Xboxが公式メモで認めた部材コスト危機|ストレージ調達費は2027年に5倍超へ・PS5値上げに続くPCパーツへの圧力【2026年6月】
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ストレージ調達費は2027年に「5倍超」へ
Microsoft Gamingのアシャ・シャルマCEOらが6月10日に公開した社内メモ「Next 100 Days: Xbox Reset」で、コンソール用ストレージ部材の調達コストが2025年秋比ですでに4倍超、2027年ホリデーには5倍超になる見通しが明かされました。メモリも同様の軌道——これはコンソールだけの話ではなく、PCパーツに掛かっている圧力そのものです
- Xbox公式ブログで全文公開された社内メモが「ハードウェア部材危機」を明言。ストレージ部材は2025年秋→現在で4倍超、2027年ホリデー計画では5倍超を見込み、メモリも「概ね同様の軌道」と記載
- 背景はAI需要によるDRAM・NANDの世界的高騰。2026年Q2の契約価格はDRAMが前期比+58〜63%、NANDが+70〜75%との予測もあり、PS5の値上げ・Switch 2の調達コスト上昇報道と同じ構図
- シャルマCEOは別のインタビューで「radically different(根本的に異なる)ビジネスモデルが年内にも現れ始める」と発言。逆ざや前提のコンソール商売の転換点であり、SSD・メモリを買うPCゲーマーにも他人事ではない
目次
公式メモは何を認めたのか|「ハードウェア部材危機」の原文
このメモはリーク情報ではありません。Microsoft GamingのアシャシャルマCEOとマット・ブーティEVPの連名で全社員に送られたメッセージが、そのままXbox公式ブログ「Xbox Wire」に掲載されたものです。収益性の低下やスタジオ体制の見直しなど「5つの現実」を率直に挙げる異例の内容で、その3番目が部材コストでした。該当部分を訳すと次のとおりです。
「私たちはハードウェア部材危機の渦中にいる。私が2月にCEOに就任した時点で、コンソール用ストレージ部材の調達価格は昨年秋の2倍超になっていた。そのコストはその後さらに倍増した。そして2027年ホリデーシーズンに向けた計画では、さらなる大幅上昇を見込んでおり、わずか2年前の5倍超の価格になる。メモリのコストも概ね同様の軌道をたどっている」
なおメモの原文は「ストレージ部材」「メモリ」とだけ書いており、NANDフラッシュやDRAMといった部材の種類までは特定していません。海外では文脈からストレージ=NAND系、メモリ=DRAM系と解釈されていますが、その点は読み手側の推測が混ざっていることを踏まえておいてください。
なぜここまで上がるのか|AI需要が供給を飲み込んでいる
背景にあるのは、AIサーバー向け需要によるメモリ・ストレージの世界的な争奪戦です。市場調査会社の予測では、2026年Q2のDRAM契約価格は前四半期比+58〜63%(より保守的な見方でも最大+48%)、NANDは+70〜75%とされており、Q1にすでに記録的な上昇を経た上での「さらなる上乗せ」が進行しています。AI事業者が長期契約で供給を押さえているため、新しい工場が本格稼働する2027年末から2028年ごろまで、この逼迫は構造的に続くという見方が大勢です。
Xboxの「2年で5倍超」という社内見積もりは、こうした契約価格の累積上昇ペースと方向性が一致しており、誇張というより調達現場の実感に近い数字と言えます。
Xboxだけではない|PS5値上げ・Switch 2・そしてPCへ
2025年5月に世界一斉値上げ(日本ではSeries X が87,980円になるなど約3〜4割増)、同年10月には米国のみ追加値上げ。今回のメモで「ハードには新しいビジネスモデルとパートナーシップが必要」と明言しました
ソニーも2026年4月に米国でPS5を最大150ドル値上げ。経済圧力とともにメモリコストを理由に挙げており、値上げ前の駆け込み購入が起きたと報じられています
Switch 2はRAM調達コストが3ヶ月で41%上昇したと報じられました。本体価格は据え置かれていますが、市場では値上げ観測が広がっています
そしてこの3社が取り合っているNANDとDRAMは、PCのSSD・メモリ・グラフィックボードに載っている部材と同じものです。実際に日本ではSSDの実売価格が急騰し、DDR5メモリは1年前の2〜4倍の水準が続いています。コンソールの値上げニュースは、PCパーツの先行指標として読むのが正確です。
「radically different」の中身は?|逆ざやモデルの終わり
シャルマCEOはメモとは別に、米経済誌のインタビューでこう発言しています。「大衆がコンソール1世代に数千ドルを払えるとは考えにくい地点に来ている。今年の後半には、私たちが想像もしなかったradically different(根本的に異なる)ビジネスモデルが見え始めると思う」。具体的な中身——値上げなのか、サブスクリプション中心への移行なのか、他社へのライセンス供与なのか——は明言されていません。
一方でメモは、過去5年でコンテンツ・プラットフォーム・ハードウェアの逆ざや補填に200億ドル超を投じながら年間売上はむしろ減少した、という採算構造を率直に認めています。次世代機「Project Helix」(AMDとの共同設計・2027年ホリデー目標)への取り組み自体は「コミットを維持する」としつつ、本体を安く売ってソフトとサブスクで回収する従来モデルの限界が、当事者の口から語られた形です。あわせて人員削減が近いとの報道も出ており、6月末の会計年度末以降の動きが注目されています。
PCゲーマーはどう備えるか|「待てば安くなる」が通用しない2年間
今回のメモから読み取るべき実用的な示唆はシンプルです。供給逼迫の出口は早くて2027年末以降とみられており、SSD・メモリ・GPUの価格が「待てば下がる」局面は当面来ない公算が大きいということです。アップグレードの必要がすでに見えているパーツは、セールのタイミングで前倒し確保するのが結果的に安く付く——これがこの2年間の現実解になります。買い時の全体像は記事下の関連記事(Gartner予測の買い時カレンダー等)も参考にしてください。
参考|高騰がさらに進む前に確保しておきたい定番&ゲーミングPC
メモが名指しした「ストレージ」と「メモリ」は、PCでまさに高騰が進行中の2部材です。必要になる予定があるなら、定番どころを早めに押さえておく価値があります。
PCごと新調・買い替えを考えているなら、BTOは見方を変えると「メモリとSSDを現在の価格で確保済みの完成品」です。部材高騰は完成品の値札に数ヶ月遅れて反映されるため、メモが名指しした2部材——メモリ32GBとSSD 1TB——を標準搭載したモデルを挙げておきます。
※価格・構成は変動します。最新情報は各BTOショップ公式ページでご確認ください。






