど重くなる感覚が抑えられ、ストローク全体で均一な重さに近づく計算です。
構造面の変更のほうが分かりやすいかもしれません。公式はLekker Tikkenについて、ハウジング底面を完全に閉じた「fully closed-bottom」設計だと説明しています。この構造がチャタリングを減らし、より澄んだ、しっかりした底打ち音を生むとしています。
公式は「新しい、より公差の厳しい金型がステムのぐらつきを減らし、ハウジング底面を閉じる」と説明しています。さらに素材の配合によって、他の多くのHall Effectスイッチより低く、落ち着いた音になるとしています。
Hall Effectキーボードは入力性能が高い一方で「音が軽い」「軸がぶれる」と感じる人がいる分野です。80HE+の変更はここを直しにきています。
なおスイッチの荷重は、浅いアクチュエーションポイントを使うときの誤入力にも関わります。指を置いただけで反応してしまう問題は、アクチュエーションポイント側の設定でも詰められます。設定値の決め方はラピッドトリガーのおすすめ設定にまとめました。
プレートポリカーボネートからFR4へ、硬めの底打ちになります
スイッチを固定するプレートの素材も変わります。80HEはポリカーボネート製でしたが、80HE+ではFR4になります。
FR4はプリント基板などに使われるガラス繊維入りの素材で、ポリカーボネートより硬い部類です。一般に、柔らかいプレートは打鍵時のたわみが大きく高音が抑えられ、硬いプレートは反発が少なくはっきりした底打ち感になります。
つまり80HE+は、80HEの柔らかめでマイルドな打鍵感から、やや硬く、押した感覚が明確に返ってくる方向へ振られていると読めます。ガスケットマウント自体は80HEから採用されているので、極端に硬い打鍵になるわけではありません。
この違いはFPSの入力速度そのものを変えるものではありませんが、WASDを細かく刻むときに指へ返ってくる感触は変わります。好みが分かれる部分なので、柔らかい打鍵感が気に入って80HEを選んだ人は、むしろ従来型のほうが合う可能性もあります。
入力性能速くなったわけではありません
ここを誤解すると買い物を間違えます。
Wooting 80HEは発売時点でTrue 8kHz Pollingに対応しており、公式は約0.125msという安定した入力速度を掲げています。80HE+の発表で強調されている変更点はスイッチ、FR4プレート、内部構造、ノブ、分割スペースバーで、ポーリングレートやセンサー方式は含まれていません。
80HE+へ買い替えたからといって、VALORANTのストッピングが速くなったり、キー入力の遅延が改善したりすることは期待できません。ラピッドトリガーもRappy Snappyも8kHzポーリングも、80HEの時点で使えます。
80HE+が改善するのは、打鍵感、打鍵音、ノブによる操作性、レイアウトの自由度です。競技性能を理由にした買い替えの動機にはなりません。
そもそもポーリングレートを上げるほど良いというわけでもありません。高ポーリングの機器はCPU負荷を増やす側面があり、環境によってはfpsに影響します。この点は8000Hzマウスでゲームがカクつく原因で扱っています。
ノブLekker Knob Largeはナビゲーション4キーと入れ替わります
見た目で最も分かりやすい変更が、大型ロータリーノブ「Lekker Knob Large」です。80HEでは矢印キーの上にナビゲーション用の4キーが並んでいましたが、そのブロックを置き換える形で搭載されます。
Wooting公式は、Zincケースの完成品にはこのノブが標準で取り付けられた状態で出荷されると明記しています。
ノブ自体はWootilityから細かく設定できます。開発元がComputex 2026で説明した内容によると、用意されている動作モードは4種類です。
| モード | 動作 |
|---|---|
| Relative | 回した向きごとに別の操作を割り当てる |
| Absolute | ダイヤルの各位置へ特定の値を割り当てる |
| Zoned | 回転範囲をいくつかの区画に分けて使う |
| Analog | 回した量に応じて入力の強さが変わる |
さらに修飾キーと組み合わせたレイヤーも設定できるとされています。Ctrlを押しながら回すと別の動作、Ctrl+Altならさらに別の動作、という使い分けです。
80%レイアウトはテンキーがない一方、60%より操作系のキーを残せるのが利点です。そこへプログラマブルなノブが載ると、コンパクトさを保ったまま音量やメディア操作、アプリごとのショートカットを1か所に集められます。Analogモードがあることを考えると、動画編集のスクラブのような用途も想定されていそうです。
