『Scrap Mechanic』正式版1.0「Drilling Thunder」配信|10年半の早期アクセスを終え完全ストーリー実装
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10年半の早期アクセスを終え、完全なメインストーリーを実装
早期アクセスのまま長期間続くゲームは珍しくありませんが、10年を超えて正式版に到達する例は多くありません。『Scrap Mechanic』はその代表格で、今回の1.0移行にともない、早期アクセス版のセーブデータやMODがどこまで使えるのか、追加料金が発生するのかといった実用的な疑問を持つプレイヤーも少なくないはずです。
本記事では、正式版1.0「Drilling Thunder」で追加されたメインストーリーと新エリア「Excavation Island」、地形とグラフィックの全面刷新、2倍以上に増えた敵ロボット、価格・Steam実績・レビュー傾向、必要動作環境まで、Steam公式ストアページとSteam Community公式アナウンスの情報を基に整理します。
発表内容の紹介にとどまらず、早期アクセス版のセーブデータとMODが正式版でどこまで引き継げるのか、そして10年半という長い開発期間を経た今、これから始める価値があるのかという判断材料まで踏み込んで解説します。
目次
配信正式版1.0「Drilling Thunder」が10年半の早期アクセスに幕
Axolot Gamesは2026年7月24日、『Scrap Mechanic』の正式版バージョン1.0を、大型アップデート「Drilling Thunder」と同時にリリースしました。早期アクセスの開始は2016年1月20日で、正式版までの期間は約10年半に及びます。「Drilling Thunder」は開発期間中、社内では「Chapter 2」という名称で呼ばれていたアップデートで、今回の正式リリースにあわせて正式名称が発表されました。
正式版1.0への移行にあたっては価格改定も行われましたが、早期アクセス期間中に購入していたプレイヤーは、追加料金なしで「Drilling Thunder」を含む正式版をプレイできます。有料DLCではなく、無料の正式版アップデートとして提供されている点は押さえておきたいポイントです。
出典:Steam Community公式アナウンス「Scrap Mechanic 1.0 and Drilling Thunder」
概要物理演算ベースのサバイバルサンドボックス
『Scrap Mechanic』は、物理演算をベースにしたマルチプレイ対応のサバイバルサンドボックスです。プレイヤーは、農業用ロボットの整備のために惑星へ派遣されたメカニックを操作します。ところが到着直後に宇宙船が墜落し、周囲では暴走したロボットが動き回っている、という状況からゲームが始まります。廃棄されたロボットや構造物からスクラップを集め、武器や乗り物、拠点を自作しながら生き残っていく内容です。
遊び方は、目標に沿って進めるサバイバルモード、資材を無制限に使って自由に建築できるクリエイティブモード、特定の条件をクリアするチャレンジモードの3種類が用意されています。


変更点正式版1.0で何が変わったか、4つの柱で整理
正式版1.0「Drilling Thunder」は、単なる早期アクセスの卒業にとどまらず、ゲームプレイの根幹に関わる要素が複数追加されています。まず押さえておきたい変更点を、4つの柱に分けて整理します。
採掘Excavation Islandで地下を自ら削り進む
新エリア「Excavation Island」の目玉は、地形そのものを掘削できる採掘システムです。プレイヤーはプラズマドリルを搭載した採掘車両を自作し、島の地下に広がる空間を自分の手で削り進めていきます。あらかじめ用意された洞窟を探索するのではなく、掘る場所やルートをプレイヤー自身が決められる点が、これまでのエリアとの大きな違いです。
地形編集ツール「Claygun」も新たに追加されており、掘削だけでなく地形の造形そのものを自由に行えるようになりました。採掘車両の設計と地形編集ツールを組み合わせることで、拠点の作り方そのものに新しい選択肢が生まれています。
刷新地形とグラフィックをゼロから作り直し
オープンワールドの地形生成も全面的に刷新されました。森林エリアには道路や橋が追加され、山岳や砂漠バイオーム、廃墟、新施設「Growlab」などが新たに配置されています。砂漠エリアでは竜巻が発生するギミックも実装され、移動中の景観に変化が生まれるようになりました。
グラフィック面では、最大512個までの動的光源、ボリューメトリック表現の日光、昼夜の移り変わり、グローバルイルミネーションが導入されています。雲や天候表現、水面のレンダリング、草の揺れ方、新しいマテリアルも刷新されており、早期アクセス版とは見た目の印象が大きく変わっています。
