EPOMAKER HE30はどんな左手キーボードか|ラピッドトリガー対応30%配列を実売8,750円で、36キーの制約と設定ソフトの注意点
本記事にはアフィリエイト広告(Amazon・楽天市場等)のリンクが含まれています。
「HE30」は実売8,750円で何ができるのか
仕様はEPOMAKER公式 HE30製品ページおよび同社のHE30マニュアル配布ページにもとづきます。価格は2026年8月11日時点で確認したものです。
FPSやMOBAのように、左手をWASD周辺の移動操作、右手をマウスでの照準操作に使い分けるゲームでは、フルサイズのキーボードを置くとマウスパッドの可動域が圧迫されがちです。実際に使っているのは左手側の一部のキーだけなのに、キーボード全体の設置スペースを確保しなければならない、という状況に心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
そうした用途に向けた左手専用デバイスが、EPOMAKERの「HE30」です。75%キーボードの左半分に相当する36キーの30%レイアウトに、ラピッドトリガー対応の磁気スイッチを搭載し、White PurpleとBlack Orangeの2色展開。国内ではAmazon・楽天市場のEPOMAKER公式ショップに加え、2026年7月からはPCショップの店頭でも扱われるようになり、実売価格は8,750円前後で落ち着いています。
この記事では、EPOMAKER公式の製品ページとマニュアル、そして国内の販売状況を突き合わせながら、キー構成やスイッチの仕様、8,000Hzポーリングレートといった性能面を整理します。そのうえで、公式サイト内で数値が割れているアクチュエーションポイントの調整単位、設定ツールまわりの注意点、36キーという制約ゆえに向かない用途まで、購入前に押さえておきたいポイントをまとめます。
目次
サイズ75%キーボードの左半分に相当する36キー構成
HE30は「75%キーボードの左半分」に相当する30%サイズのキーボードで、キー数は36キーです。本体サイズは153×133×29mm、重量は約350gで、片手にすっぽり収まるコンパクトさが特徴です。有線接続の左手専用デバイスで、右手でマウスを操作しながら左手でWASD中心の移動・スキル操作を行うゲームでの使用を想定しています。
このサイズであれば、フルサイズやテンキーレス(TKL)のキーボードを置くよりもマウスパッドを広く使えるため、大きくマウスを振る操作が必要なゲームでも手前のスペースが窮屈になりにくいという利点があります。付属品はキーボード本体のほか、USB Type-A to Type-Cケーブル、着脱式リストストラップと取り付け用のドライバー、スイッチ・キーキャッププラー、多言語マニュアル、予備スイッチ2個です。リストストラップは本体側面に取り付けるもので、公式の説明では機材バッグに引っ掛けて持ち運ぶ用途を想定しているとされています。
検知磁気スイッチとラピッドトリガー対応
HE30に搭載されているのは、磁気の変化でキーの押し込み量を検知するホール効果センサー方式のスイッチ「Purple Magnetic Switch」です。あらかじめ決まった位置でオン・オフが切り替わる一般的なメカニカルスイッチとは異なり、押し込み量に応じてアクチュエーションポイント(反応する深さ)をソフトウェア側で細かく設定できます。この仕組みを利用し、キーを離した瞬間に素早く入力を解除する「ラピッドトリガー」機能に対応しています。
押下圧は37±5gf、底打ちまでに必要な荷重は45gf、総ストロークは3.4±0.1mmです。工場出荷時に潤滑処理が施されており、スイッチの寿命は1億回以上とされています。磁束は初期90±15Gsから底部550±50Gsの範囲です。
アクチュエーションポイントの調整範囲は0.1〜3.4mmで、キーごとに個別の設定が可能です。移動キーを0.1mmに寄せて反応を早め、誤爆すると困るスキルキーだけ深めに設定する、といった使い分けができます。
アクチュエーションポイントを何mm刻みで動かせるかについて、EPOMAKER公式の製品ページは同じページ内で異なる数値を載せています。技術仕様表(Technical Specifications)の「Adjustable Trigger」欄は「0.1mm to 3.4mm per 0.01mm」で0.01mm刻み。一方、その下のスイッチ紹介ブロックは「in 0.1mm steps」、スイッチ仕様の「Pre-Travel」欄も「0.1–3.4 mm adjustable (per 0.1mm)」となっており、こちらは0.1mm刻みです。なお、ページ冒頭の「adjustable 0.1mm trigger」という表記は刻み幅ではなく最短のトリガー深度を指したもので、この食い違いとは別の話です。
国内向けに出回っているEPOMAKERの日本語製品説明と、PCショップ側の製品情報を確認したところ、いずれも「0.01mm単位で0.1〜3.4mmを調整可能」と書かれていました。実質的には0.01mm刻みと考えて差し支えなさそうですが、公式ページのスイッチ仕様欄は古い表記が残ったままです。刻み幅そのものを重視して他社製品と比較するなら、購入予定の販売店の商品情報でも数値を確かめておくと確実です。
