Proton Experimental 8月更新|Far Cry 5のHDR不具合とNightingale認証失敗を修正【2026年8月】
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Far Cry 5のHDR不具合とNightingale認証失敗を修正
出典:ValveSoftware/Proton Wiki「Changelog」、GamingOnLinux「Proton Experimental gets fixes for Far Cry 5, Nightingale, Lords of The Fallen, various Command & Conquer games」(2026年8月8日)にもとづきます。本記事の情報は2026年8月10日時点のものです。
Valveが2026年8月7日、Windows向けゲームをLinuxやSteamOSで動作させる互換レイヤー「Proton Experimental」を更新しました。
今回の更新では、『Far Cry 5』のHDRが正常に動作しない問題やAMD GPU環境で古いドライバー警告が表示される問題、『Nightingale』でSteam認証に失敗する問題などが修正されています。さらにProton 11へ移行したことで発生していた回帰問題への修正も入り、『Lords of the Fallen』が再びプレイ可能になったほか、『Forza Horizon 4』ではKDE Wayland環境における初回起動時のメモリリークが改善されています。
Steam DeckやSteamOS搭載PC、LinuxゲーミングPCで対象ゲームに問題が発生している場合は、安定版ProtonからProton Experimentalへ切り替えることで改善する可能性があります。ただしExperimentalは名前の通りテスト用途のバージョンのため、今回修正された症状が発生しているゲームを中心に試すのがおすすめです。
目次
概要Proton Experimentalとは?
Protonは、Windows向けに開発されたゲームをSteamからLinux上で実行するためにValveが提供している互換ツールです。Wineをベースに、DXVKやvkd3d-protonなどゲーム向けの技術を組み合わせています。Valve自身もProtonを「Windows専用ゲームをLinux上で動作させるためのSteam用互換ツール」と説明しています。
Protonには番号が付いた通常版だけでなく、Proton ExperimentalやProton Hotfixなど複数の種類があります。Proton Stableは十分なQAテストやリリース候補版での検証を経て公開される通常版である一方、Proton Experimentalは実験的な機能を一般ユーザーへ公開してテストするためのバージョンとして位置付けられています。
2026年8月7日時点のProton ExperimentalにはProton 11.0-1の変更内容が取り込まれており、そのうえで個別ゲーム向けの追加修正やProton 11で発生した回帰問題への対処が加えられています。つまり、Steam Deckでゲームが正常に動いているなら必ず切り替える必要はありません。反対に、特定タイトルが起動しない、HDRがおかしい、認証で止まる、Protonを新しくしてから問題が発生したといった場合には、有力な切り分け手段になります。
注目Far Cry 5のHDR不具合を修正
今回のProton Experimentalで特に注目したいのが『Far Cry 5』です。ValveのChangelogでは、「Far Cry 5でHDRが正常に動作しない問題」と「AMD GPU使用時に古いドライバーの警告が表示される問題」の2点が修正されています。
Far Cry 5についてはProton 10.0-4でも、Steam Deck OLEDにおけるHDR修正が行われていました。現在のExperimentalでは改めてHDRが正常に動作しない問題への修正が入っており、HDR環境で問題が残っていたユーザーにとって試す価値の高い更新です。特にSteam Deck OLEDではHDR対応ディスプレイを本体に搭載しているため、Far Cry 5をHDRでプレイしたい場合には今回の修正が直接関係する可能性があります。
ただし、HDR関連の問題はProtonだけで決まるとは限りません。外部ディスプレイを使用している場合はディスプレイ自体のHDR対応状況や接続方法、SteamOS側のHDR設定なども関係するため、Proton Experimentalへ変更しても改善しない場合は別の要因も切り分ける必要があります。
誤検知AMD GPUの「古いドライバー」警告も修正
