NVIDIA/AMD環境のXeSSでメモリリーク・Streamlineクラッシュ発生|XeSS SDK 3.0.2で原因を修正
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Intelが原因を特定し、XeSS SDK 3.0.2でXeLLを修正
NVIDIA GeForceやAMD Radeonを使っていて、XeSSのフレーム生成に対応したゲームを長時間プレイしていると裏で少しずつメモリ使用量が増えていく、画面遷移や解像度変更のあとだけ動作が不安定になる、NVIDIA Streamlineに対応したゲームで理由もなく強制終了する——こうした経験に心当たりはないでしょうか。
Intelは2026年7月24日、XeSS(Xe Super Sampling、Intelが開発するアップスケーリング・フレーム生成技術)の土台となる開発者向けSDK「XeSS SDK 3.0.2」を公開しました。低遅延機能「XeLL(Xe Low Latency)」をバージョン1.3.2.10へ更新し、非Intel製GPUで起きていたメモリリークと、NVIDIAのアップスケーラー・低遅延機能をゲームへ統合するための共通フレームワーク「Streamline」との互換性に関するクラッシュを修正しています。
気になるのは、自分の環境がこの修正の対象になるのか、ユーザー側で何か作業が必要なのか、そしてfpsや画質がこのアップデートで変わるのかという点でしょう。順番に確認していきます。
目次
概要XeSS SDK 3.0.2で公開された内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SDK名 | XeSS SDK 3.0.2 |
| 公開日 | 2026年7月24日 |
| XeLLバージョン | 1.3.2.10へ更新 |
| 修正件数 | 3件(メモリリーク・Streamline互換性・単位バグ) |
| 新機能の追加 | なし(不具合修正のみ) |
| 公開元 | Intel公式GitHub(intel/xess) |
XeSS SDK 3.0.2は、Intel公式GitHubのリリースページで公開されています。SDKはゲーム開発者がタイトルへ組み込むためのもので、一般ユーザーが直接ダウンロードして使う製品ではありません。
症状メモリリーク・クラッシュとして起きていたこと
今回の修正が対象にしているのは、XeSSを構成する低遅延機能「XeLL(Xe Low Latency)」です。XeLLは、ゲーム側の入力が画面に反映されるまでの遅延を抑える機能で、NVIDIA GeForceやAMD Radeonなど非Intel製GPUでも、XeSSのフレーム生成(XeSS-FG。1枚の描画結果からAIで中間フレームを補い、表示回数を増やす技術)と組み合わせて利用できます。
非Intel GPUで起きていたメモリリーク
1つ目は、XeLL使用中のメモリリークです。ゲームは通常、1フレームごとに画面へ描画結果を表示する処理を行いながら、XeLLへタイミング情報を送り続けます。今回修正されたのは、この画面表示の処理だけが止まった状態(場面転換の読み込み中やウィンドウの最小化中など)でも、XeLLへのタイミング情報の送信自体は続いていると、非Intel製GPUの環境でメモリ使用量が少しずつ積み上がっていく不具合です。プレイ時間が長くなるほど影響が大きくなるタイプの不具合で、放置するとメモリ不足によるカクつきや、最終的なアプリケーションの強制終了につながる可能性がありました。
Streamlineを経由したクラッシュ
2つ目は、NVIDIAのStreamline(DLSSやReflexなど複数のグラフィックス技術をゲームへまとめて統合するための共通フレームワーク)を経由してXeLLを呼び出すゲームでのクラッシュです。StreamlineがXeLLへ渡す中継用のオブジェクト(プロキシ)を、XeLL側がうまく扱えないケースがあり、プレイの途中で突然クラッシュにつながる場合がありました。XeSS SDK 3.0.2では、XeLLがこの中継用オブジェクトを自動的に見分けて安全に処理するよう修正されており、Streamline対応ゲームでの互換性が向上しています。
なお、SDKにはこのほか、開発者がXeLLの推奨待機時間を取得するための関数が、本来の単位(マイクロ秒)ではなく別の単位(ナノ秒)で値を返していたという技術的な修正も含まれています。こちらはゲーム側の実装に関わる内容で、プレイヤー側の体感に直接影響するものではありません。
適用範囲対象になるのはどんな環境か
今回の修正が関係してくるのは、次の条件をすべて満たす環境です。
- NVIDIA GeForceまたはAMD Radeonを使用している
- プレイしているゲームがXeSSのフレーム生成(XeSS-FG)に対応している
- そのゲームに低遅延機能のXeLLが統合されている
- NVIDIA Streamlineに対応したゲームをプレイしている(該当する場合はクラッシュ修正の恩恵も受けられる)
- XeSSのアップスケーリング(XeSS-SR)のみに対応したゲームを使っている