応答速度8,000Hzポーリングレートと0.125msの低遅延
HE30はポーリングレート(PCへの入力送信頻度)・スキャンレート(スイッチの状態を読み取る頻度)ともに最大8,000Hzに対応しており、公称のレイテンシー(入力遅延)は0.125ミリ秒とされています。数値上は、一般的な1,000Hzのキーボード(入力間隔1ミリ秒)よりも間隔が大幅に短くなる計算です。
ただし、こうした高ポーリングレートによる遅延短縮がどこまで体感できるかは、プレイするゲームタイトルやモニターのリフレッシュレート、プレイヤー自身の反応速度によって差があります。数値上のスペックと実際にプレイして感じる差は、必ずしも一致しない点は理解しておいたほうがよいでしょう。
操作補助SOCD・DKS・Mod Tapなど競技向けの入力機能
HE30には、格闘ゲームや対戦アクションで使われる特殊な入力処理機能も搭載されています。
筐体PBTキーキャップと吸音材による打鍵音対策
ケース素材はプラスチックですが、内部のプレートはアルミニウム合金製で、基板を土台に固定せず柔軟性を持たせる「トレイマウント」構造です。キーキャップには、印字が薄れにくいダブルショット成形のPBT樹脂を採用しています。あわせて、サンドイッチフォーム・IXPEスイッチパッド・PET吸音パッド・EPDMボトムフォームという複数の吸音材を組み込んだ構成で、スタビライザーもプレートマウント式で潤滑済みです。バックライトはキーごとに個別制御できる南向きRGBで、これとは別にライトバーの効果もFN+左Shiftで切り替えられます。打鍵角は6度、手前側の高さは2cm、奥側は2.8cmです。
付属のプラーを使えばキーキャップとキースイッチの両方を取り外せる構造で、予備スイッチも2個同梱されています。標準の「Purple Magnetic Switch」の感触が手に合わなかった場合でも、市販の磁気スイッチに載せ替えて追い込める余地がある点は、この価格帯としては扱いやすいところです。
ケーブル接続はUSB有線のみ|ワイヤレスには非対応
HE30の接続方式は、USB Type-A – Type-C(付属ケーブル使用)による有線接続のみです。Bluetoothや2.4GHzワイヤレスのような無線接続には対応していません。ラピッドトリガーや8,000Hzポーリングレートといった性能を安定して発揮させるため、有線接続に絞った設計とみられますが、ケーブルの取り回しを気にする方や、ワイヤレス接続を前提に考えている方は事前に確認しておく必要があります。なお、公称の8,000Hzポーリングと0.125msという数値はいずれも「純正ケーブル使用時」の条件付きで、手持ちの汎用ケーブルに替えると同じ数値が出るとは限りません。
カスタマイズ設定はブラウザ上のツールで行う|日本語表示には非対応
キーの割り当てやラピッドトリガーの設定は、専用アプリをインストールするのではなく、ブラウザ上で動くWebベースのツールで行います。キーボードを接続した状態でFN+スペースを押すと設定ツールが開く仕組みで、オンライン・オフラインどちらでも利用できるとされています。公式ページが動作対象として挙げているのはWindowsとLinuxで、macOSについては明記がありません。
設定ツールに日本語表示は用意されておらず、初期状態では中国語で開きます。画面右上の言語切り替えから英語に変更して使う形になるため、細かい設定を詰めたい場合は英語のUIを読む前提で考えておく必要があります。また、磁気スイッチ機の常として、初回接続時には各キーのストローク基準を取り直すキャリブレーションが必要で、スイッチやキーキャップを交換したあとも同じ作業をやり直すことになります。
注意点文字入力や一般作業には別のキーボードが必要
HE30はキー数が36個に絞られた左手専用デバイスのため、単体で文章の入力や日常的なPC操作をこなすことはできません。アルファベットの右半分やテンキー、記号キーの多くは搭載されておらず、レイヤー機能で一部の操作を割り当てることはできても、フルサイズキーボードの代わりにはなりません。
実際の使い方としては、普段使っているフルサイズ・TKL・65%などのキーボードと併用し、ゲームプレイ時だけHE30に持ち替える、あるいはゲーム専用機としてマウスの反対側に据え置く、という運用が前提になります。導入を検討する際は、普段使いのキーボードとは別に用意する製品である点を踏まえておく必要があります。
- FPSやMOBAで、マウス操作の可動域を広く確保したいプレイヤー
- ラピッドトリガー対応の磁気スイッチを、まずは1万円以下で試してみたい人
- 普段使いのキーボードとは別に、ゲーム専用デバイスを追加したい人
- スイッチを載せ替えて、自分好みの押し心地に追い込みたい人
- 1台のキーボードで文字入力とゲームの両方を済ませたい人
- ワイヤレス接続を前提に考えている人
- 設定ツールを英語UIで操作することに抵抗がある人
- macOSで使いたい人(公式に対応の明記がないため)
価格実売8,750円という値付けをどう見るか