Far Cry 5ではHDRだけでなく、AMD GPUを使用している環境で古いGPUドライバーを使用しているという警告が誤って表示される問題も修正されています。LinuxではWindowsとはGPUドライバーの構成が異なりますが、Windows向けゲームやランチャーがWindows環境を前提としてGPUやドライバー情報を判定することで、実際の状態とは一致しない警告が表示される場合があります。
今回の更新は、こうした「ゲーム自体は動くのにドライバー警告が出る」という互換性上の問題への修正です。同じシリーズの『Far Cry New Dawn』でも同様のAMD GPU向けドライバー警告が修正対象に含まれており、Far Cryシリーズに共通する互換性上の課題だったことがうかがえます。AMD GPU搭載PCやSteam DeckでFar Cry 5を起動するたびにドライバー関連の警告が表示されていた場合は、Proton Experimentalで挙動を比較してみる価値があります。
ログインNightingaleのSteam認証失敗を修正
Inflexion Gamesが開発するサバイバルクラフトゲーム『Nightingale』では、Steam認証に失敗する問題が修正されました。このタイプの問題は、ゲームの描画性能とは別です。GPU性能が十分でも、Steamとゲーム側の認証処理がProton上で正常に行われなければ、ログインやゲーム開始まで進めない可能性があります。
そのためNightingaleでSteam認証エラーが発生してゲームへ入れない場合、画質設定を下げたりGPUドライバーを変更したりする前に、使用しているProtonバージョンを確認した方がよいでしょう。今回ValveがSteam authentication failureを明確に修正項目として挙げているため、同じ症状が発生しているならProton Experimentalは優先的に試したいバージョンです。
起動時Forza Horizon 4のメモリリークを改善
『Forza Horizon 4』では、KDE Wayland環境で初回起動した際にメモリリークが発生するProton 11の回帰問題が修正されています。Valveは現在のChangelogで「KDE Wayland上での初回起動時にメモリリークが発生しなくなる」としています。
ここで重要なのは、すべてのForza Horizon 4ユーザーにメモリリークが発生していたという意味ではない点です。対象として明記されているのはKDE Wayland環境の初回起動時です。Linuxデスクトップ環境でForza Horizon 4を使用し、Proton 11へ切り替えてからメモリ使用量が異常に増える、起動後にPC全体が重くなるといった症状が出ていた場合には今回の修正が関係する可能性があります。
SteamOSのデスクトップモードも、SteamOS 3.8でWaylandが既定になっています。今回のようなKDE/Wayland周辺のProton互換性改善は、Steam Deckだけでなくデスクトップモードを使うSteamOS搭載PC全般に関係する内容です。
復帰Lords of the Fallenが再びプレイ可能に
今回の更新では『Lords of the Fallen』についてもProton 11の回帰問題が修正され、ValveのChangelog上で「playable again」とされています。「以前のProtonでは遊べたのに、新しいProtonへ変更したら起動しなくなった」というケースは、必ずしもゲーム側のアップデートやPCスペック不足が原因とは限りません。互換レイヤー側の変更によって、以前動作していたゲームに新しい不具合が発生することがあります。これが回帰、いわゆるregressionです。
今回のLords of the FallenはまさにProton 11の回帰修正として掲載されています。Proton 11系へ変更してからLords of the Fallenが動かなくなった環境では、古いProtonへ戻すだけでなく、最新のProton Experimentalを試す選択肢が増えたことになります。
MOD検出Command & ConquerのSteam Workshopも修正
Command & Conquerシリーズでは、Steam Workshopから導入したカスタムレベルを正常に検出できないProton 11の問題が修正されています。Valveが対象として挙げているのは、『Command & Conquer: Generals』『Command & Conquer: Renegade』『Command & Conquer Generals Zero Hour』『Command & Conquer Red Alert 3』『Command & Conquer 3: Kane’s Wrath』『Command & Conquer 3: Tiberium Wars』などです。