- Intel Arcシリーズを使用している(メモリリークは非Intel GPU限定の不具合)
- XeSS Frame Generation対応ゲームをまだプレイしていない
※Intel公式の説明によると、非Intel GPUでXeLLを利用するにはXeSS-FGを同時に有効化する必要があり、XeLL単体では非Intel GPU上で動作しません。XeSSのアップスケーリング(XeSS-SR)については、Shader Model 6.4以上に対応したGPU向けの汎用実装が用意されており、DP4Aのハードウェアアクセラレーションがあると快適に動作するとされています。
必要な対応SDKは自分でインストールしなくていい
XeSS SDK 3.0.2は、ゲームエンジンやタイトルへ組み込むための開発キットです。手元のPCへ個別にインストールしたり、Intel Arcのグラフィックドライバーを更新したりしても、この修正内容が反映されるわけではありません。
修正が実際に反映されるのは、各ゲームの開発元がXeSS SDK 3.0.2を取り込んだうえで、タイトル自体のアップデートを配信したタイミングです。公開から3週間が過ぎた2026年8月15日時点でも3.0.2が最新版のままで、それ以降のSDK更新は出ていません。つまり、この記事で扱っている修正内容が現行の最新状態にあたります。現時点でユーザー側にできることは、次の2点です。
- プレイしているゲームを最新バージョンに保っておく
- Streamline経由でのクラッシュやメモリ使用量の増加に心当たりがある場合、開発元の公式アナウンスやパッチノートで対応状況を確認する
画質・fpsこのアップデートでfpsや画質は変わらない
XeSS SDK 3.0.2は、新機能の追加や画質・パフォーマンスの向上を目的にしたアップデートではありません。修正対象はメモリの使用状況とアプリケーションの安定性であり、フレームレートやアップスケーリングの画質そのものに変化はありません。これまでメモリリークやクラッシュの影響で本来の動作ができていなかった環境では、ゲーム側が対応した後、結果的に安定することで体感が改善する可能性はあります。
技術構成XeSS 3を支える3つの技術
XeSSは「XeSS 3」として、次の3つの技術で構成されています。
低い解像度で描画した映像をAIで高解像度へ再構成する、XeSSの基本機能です。Intel Arc向けの最適化実装のほか、幅広いGPUで動く汎用実装があり、NVIDIA GeForceやAMD Radeonでも利用できます。
AIで中間フレームを補い、表示上のフレームレートを底上げする機能です。XeSS 3で追加された、1枚の描画から最大3枚のAIフレームを生成する複数フレーム生成は、Intel製GPU限定です。NVIDIA・AMD環境でも、1枚分のフレーム生成自体は利用できます。
入力から画面表示までの遅延を抑える機能で、今回の修正対象です。XeSS-FGとセットで動く仕組みになっており、NVIDIA・AMD環境ではXeSS-FGを有効にしたときだけXeLLも有効になります。
更新履歴直近のXeSS SDKバージョンの流れ
XeSS SDKは、2026年に入ってから短い間隔でアップデートが続いています。
| バージョン | 公開日 | 内容 |
|---|---|---|
| 3.0.0 | 2026年3月9日 | Intel Arc向けに3x・4xの複数フレーム生成を追加 |
| 3.0.1 | 2026年4月17日 | XeSS-FGの安定性改善(特定リソースでのクラッシュ・フレームレート制限の誤動作を修正) |
| 3.0.2 | 2026年7月24日 | 非Intel GPUのメモリリーク・Streamline互換性・単位バグを修正 |
3.0.0で複数フレーム生成が追加されて以降、3.0.1・3.0.2と続けて安定性の改善が入っている状態です。フレーム生成や低遅延機能を使うタイトルほど、この間の修正内容の影響を受けやすいといえます。
FAQよくある質問
総括まとめ|非Intel GPUの安定性を高めるXeLLの修正
XeSS SDK 3.0.2は、NVIDIA GeForceやAMD RadeonでXeSSのフレーム生成を使うゲームに起きていた、長時間プレイ時のメモリリークと、NVIDIA Streamlineとの互換性に関するクラッシュを修正するアップデートです。新機能の追加やfps・画質の向上を狙ったものではなく、あくまで安定性に関する修正に絞られています。
今回の修正が関係してくるのは、NVIDIA GeForceまたはAMD Radeonを使い、XeSSのフレーム生成(XeSS-FG)と低遅延機能(XeLL)に対応したゲームをプレイしている場合です。SDK自体はゲーム開発者向けの部品のため、ユーザー側でインストール作業をする必要はなく、各ゲームの開発元が今後のアップデートで対応するのを待つ形になります。
Intel Arcを使用している場合や、XeSSのアップスケーリング(XeSS-SR)のみに対応したゲームをプレイしている場合は、今回のメモリリーク修正の対象外です。フレーム生成や低遅延機能を活用したいゲームを複数プレイしている人ほど、今後のアップデート状況を確認しておく価値があります。