戦闘敵ロボットが2倍以上に増加、掘削してくる個体も
敵ロボットの種類は、早期アクセス版の5種類から2倍以上に増加しました。中には地面を掘り進んで接近してくる個体も登場するため、拠点の防衛設計を見直したほうがよさそうです。
新たに追加された敵の中でも、頭部に爆発物を搭載する「Red Totebot」は特に注意が必要な個体です。プレイヤーとの接触や射撃で起爆するため、拠点や乗り物のすぐ近くで爆発に巻き込まれると被害が大きくなりやすく、距離を取って対処することをおすすめします。
遊びやすさクラフトバランスと利便性まわりの改善点
正式版1.0では、クラフトや資源収集のバランス調整に加え、既存の空腹・喉の渇きシステムが、食料をとるほどHP回復速度が上がる仕組みへ再設計されました。初めてプレイする人向けのガイドとビルダークエストも用意されており、ゲームの進め方に迷いにくくなっています。あわせて、細かな利便性の改善も加わりました。
- 大型チェストのアイテムを自動で回収できるようになった
- ブロックを強制的に配置できる操作が追加された
- Shiftキーでエンジンの速度を上げられるようになった
- 水の入った容器からそのまま給水できるようになった
- マルチプレイ時のネットワーク応答性が改善された
引き継ぎセーブデータとMODの互換性に注意
正式版への移行にあたり、セーブデータとMODの扱いには注意が必要です。クリエイティブモードで作成した旧ワールドは、そのまま正式版でも使用できます。一方、早期アクセス版で遊んでいたサバイバルモードのワールドは、正式版にそのまま持ち込めません。開発元は、旧バージョンに切り替えることで引き続きプレイできるとしつつ、正式版では新しいワールドを新規に作成することを推奨しています。
MODについては、「Parts」と「Custom Games」カテゴリー以外の一部MODは動作する可能性があるとされていますが、すべてのMODの互換性が保証されているわけではありません。開発元が非対応と案内しているMODを使用すると、クラッシュやセーブデータの破損につながる恐れがあります。
正式版1.0で動作が保証されているのは「Parts」「Custom Games」カテゴリー以外の一部MODのみです。導入前にセーブデータをバックアップしておくと、不具合が起きた際にも復旧しやすくなります。
価格・評価価格・実績・レビューの傾向
日本向けの価格は¥3,850で、2026年8月15日時点でも変わっていません。Steam実績は今回の正式版で初めて実装され、34種類が用意されました。あわせて新しい衣装も追加されています。日本語はインターフェースと字幕が対応していますが、フル音声は対応していません。
| レビュー種別 | 件数 | 高評価率 | 評価ラベル |
|---|---|---|---|
| 直近30日 | 3,259件 | 82% | 非常に好評 |
| 全体 | 108,426件 | 92% | 非常に好評 |
| 日本語レビューのみ | 226件 | 74% | やや好評 |
全体のレビュー評価は「非常に好評」で安定していますが、日本語レビューに絞ると「やや好評」にとどまります。件数自体が226件と母数が小さいため割り引いて見る必要はありますが、フル音声が日本語に対応していない点など、国内プレイヤー特有の評価軸が影響している可能性があります。
直近30日のレビューは、配信直後の1,533件・好評率90%から3,259件・82%へと動きました。件数が倍以上に増えるなかで好評率は8ポイント下がっており、正式版に触れたプレイヤーが増えるにつれて厳しい評価も混ざってきた形です。ラベルは「非常に好評」を維持しています。
出典:Steam公式ストアページ「Scrap Mechanic」(2026年8月15日時点の値。レビュー件数・好評率は変動します)
要求スペック推奨動作環境はRTX 3060/RX 6700 XTクラス
Steam公式ストアページに掲載されている動作環境は、以下のとおりです。
| 項目 | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit以上 | Windows 11 |
| プロセッサー | Intel Core i5-1235U相当 | Intel Core i5-12500 または AMD Ryzen 5 5600 |
| メモリ | 8GB RAM | 16GB RAM |
| グラフィック | Intel Iris Xe Graphics相当 | NVIDIA RTX 3060(12GB)または AMD RX 6700 XT(12GB) |