国内での入手経路は複数あります。Amazon.co.jpと楽天市場のEPOMAKER公式ショップでは2026年5月時点で既に販売されており、2026年7月からはパソコンショップの店頭でも取り扱いが始まりました。2026年8月11日時点の価格は、Amazonが8,750円、PCショップの店頭価格が8,789円で、経路による差はほとんどありません。EPOMAKER公式サイト(米国向け)では49.99ドルです。
値動きも見ておくと、2026年7月のAmazonプライムデーでは25%オフの6,563円まで下がりました。8,750円が通常の売価で、大型セールのタイミングでは6,000円台に落ちる製品、という見方をしておくとよさそうです。急ぎでなければ、次の大型セールを待つ選択肢もあります。
価格の出典:AKIBA PC Hotline!(店頭価格8,789円・2026年7月21日)/ITmedia PC USER(プライムデー25%オフ6,563円・2026年7月9日)。Amazonの8,750円は2026年8月11日時点で確認したものです。
ラピッドトリガー対応の磁気スイッチキーボードは、フルサイズやTKLモデルだと1万円台後半から2万円台の製品が中心の価格帯です。HE30はキー数を36個に絞ることで本体コストを抑えつつ、磁気スイッチやラピッドトリガーといった機能自体は維持しているため、この分野を1万円以下で試せる選択肢の1つになります。ただし前述の通り、単体では日常利用ができないため、別途キーボードを用意する前提のコストである点は考慮しておく必要があります。
一覧HE30のスペック早見表
| 項目 | 仕様 | 備考 |
|---|---|---|
| キー数/レイアウト | 36キー(30%・左手用) | 75%キーボードの左半分に相当 |
| サイズ/重量 | 153×133×29mm/約350g | |
| スイッチ | Purple Magnetic Switch(磁気ホール効果) | 工場出荷時に潤滑処理済み、寿命1億回以上 |
| アクチュエーションポイント | 0.1〜3.4mmで調整可能 | 刻み幅は公式ページ内で「0.01mm」「0.1mm」が併存。国内の製品情報は0.01mmで統一 |
| 押下圧/底打ち荷重 | 37±5gf/45gf | 総ストローク3.4±0.1mm、磁束90±15〜550±50Gs |
| ポーリング/スキャンレート | 最大8,000Hz | 公称レイテンシー0.125ms(いずれも純正ケーブル使用時) |
| 対応機能 | SOCD(Snap Key)・DKS・Mod Tap | DKSは1キーで最大4動作 |
| キーキャップ | ダブルショットPBT | OEMプロファイル |
| ケース/プレート/マウント | プラスチック/アルミニウム合金/トレイマウント | 吸音材4種+潤滑済みプレートマウントスタビ、打鍵角6度 |
| スイッチ交換 | プラーで着脱可能 | 予備スイッチ2個同梱 |
| バックライト | キー単位RGB(南向き)+ライトバー | |
| 接続方式 | USB Type-A – Type-C有線 | Bluetooth/2.4GHzワイヤレスは非対応 |
| 対応OS/ソフト | Windows/Linux | ブラウザ上で動く設定ツール。表示言語は中国語/英語 |
| 付属品 | ケーブル・リストストラップ・プラー等 | 取付用ドライバー、予備スイッチ2個、多言語マニュアル |
| カラー | White Purple/Black Orange | |
| 価格 | 実売8,750円前後 | 店頭価格8,789円、EPOMAKER公式は49.99ドル |
※スペックはEPOMAKER公式製品ページとマニュアル配布ページ、および国内販売各社の製品情報にもとづきます。価格は2026年8月11日時点で確認したものです。
購入関連するおすすめアイテム
HE30本体に加えて、36キーの左手専用デバイスでは物足りない、フルサイズに近いレイアウトでラピッドトリガーを試したいという方向けの選択肢もあわせて紹介します。価格は変動するため、購入前に必ずリンク先で最新情報を確認してください。
総括まとめ|36キーに絞った左手専用のラピッドトリガーキーボード
EPOMAKER HE30は、75%キーボードの左半分に相当する36キーの30%レイアウトに、ラピッドトリガー対応の磁気スイッチ、8,000Hzポーリングレート、SOCD・DKS・Mod Tapといった競技向け機能を詰め込んだ左手専用キーボードです。国内の実売価格は8,750円前後で、ラピッドトリガー対応の磁気スイッチキーボードとしては手を出しやすい部類に入ります。
接続はUSB有線のみでワイヤレスには対応せず、36キーという構成上、文字入力や日常的な作業には別のキーボードが必要です。あくまでゲームプレイ時にマウス操作のスペースを広く確保するための専用デバイスとして検討する製品といえます。設定ツールが日本語表示に対応していない点と、初回にキャリブレーションが必要な点も、買ってすぐ使い始めるうえでは押さえておきたいところです。価格は大型セールで6,000円台まで下がった実績があるため、急ぎでなければタイミングを見る余地もあります。