ゲーム本体が起動するかどうかだけでなく、Steam Workshopのコンテンツまで正常に利用できるかはProtonの互換性を判断するうえで重要です。Command & Conquer本体は起動するものの、Workshopから導入したカスタムマップが表示されないという場合には、今回のProton Experimentalへ切り替えて改善するか確認するとよいでしょう。
描画SYDE Rugby League Simulatorの表示崩れも修正
『SYDE Rugby League Simulator』では、映像が乱れたりちらついたりするレンダリング問題が修正されています。Team Freebee Gamesが開発した本作は、ランダム生成したチームでラグビーリーグのシーズンをシミュレーションする無料タイトルで、試合はプレイごとに自動進行し観戦・実況を楽しむ形式のゲームです。
Protonの問題は「起動する/起動しない」だけではありません。DirectXからVulkanへの変換やWineを含む複数の互換技術を経由するため、ゲームによっては起動できても映像表示、音声、入力、ランチャー、オンライン認証など特定部分だけに問題が起こることがあります。今回の更新も、HDR、Steam認証、メモリリーク、Workshop、レンダリングと修正内容が幅広く、Proton Experimentalが個別ゲームの互換性を先行して改善する役割を持っていることが分かります。
新規対応新たにプレイ可能になったゲームも10本
今回の更新では、個別の不具合修正だけでなく、これまでLinuxやSteamOS上で動作しなかったタイトルが新たにプレイ可能になったことも報告されています。ValveのChangelogに掲載されているのは、Plain Sight、Konkan Coast Pirate Solutions、Otherworld Legends(战魂铭人)、Warhammer: Dark Omen(Classic)、Portal Worlds、Heroes of the Three Kingdoms 7、Welcome to Elderfield Demo、The Rabbit’s Scroll、Blair Witch VR、Elisa: The Innkeeper – Prequelの10本です。
これまで起動自体ができなかったタイトルを遊びたい場合も、Proton Experimentalへの切り替えが選択肢になります。ただし、いずれもテスト版であるExperimentalでの動作確認であり、正式な安定版での動作を保証するものではない点には注意してください。
手順Proton Experimentalへの切り替え方
Steam DeckやLinux版Steamでは、ゲームごとに使用する互換ツールを変更できます。Steamライブラリから対象ゲームのプロパティを開き、「互換性」の設定から特定のSteam Play互換ツールを使用する設定を有効にし、Proton Experimentalを選択します。変更後にゲームを起動し、問題が発生していた場面を同じ条件で確認してください。
Far Cry 5ならHDR表示やAMD GPUの警告、NightingaleならSteam認証、Forza Horizon 4なら初回起動時のメモリ使用量というように、今回のChangelogで修正対象になっている症状を確認すると効果を判断しやすくなります。プロパティ画面の開き方やベータ欄の操作、切り替えがうまく反映されないときの確認方法など、より詳しい手順は「Proton 11.0-2 RCをSteam Deckで試す方法」でも解説しています。
位置づけ全ゲームをProton Experimentalにする必要はない
今回の更新内容が多いからといって、現在使用しているすべてのゲームをProton Experimentalへ変更する必要はありません。Valve自身もProton Experimentalを実験的機能の公開テスト用バージョンとして位置付けています。一方、番号付きのProton StableはQAテストやリリース候補版での検証を経た通常利用向けのバージョンです。
そのため、現在問題なく動作しているゲームはSteamが選択しているProtonや安定版をそのまま利用して構いません。Proton Experimentalは、「新しいほど速いバージョン」というより、「最新のゲーム別修正を先に試せるバージョン」と考えた方が分かりやすいでしょう。平均FPSを上げることだけを目的として変更するものでもありません。
復旧Experimentalで逆に不具合が出たら戻してよい
Proton Experimentalへ変更したあとに、これまで正常だったゲームが起動しなくなったり、表示や入力に別の問題が発生したりした場合は、以前使用していたProtonへ戻して比較してください。Protonはゲームごとにバージョンを選択できるため、すべてのタイトルで同じバージョンへ統一する必要はありません。