| DirectX | Version 11 | 最低要件と同様 |
| ストレージ | 30GBの空き容量 | 最低要件と同様 |
推奨動作環境で名指しされているRTX 3060とRX 6700 XTは、いずれも12GBクラスのミドルクラスGPUです。グラフィックが全面刷新された影響で、早期アクセス版よりも要求スペックが上がっている可能性があるため、最低動作環境ぎりぎりの環境で遊んでいた人は、正式版で描画負荷が増えていないか確認しておくと安心です。
プレイヤー数配信直後は数万人規模の同時接続に
正式版1.0の配信にあわせて、同時接続プレイヤー数も大きく伸びました。Steamのプレイヤー数を集計する外部サイトによると、2026年7月の月間ピークは37,538人です。6月のピークが1,634人だったので、20倍以上に跳ね上がった計算になります。月間平均も6月の903人から7月は6,271人へと約6.9倍に増えました。
ただし、過去最高記録である2020年5月の46,366人は更新できませんでした。集計サイトによって過去最高値は46,366人から46,690人前後まで幅があり、いずれにしても正式版のピークはそこに1万人ほど届かなかった形です。
2026年8月15日時点でも直近30日の月間平均は12,990人で、6月までの900人前後と比べれば桁が違う水準を保っています。集計サイトごとに数値の差があるため、あくまで目安として捉えてください。
その後配信から3週間で累計300万本、修正パッチも5本配信
正式版の配信後、Axolot Gamesは2026年7月30日に『Scrap Mechanic』の累計販売本数が300万本を超えたと発表しました。早期アクセスを10年半続けたタイトルとしては大きな節目で、開発元は長い早期アクセス期間に付き合ったコミュニティへの感謝を述べています。
不具合修正も立て続けに配信されました。2026年7月26日の1.0.1から8月3日の1.0.5まで、10日ほどで5本のパッチが出ています。
- 1.0.1(7月26日)ハンドブック閲覧中に気絶するとクラッシュする問題、設計図ボックスが何もアンロックしない問題、一部MODでゲームが落ちる問題などを修正
- 1.0.2(7月27日)チャレンジ用チェストのアイテム欠落、クリエイティブ/カスタムゲームでMODボタンが消えていた問題、クエストの進行不能を修正
- 1.0.3(7月29日)クリエイティブモードに天候・時刻のチャットコマンドを追加。レイドが発生しなくなる問題、地下深部で動けなくなる問題、古いCPUで発生するクラッシュを修正
- 1.0.4(7月31日)1.0で消えていたパーツをクリエイティブモードへ復帰。サバイバル由来のパーツを多数追加し、ピストンやスプリング越しの建築も復活
- 1.0.5(8月3日)ベアリング・サスペンション・ピストンへの溶接が正しく動かなくなっていた不具合を修正
1.0.4で「1.0で消えていたパーツを戻した」と明記されている点からも、正式版の初期には作り込みの抜けがいくつか残っていたことが分かります。今から始めるなら、これらの修正が入った状態で触れることになります。
なお、Steam Deckの互換性判定は2026年8月15日時点で「動作可能(Playable)」です。「動作確認済み(Verified)」ではないため、携帯機で遊ぶ場合は操作系や文字サイズの調整が必要になる可能性があります。
判断今から始める価値はあるか
- メインストーリーが初めて実装され、目的を持って遊びやすくなった
- 実績34種類が新たに用意され、やり込み要素が増えた
- 早期アクセス購入者は追加料金なしで正式版アップデートを利用できる
- インターフェースと字幕は日本語に対応している
- 早期アクセス版のサバイバルセーブは正式版にそのまま持ち込めない
- 「Parts」「Custom Games」カテゴリーのMODは動作が保証されていない
- フル音声は日本語に対応していない
- 推奨動作環境はRTX 3060/RX 6700 XTクラスとやや高め
FAQよくある質問
『Scrap Mechanic』の正式版1.0「Drilling Thunder」は、10年半の早期アクセスを経て、初めての完全なメインストーリーと新エリア「Excavation Island」、地形とグラフィックの全面刷新を実装した大型アップデートです。早期アクセス購入者は追加料金なしで移行でき、クリエイティブモードの旧ワールドもそのまま引き継げます。一方でサバイバルモードの旧セーブは直接使えず、MODも一部しか動作保証がない点には注意が必要です。日本語はインターフェースと字幕のみの対応ですが、動作環境の要求は控えめで、10年間磨き込まれたゲーム内容とあわせて、今から始めても遊びごたえのある作品に仕上がっています。