スペースバー3分割はModuleでのみ選べます
もう一つの追加が分割スペースバーです。1本のスペースバーを3つのキーへ分けられます。
メリットは親指の担当キーを増やせることです。PCゲームでは左手の小指がShiftやCtrl、そのほかの指がWASDと周辺キーを担当して負荷が集中しますが、親指はスペースキーしか押していないことがほとんどです。スペースバーを分割すれば、WASDから指を離さずに親指で追加操作を入力できます。
Wooting公式の表記は「Split-spacebar available with module」で、分割スペースバーが選べるのは80HE+ Moduleです。ABSまたはZincケースの完成品を予約しても、自動的に3分割スペースバーになるわけではありません。この機能が目的なら、購入する構成を間違えないよう注意してください。
予約と価格9月17日予約開始、出荷は10月中旬からです
Wooting公式によると、80HE+の予約は2026年9月17日に開始され、出荷は10月中旬から始まる予定です。
価格については、従来の80HEが199.99ドル、219.99ユーロでした。Wootingは完成品について従来とほぼ同じ価格になるとしているため、大きく上がることはなさそうです。
なお、構成ごとの細かい到着時期はWooting側から公表されていません。予約時にストア上で表示される見込み時期を確認してください。
ソフトウェアWootilityはすでに80HE+へ対応しています
ハードウェアの発売に先行して、Wootilityは2026年9月9日公開のv5.4.2で80HE+への初期対応を追加しています。
Wooting製品はキーボード単体ではなく、Wootilityからアクチュエーションポイント、ラピッドトリガー、Advanced Keysなどを細かく詰められる点が特徴です。80HE+でも設定環境は共通なので、既存のWootingユーザーが操作を覚え直す必要はありません。
判断買い替えるべきか、これから買うならどちらか
- これから80HEクラスを新規購入する人。価格が従来と近い水準なら、新しいスイッチとプレートを積んだ側を選ばない理由が薄い
- 現在の80HEの打鍵音の軽さや軸のぐらつきが気になっている人
- 音量やメディア操作をキーボード上で完結させたい人。Zinc完成品ならノブが標準で付く
- 親指へ操作を振り分けたい人。ただし分割スペースバーはModule構成が前提
- キーボードをゲーム入力デバイスとしてしか使っていない人。入力性能は同じなので買い替えても変化を感じにくい
- 柔らかめの打鍵感が気に入って80HEを選んだ人。FR4は硬い方向への変更なので好みが分かれる
- ノブも分割スペースバーも使う予定がない人
整理すると、80HE+は「80HEを過去のものにする次世代機」ではなく、発売後のフィードバックをまとめて反映した完成度向上版です。買い替えの判断は競技性能ではなく、打鍵感と操作性への不満があるかどうかで決めるのが妥当です。
代替候補国内で入手しやすいラピッドトリガー対応モデル
Wootingは自社ストアからの直販が中心で、国内の一般的な通販サイトでは扱いが限られます。予約から到着まで時間がかかる点も含め、すぐ手元に欲しい場合は国内流通のあるモデルも比較対象になります。以下は同じくラピッドトリガーに対応し、国内で入手しやすい2機種です。
Q&Aよくある質問
総括まとめ|速さではなく、毎日触る部分を直したモデルです
Wooting 80HE+の変更点は、Lekker Tikken Mediumスイッチ、FR4プレート、内部構造の調整、大型ノブ、分割スペースバーの5点です。スイッチは押し始め42gf・底打ち54gfで、底面を閉じた構造により軸のぐらつきと打鍵音に手が入っています。
一方、Hall Effectセンサー、ラピッドトリガー、True 8kHz Pollingという中核は80HEから変わっていません。約0.125msという入力速度も同じです。
すでに80HEを使っていて、ゲームの入力性能に不満がないなら買い替える理由はありません。80HE+が直しているのは打鍵感と音、そして操作性です。逆に、これから80HEクラスを新規に買うなら話は別で、Wootingが完成品の価格を従来とほぼ同じ水準にするとしている以上、9月17日の予約を待って80HE+を選ぶほうが妥当です。旧モデルが大きく値下げされない限り、あえて従来型を選ぶ理由は見つかりません。分割スペースバーが目的の場合だけ、完成品ではなくModule構成が必要になる点に注意してください。