ValveもStable、Experimental、Hotfixを目的別に分けており、Experimentalは新しい変更を公開テストする位置付けです。さらにExperimentalのベータブランチに存在する「Proton Bleeding Edge」は自動生成される未テスト版で、Valveはゲームのprefixやセーブデータへ影響する可能性についても注意を促しています。通常ユーザーが今回のゲーム修正を試したいだけなら、Bleeding Edgeまで切り替える必要はなく、まず通常のProton Experimentalを使用するのが適切です。
HDR環境Steam Deck OLEDでFar Cry 5を遊ぶなら注目度が高い
今回の更新で特に恩恵を確認しやすいのは、Far Cry 5をHDR環境でプレイしているユーザーです。Proton 10.0-4でもSteam Deck OLED向けのFar Cry 5 HDR修正が行われており、8月7日のExperimentalではさらにFar Cry 5のHDRが正常に動作しない問題への修正が追加されています。そのためSteam Deck OLEDでFar Cry 5のHDR表示に問題がある場合は、Proton Experimentalへの切り替えを試す価値があります。
ただし、「今回の更新でFar Cry 5のFPSそのものが向上した」とValveが発表しているわけではありません。公式Changelogで明記されているのはHDRとAMD GPU向けドライバー警告の修正です。性能向上アップデートとしてではなく、表示・互換性問題の修正として捉えるのが正確です。
対象外WindowsユーザーはProtonへ変更する必要はない
ProtonはWindows専用ゲームをLinux上で動かすための互換ツールなので、通常のWindows 11ゲーミングPCでSteamゲームを遊んでいるユーザーは今回のProton Experimentalへ変更する必要はありません。主な対象はSteam Deck、SteamOS搭載PC、UbuntuやArch LinuxなどLinux環境からWindowsゲームをプレイしているユーザーです。Windows版Far Cry 5でHDRがおかしい場合にProton Experimentalを導入して解決するものではないため注意してください。
- Far Cry 5でHDR表示やAMD GPUのドライバー警告に困っている人
- NightingaleでSteam認証を通過できない人
- Lords of the FallenやForza Horizon 4がProton 11で動かなくなった人
- 現在すべてのゲームが正常に動作している人
- Windows 11でSteamゲームを遊んでいる人(Proton非対象)
- セーブデータのバックアップを取っていない人
総括まとめ|症状が一致するゲームから試すのが近道
2026年8月7日のProton Experimental更新では、『Far Cry 5』のHDR不具合とAMD GPU環境での古いドライバー警告、『Nightingale』のSteam認証失敗、『SYDE Rugby League Simulator』の表示乱れなどが修正されました。さらにProton 11で発生した回帰問題として、『Lords of the Fallen』が再びプレイ可能になり、『Forza Horizon 4』ではKDE Wayland環境の初回起動時に発生するメモリリーク、Command & ConquerシリーズではSteam Workshopのカスタムレベルを検出できない問題が改善されています。
今回の更新はSteam DeckやSteamOS/LinuxゲーミングPCを使用しており、対象ゲームで実際に問題が起きているユーザーにとって試す価値の高い内容です。一方、Proton ExperimentalはValveが実験的機能の公開テスト用として提供しているバージョンです。正常に動いているゲームまで無条件で変更する必要はありません。「常に選ぶ最新版」ではなく「最新の互換性修正が必要なゲームで試すバージョン」と考えるのがおすすめです。
Valveは2026年8月7日、Proton Experimentalを更新。Far Cry 5のHDR不具合とAMD GPU向けドライバー警告、Nightingaleの認証失敗、SYDE Rugby League Simulatorの表示崩れを修正。Proton 11の回帰問題としてLords of the Fallenが再プレイ可能になり、Forza Horizon 4のKDE Waylandメモリリーク、Command & ConquerシリーズのWorkshop検出も改善。新たに10本が新規プレイ可能に。正常に動いているゲームは変更不要で、症状が一致するゲームのみ切り替えるのが適切。



